そういちの平庵∞ceeport∞

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男はつらいよ


浦河ベテルのキヨシドンにどこか似てる
持てるものは何も無いが
人をひきつけ「ほっとさせる」オーラを放つ
彼キヨシドンの歌う「男はつらいよ」は良い
今度会ったら一緒にカラオケに行きまた聞きたいものだ

 寅さんは、苦悩するエリートサラリーマンに「お前がいないと会社はつぶれちゃうのか」と問い、疲れてるのだからひと休みしろよと勧める。また、満男と一緒の旅先で知人の死を知り、墓参に誘う寅さんに、満男が汽車の時間が迫っているから帰ろうとする場面で、寅さんは「汽車に乗らないと死ぬのか。墓参りと汽車に乗るのとどっちが大切だか、大学生のお前は分からないのか」としかる。効率的であることがすべてで、今、人間にとって大切なことは何かが後景に押しやられる現実を、寅さんは端的に突く。

 「何のために人は生きているのか、社会や国はあるのか。穏やかに安心して暮らしていけるようにこの国はあるはずです。それが逆転している。会社のため、国益のため、というのは寅さんには全く理解できない価値基準。貧乏だし、家族もいないけど、誰にも管理されない、自由な寅さんだから正論が聞けるんですね」

 このごろどうしてるか、と聞かれて、寅さんはしばしば「地道な暮らしよ」と、あの張りのある明るい声で答える。そんな地道な生活の様子が、印刷工やSLの機関士、豆腐屋、農家などを通して描かれもした。

 「実はその地道な暮らしが寅さんにはできない。それがまともな人間の生き方だとよく知っている。だから、さくらが地道を絵に描いたような博と結ばれたことを心から喜びながら、自分にはできない。ただ、地道に暮らす人々の心にも面白おかしく生きたいという謀反心はあるんだと思います。2つの思いが交錯しながら人間は生きている。寅とさくらは1人の人間の2つの姿だとも言えますね」

 「地道に、こつこつ生きることへの尊敬の念がこの国から消えました。3Kなんて言葉もあった。要領よく金もうけすることがかっこいいことになり、地道という言葉の値打ちやモラルが分かる人も少なくなりました」

 恋について寅さんの名セリフがある。「胸ん中がやわらかあくなるような気持ちでさ。ちょっとしたことでも例えば、千里先で針が落ちてもウワーッと驚くような、そんなやさしい気持ちになって、この人のためだったら何でもしてやろう、命だって惜しくない」。こんなに愛しているのに振り向いてくれないからと、寅さんは陰湿なストーカーとはならない。他者を憎むよりも、相手に何もしてあげられなかった無力な自らをこそ責めるからだ。

「手軽に男女がくっつき合えるような世の中で、寅さんのような愛の夢はどう膨らませられるんでしょうかね。寅さんが始まったころはパソコンも携帯電話もない。今は物だらけで、人はむしろ窒息しそうですよね。改めてあの当時には何があったのだろうかと考えてみると、家族や地域社会の、人と人のこまやかな心遣いや、トラブルを含めたコミュニケーションではなかったのでしょうか」

 寅さんの故郷、葛飾柴又では共同体が健在で、さくらや博、おいちゃん、おばちゃん、たこ社長や御前様たちが愚かな寅を心配している。「糸の切れた凧(たこ)」の寅さんは実は故郷に深く根ざしているのだ。

その昔葛飾柴又で発掘作業をしていた学芸員が大昔の戸籍を見つけた
確か竹に書かれた戸籍でそれにはトラとさくらという夫婦がこの地に住んでいたという事が書き残されていた当時ニュースになり「ホー」と思った

僕の生まれ育った町も似たような町で未だに共同体も残り
貧乏でおかしな人々が多く暮らす

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