間違い 0
全121件 (121件中 1-50件目)
蒲郡には株式会社Nと言う大手の眼科医療機器メーカーがあります。もともと蒲郡には伊藤光学と言うレンズメーカーがあって、そこから出た7人の侍が立ち上げた会社で、創業者のO社長は日の出の勢いで事業規模を拡大し、蒲郡ではT油脂とならんで大きな会社となり、商工会議所の会頭にもなりました。私が蒲郡で始めた蒲郡オレンジトライアスロンにJTUの後押しもあり、ワールドカップが誘致されるようになり、一躍蒲郡が日本のトライアスロンの西の拠点となるや、O社長はトライアスロンの支援も始めました。女子の一流選手とそのコーチを実業団選手として雇い、その選手が世界で活躍することが世界90か国に輸出している株式会社Nの宣伝になると考えたようです。結果所属のH選手はオリンピックでトライアスロンが採用された2000年にシドニーオリンピックに出ることとなり、私もO社長とともにシドニーまで応援に出かけました。結果は残念ながらバイクで転倒棄権となりましたが、日本のトライアスロンの歴史の1ページを彩りました。さて、今日の話はSMA症候群の話でした。株式会社Nの所属選手、コーチはスポーツドクターもしていた私のところへ時々メディカルチェックに来ていましたが、ある時所属のB選手が私のところにやって来ました。日本の女子のトップ選手ではありましたが、H選手ほど結果が出せずに伸び悩んでいました。「先生、時々お腹がシクシク痛くなるんです。」原因が解らず悩んでいました。丁度その頃私はSMA症候群について研究を始めたところでしたので、ひょっとしてと思い、胃透視をして見とところ、果たしてSMA症候群の所見がありました。考えて見るとトライアスリートは普通の人と比べると体脂肪率が低く、SMA症候群を起こしやすいのかも知れません。彼女にこれはこう言う病気で誰でもが持つ解剖学的異常に相対的痩せなどがきっかけで起こるんだと説明しました。彼女の場合は軽くて体位の工夫だけで軽減しましたので、手術をする必要はありませんでしたが、腹痛が練習をさぼる言い訳のように思われて悩んでいたのが原因が解ってすっきりしたようでした。バリバリのトライアスリートにも起こりうる病気です。
2020年10月13日
コメント(0)
私が蒲郡市民病院に新進気鋭の第二外科部長として赴任したのは35年前、1987年のことでした。専門は乳腺・内分泌外科でしたが、300床あまりの地域中核病院では専門の外科だけをしている訳にもいかず、時々来る外科の研修医を指導しながらヘルニア、ヘモ、アッペンを始め消化器外科のほぼ全ての領域をカバーしなければなりませんでした。消化器内科も常勤はいましたが、手薄で胃透視や胃カメラも自分でして、放射線科も最初は常勤がいませんでしたので、CTの読影も自分でして、病理も非常勤しかいませんでしたから、術中迅速病理診断も自分で診ていました。病院から頼まれる、臨床研修委員長や広報委員長も引き受ける傍ら、年に10回くらいは各種学会で発表していました。さらに1996年からは蒲郡警察署の警察医を引き受け、皆が嫌がる検死・検案も始めました。来るものは拒まず、去る者は追わずと言う方針でしたから、私の外来には他の科で診てもらっても診断がつかない患者がよく集まって来ました。ある時、外来の看護婦さんが20歳くらいの若い医療事務の女の子を連れて来て「先生、この子を診てあげて。」と言います。旧病院では医療事務も市の正職員でしたが、新病院に移転してからは日本医療と言う会社が委託されて入りました。高校を出て日本医療に入ったその女の子は時々腹痛を訴えては仕事を休むことがよくあり、消化器内科で診てもらっても何も異常が見つからないとのことでした。腹痛も腹膜刺激症状を伴うような強い痛みではなく我慢できないことはありません。同僚からはただの怠け癖と白い眼で見られていました。原因のない症状はないはずと思い、食も細く、痩せぎすの子でしたから、ひょっとしてSMA症候群と疑いました。最初の症例でしたので、まだはっきりと診断基準を作ってはいませんでしたが、UGIとCTを撮ってほぼ間違いないと確信しました。3か月ほど保存的に様子を見ましたが、体重も増えず改善の徴候がなかったので、informed consent をした上でバイパス手術を初めてしました。術後経過は良好で約1週間の入院で無事退院、その後は症状もすっかり取れました。数年後に寿退社となり、知多で行われた披露宴に呼ばれた時には外科医として至福の一時を過ごすことが出来ました。
2020年09月29日
コメント(4)
SMA症候群の治療はまず保存的(内科的)治療です。SMA症候群はまず標準体重より10%以上痩せている人にしか起こらず、肥満者はまずいません。肥満者は内臓脂肪も多く、腸間膜にも脂肪がたくさんついています。SMAの周囲の腸間膜にも脂肪があって、それがクッション(緩衝材)となり、締め付けが弱まるためだと考えられます。従ってまず体重を増やすことが治療となります。目標は標準体重です。標準体重を身長から割り出す計算式があり、ネットで標準体重と検索すれば出て来ます。毎日でなくてもよいですが、1週間に1回は身長・体重測定をしましょう。ここで問題となるのは十二指腸の通りが悪いので、たくさん食べれば症状が強くなることです。そこで、通常の食事がとれない場合は濃厚流動食のような通過が比較的よい栄養補助食品を使うことです。薬局で市販されているものもありますし、病院で処方してもらうことも出来ます。標準体重まで戻しても症状がとれないようであれば、外科的治療を考えます。Treiz靭帯(十二指腸から空腸へ移行する部分を固定している靭帯)授動術とバイパス術(十二指腸・空腸吻合術)がありますが、確実な効果を得るにはバイパス術がよいでしょう。私は現役の時に40例ほどSMA症候群を診断し、20例のバイパス術を行いました。これは日本で(多分世界でも)一番多い治療実績だと思います。全身麻酔下に約6cmくらいの正中切開で行い、約1時間くらいの手術で1週間以内に退院出来ます。最近では腹腔鏡下に手術も行われるようになっていますので、3日くらいで退院出来るのではないでしょうか。バイパス術術後創 posted by (C)ドクターT次に続く。
2020年09月21日
コメント(0)
検査料はUGIや腹部エコーよりも高くなりますが、CTが患者さんにとって最も負担の少ない検査だと思います。造影CTの方が血管が判りやすくはなりますが、単純CTでも慣れれば判るので単純で十分です。SMAは膵臓の裏で腹部大動脈から分枝し、腸間膜の中を下方へ伸びています。その付近には膵臓、胃、十二指腸、横行結腸があり、その3次元の位置関係を頭に置いて、断面を上から下へ動かして行きます。するとSMAが大動脈から分枝して少し下方に来たところで十二指腸の水平脚がSMAと大動脈の間を横切る場所があります。その位置で大動脈とSMAの距離を測ります。その間隔が8mmに満たない場合に私はSMA症候群の確定診断を下すようにしています。SMAが分枝していったん間隔が拡がった後にまた狭くなる場合もあるので、十二指腸が横切る位置で判定するようにしています。最近では放射線科の専門医がいる病院も多く、読影レポートを書いてくれるので、SMA症候群の疑いとコメントをつけておけばまず見逃されることはないでしょう。単純CT posted by (C)ドクターT次に続く。
2020年09月20日
コメント(0)
腹部エコー検査は放射線を浴びなくて済むことから侵襲の少ない検査であると考えられています。一般的には体の表面に近いところの病変の検査によく利用され乳がん検診などや甲状腺の検査などに使われているのは御存知の通りですが、体の奥の方にある病変の描出にはその手前にある空気や骨などが邪魔になり難しいことがあります。例えば肺の奥にある病変はその手前の空気の層が邪魔となり描出出来ません。腹部でも手前に胃や腸のガスがあるところでは難しく、主に手前にガスのない、肝臓、腎臓、脾臓と言った充実性臓器やガスの影響を受けない胆のうの病変の検査に用いられます。それとエコー検査は実際にリアルタイムに見ている術者が最も多くの情報を見ることが出来、それを写真に撮った記録はごく一部であり、うまく病変が映っているかどうかは術者の腕次第という面があります。SMA症候群の腹部エコー検査とは大動脈から分枝するSMAの分枝角度が狭いことを描出することにありますが、大動脈の後ろには通常背骨があり、前から検査プローブを当てるよりないのですが、前にも胃、横行結腸、膵臓と言った邪魔者が存在します。膵臓は実質臓器なのでガスはありませんが、胃、横行結腸には通常ガスがあります。そのガスをなくすには胃の中は水で満たし、横行結腸は圧迫によりどけてやる必要があります。それは患者さんにはかなりの負担になりますし、圧迫で描出出来たとしてもその時の分枝角度が狭いのは圧迫の影響かも知れません。従って、私はこの検査はSMA症候群の確定診断には利用していません。内視鏡の先端にエコーのプローブをつけた内視鏡エコーならばうまく描出出来るかも知れません。次に続く。
2020年09月19日
コメント(0)
SMA問診票で10点以上となると次のステップの検査へ進みます。この疾患は血液検査ではまず異常はありませんので、SMA症候群の確定診断をつけるのは画像診断です。画像診断には上部消化管透視(UGI),腹部エコー検査、腹部CT(単純・造影)があります。いずれの検査でも確定診断は可能ですが、SMA症候群の病態に沿って、病変をあぶり出すテクニックが必要となります。まず最初にUGIについて述べます。通常のUGIですと、前処置として前日の夜9時以降の絶飲食を指示するのですが、SMA症候群が疑われる場合は胃からの排泄が悪い訳ですから胃の中を空虚にするには24時間以上の絶飲食が必要となります。またUGIの前に蠕動を止めるためにブスコパンを注射してはいけません。最初に十二指腸に入ったバリウムの流れを見ます。そのために必要なバリウムはほんの一口か二口で十分です。もちろん胃に病変がないかどうか見るためにそれだけの量のバリウムを飲ませたあとに発泡錠は飲んでもらいます。それで十分体位変換をしてもらいまず胃の二重造影をします。その時点で十二指腸にも少量のバリウムと空気が入りますので、そこで十二指腸の動きと輪郭を見ます。ここで十二指腸下行脚の拡張や過蠕動所見が得られます。そしてここでブスコパンを注射して十二指腸の動きを止めます。すると十二指腸下行脚の拡張はさらに強調され、水平脚が線状に圧迫されて途切れる所見が得られます。このような所見が得られたら、SMA症候群と確定診断してよいと思われます。ところで私は乳腺内分泌外科を専門としていましたが、消化器外科もしていてUGIや胃カメラも自分でして自分で読影していました。最近の若い外科医は放射線科や消化器内科に検査を依頼して報告書を見るだけと言う医者が多いのは嘆かわしいことです。UGIに関しても出来るだけ患者さんの負担が少なくなるように心がけていました。ある時自分が蒲郡の保健センターで人間ドックを受けることになり、最後にUGIがありました。若い女性の技師さんが担当でしたが、最後にコップ一杯の美味しくないバリウムを飲まされて充盈像を撮ります。その時バリウムが流れてしまったので、もう少し追加でバリウムを飲んで下さいと持って来ました。それで私はプツンと切れて『技師長を呼べ!』と言ってしまいました。例の『料理長を呼べ!』と言って料理に文句をつけるやつです。『君たちはスクリーニング検査である人間ドックのUGIで何故コップ一杯以上のバリウムを飲ませる必要があるんだ。患者さんの負担を考えたことがあるのか?』と言い放ちました。技師長が飛んで来て謝り、替わって検査をしてくれましたが、それ以来私はブラックリストに載ったようでいつも技師長が担当するようになりました。次に続く。
2020年09月18日
コメント(0)
SMA症候群の問診票で10点以上の方は、次の検査に進むのですが、その前に問診票の意味を解説しておきます。問診表の1.から7.までの設問は主要症状である腹痛に関するものですが、腹痛が起こるのは十二指腸の水平脚の通りが悪いところを何とか通そうとしてその手前の十二指腸が過蠕動を起こすために起こります。従って食べてすぐでもなく、食前でもなく起こるタイミングは一定しません。蠕動痛は何処で起きても上腹部または臍周囲で感じますが、炎症がある訳ではありませんので、腹膜炎のような圧痛・筋性防御はありません。上向きだと通過がより悪くなりますが、膝胸位(膝と胸を床につけてよつんばいになる)や左側臥位になると少し間隔が広くなり通過がよくなるので症状が軽快することがあります。問診票の8.から9.は通過障害で胃に長時間食べたものが貯まっているための症状です。問診票の10.から11.はそのために起こる食べ物の好みに関する設問です。問診票の12.から14.は体重と年齢に関する設問ですが、普通に食べられないので、結果として体重が増えません。体重の増加よりも身長の伸びが大きい小学校高学年から中学校にかけては相対的に痩せとなりますので、症状が出やすくなります。30歳までとしたのはそれまでに症状が完成すると言う意味で、それ以後でも開腹手術の術後などで、癒着で腸間膜が引っ張られて起こる特殊なケースもあります。問診票の16.から20.は医療機関にこの症状でかかっても、なかなか正しく診断してくれる医者がないために起こる事象です。この問診票は一度外科学会で発表しているのですが、散逸してなくなってしまったので、思い出しながら再度作ったものです。オリジナルの問診票とそう大きな違いはないはずです。次回に続く。
2020年09月17日
コメント(0)
以前紹介しましたが、最近孫の一人がこの病気であることが判りましたので、一度3回くらいに分けてまとめておこうと思います。この病気の本態は膵臓の裏で腹部大動脈から分枝するSMA(上腸間膜動脈)が人間が立位歩行をするために下方に垂れ下がり十二指腸の水平脚を大動脈との間で圧迫するために起こる病気です。よくSMA症候群と痔、子宮脱は立位歩行をする人間とサルにしか起こらない病気だと言われますが、逆に言えば、立位歩行をする人間が持った共通の解剖学的異常であり、誰にでも起こりうる可能性がある病気であると言えます。しかし、この解剖学的異常は何処からを病気として、何処までが許容範囲であるのかはっきりしません。そこで、診断基準を作って外科学会で報告しました。その診断のきっかけとなるのは、症状を点数化する問診票です。まずそれを紹介しましょう。【SMA症候群問診票】以下の質問に「はい」か「いいえ」で答えて、「はい」が10点以上あればSMA症候群の疑いがありますので、専門医の診察を受けましょう。1. 腹痛が時々ある。 はい いいえ2. 腹痛は上腹部または臍の周りで感ずる。 はい いいえ3. 押さえて痛みが強くなることはない。 はい いいえ4. 腹痛は半年以上続いている。 はい いいえ5. 腹痛は食事と関係なしに起こる。 はい いいえ6.腹痛は寝ている時に起こることもある。 はい いいえ7.腹痛は体の向きを変える(工夫する)ことで軽快する。 はい いいえ8.いつも腹満感があり、食欲がない。 はい いいえ9.嘔吐、胸やけが時々ある。 はい いいえ10.好き嫌いが多く、人と同じように食べられない。 はい いいえ11.流動物だけを食べていると比較的症状が出にくい。 はい いいえ12.標準体重より10%以上痩せている。 はい いいえ13.体重がなかなか増えない。 はい いいえ14.急に身長が伸びたあるいは急に体重が減った。 はい いいえ15.年齢は10歳~30歳の範囲である。 はい いいえ16.この症状で診察を受けたが原因が判らない。 はい いいえ17.原因が判らないので、何か所かの医者を回った。 はい いいえ18.仕事や学校をよくさぼるので、怠け者と思われている。 はい いいえ19.神経性食思不振症と言われた。 はい いいえ20.検査をしたが異常なしと言われた。 はい いいえ「はい」が10点以上あったあなた。SMA症候群かも知れませんよ。次回に続く。
2020年09月15日
コメント(0)
坂の上の前で記念撮影 (4) posted by (C)ドクターT毎年、6月の第一土日は医師会の研修旅行があります。今年は京都へ行きました。京都観光 (18) posted by (C)ドクターT2日目はまず大原三千院へ行きました。京都観光 (24) posted by (C)ドクターT寺町まで行ったら本能寺があって、丁度本能寺の変が起こった日で記念の行事が行われていました。京都観光 (54) posted by (C)ドクターT錦市場へ行ったら、伊藤若冲の生家がありました。京都観光 (33) posted by (C)ドクターT花よりキヨエの店で湯葉クリームコロッケを食べました。6月1日夕食(ホテル坂の上) (55) posted by (C)ドクターT6月1日は八坂神社近くの坂の上と言う旅館に泊まり、芸者さんを呼びました。6月1日夕食(ホテル坂の上) (47) posted by (C)ドクターT舞子さんと芸者さんの違いを研修して来ました。二次会 (4) posted by (C)ドクターT二次会はカラオケバーへ行きました。
2019年06月03日
コメント(0)
脂漏性角化症切除 (2) posted by (C)ドクターT年をとるとあちらこちらに疣が出来て来ます。昨年はナオ君に首の疣を取ってもらいました。今度は左顔面の疣がだんだん大きくなり苦になり出しました。最初自分で鏡を見て取ろうと思いましたが、院長に止められたので、乳腺外来の日に皮膚科で取ってもらいました。脂漏性角化症切除 (4) posted by (C)ドクターT皮膚科では切除前に切除予定ラインのデザインをするようです。脂漏性角化症切除 (1) posted by (C)ドクターT局所麻酔で30分ほどで終わりました。一応病理検査も出しましたが、老人性疣贅=脂漏性角化症だと思います。今日は飲まないように言われましたが、豊橋で午後会議の後宴会があり、いつものように飲んでしまいました。
2017年11月28日
コメント(0)
私はフリーランスの監察医としても活動していて、月に10件ほどの検案をしています。蒲郡、碧南、半田、知多、岡崎、常滑などの警察署から検案依頼があると行ける時ならばいつでも24時間対応で出張検案をしています。行くと外表検査と髄液の性状、血液の心筋トロポニンT定性検査などで死因を推定、死体現象から死亡時刻を推定し、人定と場所は警察から訊き、その場で検案書を作成し、遺族がいる場合は検案結果を説明し帰って来ます。外表検査と簡単な検査だけでは死因が推定出来ない場合が多く、東京都では死因が判らないと犯罪死でなくても、監察医務院へ運んで行政解剖が行われることがありますが、愛知県ではその設備も人員も足りませんのでほとんど行われません。最近死後の画像診断(AI=Auotpsy Imaging診断)を警察が積極的にするようになりました。解剖をしなくても死後のCTを撮ることにより約3割くらいは死因の推定が可能になると言われています。でも愛知県では丹羽郡大口町にあるさくら総合病院しか診断までしてくれるAIを撮ってくれる施設がありません。蒲郡市民病院では死後のCTは撮ってくれますが、読影まではしてくれません。私は外科医ですが、 CTの読影、胃透視、注腸透視、胃カメラから術中迅速病理診断まで自分で出来るように訓練していましたので、時々蒲郡警察署から市民病院で死後のCTを撮るが、その読影と検案をしてくれないかとの依頼が入ることがあります。AI診断 posted by (C)ドクターT先日あった事例ですが、50歳代の一人暮らしの男性が風呂で入浴中に急死していた事例です。溺水の所見はありましたが、風呂で何もなくて溺れることはありません。溺水にいたる前に意識を失うような内因性疾患の発症があったはずで、それが真の死因となります。でその時に撮った死後のCTを診ますと後頭部、小脳周囲に血液の貯留を認め、クモ膜下出血と診断しました。CTを撮らなければ不詳の内因死で処理されていた事例です。
2017年10月16日
コメント(0)
検診結果 posted by (C)ドクターT医者の不養生と言われないように毎年1回は検診を受けるようにしていますが、今年はいろいろと異常が出ました。便潜血が2回法で1回陽性に出ました。高血圧の薬を3年ほど前からナオ君のところでもらっていますので、ナオ君に相談したら、すぐに注腸か大腸ファイバーをするかそれとももう一度便潜血検査をやり直すかと言われましたので、もう一度検査をやり直すことにしました。その時に左眼底の神経線維束欠損のことを訊いたら(症状はないし眼圧も正常だったので2年間放置してました)、正常眼圧緑内障と言うのがあるから眼科にかかった方がよいですよと言われて眼科やまもとクリニックに受診しました。山本先生は昔市民病院の眼科部長を長くしていた先生です。初診でしたので、屈折検査から矯正視力検査、精密眼圧測定、細隙灯顕微鏡検査、精密眼底検査、眼底三次元画像解析、静的量的視野検査など行って、やはり正常眼圧緑内障の診断でした。正常眼圧緑内障 posted by (C)ドクターT原因は判りませんが、日本人では眼圧の高い緑内障よりむしろ正常眼圧緑内障の方が多いそうです。 初めて目薬を注す posted by (C)ドクターT眼圧を下げる点眼薬を2種類もらって来ました。生まれて初めて目薬を注しました。
2017年10月07日
コメント(0)
マツタケ5(浪合村) (1) posted by (C)ドクターT プロのマツタケ採りはこの不自然な盛り上がりを見逃しはしません。 マツタケ5(浪合村) (2) posted by (C)ドクターT 上の土をどかすと、このようにマツタケが隠れています。 乳癌発見! (4) posted by (C)ドクターT乳腺専門医は視診だけでも乳癌が判ります。7月から頼まれて月2回だけ乳腺外来に出ています。昨日ようやく新規症例に当たりました。81歳とやや高齢の方ですが、4日前にかゆくて触ったらしこりに気づいたそうです。まず視診です。右の乳頭が右方向に少し引っ張られ、その右がやや陥凹、その上に不自然な盛り上がりがあるのが判ります。これだけ見て99%乳癌と確信します。その後にやる触診、マンモグラフィー、エコーはおまけのようなもので、確定診断を着けるために細胞診をします。
2017年09月26日
コメント(0)
小林麻央さんが34歳の若さで乳癌のため亡くなりましたが、その理由として3つの過ちがあったと言われています。乳腺専門医としてその過ちを検証してみます。最初の過ちは市川海老蔵の付き添いのような形で一緒に人間ドックを受けましたが、授乳期であったためはっきりとは診断出来ず、要精査となり、東京虎ノ門病院を受診しました。ここでも授乳期であったため、はっきりしこりが乳癌とは診断出来ず、3か月後(麻央さんのブログでは半年後となっていますが、・・・。)に再検査に来るように言われたとのことです。授乳期は乳腺自体が増殖していてしこりが判りにくくなっているうえに、乳管の一部が詰まってしこりになる所謂うっ滞性乳腺炎によるしこりがよく出来ます。また授乳期ですとマンモグラフィーも避けられることが多くしこりがあっても穿刺吸引細胞診は乳漏を作る危険があって避けられることが多いのです。その後夫妻はそれほど重大なこととは考えずに次に受診したのははっきりとしこりが判るようになった8か月後でした。その時点で乳癌の診断がついて、標準治療(乳房切除+抗がん剤治療)を勧められたのですが、夫妻はそれを拒否してしまいます。 その理由は3人目の子供が欲しかったということと、乳房を失いたくないと言う女性特有の感情、もうひとつはその時に元慶応大学放射線科講師の近藤 誠氏が書いた「医者に殺されない47の心得」などと言うでたらめな本がベストセラーとなり、その影響もあると思われます。標準治療と言うのは時代により変化していきますがその時代の最善の治療と考えてもよいと思います。この時に標準治療を受けていれば、乳癌のステージとしてはIIと推測されますので、5年生存率で95%はあったはずです。夫妻は標準治療を拒否して、代替医療をいろいろ模索して結局気功療法に辿り着きます。気功とは手かざしで念を送り免疫機能を高めて癌の増殖を抑制すると言う話ですが、これは医療と呼べるものではなく、もう信仰の領域です。遠隔転移も明らかとなり、局所も潰瘍化してどうしようもなくなってから聖路加病院へ入院してもまだ標準治療を拒否し続けたようです。これを聞いて私も昔診た患者さんを思い出しました。その患者さんは30台半ばの方でしたが、近くで評判の内科医に相談したところ、その先生はOリングテストと言う代替医療にはまっていて、難しい診断や治療法の選択を決めるのに患者さんと先生が親指と人差し指で輪を作って引っ張り合いどちらの輪が切れるかで診断をつけると言うまじないのようなことをしていたのです。その結果乳腺のしこりは乳癌ではないと言うことになり、放置されることになったのです。人間は弱い心の持ち主で乳癌でないと言われるとインテリほどそれを信じてしまうようです。私のところへ来たのは乳癌が潰瘍形成を起こし、どうにもならなくなってからでした。もちろんすぐに細胞診で乳癌の診断は着きましたがすでに遠隔転移も起こしているステージIVの段階でした。入院して感受性のあったハーセプチンと言う分子標的治療剤による治療を始めましたが、例の評判の内科医は病院まで乗り込んで来て、その薬が合うかどうかOリングテストで検査すると言います。幸いこの薬は合いますと言うご託宣でしたが、その時にはまだその先生の言うことを患者さんは信じているようでした。亡くなる3日前に薄れ行く意識の中で、「あの先生の言うことを信じていた私が馬鹿だった。」と悔やみましたが時すでに遅しでした。
2017年07月14日
コメント(2)
昨日午前中は乳腺外来に復帰して3回目の仕事でした。 市民病院から竹島・大島を望む posted by (C)ドクターT外来が終わってから8階のレストランへ行き、景色を見ながら、・・・。 お昼のランチ(蒲郡市民病院、650円) posted by (C)ドクターT久し振りに病院のランチを食べました。午後は外来手術を入れておいたので、・・・。 乳腺腫瘍摘出 posted by (C)ドクターT局所麻酔で乳腺腫瘍試験切除をしました。画像診断で乳腺線維腺腫と診断しましたが、長径2cmを超えていましたので、摘出を勧めました。メスはもう5年ほど前に置いたはずだったのですが、また持つことになりました。良性腫瘍ですので、整容性を考えて、傍乳輪切開で腫瘍のカプセルに沿って摘出します。再発を繰り返す葉状腫瘍の可能性もありますので、カプセルを破らないように摘出することが肝要です。
2017年07月11日
コメント(0)
安城更生病院地域連携交流会 (5) posted by (C)ドクターT7月6日に安城更生病院で病院と安城市医師会共催の地域連携交流会があり、私も碧南市医師会員として出席しました。 安城更生病院地域連携交流会 (4) posted by (C)ドクターT安城更生病院は西三河地区最大の基幹病院で医師219名、研修医39名を擁するいわゆる愛知県の勝ち組病院です。 安城更生病院地域連携交流会 (7) posted by (C)ドクターTここに私の8つ下の実の弟(安藤哲朗)がいます。5人いる副院長の一人で12人を擁する神経内科の代表部長を務めています。脊椎脊髄ジャーナルの編集委員をしており、医療安全でも有名で土日はほとんど全国どこかで講演をしています。でも小さい頃はいつも私と比較されて、「お兄さんはあんなに出来るのに、お前はどうして駄目なんだ!」と言われるのがトラウマになっていたらしい。私は中学から東海に入りましたが、弟は高校で東海を受けましたが、落ちて地元の横須賀高校から1年浪人して名大医学部に入り、私の後を追いかけ続けました。 今では医療の分野では私の方が追い越された感じですが、今度は「お兄さんはトライアスロンをしてあんなに締まっているのにお前はどうして駄目なんだ!」と言われるのがトラウマになっているようです。
2017年07月10日
コメント(2)
乳腺外来 posted by (C)ドクターT最近藤井翔太4段(14歳)の快進撃が続いています。かと思うとかって女子プロランキング1位まで登ったことのある宮里 藍(31歳)が引退を表明しました。私はと言えば、60歳で市民病院外科部長を辞し、現在は蒲郡競艇場医務室のパート、碧南市医師会の事業所検診のパート、あちこちの警察署から頼まれる依頼検案などをしており、専門の乳腺内分泌外科からは引退していました。しかしその後蒲郡市民病院では常勤の乳腺担当医が 不在で名市大から月に2回専門医が来ていますが、市民病院では蒲郡市で毎年見つかる乳癌の患者さんに対応出来ない状況が続いており、現院長から懇請されて今月から月に2回乳腺外来を引き受けることになりました。自衛隊では退職自衛官が有事の際に駆け付けて働く予備役と言う制度があるそうですが、そのようなものです。
2017年06月14日
コメント(2)
名大第二外科同門会 (1) posted by (C)ドクターT今日は名古屋のウェスティン名古屋キャッスルで名大第二外科の同門会総会がありました。病院も辞め、開業もしていませんが、年に1回の同門会には出るようにしています。 名大第二外科同門会 (5) posted by (C)ドクターT総会の後にある懇親会です。 同級生 posted by (C)ドクターT昭和54年卒の同級生で第二外科に入ったのは4人いますが、3人集まりました。私は5年回り道をしていますので、5年ほど年は上です。右は名古屋国立医療センターの乳腺外科部長、中央は国立東名古屋病院の外科部長をしています。
2017年05月20日
コメント(0)
手術 (2) posted by (C)ドクターT最近、右頸部のイボが大きくなってきて痛痒くなって来たので取ることにしました。自分で鏡を見て切ることも考えましたが、外経静脈の上だしもしも手元が狂うと危ないので、それはやめました。次に皮膚科のチコ先生のところに行くかナオ君に頼むか考えて、ナオ君に頼むことにしました。ナオ君は内科で開業し、蒲郡市の医師会長も2期務めましたが、開業する前は岐阜の某有名病院の外科部長を していたのです。手術 (3) posted by (C)ドクターT少し炎症を伴っていますので、大きめに切除する必要があります。 手術 (4) posted by (C)ドクターT 局所麻酔で30分ほどで終了。他にもまだありますが、きりがないので、今回はこれだけです。 手術 (5) posted by (C)ドクターT割を入れて見ています。手術 (1) posted by (C)ドクターT 境界がやや不鮮明です。悪性化しているかも知れませんので、病理も出してもらいました。老人性疣贅(Veruca senilis)=脂漏性角化症(Seborrheic keratosis)だとよいのですが、・・・。 カワセミ♂(常滑市) (6) posted by (C)ドクターTお口直しに今朝撮ってきたカワセミの画像です。
2017年01月27日
コメント(0)
アマミナナフシ1 posted by (C)ドクターTこの昆虫は骨もなければ、筋肉もなさそうです。脳みそも小さそうです。でも食欲はあって、草を食べています。最近講演を頼まれると「100歳健康法」(100歳まで健康で長生きするコツ)について話をしています。同名の本も執筆中です。今日はその肝を紹介しましょう。日本人の平均寿命は私が生まれた1950年ころは60歳くらいでしたが、 どんどん伸びて今では男で80.79歳、女で87.05歳となりました。今世紀中には100歳を超すのも夢ではありません。でも寿命が100歳まで伸びても、寝たきりで100歳まで生きても、ボケて100歳まで生きても何の意味もありません。元気で(QOLを保ちながら)100歳まで生きるには老化とともに進行するトリプルペニア(オステオペニア、サルコペニア、ニューロペニア)をいかに食い止めるかが問題です。ペニアは減少、オステオは骨、サルコは筋肉、ニューロは神経ですから、オステオペニアは骨量の減少=骨粗鬆症、サルコペニアは筋肉量の減少=運動能力の低下、ニューロペニアは神経細胞の減少=認知症と言うことになります。オステオペニア、サルコペニアと言う言葉はすでに使われていますが、ニューロペニアは私の造語です。それではこの3つについてそれぞれもう少し詳しく説明し、その対策について述べてみたいと思います。まず最初にオステオペニアです。骨は硬くて変わらないと思っている方が多いですが、絶えず破骨細胞と造骨細胞の働きのバランスによって変化しており、骨に負荷のかからない宇宙空間などでは急速に骨量は減少してしまいます。骨量の減少した年寄りで多いのは大腿骨頸部骨折と脊椎圧迫骨折で、 いずれも寝たきりの原因となります。骨量の減少を防ぐにはカルシウムの摂取も重要ですが、適度の運動と活性型ビタミンDを作るために日に当たる必要があります。次にサルコペニアですが、筋肉量の減少によって、若い頃に出来たことがだんだん出来なくなり、最後は椅子から立ち上がることも出来なくなってしまいます。筋肉も負荷をかけることによって、細胞の数は増えませんが筋肉線維を太くすることが出来ます。最近IGF-1(筋肉若返りホルモン)の働きが判り、アルギニンと言うアミノ酸の多い食事(肉・卵類、大豆製品)を摂取し、食事をゆっくり食べることにより、肝臓からのIGF-1の分泌が増えて、それが多い状態で運動をした方が筋肉量がより増加することが判って来ました。運動だけでなく、食事の内容、食べ方も重要であると言うことです。最後にニューロペニアですが、神経細胞は20歳を過ぎると減り始め、短期記憶の障害から始まって最後は何も判らない、考えられない認知症の最終形態が完成します。最近運動能力がまだあるのに認知症の老人が交通事故を起こすケースが問題になっています。神経細胞の数の減少は止めることが出来ませんが、使っていない神経細胞はたくさんあるので、新しいシナプス(神経連絡)を造ることにより認知症の進行を抑えることが出来ます。それには頭と体の各部を使うこと、五感への刺激を絶えず与えることが重要だと言われています。ついで採れたての嬉しいニュースです。 左党には朗報かもしれない。認知症の中で患者の多いことで知られるアルツハイマー病の予防に、ビールやノンアルコール飲料に含まれるホップ由来の苦み成分が効果を発揮するというのだ。飲料大手のキリンと東京大、学習院大の研究チームが解明した。12月の日本認知症学会学術集会で発表される。 キリンによると、ホップ由来の苦み成分「イソα酸」に、脳内の免疫細胞「ミクログリア」を活性化させ、アルツハイマー型認知症の原因物質とされている「βアミロイド」を除去する作用がみられた。 アルツハイマー型認知症のマウスを使った実験では、イソα酸を含んだ飼料を食べたマウスは脳内の炎症緩和が確認された。その結果、イソα酸に、アルツハイマー型認知症の進行を抑制する効果があることが示唆されたという。
2016年11月30日
コメント(0)
ホルモンを制する者は健康を制する 第1弾 筋肉を若返らせるホルモンがあった!SP 衰えた筋肉を若返らせてくれる「筋肉若返りホルモン」。 どのくらいの人が運動を無駄にしているのかを検証!昨夜、8時からたけしの「みんなの家庭の医学」で筋肉若返りホルモンのことを取り上げていました。高齢化とともにサルコペニー(筋肉減少)とニューロペニー(神経細胞減少)=認知症が進行して、QOLが低下して行きます。 昨日はサルコペニーの話、来週はニューロペニーの話があるようです。筋肉は運動をすると数は増えませんが筋線維が肥大して筋肉量は多くなります。同じような運動をしていても、その年代の平均筋肉量より多い人も少ない人もいます。60歳代の人が5人出て来て腓腹筋(下腿後ろ側の筋肉)の筋肉量を比べました。80歳代の筋肉量の人もいれば、30歳代の筋肉量の人もいました。その違いは何処で決まるのかを食生活から検証した番組でした。ポイントを申し上げます。メモのご用意を1.食事をすると腸から吸収されたものは肝臓を通過しますが、その時に肝臓からIGF-1と言う筋肉若返りホルモンが出て、それが血流を介して筋肉に到達して筋肉に結び着くと同じ運動をしてもホルモンの多い人ほど筋肉を肥大させる運動効果が高い。2.早食いの人よりゆっくり時間をかけて食事をする人の方がホルモン分泌量が多くなる。(ホルモン分泌は血糖が高いと抑制されるためで、早食いの人は食後血糖が急激に上昇するため)おしゃべりをしながら1回の食事に30分以上かけた方がよい。3.食事の内容ではアルギニンと言うアミノ酸の摂取量の多い人ほどIGF-1がたくさん分泌される。アルギニンは肉類、大豆製品に多く含まれ、一日5g以上摂取することが望ましい。(日本人の平均摂取量は3g) 今週のライオンズ例会で久し振りにスピーチを頼まれました。『百歳健康法』(百歳まで健康で長生きするコツ)と言うタイトルで話をする予定です。この話も入れよう
2016年11月23日
コメント(0)
最近スーパーでココアが売り切れになっています。テレビで生姜ココアがポッコリお腹の改善に効果があると宣伝されたためです。生姜はもともと冷え性によいとされ、体温を上げるダイエット効果があるとされていました。それとポリフェノールたっぷりの純ココアが老化の原因「活性酸素」を除去する抗酸化作用のほか、善玉菌を増やす作用により便秘を解消してくれたり、脂肪の蓄積を抑えてくれるなど、美容に嬉しい効果が期待できます。特に最近では、フラバノールと呼ばれるカカオポリフェノールの1つが腸のむくみ解消に効果が期待できるとして、ぽっこり下腹部対策に挙げられています。ほか、食物繊維やミネラルなども含まれています。ミネラルも、不足すると水分や塩分をうまく排出出来ずむくみの原因となったり、脂肪の燃焼吸収を抑える働きが弱まったり、また代謝低下を招くなどの恐れもあります。擦りおろしても良いのですが、乾燥した生姜やショウガパウダーですと、深部まで熱を灯してくれるため、体温が上がりやすくなります。基礎代謝の多くは胃腸で消費されます。胃腸を温めることで、代謝を促進し、カロリー消費を滞りなく流してくれる作用があります。血行が良くなると、栄養が体に行き渡りやすくなったり、自律神経を整えてくれたりと様々な健康効果を発揮してくれます。とまあこんな具合で良いことづくめに宣伝されています。しかし、生姜ココアを作るたびにおろし生姜を作るのは面倒です。そこで生姜パウダーを作ってあらかじめココアと混ぜておき、溶かすだけで生姜ココアが飲めるように工夫しました。生姜の乾燥 posted by (C)ドクターT まず生姜を洗って薄く切り、乾燥機にかけます。 粉末生姜を作る posted by (C)ドクターT それをミルで粉末にします。 ココア粉末と生姜粉末 posted by (C)ドクターT それをココア粉末と混ぜて、・・・。 生姜ココア粉末完成 posted by (C)ドクターT生姜ココア粉末の完成です。これを毎日大匙1杯、温めた牛乳に溶かして飲みます。 ワンダーコアスマート posted by (C)ドクターTさらにワンダーコアスマートを暇な時にして、・・・。 シックスパッド posted by (C)ドクターT シックスパッドを1日1回。 ポッコリお腹 posted by (C)ドクターTさあ、1か月でこのポッコリお腹が改善するかどうか、ライザップと勝負だ
2016年11月16日
コメント(0)
昨日はナオ君を誘って、上高地へ行って来ました。目的は岳沢を登って高山蝶を撮るためです。岳沢 posted by (C)ドクターT河童橋から見上げた岳沢です。上に見える雪渓の少し下に岳沢ヒュッテがあり、そこまでの標高差は約700mあまりです。岳沢登山口 (2) posted by (C)ドクターT登り口の看板を見たら距離にして4km、標準の登山時間は2時間となっていました。ナオ君は最初これなら1時間半で登れると思ったようです。ナオ君(風穴の前で) posted by (C)ドクターT登り始めて15分もしないうちにナオ君がブレーキになり始めました。4合目ほどの風穴の前で一休み。ナオ君は今年6月まで医師会長を2期務めていました。その間は日々の診療と合わせて忙しくて運動も出来なかったようですが、かなりサルコペニア(進行性および全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群である。筋肉量の低下を必須項目とし、筋力または身体能力の低下のいずれかが当てはまればサルコペニアと診断される。)が進行しているようです。体重70kgはないでしょう。岳沢ヒュッテにて (2) posted by (C)ドクターT私は体重80kg近くあって登りはえらいのですが、トライアスロンをしているお蔭でまだサルコペニアにはなっていません。ナオ君によれば私たちより若い開業医が最近廃業したそうです。原因はサルコペニアだそうです。サルコペニアになると身体能力、日常の活動能力が低下して仕事も出来なくなります。三浦雄一郎は日々トレーニングをして90歳を超えてエベレスト登頂に成功しました。定年を迎えて、余生を如何に元気に過ごすかはサルコペニアとの戦いと言ってもよいでしょう。
2016年08月07日
コメント(4)
名大医学部54卒同窓会 (6) posted by (C)ドクターT 今日は名大医学部の4年に1回(オリンピックの年)の同窓会がマリオットアソシアホテルでありました。(会費:¥15,000円) 名大医学部54卒同窓会 (7) posted by (C)ドクターT最初、ピッツバーグに移植の実験で行っていて最近帰ってきた村瀬さんの挨拶がありました。その後、私が最年長と言うことで乾杯の音頭を頼まれました。 名大医学部54卒同窓会 (8) posted by (C)ドクターT名大医学部54卒同窓会 (4) posted by (C)ドクターT私は5年回り道をしているので、みんな私より3~5年若いのですが、人によって随分ふけて見える人もあり、なかなか名前が思い出せない人もいました。特に女子は変化が大きい気がします。現役で頑張っている人、途中で開業した人、私のようにプー太郎の人もいます。定年の近い人が多いのでその後の人生設計で悩んでいる人も多かったです。昭和54年卒は102人いましたが、5人亡くなっていました。出席したのは70人くらいでした。次回は4年後だとだいぶん減りそうですので、2年後と言うことになりました。
2016年07月23日
コメント(0)
名大第二外科同門会 (2) posted by (C)ドクターT昨日は、午前中東幡豆で潮干狩りをして、午後名古屋へ行き、年1回の同門会総会に出ました。 158名の出席でした。年に1回の会が今月は3回もウェスティン名古屋キャッスルで開かれます。名大第二外科同門会 (4) posted by (C)ドクターT高木 弘名誉会長(前々教授)、中尾昭公名誉会長(前教授、現SLセントラル病院長)の挨拶の後、小寺泰弘会長(現教授)の挨拶があり、医局の現況を聴きました。 名大第二外科同門会 (5) posted by (C)ドクターTその後幹事長(元内分泌研究室チーフ、前県立多治見病院長)の幹事会報告があり、 名大第二外科同門会 (6) posted by (C)ドクターT4月1日付けで病院長となった、同門の先生方の挨拶がありました。愛知医大乳腺内分泌外科教授から国立病院機構東名古屋病院長となった今井常夫先生。 名大第二外科同門会 (7) posted by (C)ドクターT名鉄病院で3年下だった伊藤昭宏先生も土岐市立総合病院の院長になりました。 名大第二外科同門会 (9) posted by (C)ドクターT新入医局員は今年は10名(出席は9名)でした。一言ずつ自己紹介します。左から4番目の岡崎市民病院で研修3年目の鈴木章弘先生は趣味が昆虫採集(蝶)だそうで、後で話を訊いたら私の本も買ってくれたそうです。 名大第二外科同門会 (10) posted by (C)ドクターT特別講演には九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科)教授の前原喜彦先生が「次代の外科学」と言うタイトルで話をしてくれました。九州大学の歴史・研究の流れから最近の研究テーマ、また医局の運営方針まで話をしてくれました。恐らく旧七帝大の中で、一番医局としての力が残っているのではないかと思います。 名大第二外科同門会 (12) posted by (C)ドクターT集合写真の後は、懇親会で久し振りに会う先生方と旧交を温めました。
2016年05月22日
コメント(2)
先日、一通の葉書が日本外科学会から送られてきました。それには今年外科学会専門医の資格更新の年であり、更新に必要な手続きが書かれていました。それによれば、1.過去5年間の間の30単位の研修実績を証明すること(例えば外科学会総会参加証10単位など)2.過去5年間に100件以上の手術に携わったことを証明すること(術者でも助手でもよい)3.更新手数料10,000円を納入すること1.と3.はクリア出来ますが、勤務医を辞めた今では2.はどうしてもクリア出来ません。外科専門医の更新が出来ないと言うことはさらに外科専門医を取った上で取ることが出来る日本乳癌学会乳腺専門医と日本内分泌外科学会内分泌外科専門医も失うことになります。学会が認定する専門医制度は日本ではあまりにも多く、それを取るには更新よりももっと厳しい条件が課されていて、取るのに相当の時間と費用を費やしました。でも専門医を取ったからと言って何もよいことはありませんでした。専門医があるからと言ってそれを給料に反映してくれる病院は聞いたことがありませんし、専門医がないからと言って手術が出来ない訳ではありません。国家試験に通って医師免許をもらうと昔は大学の医局に入局して医学博士号を取ることが目標となりましたが、最近は2年間の臨床研修が義務づけられ(臨床研修を受けなければ開業出来ない)、大学には戻らずに病院で専門医取得を目指す人が増えて来ていると聞きます。専門医取得を目指す若い人たちをけなす訳ではありませんが、日本の学会が認定する専門医はインセンティブがありません。病院に勤めているうちはよいでしょうが、辞めてからの更新が難しくなります。
2016年02月20日
コメント(2)
碧南市医師会2月例会 (2) posted by (C)ドクターT碧南市医師会に入れてもらってから2年あまり経ちました。医師会長は大学で同じ内分泌研究室にいた作塚杉浦クリニックの杉浦先生です。いつも例会の日には家から作塚杉浦クリニックまで自転車で走って行きます。そこでシャワーを借りて、着替えをしてから例会に杉浦先生と一緒に行きます。杉浦先生もこの3月で2期勤めた会長の任期が終わるので、ホッとしています。毎回例会には最初の挨拶をして、碧南医報には巻頭言を書いていました。この写真の左端に写っている先生は山中先生と言って、96歳ですが、現役のお医者さんです。開業医は勤務医と違い定年はありません。 例会ではその月に誕生日を迎える会員に5000円の商品券がもらえます。 ほれっ 碧南市医師会2月例会 (10) posted by (C)ドクターTその代わり、乾杯の音頭をとらなければいけません。昨日は2月に誕生日を迎える会員で出席していたのは私だけでした。乾杯が終わって、最初はビールを2本ほど飲んだところで、隣の女医さんの勧めで地元の冷酒に替えました。半田澤田中埜酒造の国盛です。ほれっ 日本酒注意書き posted by (C)ドクターT途中で杉浦先生も注ぎにくるし、ついついまた飲み過ぎてしまいました。
2016年02月05日
コメント(2)
フラジャイル posted by (C)ドクターT今週から新しいタイプの医療テレビドラマ「フラジャイル」が始まりました。主演男優はTOKIOの長瀬智也、主演女優は武井 咲です。 漫画フラジャイル posted by (C)ドクターT原作は同名の漫画「フラジャイル」です。フラジャイル(fragile)とは壊れやすい、脆いと言う意味の英語で、診断が壊れやすいと言うことをテーマにしたものだと思います。だいたい病理学のような基礎医学へ進む医者は変人が多いのですが、主人公の岸京一郎も患者を診ることはなく、論理と顕微鏡を武器に真実の診断へ迫ろうとする病理医で、患者を診ている臨床医との間に軋轢を生じますが、臨床医が見落としている所見を見つけて、真実の診断をつけて患者を救うと言うあらすじになっています。武井 咲演ずる宮崎先生も最初は神経内科の医者でしたが、共感を覚えて岸京一郎に弟子入りします。世の中にはいろいろな患者さんがいますので、一話ものでいくつでも物語を創ることが出来ます。大きな病院ではCPC=Crinico-Pathological-Conference or Case Presenting Conference と言って、年に数回臨床医と病理医が集まって亡くなった患者さんの初診から治療経過、解剖結果までを議論する会が開かれています。そこでは研修医がまず患者さんの初診から治療経過を説明し、それに対して参加者からいろいろな意見が出されます。最後に病理医が解剖結果について説明し、真実の診断が何であったかに迫ります。それを反省材料として明日の診断・治療に役立てようと言うのがCPCの目的です。私も市民病院在籍中は surgical pathologist (外科病理医)を目指して、顕微鏡まで見ることの出来る医者を目標としていました。術中迅速組織診断は自分でしていましたし、剖検医資格を取得して常勤の病理医がいない病院での解剖を一手に引き受けていましたので、 「フラジャイル」は興味のあるドラマです。水曜日、午後10時からフジテレビ系列で放映があります。
2016年01月17日
コメント(0)
9月24日に保険見直し本舗の宣伝によく出てくる元女子プロレスラーの北斗 晶さんが右乳癌の手術をされました。前日にご自身のブログで公表し、その後の経過もブログに載せています。私も乳腺専門医として800例以上の乳癌手術をして来ましたので、専門医の立場から少しコメントさせていただきます。北斗さんは毎年マンモグラフィーとエコーによる検診を受けていたと言うことですが、それでは見つからずに自分で異変に気付いたそうです。今年の初め頃にうつ伏せになった時に右乳房を圧迫してちりちりした痛みがあったそうですが、家系に乳癌の人はなく、毎年検診を受けているので、その時は乳癌とは思わなかったそうです。次におかしいと思ったのは春にサイパンに旅行に行き、たまたま鏡に映った姿を見て、右乳頭の位置が少しおかしいことに気付いたそうです。そこで帰ってから検査をして、一部組織検査(細胞診?)をして乳癌が陽性に出たそうです。乳腺専門の病院を紹介されて、ひととおりの検査を受けて、直径2cmくらいの乳癌が右乳頭の直下に出来ており、腋窩リンパ節転移も疑われるとのことで、右乳房の全摘手術を勧められます。ここまでのところで、問題となる点は毎年検診を受けていて2cmになるまで見つからなかったのは何故かと言う点です。もちろん乳癌は最初1個の細胞ががん細胞に変わることから始まりますので、それが増殖してある大きさを超えて、しこりとして認識出来るようにならないとどんな検査をしても判らない期間があります。マンモグラフィーではしこりがなくても石灰化で判るタイプの乳癌もありますが、しこりを作る普通のタイプの乳癌では出来た位置と乳腺の大きさにもよりますが、検診で判る大きさはエコー、触診では通常5mm以上ないと判りませんし、10mmあれば100%触診で判ると思います。従って検診を受けた時点ですでに乳癌があってもそれ以下の乳癌だと見落とされる危険があります。北斗さんの場合は乳腺そのものが通常より大きそうですし、出来た場所が乳頭の直下でしこりが判りにくい位置であったという不運もあります。今年の初めに本人が違和感を感じたそうですが、その時点で乳腺専門医を受診していればあるいはもう少し早く見つかったかも知れません。家族性(遺伝性)の乳癌は9%くらいの頻度ですので、家系に乳癌がなくても決して乳癌にならないとは言えません。全摘手術を勧められて最初迷ったようですが、生命の危険もある病気だと知って覚悟したそうです。手術樹式についてはどうだったのでしょうか私が卒業したころは乳癌の手術はすべて定型的乳房切断術(大・小胸筋とともに乳腺を全摘して腋窩リンパ節も廓清すると言う術式)が標準術式として行われていました。すると胸筋がありませんので、肋骨が浮き出て、手は象のようにポンポンに腫れると言う後遺症に苦しむ患者さんがたくさんいました。20年ほど前から日本でも温存手術が行われるようになり、今では60%以上が温存手術で治療されます。しかし、それも大きさと出来た位置によって違います。北斗さんの場合は乳頭直下ということで、温存手術は難しいと思います。温存手術でも癌細胞は出来るだけ綺麗に取り除く訳ですから、乳頭ぎりぎりで切り離して残してもがん細胞がそこに残る危険があり、血行障害を起こして、乳頭は壊死するか萎縮してしまい、温存する意味がなくなってしまいます。全摘と言っても、胸筋は残りますので、将来乳房再建も出来なくはありません。腋窩リンパ節にも転移があり、リンパ節廓清も行ったようですが、今後の治療は今ではいきなり廓清をせずに、手術中にセンチネルリンパ節(最初に乳腺からのリンパが流れ込むリンパ節)に転移があるかどうかを色素あるいはアイソトープを使って調べて、転移がある場合にだけ廓清をします。リンパ節に転移があっても、そこまでに止まっていれば、まだ局所だけで全身病ではないかも知れません。しかし、腋窩リンパ節に転移があると言うことはさらにその先に流れて行っている可能性があります。またリンパの流れは腋窩に向かう流れだけではなく、内側に向かい胸骨傍リンパ節と言う胸の中のリンパ節に向かう流れもあります。従って、残っているがん細胞に対する全身的な補助治療が必要となります。補助治療としては放射線療法、ホルモン療法、抗がん剤治療があります。放射線療法は局所療法で、温存手術の場合に温存乳房に対してその中に残っている可能性のあるがん細胞に対して行います。全摘手術の場合には行いません。ホルモン療法はホルモン感受性のある乳癌の場合にはがん細胞の増殖を抑制するために必ず行います。それは採った乳癌組織でホルモンレセプターがあるかないかを調べて決めます。抗がん剤治療はがん細胞の遺残が疑われる場合に行う第一選択の補助療法ですが、通常は2剤または3剤の抗がん剤を組み合わせて行います。分子標的治療剤と言う特殊な抗がん剤が使われることもありますが、これもその抗がん剤に感受性があるかどうかを調べて行われます。通常の抗がん剤治療は外来で点滴で行いますが、約4か月~6か月で初期治療としての抗がん剤治療は終わります。抗がん剤には種々の副作用があります。嘔気・嘔吐・下痢など消化器系の副作用、味覚異常・しびれなど神経系の副作用、好中球・血小板減少などの血液系の副作用、脱毛などですが、それぞれ対処する方法、薬などがあり、ずっと続く訳ではありません。女性がほとんどですから脱毛を気にされる方が多いですが、半年から1年で元のように生えて来ます。今後の仕事が心配だと思いますが、・・・。確かに、一時的に仕事を休む必要は出て来ます。しかし新たな仕事が出来る可能性があります。乳癌は今や日本人女性12人に1人が罹患すると言われています。乳癌にかかり、公表し、それを克服して仕事をしている有名人はたくさんいます。音無美紀子、島倉千代子、樹木希林、倍賞千恵子、森光子、園マリ、泉アキ、山田邦子、アグネス・チャン、マルチナ・ナブラチロワ、ジェーン・ホンダなどなど。東三河でも毎年東日新聞主催、アストラ・ゼネカ協賛で、ピンクリボンセミナーと言う一般市民向けの乳癌啓蒙講演会をしていて、乳癌を体験した有名人を呼んで話をしてもらっていました。有名人効果で毎年満員御礼の盛況です。マシンガントークで会場を沸かせてみませんか
2015年09月30日
コメント(0)
たまには真面目な議論でもしましょう。今日は日本の専門医制度について考えます。日本人は真面目で何でも学会・研究会を作って議論をすることが好きです。私の専門は外科の中の乳腺・内分泌外科でしたが、市民病院に勤務していた頃には関連する学会、研究会、地方会は20近くありました。会費を納めて、そういった会に出るだけでも忙しい毎日でした。そして、学会では認定医・専門医の制度を作り資金集めをしています。病院もそれに乗っかって、専門医の研修施設とならないと研修医が集まらないので、専門医を取るのを推奨しますが、学会に出張で行かせてもらえるくらいで、専門医を取ったって、何も優遇措置はありません。厚労省が決める医科の保険点数制度にしても、専門医が診ても、研修医が診ても変わりません。(唯一の例外は麻酔科標榜医、麻酔科専門医によって麻酔管理料が取れることぐらいでしょうか)日本法医学会死体検案認定医認定証 posted by (C)ドクターT私も病院勤めをしていた時には騙されて専門医を取る努力をしていました。外科の場合は2階建てになっていて、まず外科専門医を取り、その上に乳腺専門医や内分泌外科専門医がありました。そこまで行くには最低でも卒後10年くらいかかります。検案もするようになり、日本法医学会にも入って、新しく出来た死体検案認定医も取りました。これを取るだけでも学会費を払い、法医学に関する論文や学会発表の実績をあげ、死体検案の経験を100例以上つみ、大学の法医学教授の推薦状をもらい、認定料を払いと言った苦労をしないと取ることは出来ません。まだこの認定証は立派な楯になっていますが、通常は紙切れ一枚です。取らないと検案が出来ないと言う訳でもないし、取ったから検案料が上がると言う訳でもありません。外国の専門医はそれなりの権威があり、それなりの優遇措置がありますが、日本の専門医は全く incentive (動機付け)がありません。大学の医局も人不足となり、昔は医学博士号を餌に集めていたのが、最近の若者が利口になって博士号に見向きもしなくなってきたので、今度は専門医を餌に(うちの医局に入るとこんなに簡単に専門医が取れますと宣伝して)人集めをしようとしていますが、取ったところで何もよいことがないことが判ると直に崩壊するでしょう。さらに専門医制度の落とし穴は5年毎の更新制度があることです。更新するためには継続して学会費を払わなければなりませんし、学会の参加や発表、症例経験を出すなど継続しなければ自動的に5年で失効してしまいます。
2015年05月18日
コメント(0)
西三医学会 (14) posted by (C)ドクターT昨日は西三医学会で1時間の特別講演を頼まれて、高浜まで行って来ました。西三医学会 (16) posted by (C)ドクターT昭和7年から西三河で行われている伝統ある学会だそうで、西三河の大きな病院(安城、西尾、岡崎、刈谷など)の院長、愛知県医師会長なども出席している中で少し緊張しましたが、・・・。西三医学会 (18) posted by (C)ドクターT話の内容は私が普段やっている検案についてですので、途中から興がのってきて、15分ほども延長してしゃべってしまいました。
2015年05月18日
コメント(0)
血圧変動(8月~12月) posted by (C)ドクターTこの夏に検診を受けた時に高血圧が発覚したドクターTは2か月ほど生活習慣の改善に取り組みましたが、上が180前後、下が110前後で変わりませんでした。11月16日にナオ君を誘って越冬集団の観察に行った時に家に寄って測った血圧が215/146もあって、ナオ君もびっくり。さぞやジムニーに乗せてもらって何時アポるかと心配していたことでしょう。2日後にナオ君の診療所へ行き、ユニシア配合錠を出してもらい内服を開始しました。翌日から平均10前後下がり、さらに来年の宮古島に向けてジョギングを始めたら10~20くらい下がり、現在は上が140前後、下が90前後に落ち着きました。女房はもともと高血圧で内服していましたが、高かった時には私の連戦連勝、最近ではよい勝負になってきました。
2014年12月12日
コメント(2)
碧南市医師会忘年会 (2) posted by (C)ドクターT昨夜は医師会の忘年会に参加しました。碧南市医師会写真コンテスト (2) posted by (C)ドクターTその席で毎年恒例の写真コンテストがあり、出席会員30名ほどの投票で決められます。私も2点出しましたが、・・・。碧南市医師会忘年会 (1) posted by (C)ドクターTプロを自負する私としては負ける訳には行きません。飛び出すカワセミ posted by (C)ドクターT少し古い写真ですが、この写真が1位でした。
2014年12月11日
コメント(0)
今日は5年に1回のマンモグラフィー読影医の更新試験がありました。名古屋の東桜会館で、午前中試験を受けていました。100例のマンモグラフィーを診てカテゴリーをつけます。左右がありますので、200乳房のカテゴリーを判定します。カテゴリーは1から5まで数字が大きいほど悪性の疑いが強くなります。異常のある乳房に正しくカテゴリー3以上をつけて、精検に回すことの出来た割合を感度と言います。それに対して、異常のない乳房にカテゴリー2以下をつけることの出来た割合を特異度と言います。200乳房の読影で感度と特異度がどのくらいあったかによって、A,B1,B2,C,Dの判定がつきます。その判定基準は次のようになっています。マンモグラフィー読影医更新試験 (2) posted by (C)ドクターT過去2回試験を受けていますが、いずれもB1の判定でした。今回の試験はどうだったでしょうかマンモグラフィー読影医更新試験 (3) posted by (C)ドクターTまたしてもB1に終わりました。感度が平均より悪く、特異度が平均よりよくなっています。どちらかをあげようと思えば簡単です。感度を100%にしようと思えば、全部カテゴリー3以上をつければよいのですが、それでは異常のない乳房を全部精検に回すことになり、特異度は0%になってしまいます。逆に全部カテゴリー2以下にすれば特異度は100%になりますが、感度が落ちてしまいます。感度と特異度は逆相関の関係にある訳です。もちろん、B1で検診マンモグラフィーの読影をする資格は十分ですし、検診では通常マンモグラフィーだけでなく触診を併用しますので、癌の見逃しが18.2%もあると言う訳ではありません。しかし、私の場合特異度が高過ぎますので、もう少し特異度を下げてもおかしいものをカテゴリー3以上と判定して精検に回してもよいかも知れませんね。感度・特異度はどんなものの判定でも使うことが出来ます。例えば毒キノコの判定で言えば、毒キノコを正しく毒キノコと判定出来る割合が感度で、毒キノコでないものを正しく毒キノコでないと判定出来る割合が特異度ということになりますし、毒キノコの種類まで正しく判定出来る割合がカテゴリー感度ということになります。
2013年03月16日
コメント(0)
オーダーメード治療とはその患者さん一人ひとりに合わせて個別化した治療を行うことで、オーダーメードというのは和製英語なので、もとのテーラーメードという言葉も使うことがあります。さて、昨日は久し振りに乳癌の手術、ドクターTの腕の見せ所です。症例1MLO posted by (C)ドクターT症例1CC posted by (C)ドクターT患者さんは右の血性乳汁分泌としこりを自覚して、カワイ外科の外来を受診されました。右乳頭近くに腫瘤があり、一部に陥凹が見られ、乳頭を圧迫すると血性分泌物が出てきます。エコーで見ると、多房性ののう胞があり、内部に隆起性病変があります。鑑別すべき疾患はのう胞内乳癌とのう胞内乳頭腫ですが、穿刺吸引細胞診を行うとクラスIIIbが出ました。細胞診の判定はクラスI(異常なし)からクラスV(明らかな癌)までで判定しますが、中間のクラスIIIをIIIa(どちらかと言えば良性)とIIIb(どちらかといえば悪性)に分ける場合があります。この時点では皮膚の陥凹と合わせて乳癌を疑い、全摘を勧めました。(大きさが3cmを超えることと乳頭近くの病変なので)上のマンモグラフィー(MMG)は市民病院へ行き撮ったものですが、多房性ののう胞が写っています。周りへの浸潤所見がありません。これを見て、もし癌でなかったら全摘するのはまずいと思いました。そこで、全身麻酔をかけてまず腫瘤の切除を行い、術中迅速組織検査で判断して術式を決めることにしました。小さな市民病院では常勤の病理の先生がいませんので、術中迅速組織検査の判断もドクターTが行います。その結果は大部分が良性ののう胞内乳頭腫でしたが、一部に癌化が見られました。その大きさは1cmなく、温存手術で充分であろうと判断して、次にセンチネルリンパ節生検を行いました。センチネルリンパ節にも転移はなく、リンパ節郭清は省略して手術は終わりました。温存手術は術後に放射線治療に通院する必要がありますが、ドレーンも入らず、4~5日で退院できますので、お正月は家で迎えることが出来ます。画像診断・局所所見と細胞診の結果が乖離することがよくあります。そんな場合は術中迅速組織検査を行って判断しています。
2012年12月28日
コメント(2)
昨日は午前中、ライオンズクラブで蒲郡の福祉まつりの手伝い、昼から豊橋でピンクリボンセミナー、夜は大須でYOSの会(Sだけ参加)と一日忙しい日でした。DSC_1107 posted by (C)ドクターTピンクリボンセミナーは東日新聞主催、アストラゼネカ協賛で2006年から毎年行われていますが、今年はモデルのMAIKOさん(乳癌体験者)に来てもらい特別講演がありました。女子会トーク posted by (C)ドクターT第1部は東三河の乳腺専門医3人によるQ&AとMAIKOさんを囲んでの女子会トーク、ここでウィッグをつけてMAIKOさん登場。DSC_1109 posted by (C)ドクターT第2部はMAIKOさんの特別講演の後、私が総括をして、再びMAIKOさんのウィッグショーです。DSC_1096 posted by (C)ドクターTウィッグは今回の後援をしている医療用ウィッグメーカーMALIBUの提供で、MAIKOさんも術後の抗がん剤治療で毛が抜けてしまった時に使っていたようです。DSC_1110 posted by (C)ドクターT最後に出演者全員でMAIKOさんを囲んで記念写真、173cmの私が小さく見えます。ちなみにこの写真のMAIKOさんは自毛です。満員御礼 posted by (C)ドクターT600人以上の一般市民が集まり満員の盛況でした。DSC_1111 posted by (C)ドクターT楽屋裏では私もウィッグショーをしてみました。
2012年11月03日
コメント(4)
昨日は午前中から乳癌手術、しかも両側で両側とも温存手術をしました。午後は乳腺外来で患者さんも多かった。今日は、お盆休み明けのカワイ外科外来で患者さんも多かった。午後は市民病院へ行ってまた乳癌手術です。2日で3件の乳癌手術をします。大学が替わりの人を送ってくれないので、蒲郡の乳癌はまだ私一人で診ています。まあ、普段遊び回っているので、たまにはこれくらい仕事しなくちゃね。
2012年08月17日
コメント(0)
昨日、今日と仕事をしていました。昨日は午後市民病院の乳腺外来の日でしたが、午前中に乳癌の手術を1件、今日は午前中カワイ外科の外来でしたが、午後から乳癌の手術を1件。どちらも全摘でしたが、最近の乳癌手術ではリンパ節郭清を全例はしていません。手術中にセンチネルリンパ節(最初にリンパが流れていくリンパ節)を採って、手術中に標本を作り、顕微鏡で転移があるかないかを調べて、なければ郭清は省略します。うちの市民病院は常勤の病理医がいませんので、術中の迅速組織検査も私が自分で見ます。幸いどちらもセンチネルリンパ節転移はなく郭清はせずに終わりました。昔、全例郭清をしていた頃に比べると、術後のリンパ浮腫が起こりませんので、患者さんにとっては朗報なのですが、・・・。今日、カワイ外科の外来で、2年前に手術した人で、やはりセンチネル(-)で郭清を省略した人が、同側腋窩のリンパ節が腫れてきて細胞診をしたら乳癌の転移が出た人がいました。これはどういうことかと言うと、稀にスキップ転移と言って、センチネルを飛び越えて転移することがあるからです。この方は遠隔転移の有無を検査してなければリンパ節郭清を追加することになると思います。
2012年05月25日
コメント(2)
知り合いから最近突然手足が動かなくなり、2~3時間するとまた動くようになるが、何だろうと相談を受けました。昔椎間板ヘルニアだと言われたことがあるそうですが、痛みなどはないそうです。ちょっと聴いたことのない症状ですね。麻痺が起こるとすれば神経疾患の可能性をまず考えます。私は神経疾患は苦手ですが、幸い弟が安城更生病院の神経内科部長をしていますので、早速紹介状を書いて診てもらうことにしました。返事が来て甲状腺機能亢進症に伴う周期性四肢麻痺であるとの診断でした。えっ、それなら私は乳腺内分泌外科が専門ですから私の領域ではないの今まで随分甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の手術をしてきたし、内科的治療で診ている患者さんもたくさんいますが、そんな症状の患者さんは診たことがありませんでした。教科書を見直して見ると確かに書いてありました。弟に1本取られました。今度、酒でも奢るからね。
2012年05月19日
コメント(0)
たまには役に立つ医学の情報も載せましょう。DSC_5393 posted by (C)ドクターT一昨日は午後名古屋でライオンズの第4回キャビネット会議があった後、すぐに新幹線で豊橋に移動して、武○薬品協賛の東三河乳がん勉強会がありました。この会は私が代表世話人を務めており、年に1回豊橋のアソシアで行われています。DSC_5395 posted by (C)ドクターT今回は大学の同級生で同門の名古屋医療センターの佐藤先生を招いて、再発乳癌の治療戦略について講演してもらいました。話の内容は「昔は乳癌は再発したら、いかにQOLを維持しながら延命させるかが問題でしたが、今では様々なホルモン療法剤や化学療法剤が出て、再発しても効いてCR(完治)となる症例がかなりの割合で出るようになり、乳癌のタイプによっても効きやすいタイプがあり、多施設協同研究で標準治療の確立をしなければいけない」といった内容でした。終わってから懇親会もあり、久し振りの同級生の話題やまた聴きにきてくれた院長やナオ君とも盛り上がりました。そして、昨日はカワイ外科の外来の後、久し振りに市民病院で乳癌の手術をしました。その症例はカワイ外科で細胞診をしてクラス3ではっきりせず、市民病院でもう一度細胞診をしなおしましたが、やはり鑑別困難と出て、しかたなく切開生検(腫瘤の一部を採って組織検査すること)をして、浸潤性小葉癌という特殊な病理型であった方です。その時に特殊免疫染色も出して、乳癌のサブタイプも調べました。ER(-),PGR(-),HER2(+)という結果が出て、分子標的治療剤(ハーセプチン)がよく効くHER2サブタイプでした。術前検査では遠隔転移の所見はありませんでしたが、センチネルリンパ節陽性でしたので、レベル2の郭清を行いました。このタイプでは術後にハーセプチンの補助化学療法を追加することで根治も目指せると思います。さて、今日は親クラブである蒲郡LCのCN(チャーターナイト(設立))50周年記念式典です。そして明後日はヤンバルに旅立ちます。
2012年04月21日
コメント(4)
昨日は久し振りに朝から市民病院で乳癌の手術をしていました。その方は1年前に乳癌検診のマンモグラフィー(MMG)で要精検となり、私の乳腺外来に来た方ですが、そのときはカテゴリー3(MMGの判定基準で1~5までつけます。数字が大きいほど悪性の疑いが強くなります)で、エコーでも所見がありましたので、細胞診を行ったのですが、その時は検体不良でした。画像上、あまり悪性を疑わなかったので、1年後に来てくださいと言って帰した方です。1年経って、来院して、MMGを撮ったら、明らかに大きくなり、所見も進んでカテゴリー4になっていました。アチャ~、見逃した~と思って細胞診をすると、今度は疑陽性が出ました。ご主人を呼んで話をしました。全身麻酔で乳癌の手術の準備をして、まずシコリの部分を採り、術中迅速組織検査で確認して乳癌手術に移行しましょうと。やはり、術中迅速組織検査の結果は乳がんでしたが、センチネルリンパ節も転移はなく、温存手術で済みました。1年放置したと言っても、8mmの大きさだったのが、12mmになったくらいで、温存手術で出来上がりは1年前とそれほど変わりません。私の温存手術についてはここを見てください。細胞診陽性が出れば乳癌の診断は確定しますが、細胞診陰性もしくは検体不良というのは100%乳癌が否定された訳ではありません。女房も最初の細胞診では陰性でしたが、怪しいと思ったので、シコリの摘出生検を行い、診断が確定しました。
2012年02月03日
コメント(2)
今週は4日働きます。その後の遊びのために、・・・。今日と明後日はカワイ外科と競艇場医務室のダブルヘッダー、明日は午後の乳腺外来後CPC(臨床病理検討会)、その後飲み会です。昨日は乳腺腫瘍試験切除後、乳癌温存手術2件(1件は助手ですが)ありました。最近の乳癌の手術ではリンパ節郭清は一律にはせず、まずセンチネルリンパ節(乳腺からのリンパが最初に流れていく場所にあるリンパ節)を1個採って術中迅速組織検査(手術中に凍結標本を薄切して染色して顕微鏡で診て診断すること、術中ゲフリールと呼んでいます)をして転移がなければ郭清を省略するのが一般的です。無用な郭清をして術後上腕浮腫などの後遺症が出るのを防ぐためです。ところが、常勤の病理医がいて、術中迅速組織検査にいつでも対応できる病院はそんなに多くはありません。蒲郡市民病院も週2日の限られた時間しか病理の先生は見えませんので、通常はその時間に合わせて手術を組むしかありません。外科医としての活動がかなり制限されることになります。私は学生時代から外科を志した時から自分で専門分野の病理が診られない外科医では駄目だと思い、病理の教室に出入りして独学で勉強しました。昨日の乳癌手術も1件目は画像上は乳癌で間違いないと思うのですが、細胞診でクラス3(疑陽性)でしたので、まず原発巣の術中ゲフをして硬癌の確定診断をつけてから手術をしました。2件目もセンチネルの術中ゲフを診ました。幸い2件ともセンチネル(-)で郭清は省略で済みました。
2012年01月11日
コメント(2)
今週は2件の乳癌手術をしました。1件は17年前に私が乳癌の手術をした方です。今ではやりませんが、Patey法といって、大胸筋の下の小胸筋を切除してレベル2のリンパ節郭清をする術式でした。現在55歳ですから38歳の時に1回目の手術をしました。5年ホルモン療法剤を内服していただき、再発がないことを確認して中止、その後は年に1回定期検診に通ってみえましたが、10年経って、もう大丈夫でしょう、これからは一般の乳癌検診を受けて下さいと7年前に言った方です。先日、切除をした胸壁にしこりが出来たと言って私の外来に見えました。1cmくらいの大きさですが、確かに乳腺は全摘して何もない胸壁の皮下に結節があります。細胞診をしたら、乳管癌の細胞が出ました。認めたくはありませんが乳癌の局所再発です。血液検査で乳癌の腫瘍マーカーも正常、骨シンチ、CTを撮り、他には転移所見はありません。そこで、その胸壁再発の切除をしました。乳癌では手術して年数が経つほど再発のリスクは減って行きますが、10年以上経っても0にはなりません。不必要に再発を恐れることはありませんが、そのことは頭の片隅に入れておかなければなりません。もちろん、再発をするということは癌の細胞がそこに残っていて、17年かかってようやく1cmくらいの大きさに成長したということですから、年数が長く経ってから再発する癌ほど増殖速度の遅い大人しい癌であるということになります。うちの女房も手術をしてもうじき5年経ちます。
2011年12月08日
コメント(4)
今朝7時ころに知多の家にいたら、蒲郡のSクリニックから帝切の助手の依頼。なかなか難産で出ないので、緊急で帝王切開をしたいと、・・・。知多から蒲郡までは下道を走って1時間ちょっと、東名は最近豊田-岡崎間がいつも渋滞していてもっとかかります。でも今朝の朝刊を見たら東名の3車線化が完了したと出ていましたので、東名で行くことにしました。今まで2車線だったところを3車線に変えたので、1車線の巾が3.6mから3.25mに路肩の巾も3mから75cmに縮まりましたが、それほど違和感はありませんでした。8時までには余裕でSクリニックに到着、すぐに始めて、無事3250gの女の子をとりあげました。これから急ぐ時は東名の方が便利ですね。
2011年10月22日
コメント(4)
10月に入って、いろいろな行事があり、なかなか写真を撮りに行けません。宮崎ますみさんを囲んで posted by (C)ドクターT10月1日には豊橋のホテル日航豊橋で東日新聞主催のピンクリボンセミナーが行われ、女優の宮崎ますみさんを招いて講演をしてもらいました。今年は600名ほどの聴衆が集まりました。私は宮崎さんを囲んでの座談会と最後に宮崎さんに花束を渡す役で出演しました。安城更生病院院長と posted by (C)ドクターT同級生の松澤君(副院長、産婦人科部長)と posted by (C)ドクターT10月4日には西三河で最大の病院(研修医数全国20位)、安城更生病院に検案の話で1時間の講演に招かれました。弟が神経内科部長、医療安全部長をしていて、今度安城更生病院も警察からの検案要請に応ずることにしたので、検案の仕方を講演してくれないかと頼まれました。同級生の松澤君も副院長になっていて、講演が終わってから接待してくれました。
2011年10月04日
コメント(4)
昨日は豊橋で東日新聞主催のピンクリボンセミナー2011が行われました。今年6回目になりますが、女優の宮崎ますみさんが来て自身の体験談をしてくれました。豊橋で一番広いホテル日航豊橋のホールで行われましたが、会場が600名以上の方で満員でした。宮崎ますみさんを囲んで posted by (C)ドクターTとても綺麗な方でした。私も座談会に出演しました。その後、ホテルアソシアに移って、製薬メーカー主催の三河乳腺疾患懇話会に出て、L○田△平の家で行われたマツタケパーティに出ました。
2011年10月01日
コメント(0)
乳腺には癌ではないが、時々巨大になる非上皮性腫瘍があります。今日は、カワイ外科の外来の後、市民病院で葉状腫瘍の摘出をしました。50歳くらいの女性ですが、6年前に一度葉状腫瘍の摘出をしています。その時は10cmを超える大きさで全身麻酔で摘出しました。病理は葉状腫瘍(良悪性の境界病変)とのことでしたので、また局所再発を起こす可能性が高いことを話し、しこりに気がついたらすぐに来るように言っておいたのですが、半年ほど放っておいたようで、5cmくらいになっていました。ちょっと大きかったのですが、本人の希望で局所麻酔で摘出しました。つるっとした腫瘍で採り残すつもりはないのですが、何故かよく局所再発します。再発を繰り返すうちに悪性度が増してきて、そのうちに遠隔転移を起こす場合がありますので要注意です。昼下がりの情事 posted by (C)ドクターT写真は記事とは関係ありませんがカワイ外科から市民病院へ行く途中に五井山の麓の辺りで見ました。アゲハ幼虫 posted by (C)ドクターT手術が終わって、地区PR委員長のL加藤のところへ打ち合わせに行ったら、家の前のミカンの樹にアゲハの幼虫がいました。
2011年08月17日
コメント(2)
先週のある一日に経験したことを記録しておきます。カワイ外科の外来の前にワラビ採りをして、五井山に登り写真を撮っていたら、警察から検案の依頼です。91歳の男性が、朝家族が見に行ったら死んでいたので、警察に連絡して検案となりました。大分痩せていますが、むくみはなく、外傷なども見当たりません。2カ月ほど前から食欲がなく、だんだん元気もなくなってきたので、家族が病院へ連れて行こうとしましたが、本人が今まで病気もなく、医者嫌いで嫌がったそうです。心筋トロポニンも陰性で、髄液も清明でした。うちの大お祖母さんも96歳になり、最後は下血をして病院で点滴をしようかと言ったら嫌だというので、家でそのまま診て3日間でなくなりました。末後の酒も美味しいと言って飲みました。こんなケースでも検案書に死因を書かなければいけないので、私は老衰による病死と書くことにしています。所謂樹が枯れるような死に方です。終って、急いでカワイ外科に行き、3時間ほどで、35人ほど外来患者さんを診ました。5分間診療ですね。昼からは、妊娠9カ月、27歳の女性の乳癌の手術をしました。先に婦人科が帝王切開で赤ちゃんを出してから、全身麻酔に切り替えて乳癌の手術をしました。赤ちゃんは女の子で問題なく産まれて、小児科が引き取って行きました。乳癌は一応温存手術できましたが、術後は母乳を薬で止めて、すぐに放射線治療、場合により、抗がん剤治療、ホルモン剤治療があるかも知れません。赤ちゃんを見ながらの治療は大変ですが、赤ちゃんのためにも頑張って欲しいと思います。
2011年06月27日
コメント(0)
原発事故の報道が毎日されています。今度は高濃度の汚染水が海へ垂れ流しになっていて、それを止めるために水ガラスを注入して何とか海への流出は止まったようですが、その水がどこから来たものなのか何も言わないのですが、元は原子炉の格納容器のどこかに破損が生じて冷却のために入れていた海水・水であるのは疑いないことです。つまりザルに水を汲むようなもので、入れても入れても格納容器内には貯まらずに漏れ出ていたとしか考えようがないでしょう建屋内に入った作業員が被爆したときにも、通常の原子炉内部の水よりも高濃度の放射性ヨウ素が検出されたということは、最近燃料棒の冷却についての報道がぱったりなくなってしまったのですが、まだ燃料棒は完全に水に浸かってなくて、一部溶融していることが考えられます。一番最後の海に流出するところを止めることができても、元の格納容器からの流出が止まらなければ、原発内のどこかにどんどん蓄積するはずですので、そのうちまたどこかから溢れ出すことは明らかです。大元の格納容器の修理をしなければ問題の解決にはなりません。近づけないので修理ができないと言っていますが、ガンダムスーツのようなものを着ていくか、完全に無人のロボットで遠隔操作するかすれば出来ないことではないと思うのですが、・・・。この放射能漏れを見ていて、昔のTischtotを思い出しました。私が経験した唯一のTischtotです。Tischtotというのは手術台上での死亡のことです。外科医としてなす術もなく、・・・。思い出したくもないのですが、・・・。17歳の女の子が交通事故で運ばれてきて、ショック状態でした。CTを撮ると腹腔内に液体(血液)貯留を認めます。すぐに手術室へ運んで開腹しました。肝破裂があり大きく肝臓針で縫合しましたが、血液の漏出は止まりません。そのうちに心停止が起こりましたので、とりあえずガーゼタンポンをして輸血を全開で落としながら心マッサージをしました。心拍が再開して止血部位を見るために肝臓を起こしてみるとまたドーッと血液が湧いてきます。下大静脈が裂けているようです。心停止、タンポンして心マッサージを繰り返しましたが、下大静脈の損傷部を見ようとすると出血が増えるので、視野が悪くなり、どうしようもなく、そのうち心マッサージにも反応しなくなりました。今回の放射性物質の漏出も建屋内に貯まった水を汲み出すとまた出るので、タンポンで止めるしかないということでしょうか今から思うと、少女を助けるためには、直接出血部位を止めに行くのではなく、タンポンで止めておいて、アンスロンチューブか何かで門脈及び下大静脈のバイパスをまず作ってから出血部位の上下で血流遮断してから止めに行くしかなかったかなあと反省しています。今回の原発でも漏れてくる放射能水をバイパスを作って格納容器に戻す経路を作ってから直すしかないのかなと思います。
2011年04月06日
コメント(2)
昨日は午後名大第二外科の中尾昭公教授退任、二外史出版記念講演会に行ってきました。RIMG0002 posted by (C)ドクターT中尾教授は私と研究室は違いますが、名大第二外科の第10代目の教授です。講師時代から凝固線溶系の研究をしてヘパリンコーティングしたアンスロンチューブを開発して、それを使って、術中に門脈血をバイパスして流し、門脈合併膵切除をゆっくり出来るような術式を開発しました。それまでは門脈遮断をして手術するしかなかったので、長い時間がかかるような手術が出来ませんでした。門脈浸潤を伴う膵臓癌や肝臓癌の手術が可能になり、門脈合併膵頭十二指腸切除を世界で一番たくさん行った膵臓癌の第一人者です。昨年名古屋で第110回の日本外科学会を主催され、退任後はSLセントラル病院の院長として赴任します。中尾教授の手術に一度助手で入れていただいたことがありますが、しゃべり方が聖飢魔IIのリーダーのようなめりはりのあるしゃべり方で、解説をしながら手術をされるのですが、手術自体がとてもめりはりのある綺麗な手術をされます。教授というのはその教室の研究と臨床と教育の責任者になるわけですが、国立大学の教授はややもすれば、研究に偏りがちですが、中尾教授は手術の腕も一流でバランスのよい教授でした。講演会の後、夕食会がありましたが、第二外科の同門だけでなく、教授は恵那の観光大使もしていて、幅広い交友関係があり、400名ほどの参加者がありました。
2011年04月03日
コメント(0)
全121件 (121件中 1-50件目)