旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

(飢餓海峡)(砂の器)(天国と地獄)


次ぎの3本であろう.

1.≪天国と地獄≫、 製作 東宝 
              監督 黒沢 明
              出演 三船敏郎/山崎 務

2.≪砂の器≫    製作 松竹
              監督 野村芳太郎
              脚本 橋本 忍/山田洋次
              出演 丹波哲郎/加藤剛/
                 加藤 嘉/緒方 拳

3.≪飢餓海峡≫   製作 東映
              監督 内田吐夢
              出演 三国連太郎/左 幸子/
                 伴淳三郎/高倉 健

これは、大方の(サスペンス映画)に関する本の
上位3位までのランキングの結果で 
あまり入れ替わることは無い.
が、面白いことに  (日本映画)に関しての
ランキングとなるとこぞって
1位と3位の順が、入れ替わり
飢餓...5.6位    原作 水上 勉
砂の...12.3位   原作 松本清張
天国...22.3位   原作 エド.マクベイン
と大差がつく。

何故(飢餓海峡)が、これほど上位にランクされるのか、
1つに物語り性、唯一この作品は、他二作品に比べ、
キーポイントになる女性=娼婦の特異性がある.
凶悪犯で今は成り上がりの名士.
1に、14年前の強盗殺人事件を、執拗に追う刑事伴淳三郎.
2に殺された女(娼婦)の事件を追う刑事高倉健
三国の凶悪犯と左の娼婦に加え、
伴じゅんの演技が、最高に良かった.
観るたびに重量感が増す映画だ.サスペンス的には
徹底していないが.....長編の原作の物語性を
1級のサスペンス作品に仕立て上げた
内田吐夢の最高作品である.

”砂の器”は、恩を受けた巡査が尋ねてきたことで、
自分の生活を脅かされると誤解した男の犯す罪.
清張の原作映画は、S.30年代 
まだ全国を巡る観光旅行は一般的ではなかったから、
映画で観る観光地は、楽しみの一つでもあった.
この映画は、何故か毎年夏になると観たくなる、そして、
何度観ても涙がとまらないのは、この”砂の器”と
”二十四の瞳”。同じところが、近つくと
ああーくるくるーーウルルンルンと.。
14年の歳月をかけて構想を練ったと言われ、
原作をしのいだとも言われた”砂の器”!

そして、貧乏医学生が下町の日の当たらない下宿から見上げる
丘の上の豪華なお城のような邸.その邸の子供、しかも間違って
運転手の子がさらわれる。つまり、丘の上の天国と汚い
下宿の地獄だ.犯人像がだんだん分かってきて、邸から下町を
見下ろした時に煙突から赤い」煙が、上がる。
モノクロ映画で、ここの描写だけが赤いカラ-に変わる。
後にスピルバーグが、”シンドラーのリスト”で、真似たことは
有名だ.
共通しているのは、犯人像で、貧困の中で育った者の
ひがみで、善者を誤解したがために罪を犯す.
が、頭はすごくいい.
置かれた社会環境に作者は半分同情しながら、どうしようもなく
起き得る事件として描いている。
監督は3人が、3人の解釈,撮り方で、甲、乙付け難い
1級サスペンス映画である.


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