3 夫婦の会話

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<夫婦の会話 ~ 一人一言語>


彼との会話は出会って数年は、彼が日本語を学んでいるということもあり、日本語中心の

会話でした。たまに通じないときに英語が入るくらい。私はそのころ韓国語に夢中で、

彼の母国語であるドイツ語には全く興味がありませんでした。

たまに彼がつぶやくドイツ語の意味が分からなくてもどかしかったくらいです。



そんな私がドイツ語を学ぶようになったきっかけは、ここオーストリアで初めて彼の両親に

会った時でした。何を言っているのか全くわからない、言いたいことが言えない、彼が話し

ていることが分からない、分かってはいたものの、想像以上にショックな出来事でした。



私がドイツ語を学び始めてからは、電話での会話やメールに少しずつドイツ語がでてくる

ようになりました。それでも私のドイツ語はひどいものでしたけどね。



結婚してからもずっとごちゃまぜ会話の生活が続いていましたが、娘が産まれて

からは、娘が言語混乱などを起さないようにと、一人一言語で統一するようになりました。



家庭内で彼はドイツ語だけ、私は日本語だけを話します。(二言語育児については こちら

始めは苦労しましたが次第に耳が鍛えられそれが当たり前のようになりました。



しかしやはり周りから見ると非常に不思議な会話にみえるようです。



 彼  Was hast du heute gemacht?

 私  今日はねえ、久しぶりに○○親子と会ったよ。

 彼  ○○?Wer war das?

 私  また忘れたのぉ?(かくかくしかじか)の人だよ~。

 彼  Ah. Habt ihr viel Spass gehabt?

 私  うん 楽しかったよ~。



こんな感じなので(^^;)



それでも何がなんでも一人一言語というわけではありません。

日本語でしか言えない事、ドイツ語でしか言えない事、つりあわない挨拶などは

そのままの言葉を使っています。



例えば、私「ただいま~」―夫「Hallo」ってどうもしっくりこないんですよね。

「ただいま」には「おかえり」の言葉がないと寂しく感じてしまいます。

だからそういうのだけは日本語で返してもらうようにしています。

くしゃみをした後の「Gesundheit!」(“お大事に”)も同じです。

誰かがくしゃみをしても、日本では声を掛けませんよね。日本語にはないからといって

無視するわけにはいかない。だからそんな時には私もドイツ語です。


言葉と文化は密接に関わっていますから、どうしても一人一言語とはいっても、

妥協する部分はでてきますね。



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