「ノー・カントリー」は、オスカー作品なのに単館上映系のため公開劇場が少なく、地元ではとうとうかからず終いで、CATVで待っていたけど未だ放映されず。痺れを切らし、レンタルしてみました。 これまでコーエン兄弟作品は、ほとんど観ていまして、これもオスカーを獲ったことで、賛否両論でしたため、楽しみにしていたんです。 「ファーゴ」と比較する感想が多いんですが、私の中では、異なるものでした。ファーゴは起承転結がはっきりし過ぎるほど鮮やかで、コーエン兄弟の作品の中では、キリリと閉まり過ぎで別格だと思うんです。「バーバー」と同類の感じ。 こちら「ノー・カントリー」は、もっと、こう、不条理感強く、病んだアメリカをシニカルに撮っているっていう感じですかね。 トミー・リー・ジョーンズは、日本ではヘンな宇宙人で缶コーヒーなんて飲んでますが、もの悲しい old man を、それはそれは切なく演じています。 原題は"No Country for Old Man"。 邦題の「ノー・カントリー」だけでは、監督の意図するメッセージがぶっつり切られてしまっているようで実にもったいないです。実に後味が悪い作品ですが、本来のコーエン兄弟らしさで言うと、ファーゴよりは彼ららしい作品なんじゃないか、と思うのです。 後味が悪すぎて、おそらく二度も観たくないほどです。これはレンタルでよかったな。うーん、複雑。