「プラットホーム」


深夜の地下鉄のホーム

時計の針の音さえ響き渡るこの静寂という名の空間

右を見ても左を見ても
目に写る景色は
暗いトンネルと
闇の中をまるで無限に続くかと思わせるほど長いレールと
それを追うかのように続く蛍光灯

その黒い影の先には
何が顔を覗かせているのだろう

手を招いて誘うのは
降りる駅のホームの蛍光灯か
あるいは暗闇の奥深くまで誘う黒い影か

光と影の入り混じる中から二つ眼の電車が向かって来た

乗客は数えるくらい
誰もいない最後尾の車両の席に腰を下ろして
一時の独占感を吟味する

発車の合図が誰もいないプラットホームに鳴り響く

僕を乗せた地下鉄が
扉を閉めて走り出す

誰もいない車両の席で
ユラユラ体を揺られながら僕を乗せた地下鉄は走り出す

向かう先は闇の中
一体どこまで走るのか

すれ違う蛍光灯が
走馬灯のように過ぎてゆく
過去を振り返るような光は
瞬く間に次から次へと過ぎてゆく

行く先は何処なのか
僕は何処へ向かうのか

行く宛のない切符をにぎりしめ
僕はどこで下りるのか

知っているのは
僕が下りるのを待つ
そのプラットホームだけ。

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