出産3









何かあった時にすぐに手術へと移行出来る様にと分娩台でのお産に同意するしかなかった。
分娩台に上り、腕には陣痛促進剤の点滴の針が刺される。





チャラリ~ン♪
おちゃらけた音と共に陣痛促進剤が私の体に注入された。






・・・と共に突然やってきたものすごい痛み!!!!!





正直、子宮口が全開と聞いた時、
「お産の痛みってこんなもの?ちょろいじゃん!」
なんて心の中で余裕ぶちかましていた。
子宮口が全開の時、死ぬかと思うような痛みがやってきたなどといろんな人から聞いていたから・・・・





・・・が、やっぱりお産は痛いものだった。







「ぎょえええええええええええええええええええええええ!」







予期していなかった痛みに思わず声が出る。
握ってもらっていた旦那の手をよりいっそう握り締める。
きっとものすごい力だったのだろう。
旦那は何気に私の手を振り払おうとしていたのを今でも覚えている。







陣痛促進剤の量は徐々に増えていく。
その度に痛みはどんどん増していく。






いきむたびに助産婦さんが私のアソコに手を突っ込んで入り口を広げていくのもこれまた痛かった。
両手を突っ込んで引っ張りながら穴を広げていくのだ。
あまりの痛さに何度も彼女を蹴飛ばしたくなった。







これが最後ですよー。
いよいよMAXの量の促進剤が注入される。
もう頭は入り口まで見えているという。
旦那も覗き込んで「あ、頭だ!」なんて言っている。






ちゃらり~ん♪
促進剤が注入された。
赤ちゃんの頭はもうそこまで来ていて、私の会陰もMAXに広がっているのに頭が引っかかっているのだという。
「このままだと裂けちゃうから切ってもいいですか~?」





もうどうにでもしてくれ~~~~・・・・
会陰切開は絶対にしたくなかったのだが、30時間の苦しみから早く解放されたかった。
悔しいけれどYESと言ってしまった。





「切りまーす!」
妙に明るい声で助産婦がジョキンと切ったようだ。






その瞬間ズルリと体の中から何かが引っ張り出された。
んぎゃー!!!!と元気な声が聞こえた。





「おめでとうございまーす♪」とヌルヌルの我が子を目の前に出されたが、感動よりも何よりも終わったー!という開放感で頭がボーっとしていた。
生まれた瞬間絶対に泣いちゃうだろうなと思っていたのに、まだ胎脂に包まれたヌルヌルの我が子をボケーっと見つめるのが精一杯だった。




「You did it! You did it!!!!」

旦那の方が興奮していたなぁ。
カメラを取り出して写真をバシャバシャ撮っていた。






生まれたての我が子を胸に抱く私の姿がビデオに残されているけれど、このときの記憶、実はあまり無い。
ああ、もっと感動したかったなぁ。





何はともあれ我が子ライチは2005年9月6日、3214gにて無事に産まれてきました。
私達夫婦の元に来てくれて本当にありがとう♪







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