クレドのにっき

クレドのにっき

巴、乱入す


「ーーぁぁああわぁわあああ?!」
スパーダがアサルトを展開しかけて、半身を翻した。
「ぎゃあ?!なんだこれェ!」

夕刊配達していたら、突然自転車ごと、何処かへ落っこちた。
「…こいつも転生者か?」
「うーん、なんかちがそう」
「これ、乗り物かなぁ?」
茶色の髪に、結構端正な顔立ち。黒の詰襟に黒のスラックス。肩には筒。
「う…?」
緑髪の少年が覗きこんでいる。
何故落ちない帽子。
赤毛の少女が覗きこんでいる。
銀髪の少年が以下同文。
「あ…?」
段々と、自身に起こった悲劇(喜劇)が理解出来てくる。
「…スパーダ・ベルフォルマ?」
緑髪の少年が双剣を抜き、構えた。
「敵か?」
「わ、わ、やめて!僕はただの学生!」
両手を上げた巴に、更に不信感を露わにする二人。
「じゃあ何だって空から降って来たのよ?」
イリアはマグナムを突きつけ、凄む。
「知らないよ!ああ、バイト首かも~」
そんな緊迫感の無さに、誰かに似ているなァとスパーダが目線でその人物…
「…ルカ、何やってんだお前」
んしょ、んしょ、と可愛い掛け声をかけ乍ら、巴の自転車に乗ろうと頑張るルカがいた。
「あ、ねえねえ二人とも、これ面白いよ!」
喜色満面で、届かないサドルになんとか乗ろうとしている様は、見るものの心を癒す…。
はあ、と2人が嘆息した。
巴は、
「よかった、何処も壊れてないや。…ルカ君、乗る?」
後輩に接する先輩の顔で、にこりと笑んだ。
ぱああ、とそんな効果音がつくような笑顔で、ルカは自分より頭ひとつ分高い巴の顔を見上げた。
「うん!乗りたい!」

「…なぁ、ここ西の戦場だよな」
スパーダ。
「…戦場ね」
イリア。
二人は道端に座って自転車とやらで大喜びするルカと、巴をぼんやり見ていた。
「…オレ達、何しにきたんだっけェ」
「…さあ?少なくとも闘争の雰囲気じゃないわね」
「あー、空が青い~」
「はー、空が青い~」

「そっか、じゃあここは西の戦場最前線なんだ」
「うん。でも僕はアスラだもん、これくらいなんて事ないよ」
巴の顔が急に険しくなる。
「…それさあ、プレイ中ずっと気になってたんだけど。」
「?」
ルカが後ろを支えている巴を見上げてくる。
「…君の名前はなに?」
「…え?」
巴の青い瞳が答えを促している。
「ルカ・ミルダ…」
「そう、君はルカ・ミルダだ。どう間違えても『アスラ』じゃない」
ルカを自転車から下ろすと、巴は筒をほどいて、弓を取り出した。
「前世で何を成したとしても、それは君の業績じゃないんだ」
風切り音がルカの真後ろ、樹木の中へ吸い込まれた。しばらくして、どさ、と音。
濃い血の臭いが風に乗って来て、ルカはえづいた。
見れば、射った本人は既に木陰で盛大にリバースしている。
「大丈夫か、ルカ?!」
スパーダ達が駆け寄って来た。
「う、う…ダメ、もうげんか…」

しばらくお待ちください。

スパーダに背をさすられ、水筒の水を飲む。
…×2。
「アンタ、凄腕の癖に、軟弱だなァ」 スパーダの言葉に、巴は苦笑し乍ら云う。
「だって人殺しなんて初めてだもん。昔から血の匂いがダメで…、解剖とか保健室に逃げ込んでた」
「じゃ、なんで弓なんか持ってんだ?」
スパーダの青灰色の瞳が一瞬鋭い光を宿した。
巴は少し逡巡した後、
「…僕の唯一の取り柄だから。」
「お前もルカの事なんだかんだ云えねえじゃんか。」
吐き捨てた。
「…うん、そう…かも」
巴の髪を、戦場の血まみれの風が撫でていった。



ルカは自転車を覚えた!
但し支えて貰えないと大惨事。
巴はさーちあんどですとろいを覚えた!
その後、盛大にリバース。
スパーダとイリアはルカと巴の介護を覚えた!
水必須。

いやー、ルカって結局アスラアスラ云っててちょいどうなのそれ?みたいのがずっとあったので。でもあのメンバー全員前世に拘りすぎだよ。
「今の自分自身」を忘れてる。
BGM/KAITO:あずさ2号

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