natural smile

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私の出産

初めての妊娠、出産。
とてもドキドキしてました。

今となれば、

ほんの少しでも早く生まれることの覚悟が出来ていたら

あれほどまでに落ち込まなかったんじゃないかなあって思います。


出産に際して、私には夢がありました。

まず、夫の立会い出産。

夫も立会い出産をとても望んでいました。

よくテレビドラマなんかでもあるでしょう?

「ひー、ふー、。。。はい。息吸って。吐いて・・・」

夫に手を握ってもらって、

私は「もうイヤだ。つらいよ。しんどいよ。」・・・

なんて思いながら、がんばってりきむ。

「オギャァー。。。」

赤ちゃんの泣き声が聞こえる。

「わぁー。産まれたんだぁ。やったぁ。産まれたんだぁ・・・」

そして看護師さんから

「元気なお子さんですよ。」って子どもを手渡される。

初めて抱きしめる我が子。

感動して涙ぐむ私。

喜びをかみしめあう夫と私。

その後、
立会い出産を勧める私がいる。

「本当によかったよお。感動したよう。絶対立会い出産ってオススメだから」


だけど、現実は違ってた。

我が子は出産予定日よりかなり早く産まれることになった。


1日でも長く私のお腹の中にいてほしかった。

そう思って、私もがんばった。


先生が「お腹の子が元気な今のうちに外に出してあげた方がいい」

って言っても、納得できなかった。

1日でも長くお腹の中にいた方がいいに決まってる。

肺の機能だってまだちゃんとできてないんだから。

なのにいきなり先生が

「今日、帝王切開の手術をしましょう」って言ってきた。

うそでしょう?

何いってるの?

まだ30週なんだよ。


「旦那さんに連絡して下さい。」って言われた。

夫は心配して仕事中も携帯電話を肌身離さず持っていたみたいで、

電話したらすぐにつながった。

「先生が、今日、産んだ方がいいって・・・・」

その後は、涙がたくさん出て、嗚咽で言葉にならなかった。

先生が電話をかわってくれて、説明してくれた。

しばらくして夫が病院に来てくれた。

先生からの説明の後、夫は冷静に

「1日でも長くお腹の中にいてもらいたいんで、

 もうちょっとがんばらせてもらえませんか。」

と言ってくれた。

打ち合わせをしていたわけでもないのに夫は、私が思っていて

言葉にできなかった気持ちをちゃんと先生に伝えてくれた。

先生は承諾してくれた。


この日私は、誕生日を迎えた。

本当だったら、夫とお気に入りのレストランに食事に行く予定だった。

でも、LDRの部屋で張り止めの点滴を受けながら、

それでも点滴がまったく効かず、規則的に起こる陣痛にあばれて、

何回もナースコールをして苦しんでた。

辛くて食欲はなく、食事はまったく食べられなかった。

その日の夜、当直で来られていた先生が

お腹の子の様子を見てくれた。

「ついでに超音波写真撮っちゃうね。」

そういって、私にお腹の子の写真を渡してくれた。

先生は何気なく渡してくれたのかもしれない。

でも私にとってはその写真がとても嬉しかった。

最高の誕生日プレゼントだって思った。


1日でも長く頑張ろう。

そう思ってた。

でも、もうダメだって私自身思った。

大量の出血も出てしまった。

翌朝、先生に「お願いします。」って自分から言った。

でもやっぱり不安になり「早く出した方がいいんですよね?」と確認した。

先生はとても丁寧に、「早く出した方がいい」という説明をしてくれた。

夫に電話して、「もうダメだから今日産むことにする」って言った。


そうして我が子は産まれることとなった。

私の誕生日の翌日に。


緊急帝王切開のため、夫の立会い出産は認められなかった。

子どもが私のお腹から出てきて、泣き声が聞こえた。

小児科の先生の「元気な子やー」と言っている声が聞こえた。


夫の立会い出産も叶わず、

産まれた直後の我が子を見る事も抱く事もできず、

私の出産は終わった。


無事に産まれてくれた。

31週0日だった。

1日がんばったおかげで、31週に入ることができた。

そのことは私にとっての救いだった。

だけど夢見ていた出産とは全く違っていた。

それから後は、悲しくて、悔しくて、泣いてばかりいた。


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