もりちゃんパラダイスin愛・地球博★

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第十五話★黒電話と遺影と仏壇★



その年は初盆だというのに 帰省のチケットがとれず、「まぁ、死んだおふくろもわかってくれるだろう。」などと軽く思いつつ、結局お盆は友人の山田さん宅でクラブの先輩やら後輩やら数人で飲み明かしておりました。

ぬるいビールを何杯もあおりながら、怖い話したりファミコンしたり、だらだらと夜は更けていきました。

...一人眠り、二人眠り、ついに起きているのはファミコンしてる私一人となりました。

朝の4時をまわるぐらいにようやくウトウトしてきましたので、そのままゴロンと横になりました。


……

ふと気がつくと私は実家の、とある部屋ににいました。

その部屋は母が生前、生業としていた着付けに使っていた8畳ぐらいの「着付けの部屋」と呼んでいた部屋でした。

そこで私は電話をしているのです。電話機は、昔、実家で実際に使っていた黒いダイヤル式のものでした。

電話の相手は先ごろ他界した母でした...。
母「おめ、なにしてらのよ(あなた、なにしてんの)。」

私「いやぁ、帰るチケットとれなくてお盆明けにかえろかなって思って...。」

母「...。どんでもいいして(どうでもいいから)、早ぐ帰ってきなさい。」

私「はい...。」

……


目が覚めるともうお昼近くでした。

みんなで朝ご飯とも昼ご飯ともつかない食事をし、疲れた顔でそれぞれの下宿へと帰りました。


お盆が明けて、私はやっと実家へ戻りました。

父が出迎えてくれ、「まずはお母さんに挨拶してこい。仏壇もすごいやつ買ったぞ。」と申しますので、私は、玄関に荷物を置いたまま、仏壇があるであろう部屋へ向かいました。

...そう、夢のなかで母と電話をしていた「着付けの部屋」へ...。


そこに仏壇は有りました。
この時点で 気がついたのですが、私は仏壇を購入した話を初めて聞かされたのです。しかも仏壇がどの部屋にあるかは聞いていないのです。なのに、私は真直ぐに「着付けの部屋」へ向かっていたのです。
もっと驚いたのは、西側の壁、 夢の中で黒電話が置いてあった位置の上にはなんと、母の遺影が飾られていたのです!

私は真っ先に、お盆に帰省できなかったことを謝りました。

やっぱり、お盆って死んだ人が本当に帰ってくるんでしょう。そのときに会えないというのをかなり怒っていたんでしょうね。こんなに驚かされるんなら、新幹線と特急はつかりで10時間半、自由席立ちっぱなしでも帰えっときゃよかったと、今でもお盆が近くなると後悔しています。

皆さんもお盆は帰ってあげてくださいね。ちなみに私は今年もお盆明けに帰ります。だってお盆明けには地元の夏祭があるんやもん。まぁ、おふくろもわかってくれるかな...?

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