煩悩日記

煩悩日記

夜桜想歌 (銀時×土方)

 似た者同士、とよく言われる。
 そんな事はない。何でアイツと似た者同士なんだ。全く違う。
 そう思っていたが、何度か会ううちに認めるしかなかった。
 いや、今も断じて認めない。だた、今回も現実を否定したいがこの公園で出会ってしまったのだ。

 寝付けなくて少し外の空気を吸おうと思い屋外に出た。その時、ふと今年は桜をゆっくりと見ていない事に気が付いた。既に深夜だったが昼間の公園では人も多く賑やかでゆっくりと桜が見れないと思い公園に向かった。
 いつぞやの昼間にした花見の騒ぎを思い出しそれだけは避けたかった。普段の自分なら夜の公園に絶対に一人で向かわないがこの季節なら花見に来た人が平日の深夜でも少なからずいるし、夜桜を見に来る人の為にご丁寧に雪洞で照明されているはずだと思い公園に行くことにした。
 公園にたどり着くと案の定、雪洞で園内は明るく照らされ人通りもまだある。
 桜の薄紅色の花が雪洞の灯りに美しく照らされている。
 僅かな風に小さな花弁が舞う姿を見て歩いていると人とぶつかった。人通りが少ない深夜の公園だが上ばかり見て歩いていたから当然ぶつかるはずだ。
 謝ろうと視線を相手に送ると驚いた。
 此処には見知った顔。そして、同時に同じ言葉を銀時と土方は叫んだ。

『何故てめーが此処にいる!?』


 どうやら二人は寝付けず同じ事を考え、この公園に来たらしい。
 そしてその場で別れて歩こうとしたが同じ方向に向かう。
「就いてくんな。このストーカー野郎」
「てめーが就いてきてるんだろーが。シバくぞ!コラァ!」

 やはり、似たもの同士である。
 埒が明かないので結局一緒に歩くことになった。暫くは沈黙したままだったが、銀時が口を開いた。
「覚えてる?てめーと出会った後の初めての春の日の出来事」
「あぁ、俺たち真撰組が花見をしているのにてめぇら万事屋が花見の席をめちゃくちゃにしてくれたんだよな」
「真撰組がめちゃくちゃにしたんだろーが」
「何だとコラァ」
 互いに襟首を掴み取っ組み合いになる。
「ヤんのかコラァ」
「上等だ。受けてやらぁ」
 だが、此処からは似た者同士の考えは違っていた。
 土方は銀時が仕掛けてきたら反撃しようと思っていた。銀時の手が動きを見て土方は構える。だが、その動きは土方の予想外の動きであっと言う間に土方の間合いに入り込み抱き締めた。
「えぇ!?てめーそれは反則だろーが!だいたい俺はサシで勝負し……っ」
 いきなりのキスで口を塞がれて土方は驚いたが、銀時の舌の動きに土方も答える。すると銀時は両手を腰へと滑らせ、そして双丘を着物の上から撫ではじめた。
「一寸待て万事屋」
「待てない」
 そう即答する銀時に土方は焦る。キスだけならまだ理解できる。冗談かと思ったが銀時の顔は本気だった。
「てめぇ、こんな所でする気なのか!?」
「昔もしただろ」
「あの時は酔ってた!!」
「そうか、今度は素面でしたいんだな。そーか、そーか。てめーがそう言うなら仕方がないなぁ」
「えぇ!?俺が何時そんな事を言った!!待て!!万事屋!!金なら俺が出すからせめてホテルで──」
 手を引かれ人気の無い公園の奥の桜の下に辿り着くとそこで求められた。公園の境のフェンスが近くに見えフェンスの向こう側は森になっていて木が鬱蒼と茂っている。此処まで歩道に設けられている明かりも殆ど届かない。
「んん」
 何時もより激しいキスに土方は腰が抜けそうになり銀時に寄りかかった事に自分でも驚いた。
 銀時は土方の状態に気が付き近くのサクラの木に体を凭れさせるといつも羽織っている着物を脱ぎ始める。
「なんだよ。もう我慢できなねぇのかよ。いい歳こいて下は十代の盛りか?」
「ちげーよ」
 銀時は脱いだ着物を下に敷き手を差し出した。
「ほらこっちへ来い。てめー今、立っているのがやっとだろ。そのまま地面に寝かせたら、てめーも着物も土で汚れるだろ」
「うるせぇ!余計な事で気ぃ使うな…!」
 そう言いながら土方は赤面している姿を見て銀時は微笑む。そして、土方の手を取り着物の上に座らせた。
「だって俺は紳士だし」
「どこが紳士だ!」
「俺は何時も紳士だよ」
「紳士は外じゃヤらないぜ。馬鹿じゃねぇか。てめーは」
「お互いさまだろ」
「あぁ、そうだな…」
 そう言って互いに匂いを確かめるように抱き締めた。
「好きだぜ」
「俺もだ……。銀時──」
「トシ…」

《完》


はい、本編の銀×土です。
よく考えたら此処で書いたSSは3Zばかりで本編はこれが初ですねぇ。
しかも、ラブラブバカップル。
本当なら最後は
『公園』で
『立ち』で
『後ろ』からの話しを書こうと思っていたのですが、
着物を下に敷く事が浮かびそちらに変更しました。
はい、書き逃げです。
この後は皆様のご想像にお任せします(笑)

補足
「昔もした」は原作の第十七訓の最後の1コマと2コマの間です。
「アレ?ここどこ?」
の手前で二人はヤったんです。
(※奈々瀬の勝手な解釈です)


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