成朔かけるのぼやき日記

成朔かけるのぼやき日記

空回り。



冬景色のように美しい冬もあれば
ただただ凍てつくばかりの壮絶な冬もある。


花の香りに誘われる虫たちが緩やかに道しるべを作る春もあれば
むせ返る櫻の花びらが降り注ぎやがて青葉が生い茂る春もある。

暑い夏も蝋燭のともし火のようにはかなく揺れ動く。

燃え上がる太陽のように黒い太陽のように暑く熱くなる夏もあれば
ひとしきり生暖かい心地の良い雨が降る夏もある。


少し肌寒い風に身震いしながらも美味しいお茶を飲んでいるかのような心地よい秋もあれば
冬もまじかになって泣きたくなってくる儚い秋もある。



そんな心の中の四季は四六時中めぐりめぐって
永遠に繰り返す。



赤い空の下
故郷を思い浮かべるとともに
昔の自分を振り返る
そんな時間がたまにくると
アタシは
泣きたくてたまらなくなるのだ。

あたしの心の中は
きっと
四季の中で夏が無いんだろう。

春がきたら秋が来て長い長い冬篭り。

それなら
ゆっくり
まぶたを閉じて


暖かい春が来ること願いながら眠るとしよう。


おやすみ。

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