「ヤマタノオロチ」の子供である怪物の巣ではないか?・・・・・そう思える洞窟を湖の深いところに見つけた「神様」でしたが・・・・今はたった一人の偵察でした。
気をつけながらゆっくりゆっくり進みます。
はじめは暗かった洞窟ですが、奥に進むにしたがってなぜか徐々に明るくなってきました。
(奥のほうに竪穴でもあって・・・そこから日が差し込んでいるのだろうか?)
そう思えるほどの明るさでした。
しかしそうではなかったのです。
それに気がついたのは、「神様」が「怪物」を発見したと同時でした。
その怪物・・・・「ヤマタノオロチ」の子供ですが、頭はひとつしかありませんから普通の竜のように見えるのです。
その竜はもともとが真っ白のようでした。
しかし、その流が卵のように抱いているもの・・・・それはエメラルド色に輝く綺麗な珠です。
それが自ら発光し・・・・あたりの壁面をやはりエメラルド色に染めているのです。
水中の中に光り輝くエメラルド色・・・・それはいかにも幻想的な雰囲気をかもし出していました。
その「怪物」はその幻想的な雰囲気の中に浸り・・・・癒されているように目を閉じていたのです。
「神様」は素早く辺りを見回しました。
「こいつの巣がここならば、きっとどこかにこいつの食べた食料の痕跡があるかもしれない」
それを手がかりにして好物が何かを確かめることができれば、退治する方法が見つかるかもしれません。
「ヤマタノオロチ」は人間を食べたようですから、こいつだって肉食には違いありません。
しかし、酒にはおぼれない性質のようですし・・・・他に何か好物はないのか・・・この食べ物にだけは特別目がない・・・といったような食料がないのか・・・必死になって探したのです。
そして見つけました。・・・・
けっこう大量にある・・・・「魚の骨」・・・・・・
「何の魚なんだろう?」
骨の形状から見ると・・・湖に住む魚のような気がします。
「神様」はその骨をひとつ拾って・・・首をひねりました。
「ナンなんだろう・・・・・鮎とか岩魚、山女、・・・」
いろいろ考えましたがどうしても思いつきません。
「はて?・・・・」
「神様」は思わず声を出してしまいました。
その声に気がつき・・・「怪物」は目をパチリと大きく開いたのです。
その目は「紺色」に輝き・・・・恐ろしい形相でこちらを睨んでいます。
思わず「神様」でさえ身震いし・・・そしてその瞬間一目散に逃げ出していたのでした。
「君子危うきに近寄らず・・・・くわばらくわばら・・・」
いまどき使わないような言葉で逃げ出した「神様」でしたが・・・アの「怪物」は追いかけてくる様子もありませんでした。
こうして「神様」は「櫛ナダ姫」のいる集落に戻ってきました。
そこには「漱石」も待ち構えていました。
「大丈夫でしたか?・・・神様!」
「ああ。。。マロはようやくにしてあの怪物の巣穴を見つけたのじゃ・・・・それとあいつの好物の残骸を拾ってきたのじゃが・・・・・村長よ・・・・この骨が何の骨だからわかるか?」
しかし、村の長老だけでなく、村人のだれひとりとして 見たことのない骨のようです。
「そうか・・・何の骨かわからんのか・・・・困ったのう・・・・」
骨の種類がわかったところで、どうすれば退治できるかわかりませんが・・・・それでもなにかの参考にはなるだろうと思っていたのに・・・・
その時「漱石」が素っ頓狂な声を上げました。
「神様・・・それって秋刀魚の骨じゃないですか?」
秋刀魚?・・・・湖に住む「怪物」の好物が・・・・海の魚・・・そんなことがあるんでしょうか?
「神様」はまた悩み始めたのです。
つづく
HirokochanさんCalendar
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