さるのちえ

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2009年11月13日
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カテゴリ: 徒然のままに
 昭和から平成へと時代が変わって、今年20年になる。今上天皇と一つ違いだからかも知れないが、天皇陛下といえば、私の脳裏に昭和天皇が焼きついている。戦後、人間宣言をされた昭和天皇が、はじめて民衆の前に出られ、直接におことばを聞くことができた。まだ焼け野が原であった中学校の前に整列して「行幸」をお迎えしたことを鮮明に覚えている。

 それまでは「ご真影」でさえ、直接見ると「目がつぶれる」といわれた「現人神」だった天皇陛下が車でお通りになるというので、当然のようにみな最敬礼をした。ところが、どういう予定になっていたか知らないが、われわれ中学生の前で、陛下のお車が止まり、車からお降りになれた。われわれ中学生の周囲には一般の人々も「天皇陛下、バンザ~イ」と叫んでいた。その歓声に応えられて、車をお降りになって、右手で帽子をつかんで、帽子をわれわれのほうに向けられた!

 「目がつぶれる」といわれていた天皇陛下が、ほんの2,3メートル先までお近づきになった。あの甲高いお声で「どう? 勉強しているかい?」とお声をかけられた。クラスの級長をしていたSくんは、とっさに「はい」と答えた。それに対して陛下は「あっそぉ! しっかりやってくれ」とおっしゃった。私はその級長とは三人くらい離れていたが、まさに目の前に神さまが現れたのだから、今までに経験したことのない、電気が走ったような衝撃をうけた。

 それから、クラスでも、「あっそぉ!」が流行語になった。食べるものがなくて、敗戦の惨めさを感じていた私は、あの甲高い、独特のお声の「あっそぉ!」が、人生観を変えるきっかけであった。そして、時代社会の遷り変わりを経て、「昭和」という時代を生きてきた。いま、平成の時代になって20年だが、私の胸から「昭和」は消えていない。平成を昭和に置き換えると、昭和20年は、その敗戦を味わった年である。そして、「現人神」を目の前で拝み、「現人神」のお声を直接、この耳にした年でもある。

 いま、ご即位20年を迎え、昨日の皇居前での祝賀会に、あのエクザイルが「太陽の国」を奉祝歌として、両陛下の前で歌った! なんと、時代はガラリと変わった。わtれわれ、昭和一桁生まれには、とても想像さえできないことである。






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最終更新日  2009年11月13日 13時22分12秒
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