啓介君に業務連絡
今日ね・・・おじさんがあるところに行ったら、地元でこのブログを呼んでる人が近寄ってきて、「また、怪談風のが読みたいな」って言うんだよ。
デモね・・・・啓介が怖がっちゃいけないと思うから悩むんだよねえ・・・・・
何しろ、おじさんのブログで一番若い読者は啓介だから・・・・これから一番長い付き合いになるんだよねえ。
啓介の読みたくなるようなものを書かなくちゃ・・・って思ってるんだ。
だから、もし怖いお話になったら・・・・先におしっこに行くんだよ。
ううん・・・怖いお話しより先に、もうひとつ啓介の好きそうなお話し書くつもりだけどね。
「ダイコンオロチ」と「乙姫様」は「ヤマタノオロチの魂」である「エメラルド色の珠」を持って、テレビカメラの前に立ちました。
「神様」たちは緊張した面持ちでその様子をじっと見ています。
遠くで話していますから、「神様」たちには何も聞こえません。
しばらくして、「乙姫様たち」が帰ってきました。
「どうだった?」
「神様」は息せき切ったように問いかけましたが、「乙姫様」は笑いながら・・・
「こちらから一方的に話すだけですから、それが向こうに伝わっているのかどうか・・・・それすらも分かりません・・・だから後は待つだけです。」
そうでした。・・・・
テレビカメラが本当に動いているのかさえも判らないまま、一方的にカメラに向かって話しただけでした。
しかし、反応はすぐにあったのです。
「神様・・・・潮流が起こっています。・・・かなりのスピードで船が流され始めました。」
これは浦島太郎の2番目の息子の言葉です。
潜水艦は大嵐にあったように揺れ・・・・どこかに運ばれて行くようでした。
「モニターを全部つけろ・・操舵士は舵が動くかどうか確認しろ・・・ほかのみんなはあたりの様子を監視するんだ」
「神様」はあわてて全員に命令しました。
「舵はききません・・・・潮流に流されるままです。」
今度は浦島太郎の長男の声です。
「岩盤にアンカーを打ち込みましょうか?」
この潜水艦の錨は、火薬によって岩盤に打ち込まれ動かないようにすることもできました。
「この流れでは無駄じゃろう・・・そのまま流れに身を任せてみよう・・・・どうしても危険なときはアンカーを打ち込むことにしよう。」
「神様」は覚悟を決めたようです。
しばらく流れに身を任せていると・・・「乙姫様」が「アッ」と小さな声をあげました。
「どうしたんじゃ?」
「浦島太郎」が聞くと・・・・
「ねえ・・・あなた、この場所覚えてない?」
「乙姫様」はモニターに映る海底の様子を見ながら懐かしそうに言ったのです。
「ああ・・・・ここは・・・・」
「浦島太郎」も何か思い出したようにつぶやきました。
「神様・・・・ここは竜宮城の近くです。・・・・・ここから2キロほど行くと竜宮城・・・この潮流は竜王様が作った潮流でしょう。」
潜水艦はそれからまた少し流され・・・・まもなく穏やかになったのです。
「左舷前方・・・・何か建造物があります。」
「浦島太郎」の長女が叫びました。
「あれが竜宮城です。」
「浦島太郎」が落ち着いた声で言いました。
「もう二度と来ることがないと思っていたのに・・・・」
「乙姫様」がすすり泣く声で・・・・・・そういったのです。
実はここに着くまで誰にも話していなかったのですが・・・・「乙姫様」も家出していたのです。
弟の「次郎王子」が家出をしたことは話しておりましたが、実は「乙姫様」も「浦島太郎」のことが忘れられなくて、後を追いかけ家出をしていたのです。
そのために、「玉手箱」を「浦島太郎」に渡していたのです。
読者の皆さんも、「なぜ浦島太郎が戻ったとき困るような、老人になる煙の出る玉手箱を渡したんだろう?」・・・そう思ったことはありませんでしたか?
少し前に説明をしましたが、あの玉手箱は鶴になるためのものでした。
人間の寿命はたかだか100歳・・・・そこへ行くと「鶴は千年、亀は万年」の寿命があります。
「乙姫様」は「竜宮城」で「浦島太郎」と過ごす間に彼を愛するようになったのです。
しかし、彼が「親元に帰りたい」と言い出したので、「鶴になるための玉手箱」を渡したのでした。
それは、「乙姫様」が、竜宮城では数日間でも地上では300年という年月が流れたのを知っていましたから、彼が知人も誰もいないところに戻って嘆き悲しんだとき、「玉手箱」をあけて「鶴」になればいい・・・と考えたからです。
もし、「浦島太郎」が精神的に強い人であれば、知っている人が誰もいなくても、そこで強く生きることもできるでしょう。
そのときは「玉手箱」をあける必要もなくなりますから、そのまま・・・・若いままで生活を続ければいい・・・・
だから、お土産を手渡しながら「決して開けてはなりません」と言ったのです。
でももし、「誰も知り合いがいない」ことを嘆き悲しんだら、その時は「玉手箱」を開けて「鶴」になれば・・・・寿命はあと700年ほど残っているのですから・・・
そう思って手渡したのです。
実際、「浦島太郎」は鶴になりました。
そして「蓬莱山」に移り住んだのです。
その後、「乙姫様」も竜宮を抜け出し「亀」の姿になって「浦島太郎」と結婚しました。
そうなんです・・・・「乙姫様」は「竜王」の許しを得ないまま、「浦島太郎」と「駆け落ち」したのです。
そういった思いがあったので、「竜宮城」に戻り、すすり泣いたのでした。
潜水艦が停船して・・・しばらくは何事も起こりませんでした。
そして・・・・
「まもなく、竜宮城への入国を許可する・・・」
通信機が突然そう叫んだのです。
どうやって竜宮城に入るのでしょうか?
「その潜水艦の搭乗員の数を知らせて欲しい・・・・その分、水中呼吸ガムを持っていく・・・」
この「水中呼吸ガム」・・・・・・ガムを噛んでいる間は水中でも呼吸ができるというものらしいのです。
通信士の「浦島太郎」の次女は必要な数を返信しました。
実は「神様」や「乙姫様」・・・「ダイコンオロチ」は必要ないのですが・・・とりあえず全員分を注文しました。
そのうち数匹の亀がこの「水中呼吸ガム」を運んできて・・・・効して「神様」一行は。「竜宮城」に入ったのでした。
つづく
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