むらきぃの司法試験受験勉強記

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2019.02.17
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カテゴリ: 過去問の教材

平成22年短答式試験問題[民事系科目]〔第47問〕

3.吸収合併において,吸収合併存続株式会社の反対株主が当該吸収合併存続株式会社に対し会社法所定の手続に従って自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求した場合,当該株式買取請求の意思表示が当該吸収合併存続株式会社に到達した時に,当該株式買取請求に係る株式の買取りは,その効力を生ずる。

【解説】

誤っている

吸収合併において、消滅会社に係る株式買取請求については、その買取りの効力は、代金の支払の時(798条5項 (現6項) 〔存続会社〕)ではなく、合併の効力発生日(合併契約で定めた効力発生日)に生ずる(786条5項 (現6項) )。したがって、本記述は誤っている。


この解説の執筆者は,ちゃんと本肢を読んでいるのでしょうか。

本肢において反対株主が株式買取請求をしているのは,「消滅会社」に対してではなく「存続会社」に対してです。

したがって,反対株主が吸収合併消滅会社に対して株式買取請求をした場合の当該請求に係る買取りの効力発生時期について記述している上記解説は,本肢の解説としては明らかに誤っています。

本肢のように,吸収合併において反対株主が存続会社に対して株式買取請求をした場合,当該請求に係る買取りの効力が発生するのは,当該吸収合併の効力発生日です(会社法798条6項(旧5項))。

なお,平成26年改正前は,同法116条1項各号所定の行為をする会社,事業譲渡会社,合併の存続会社等および分割会社に対する株式買取請求に係る買取りの効力は,効力発生日ではなく,株式代金の支払時とされていました(旧117条5項,旧470条5項,旧786条5項括弧書,旧807条5項括弧書)。

しかし,同改正の際に,反対株主にいつまで株主の地位を認めるべきかが問題とされたため,一律に効力発生日を基準とする法制に改められました(江頭憲治郎『株式会社法』[第6版](有斐閣,2015)842頁参照)。


確かに,株式会社の組織再編に関する手続きは非常に紛らわしくて複雑なので,条文を読んでも正確に理解して整理するのは難しいと思います。



しかしながら,上記解説の誤りは「消滅会社」と「存続会社」を読み違えるというケアレスミスによるものなので,現役の法科大学院の実務家教員ならば,慎始敬終を実行して,六法で入念に条文を確認したうえで正確な解説を心掛けてもらいたいものです。


それでは。





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Last updated  2019.02.17 08:00:12
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