3☆初山小屋体験




++++ 初山小屋体験 ++++


山小屋の部屋に入ってびっくりした。
今まで泊まったどのユースホステルよりも
バックパッカーズホステルのドミトリーよりもすごい人。

そう、この日はGW真っ最中。
誰かが畳の数と部屋にいる人数を一生懸命数えていた。

畳15畳に対し40人の人がいるよ~~と
その方はぶーたれていらっしゃった。

この時初めて聞いたんだけど山小屋は
基本的に来たお客様は招き入れなくてはならないんだって。

必死に山に登ってきた人に対し、空いていないから次へどうぞ
という訳には山の上では確かにいかない。

山で遭難でもされてしまったらそれこそ
その小屋の責任にもなりかねまい。

そういうわけで私達も部屋に入ることが出来た訳だった。

ものすごい人と荷物を必死でまたいでスペースを確保。
食事付きで泊まっている人が全員食事がすんだら
部屋割りをして布団を敷き始めるので
それまではその部屋で待っていてくださいとのこと。

さっき横切ってきた食堂は長蛇の列になっていた。。。
外で自炊して食べておいて良かった。

まだまだ時間がかかりそうなので
丸まりながら横になって休むことにする。

近くには酔っ払いと思われるおじさんのグループ。
話し声がやたらにうるさくて耳につく。

すると、、、

「そういえばさっきの外人、
   結局小屋に泊まることにしたらしいぜー!けっけっけ」


 ・・・・・・



はぁ、私達の事だ・・・・

と、誰かもう一人が
「おい、あそこに寝ているのそうだよ
      あの緑のベスト見覚えがある。」

はい、確かに私は緑のベストを着てました。

でも、そんなことはお構いなしにその酔っ払い男、

「あの男の方は雪山に泊まったことがあるなんて言ってたけどなー。
         あのでかい腹だったら大丈夫かもしれないけど。」

と話を続けていらっしゃる。

ふと横を見ると旦那はすやすやと寝息を立てていたので
私もそのまま寝たふりをした。
もし、旦那が奴の言った意味が全部わかっていたら
申し訳ないけど私はあんた達に向っていったけどね。

コダッ○にお勤めだと言っていたおっさん二人よ!!
旦那と話していた時には
「Oh~~!」
なんて大げさにニコニコ話していたくせにさ~!
私、かなり傷ついたんだからね!!
人の陰口を言う時には気をつけたほうがいいよ!!!

その後その二人は食堂に食事に向ったようだったが
残りのおっさん軍達はまだ

「大体山に寝袋しか持ってこないなんて頭悪いんだよ
   雪山に泊まった事があるなんて絶対にはったり。」

頭の中で何かがはじけそう・・・
思わず起き上がっておっさんを睨みつけた。
何か言ってやろうって喉まで出かかったけど
何も分かっていない旦那がかわいそうだったからやめた。

でも、私の気分は相当ブルー。
寒さを我慢してでも二人っきりで寝たほうが良かったのか。

ようやく部屋の割り当ての時間が来た。
16人もの人数がたった10畳の部屋に割り当てられる。
しかもさっき睨みつけたおやじと一緒の部屋だ・・・

ああ、とっとと眠りについてこの嫌な気分から開放されたい。

布団を敷いてみて横になってみたら
隣の人とぴったりくっつかないと寝られない。

ま、袖触れ合うも・・・って言うしね、仕方ない。
でも、あの酔っ払いおじさんとは
どの世でも関わりたくないわ!

消灯時間も過ぎ電気も消され、さあ寝ようと思うと
あの酔っ払いオヤジ二人が女のようにべちゃくちゃしゃべってる。

「ねぇねぇ、靴下縫いで寝るぅ~?」

アホちゃうか!大の男が・・・うるさいからさっさと寝ろ!

しかし、この男寝ないほうがましだったかもしれない。
いびきが半端じゃなかった・・・

知らない人がぴったり横に張り付いていて寝返りも出来ないし
いびきはうるさいしでほとんど一睡も出来なかった(号泣)

しかもこのバカおやじ、朝起きたら

「全然寝た気がしねーんだよなー・・・ 
          俺ほとんど寝てないよ」

を繰り返していた。
お願いします、さっさと消えてください。

部屋の中は私達とやっぱり昨日一睡も出来なかった
若いカップルが残っていてここぞとばかりに睡眠を取った。

いまどきの若いモンはって言うけれどあのタコ部屋で見た
中年たちのマナーの無さにはちょっと辟易でしたよ。
若い人たちのほうがよっぽどおとなしくて行儀が良かった。

小屋の中では嫌な思いをしたけれど、 気を取り直して朝の清んだ空気を吸いに外に出る。
外は霧が立ち込めていて真っ白だった。

ほっぺたがピリピリするような冷たい空気の中、
あったかいお味噌汁とホットミルクで作ったシリアルを
流し込むと食べ物が自分の食道を降りていくのがわかる。
ああ、味噌汁がこんなにおいしいなんて♪♪

そばにいた昨日の晩キャンプをした人たちの話を聞いてみると
昨晩は雨が降ったらしい。
良かったよ~、やっぱり山小屋にして。
この綺麗な景色に免じておっさんのことは忘れることにする。

朝食を終えて、パッキングを済ませたらさぁ、下山だ!!!

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