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以下は大分前に書き掛けのままに放置されていた文章に加筆・修正を施したものであります。-- 文学に登場する玉ねぎには、ブロンテイ著/十一谷義三郎訳『ジエィン・エア』があります。--アボットが熱くなつて叫んだ。「可愛いゝお孃さん! 長い捲毛、青い眼、顏の色艷のいゝこと、まるで描いたやうだわ。ベシーさん。あたしは、夕飯にはウェルス・ラビットを食べたいわね。」「さう、私もよ……熱い玉ねぎつきでね、さあ、行きませうよ。」彼等は去つた。-- ウェルス・ラビットは以下のことですね。以前、このブログでも試したことがあります。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia) 「ウェルシュ・ラビット」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%88 シャーロット・ブロンテは1816年4月21日 - 1855年3月31日 「熱い玉ねぎ」かあ。熱いってことはやはりこれまた揚げ玉ねぎなんだろうか。「イギリス」と「揚げ玉ねぎ」を調べても検索に引っ掛からない。やはり翻訳で調べるのは無理があるのだろうか。ということで原典に当たってみた。‘So could I—with a roast onion. Come, we’ll go down.’ T hey went. なるほど“roast onion”なんですね。ってことは玉ねぎをオーブンで焼いた料理のことを指すのだろうなあ。例えばこんな感じ。https://oliveoillife.jp/recipe/5710/ 確かにまあ「熱い玉ねぎ」ではありますけどねえ。-- といった元の文章の理解不能な部分をちょっと補足したり、調べを原典に当たってみると随分誤った解釈をしていたことが判明しました。実は間違った解釈の方が面白みがあるのですが、さすがにミスを知ってしまってそれを公表するのは憚られるのでした。にしても外国小説の料理に関する誤訳って厄介ではありますが、結構、想像力を掻き立てられて調べてみると面白いかもしれないですね。帰れ、鶏肉へ!(ピョートル・ワイリ/アレクサンドル・ゲニス著『新装版 亡命ロシア料理』)[ロシア]【材料】鶏肉 400g/玉ねぎ 2個/バター・ローリエ・胡椒・塩 適宜【作り方】1. 鍋にバターを熱して鶏肉、玉ねぎ、ローリエ、胡椒、塩を加えて弱火で1時間煮る。 ネットで話題になっていた料理です。意味不明で間の抜けた料理名ながらこんなシンプルな食材でもちゃんと美味しくなるのでした。新玉ねぎの丸ごと漬けステーキ(相場マナブ)【材料】新玉ねぎ(電子レンジで600W3分30秒加熱/バター 適宜/【調味料】に漬ける/輪切り) 2個/【調味料(混ぜる)】めんつゆ(3倍濃縮) 170ml/みりん 80ml/鰹節 2g【作り方】1. フライパンにバターを熱して新玉ねぎを両面焼く。 玉ねぎの丸ごとなんとかって色んなレシピがあるけど、どれも大体似たような仕上がりに思えるのです。今ではいっそシンプル過ぎる位の方が美味しいんじゃないかと思っています。新玉ねぎの丸ごと漬けそば(相場マナブ)【材料】そば(茹でる/冷水で洗う) 1人前/つゆ】新玉ねぎの丸ごと漬け(粗みじん切り)・新玉ねぎの丸ごと漬け(漬け汁)・水・新玉ねぎ(みじん切り) 適宜【作り方】1. 皿にそばを盛って【そばつゆ】を添える。 そばと玉ねぎは相性がよくないのかもなあ。そういやカレーそばって好きなんですけど、玉ねぎと一緒に口に入れるとちょっと違和感があるような気がします。新玉ねぎの丸ごと漬けスパゲッティ【材料】スパゲッティ(茹でる) 80g/オリーブ油・ベーコン(1cm幅)・にんにく・塩・胡椒・新玉ねぎの丸ごと漬け(粗みじん切り)・新玉ねぎの丸ごと漬け(漬け汁)・水・新玉ねぎ(みじん切り) 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してベーコン、にんにくを炒める。残りの材料を加える。皿に盛って胡椒を散らす。 これも丸ごと漬けステーキの援用でしたね。まあいっか。これは分かり易く美味しいのですがこんな面倒なことをせずに単に玉ねぎをスライスして放り込んだって十分に美味しいんじゃないかなんて思ってしまうのです。ちなみにぼくは大のナポリタン好きなんですが、かつてダイエットしていた際にどうしてもナポリタンを食べたくなった時には、パスタはごく控えめにその代わり大量の玉ねぎを入れたパスタ入りの玉ねぎナポリタンを愛用していました。でこれは今でも大好きなのです。
2024/11/23
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これといった確信があった訳ではないのですが、日本におけるセロリの受容ってせいぜい戦後のことだと思っていました。気になったのでWikipediaで調べてみます。すると以下の記載がありました。--日本には16世紀の終わりごろに、中国から朝鮮半島を経て伝わった。加藤清正が文禄・慶長の役の際にニンジンの種と騙され日本に持ち帰り、「清正ニンジン」と呼ばれたという説がある。そして西洋では、食用に栽培されるようになったのは17世紀に入ってからでヨーロッパ南部で始まった。18世紀の江戸時代に入り、完全な食用種としてのセロリが日本に輸入したが、独特の強い香りのために普及しなかった。日本で普及したのは昭和30年代のことで食生活が洋風化してからのことである。現在、日本に広まっているセロリは、後に入った西洋種であるコーネル種の系統である。-- なるほどねえ。16世紀には伝わってはいたんですね。江戸時代には食用として輸入されてもいたんですね。ぼくの想像していたのは、食用としてのセロリが普及し始めた時代のことだったんですね。その当時はどうやって食べられていたんだろうなあ。気になったので、またも青空文庫で調べてみます。やっぱりなあ、古川緑波著『古川ロッパ昭和日記』に少なからぬ頻度で「セロリ」が登場しています。食べた日付けと食べ方のみ引用します。昭和十一年十月三日(土曜) セロリの生昭和十二年三月二十九日(月曜) セロリスープ昭和十三年十一月二十三日(水曜) ハムとセロリのトーストに乗ったの昭和三十三年八月三十一日(日曜) セロリ・ポタージュ同年十月七日(火曜) セロリー(とのみ記載のため食べ方は不明。生か?)同年十二月十九日(金曜) ポタージュは、セロリ この記述を読むと少なくとも富裕層のグルメたちには昭和十年にはセロリが普及しているように思われます。昭和十三年から三十三年までの空白期間が気にはなりますが、生で食べるもしくはポタージュで食べるっていうのが定番だったみたいです。日本の一般家庭では、今だってこれと変わらないような気がするなあ。案外、セロリって食べ方にヴァリエーションがないものなのかもしれないなあ。なんてことを改めて思うのでした。でも、トーストにセロリってのは一風変わっていますね。と他人事のように書きましたが、実は先般とあるセロリトーストのレシピを試してみたのですが、悪くなかったのです。セロリのサラダ(オルランド)【材料】セロリ(7cm長細切り) 3本/レモン(氷水で冷やす) 1/4個/にんにく 1/2個/アンチョビ 2.5枚/イタリアンパセリ(粗みじん切り)・塩 適宜/オリーブ油 大さじ1【作り方】1. ボウル(内側)ににんにく(断面)をこすり付ける。アンチョビを加えて潰す。塩、オリーブ油を加える。セロリ、イタリアンパセリ、レモン汁を加える。皿に盛ってレモンを添える。【備考】ELLE GOURMET 人気の料理レシピ 「「オルランド」のセロリのサラダ」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a42184023/orlando/ 非常にシンプルなサラダです。マヨネーズやフレンチドレッシングが定番ですが、このイタリアンな食べ方も随分以前から目にします。昔から定番なだけあって安定の美味しさ。セロリとカブ、生ハムのマリネ【材料】セロリ(斜め切り) 1本/カブ(2等分/薄切り) 1個/生ハム(1cm幅) 4枚/【マリネ液(混ぜる)】オリーブ油・白ワインビネガー・ 大さじ1/粒マスタード・はちみつ・塩 小さじ1/2/胡椒 適宜【作り方】1. 全ての材料を和えて胡椒を散らす。これは定番の生で食べるタイプ。ちょっとだけ御馳走感のあるサラダで、セロリ好きなら美味しいと思います。セロリとカブ、イカのアンチョビバター炒め【材料】セロリ(斜め切り) 1本/カブ(半月切り) 1個/イカ 50g/生姜・にんにく・赤唐辛子(砕く)・アンチョビ(刻む)・オリーブ油・白ワイン・バター・塩・胡椒・レモン汁 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して生姜、にんにく、赤唐辛子、アンチョビを炒める。セロリ、カブ、イカを加える。白ワインを加える。バター、塩、胡椒を加える。レモン汁を加える。 セロリの炒め料理は中華料理で見掛けますが、これはイタリアン寄り。炒めると香りはマイルドになりますが、食感は良いままなのでセロリが苦手な人でも食べられるかな。セロリのキーマカレー【材料】玉ねぎ(粗みじん切り) 1/2個/にんにく・生姜 1片/セロリ(みじん切り) 1本/トマト水煮 1缶/豚ひき肉 150g/カレー粉 大さじ2/鶏がらスープの素 小さじ1/水 100ml/塩 適宜/クミンシード 小さじ1/2/カルダモン 4個/クローブ 6個【作り方】1.鍋にサラダ油を熱してクミンシード、カルダモン、クローブを炒める。にんにく、生姜を加える。玉ねぎ、塩を加える。セロリを加える。トマト水煮を加える。火を止めてカレー粉を加える。豚ひき肉、鶏がらスープの素、水を加えて煮る。塩を加える。 セロリを煮込んだ料理も色々あって好きなんですが、同じ煮込みでもカレーにしちゃうというのは案外変わっているかも。だしの一部みたいにこっそり忍び込ませるんじゃなく主役扱いにするのも実はとても美味しいのです。
2024/11/22
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ここ数年、旅行に対する意欲がガクンと衰えているのを感じます。その気になりさえすれば行けなくもないし、行ったら行ったでそれなりに楽しめるであろうことは分かっているのです。でも旅に出たいって気持ちよりは、もっと時間を掛けたいと思えることがあって、そちらに時間を回したいと思ってしまうからどうしても旅に出るのに二の足を踏んでしまうのです。だからまあ、旅行といっても純粋な旅ってのはなかなかする暇がなくて、何かのついでにちょっと旅行気分を味わおうってことになるのです。今回はその理由がかなり不純でありまして、年老いていく両親の顔を見に行くという全くもって興趣に欠ける目的で何とか旅へのモチベーションを高めた次第なのです。すでに身バレしているので書いちゃいますが、両親は今、仙台に住んでいるので思い出したように仙台に行っているのですが、今の仙台はぼくの知っていた頃の仙台とはすっかり様変わりしてちっとも面白味のない町になってしまいました。久し振りに訪れた仙台は、特に仙台駅がとんでもない変貌を遂げていたりして、驚きはあったもののその驚きは必ずしも歓迎すべき驚きではなかったのです(ちなみに野暮用で多賀城にも行ったのですが、駅に併設した図書館がこちらもまた驚愕の変化を見せてくれ、こちらは地元の方が羨ましいと感じさせるものでありました)。それはともかくとして老夫婦が暮らす実家に行っても退屈極まりないので、どこかで落ち合うことにしようとなりました。しかしねえ、仙台付近で興味のある場所など限られています。そこで思い付いたのが、国の登録有形文化財にも指定される温泉宿だったのです。 訪れたのは、白石の鎌先温泉にある「時音の宿 湯主 一條」です。宿名は取ってつけたようでどうも気に食わないのでありますが(「湯主 一條」もしくは「一條」で充分ではないか)、木造3階建てという風情ある構えが非常に魅力的だったのです。急遽決まったことなので、値段も詳細もお構いなしに取り急ぎ予約を入れて(珍しく太っ腹!)、福島までの高速バスを確保(ここら辺はいかにもケチ臭い!)して、車中の人となったのでした。福島駅で昼食がてらの一杯という目論見は東北本線の乗り継ぎの都合でもろくも崩れ去ったけれど、宿での飲食には金銭に糸目を掛けぬこととしたのです。白石駅で両親と落ち合い、邂逅はそこそこに宿の迎車に乗り込むと一路マイクロバスは宿へと向かうのでした。にしてもこちらの温泉街は街としての体裁まではなしていないようです。他に現役の宿が二軒、カフェが一軒といった非常にこぢんまりとした陣容なのです。でも最近はこういった宿でまったりと過ごすというのも悪くないものだと思っています。一応は近隣を散策してみますが、どうゆっくり歩いても5分と持たぬ程度です。それで構わないのだ。何といってもここは温泉宿だから温泉を満喫すればいいだけのこと。って実はぼくは温泉に限らず風呂が苦手なのです。いや、38℃くらいのぬるい湯であれば1時間だって入っていられるのですが、それ以上に熱い湯だと5分どころか3分だってキツい位なのです。しかも風呂上がりの汗っていうのが大嫌いなもんだからこちらの2つの風呂、3つの浴槽をひと通り味見しても30分とは掛からなかったし、湯船に浸かっている時間より湯冷まししている時間の方がよほど長かったのです。でもまあ部屋に戻ってゴロリと寝そべりながらうつらうつらしているうちに早くもメインイベントの夕食の時間です。飲食するのが先から書いている木造3階建てなのです。居室のある新館から渡り廊下を通って本館に向かいます。この道中がたまらなく雰囲気がいいんですね。この廊下で一杯遣りたい位です。本館に入っても手入れが素晴らしく行き届いていてきれいでありつつも往時の面影を農耕に留める内装に思わず興奮してしまうのです。我々には立派な一室が用意されていて室内はどうということもないのですが、窓越しに表の風景を視界に含めてみると実に風情があるのでした。さらにさらに出てくる料理のどれもが綺麗なだけではなく美味しくて大いに満足しました。うっかり呑み過ぎてしまって、新館にあるバーに立ち寄る気力も湧かず、部屋に戻った途端にバタンキューとなったのです。お陰様で翌朝は体調も珍しく快調、これまた立派な朝食を猛然と食べたのでした。こういう旅なら今すぐにでも行きたいものだなあ。といったことで興味のある方は以下の公式HPをご覧ください。https://www.ichijoh.co.jp/
2024/11/18
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もう結構ないい歳にも拘わらず、ぼくは一流ではないことは当然として、一流と呼ばれる何ものかと接点を持つこともほぼないままに過ごしてきてしまいました。つまりぼくは一流とは、とんと縁がないのであります。スノッブな生き方は嫌悪すべきものと強がってみせてはきたけれど、本音を言えば一流の人と呼ばれるような生き方もしてみたかったのであります。いや、自らが一流というのはそれはそれでしんどそうだからそれは求めないまでも、たまには一流の人と親しく接してみたり、一流の環境だったり、一流の食事や飲酒を体験してみたいと願っているのでした。何事につけ経験してみるべきだ、などというお試し体験的なのではなく、もう少し積極的に、具体的には年に何度かは一流と呼ばれる場所に身を置いて一流の料理と酒を堪能したいのだ。贅沢は言わぬ、年に数回だけでいいのだ。普段は安酒場で充分満足だし、家では自ら下手なりに料理に励むから、だからお願いだから年に数度、いや一度だけでもいいから、優雅に一流を満喫させてもらいたいのです。そんな願いが届いたって訳ではないけれど、現在の日本で料理が一流だって呼び声高いホテルディナーを喫する機会を得たのであります, といった次第でやって来たのが大手町にある一流ホテル、パレスホテル東京であります。自画自賛を含めた評価を適宜抜粋すると「『フォーブス・トラベルガイド』のホテル部門で日系ホテル初の5つ星を獲得、「最上質の日本」が体験できるホテル、ナンバーワンよりもオンリーワンのホテルでありつづける、などなどご立派でいらっしゃる。どんだけすごいのか館内に入ってみたけれど、宴会場のあるフロアーは閑散としているし、あまり飾りっ気もなくてこんなもんなのかねえなどと思ってしまうのでした。まあ,宴会場のあるフロアーはこういうものと割り切ることにするのだ。何といってもこの夜のお楽しみは「ミシュランガイド東京2024」で一つ星レストランに認定されたフランス料理「エステール」の料理にあるのです。会場入りする前にホテル直結のブーランジェリー&パティスリーでいくつかのパンを買い求めるのでありました。それと同じパンがコースの開始と同時に配されるのでありますが、これが驚くばかりに美味しかったのです。ぼくはパンマニアというほどではないけれど、催事を含めて各地のパンが売られていたら、案外なことに値段に(あまり)糸目をつけずに買い求めてしまう程度にはパン好きなのでありますが、ここのはここ数年のヒットであった軽井沢や神楽坂、築地なんかの有名店のものを遥かに凌駕するホームラン級の当たりだと思えたのでした。コースの料理のあれもこれもどれもが美味しかったけれど、このパンこそがぼくに最大の感銘をもたらしたのであります。この集まりからすでに数カ月が経過し、パン熱に拍車が掛かってあちこちで買い求めては食べ比べてみているけれど、今時点でここを上回るものには出会えていない。すでに何度か買い求めているけれど、しばらくはもう他所にお金を落とさずにここのパンを食べ続けるのがいいかもしれないなんて思い始めているのであります。そう考えるとパンだけは一流のものを食べられているのかなあなんて思ってみることにしましょうかね。
2024/11/17
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里芋ってずっと好きな食材でしたが、調理の手間が掛かると思い込んでいてどうしても敬遠しがちでした。何が面倒って泥を落として皮を剥く作業がかったるいと思っていたのです。だから時折、国産の里芋で皮を剥いてあるのが見切りで販売されていたりすると嬉々として購入していました。無論、正月料理のために皮付きを買って手間が掛かるなあと思いながら調理することもあるにはありましたが、非常に稀なことでした。しかし料理に限らず大抵のことに言えることではありますが、慣れてしまうとこれまで億劫と思っていたものが、どうしてそこまで敬遠していたのだろうと後になってから振り返ってみて怪訝に感じるものなのです。確かにぬるぬるしてときおり、皮を剥いていると滑ってピョコンと飛び跳ねたりもするけれど、手を洗いながらであればさしたる不都合もありません。もしかすると若かりし頃は食欲旺盛だったから、一時に処理する分量が以前よりずっと少なくなったというのも気軽に手を出せるようになった理由なんじゃないかと思ったりするのです。しかも他のイモ類に比べるとカロリーも低くてヘルシーらしい(菊芋なんかはもっとずっとヘルシーではありますが)から積極的に料理に活用し、レシピも増やしたいと思うのです。その一方で、素朴な食材は素朴に食べるのが一番ではないかと思ったりもするのだ。塩もしくはごま塩をまぶしただけでも美味しいし、煮付けにしてもいい、せいぜい芋煮やのっぺいで食べる位のレシピがあればそれで十分だと思ってみたりもします。そうそう、そういえばすっかり忘れていたけれど、豚汁などの味噌汁に入れて食べるのが一番かもしれません。実際に食べている描写がある訳でもないのに以下のように描写されているだけでもすぐに食卓にのせたくなったりするのでした。林芙美子著『新版 放浪記』 東京で吸う赤い味噌汁はなつかしい。里芋のコロコロしたのを薄く切って、小松菜を一緒にたいた味噌汁はいいものだ。新巻き鮭の一片一片を身をはがして食べるのも甘味い。壺井榮著『風』足のついたまな板をちゃぶ台にして、きゃっきゃっと笑いながらふたりはむかいあって最初の夕餉をとった。田舎そだちの茂緒の手なれたところで里芋の味噌汁に、高野豆腐と油あげと、きり干大根の煮つけ、黄色いたくあんで、祝いの小さな鯛は一匹だった。修造は鯛よりも高野豆腐ときり干をよろこび、母を思いだすといい、久しぶりだといった。里芋のアヒージョ【材料】里芋(茹でる/皮を剥く/一口大)・しらす・にんにく・赤唐辛子・オリーブ油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋に全ての材料を入れて加熱する。 思い付きで作ってみました。里芋を揚げて食べるのも旨いんですよね。そのまま塩でもいいんですけど、今回はもう少し凝った酒の肴に仕立てました。こんがりホクホク里芋【材料】里芋(電子レンジで600W5分30秒加熱/皮を剥く/5mm厚) 200g/サラダ油 大さじ1/バター 5g/めんつゆ(4倍濃縮) 大さじ1/2【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して里芋を焼く。バター、めんつゆを加える。 てぬキッチンのレシピ。バター焼きも間違いないだろうと思って作ったけれど、う~ん、味を足すならもう少し足した方がいいかなあ。ずぼいも(小さいさといも)【材料】里芋(茹でる/皮を剥く) 500g/醤油 適宜/ねぎ 2本/鰹節 30g【作り方】1. 全ての材料を和える。 これまたびっくりするほどにシンプルな食べ方。塩の代わりに醤油って言われてみると当たり前ですけど。これはいいなあ。酢ずいき 里芋のごま酢あえ【材料】里芋(皮を剥く/拍子木切り/茹でる[酢入り]) 130g/水 1L/酢 大さじ3/白ごま(炒る/擦る) 大さじ1/砂糖 大さじ1/酢 小さじ2/醤油 小さじ1【作り方】1. 全ての材料を和える。【備考】レシピサイト ぷちぐるhttps://oisiso.com/ これもいいですねえ。単なるごま味噌だともったりしてしまうところを酢を効かせることでもたつかないで頂けました。何だかんだと色んな食べ方でたのしめそうですね。
2024/11/16
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以前、引用したことがあったかもしれませんが、村井政善なる人の「蕎麦の味と食い方問題」という文章が青空文庫に登録されています。短い文章であるのに項目だてることを予め排したような気の向くままに筆を執ったという語り口がどこかしらユーモラスなのです。作品社の『日本の名随筆 別巻19 蕎麦』に所収されているということなのですが、はて村井政善とは何者なのだろう。ネットで知れる範囲では、国立栄養学研究所の調理部長と務める傍ら多くの料理関係の書籍を執筆したようです。国立国会図書館のみなサーチなる障碍者用資料検索というサービスで調べると先述の文章以外にも12件の書誌データが表示されたのでした。内容も実に多岐に亘っていますねえ。新しい病人の食物料理法 実業之日本社 昭和4胃膓病と其の食餌健康法 大文堂書店 大正14栄養及嗜好料理 石塚松雲堂 大正14家庭応用和洋料理法 東京宝文館 大正11「カフヱー」のぞき : 手軽に出来る料理の仕方 嵩山房 大正11最新実用和洋料理 博文館 大正13支那料理 誠文堂 昭和4写真図解料理の仕方 台所司会出版部 昭和4実用農村料理 : 新しき研究 東京府農芸会 大正13手軽な会席季節料理十二ケ月 資文堂書店 昭和3和洋料理の仕方 : 新しき研究 石塚松雲堂 大正11三百六十五日日々の献立料理 資文堂書店 昭和3 登録すれば内容も閲覧できるみたいです。いつか時間があればじっくり眺めてみたいですね。ってなかなかそんな時間を確保できませんが。ところで今回は冒頭に戻って蕎麦なのです。せっかくなので、キワモノから郷土料理風までヴァリエーションを重視したセレクションです。ホントかなあ。卵とじコンソメかけそば【材料】そば(茹でる) 100g/湯 600ml/固形コンソメ 2.5個/醤油 適宜/卵 2個【作り方】1. 鍋に湯を沸かして固形コンソメ、醤油を加える。溶いた白身を注ぐ。溶いた黄身を注ぐ。丼にそばを盛って注ぐ。 朝のワイドショーなんでしょうか、あさイチCuisineなる番組、いやコーナーなのかなで紹介されたそうです。まあありだとは思うけれど、多少、青みを加えるなどの工夫がないと単調化も。あとコンソメの分量がいかにも多過ぎるので加減した方がよろしいかと。味の素の普及にも積極的であったという村井氏でもこれはいかにも多過ぎると仰るのでは。けんちんそば【材料】そば(茹でる) 1人前/鶏肉(一口大)・ニンジン(銀杏切り)・ごぼう(ささがき)・大根(銀杏切り)・里芋(皮を剥く/茹でる/1cm幅)・油揚げ(短冊切り)・こんにゃく(短冊切り)・絹豆腐(1cm角)・長ねぎ(小口切り)・サラダ油・だし・醤油・みりん・塩・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して鶏肉を炒める。ニンジン、ごぼうを加える。残りの材料(そば、長ねぎ以外)を加えて煮る。丼にそばを盛って注ぎ、長ねぎ、一味唐辛子を散らす。 岡山県の郷土料理らしいけど、どこにだってありそうだし、そんな来歴など知らずともそばを食う過程であれば普通に誰だって思い付きそう。肉じゃがだってもつ煮だって煮物なら大概そばに合わせられそうですね。洋風の煮物やスープ、例えばミネストローネやクラムチャウダーなんかも同様です。たまげたカレーそば(道の駅 ごか)[日本・茨城県猿島郡五霞町]【材料】そば・カレーパン・めんつゆ・長ねぎ(小口切り) 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、カレーパン、長ねぎをのせる。 たまたままいばすけっとで値引されていたカレーパンを購入していたので試してみました。まあ食べられないってことはないけど、別々の方がいいよなあ。ポテサラそば【材料】そば(茹でる)・ポテトサラダ・揚げ玉・長ねぎ(小口切り)・そばつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってそばつゆを注ぎ、ポテトサラダ、揚げ玉、長ねぎをのせる。 お気に入りの以下のサイトで紹介されていたので、試してみました。足立区全店制覇男のさらなるお蕎麦屋さんめぐり 「ポテトそばの歴史と飲食履歴 2015年は『ポテトそば・うどん』元年!」https://plaza.rakuten.co.jp/livemachine2/95027/ 以前やったポテトフライは旨かったけど、ポテサラはやっぱり別に食べた方が良かったかな。不味いって程ではないけどけして旨くはないですね。
2024/11/15
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今では数少なくなったぼくの馴染みの酒場がありまして、ここで遭遇したお客さんのお話になります。一年位前から週に一度来るか来ないか程度のペースでここを訪れていたとあるおぢさんがいました。しばらくは我々に語り掛けてくるでもなく、いつもニコニコと我々のお喋りに反応したりと好ましい印象の方でした。ところがきっかけは忘れてしまいましたが、何事か語り掛けたいような素振りを見せられたのでちょっと言葉を賭けてみると、待ってましたとばかり饒舌になったのです。どうやらこのおぢさん、都内を中心に手広く安酒場を猟色して回っているようです。赤羽や上野などの地名を挙げて聞き覚えのあるような酒場をハシゴした際の話など披露なさるのです。こちらとしては傾聴している素振りを浮かべはするもののさほど興味が湧くような内容でもないのですが、どうしたものか関心を持ってもらえたと感じたようで、機が熟したとばかりに満面の笑顔を浮かべて「お勧めの酒場がないか」と尋ねてくるのです。今まさにこの店で呑んでいるのにどこかいい酒場がないと質問することが非礼に当たるかどうかはともかくとして、唐突にお進めと言われても回答に窮するのだ。そこで仕方なくどこら辺に行くつもりなのか尋ねてみると、とある地名を告げてそこの訪れたことのある酒場を並べてみせるのです。あまりにも印譜でこちらには得る情報など何一つないのだ。このおぢさん、リサーチ力に難があるんじゃないか、などと思いつつまあ思い付くままに数軒を告げると、しめしめとばかりにメモを取るのです。この夜はそれで収まったのですが、また別の日にまたも遭遇してしまったのです。こうなるともう遠慮などなくって、先般教えたお進め店の感想すら述べぬのに、どこそこのお勧めを教えてくれと無遠慮に訴えてくるのです。この時点ですでにおぢさんを見切っていたぼくは当然とっておきは教えたりせずに済ますのですが、その後、立て続けにそんなことがあってさすがにぼくもうんざりしていたのです。他の常連たちはそんな様子をニヤニヤとした表情でそっと眺めているのでした。昨夜、常連がふと思い付いたようにそういえば、近頃、教えておぢさんを見なくなったねえというのでした。確かにしばらく姿を見ていない。彼はこの酒場に見切りをつけて、他所で通うようになったのでしょうか、それとも我々の嫌悪を敏感に受け取って通うのをやめたのでしょうか。まあ、どっちにしてもしばらくは気兼ねなく呑むことができそうです。 またも本題とはまったく関係のない長文を書いてしまった。今回訪れた「はがくれ」は、どの駅からも遠いことがある意味でウリの一つともなっているもつ焼き酒場であります。どこから歩いても遠いというのが理由でこれまで訪れなかったわけではけしてなかったのですが、それなりにこの界隈では吞んでいるのにどういうものかここで呑もうと思い立ったのは初めての事なのです。調べてみると、祐天寺駅(東急電鉄)-11分池尻大橋駅(東急電鉄)-17分学芸大学駅(東急電鉄)-18分 とあるから聞いていた程には遠くないし、どこからも遠いというけれど、祐天寺駅が圧倒的に近いじゃないか。どうも距離が足枷になっていたわけではなさそうです。そうだ、ここが無茶苦茶混むから確実に入るには予約した方が安全と聞いていたのがネックになっていたのかもしれません。その噂もあって、珍しく3名で予約を入れておいたのです。前段のおぢさんには予約が必要な繁盛店でも教えておけば良かったかと今にして思ったりもします。と余計なことを書いているうちに長くなったので感想は手短に済ませることにします。もつ焼きは噂にたがわず確かに美味しかった。店主はちょっと怖い感じだけど、若い従業員は非常に丁寧でありました。客層は肉好きの野郎グループばかりで、近頃は本当の意味での肉食系女子も増えたというがこの夜は見当たらなかった。店は結構古びていたが、まだまだ味があるというには至っていない、といったようなお店でありました。
2024/11/11
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昨夜、とある酒場で呑んでいたら、酒場巡りをしているというお二人がお喋りしていました。お二人が去った後に店の方が仰るには二人ともに初めての来店であり、二人はそれぞれが別に来店して男性が女性に語り掛けたとのことでした。酒場っていうのは出会いの場でもあるからじうした出来事は夜な夜な各地の酒場で生じているものと思われます。ちょっと羨ましいからって妬んだりするのは非常にみっともないことなのであります。でも若干の妬みはあっても悪気はないと断言したいのだけれど、こうした人々の会話というのはマンネリ気味の常連たちには格好の話題となる訳で、だからそこで語られるお喋りはつぶさに聞き取られるのは致し方のないことなのだ。だからこそ冒頭に書いたように酒場巡りが話題となっていることを知るのであります。こう言っては権威ぶってるようで嫌味でしかないのであるけれど、見知らぬ他人に自分の趣味を語ることの不用心さはともかくとして、さも自分たちが各地の酒場を知っているかのように振舞うのは避けるのが賢明であります。もしどうしても語りたいのならそっと外野の耳に届かぬようにするのがよろしいと思うのだ。というのも自称、各地を呑み歩いているという二人が王子の酒場を巡る話題の浅薄さは盗み聞きするわれわれの心胆を寒からしめるるものだったのだ。揚げられた酒場が数少ないのは仕方がない。男性の方は相応の年齢だから擁護するつもりはないけれど、女性の方はまだお若かったから今後、知識と経験は積むことはできるはずであります。問題なのは、二人の口から語られる言葉に自分自身がほとんど反映されずに情報のみが虚しくやり取りされるという点にあります。情報誌の酒場特集程度の情報を交換し合って彼らはそれで楽しいのだろうか。好きな酒場の傾向も共有することなく(まあ、今来ている酒場が好きなのであればそれで凡その好みは分かると思うけれど、彼らは一人がビール1本、もう一人がチューハイ2杯程度を呑んだだけで他所に行ってしまったからここが好みだったとは思えないのだ)、単に地域だけでそこそこの知識と経験がある者にとっては、少しも耳寄りとは思えぬ程度の酒場情報を共有し合うことに何の意味があるのだろうと思ったのだった。 と本来持ち込むつもりだった方向から外れてしまったけれど、せっかく王子の酒場に行くのであれば、有名酒場も一度は行っておくのもいいかもしれないけれど、ぼくなら「家庭料理 みその」をそっとお勧めしておきたいのであります。書き損ねてはいけないので、はじめにお断りしておきますと、こちらはご高齢の女性がお一人でやっておられるので、グループで訪れるのはあまりお勧めしかねます。なるべく一人、せいぜい2、3名で伺うのが良いと思います(ご本人に確認した訳ではなく、実は大いに賑わった状態を望んでおられるかもしれませんが)。ともあれ、我々は2名でお邪魔したのですが、先に10名ほどのグループがおられました。以前お邪魔した際にもやはりグループ客がおられたから、ここは先述とは違って大人数が好んで訪れてしかも好まれているのかもしれないとつい思ってしまいます。こちらの女将さん、ひたすらに黙々と調理したり、酒を作ったりととにかく休む暇なくただただ動いていて、ほとんどお喋りしている姿を見掛けることがないのです。きっと勘定の際には何かしら言葉を交わしているはずですが、不思議なことに何一つ思い出せないのです。このスタイルや状況が彼女にとって無理のないものであるのならさっきのお断りはなかったことにしてしまいたくなります。ぼくのこれまで訪れてきた高齢女性のやっているお店は、ほとんど全ての感情を押し殺してひたすら黙々と仕事するタイプか同じく手を休むことなく動かし続けるけれど、意に添わぬ客は容赦なく切り捨てるタイプの両極端に分かれるような気がします。いつもは後者タイプのお店に通っているので、たまにはこういう前者のタイプの店で、客席は騒がしくても不思議と静寂に包まれている気分になるこういう酒場が心地良く思えるのです。
2024/11/10
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ようやく白菜を食べたいなあって思う季節になってきましたが、比較的安価な野菜に挙げられながら、実際のところまだまだ例年よりは高値が付いているように思えます。先日、ようやくそこそこ手頃に売られているのを見掛けたので、いそいそと買い求めてきたのですが、鍋物シーズンまでに値段も落ち着いてくれると嬉しいんですけどね。ところで北大路魯山人に「白菜のスープ煮」という文章があります。 しかし、白菜のスープ煮というものはなかなか気の利いたものである。鶏の骨ばかり(肉のまじらないもの)叩きつぶしてスープを取る。肉のまじったもののスープは、味が俗になってだめだ。このスープは塩で味をつけるのがよろしい。この場合醤油は用いない。醤油では色がついて、白菜の白さを汚してしまうから感じが悪い。あの白い白菜の色を殺してしまうと、よそゆきの料理にはならない。醤油はヤマサ、キッコーマンはもちろんのこと、薄口にしても色がつく。それではお惣菜になってしまう。白菜のスープは純白であること、白菜が白菜そのままの色を保っていることが貴いのである。 次に味についても、白菜自体の甘味があるから、やはり塩で加減するのがよろしい。煮えたものを器に盛るときは、薬味を用意しておいて添える。 これは日本の新料理であるが、中国料理のやり方も発見されるし、朝鮮料理の気分も味わえるであろう。白菜の切り方や、器の選び方によって、日本料理の感じもする。そして、これは他の料理とも調和する。簡単だから悪い料理ではないといえるだろう。 色々述べておるけれど、「鶏の骨ばかり」っていうけれど魯山人は本当に試したことがあるのだろうか。ラーメンのスープに豚骨スープだったり牛骨スープがあるのに、鶏骨スープがなくって鶏がらスープと呼ばれるのはどうしても肉を完全に取り除くのが困難だからだろうと思うのです。ちなみにこの「がら」っていうのは亡骸(なきがら)から来ているようですね。ネットで「鶏骨スープ」を調べてみても完全に骨だけの状態から作られているスープは見当たりませんでした。こだわりのすごい現代の人気ラーメン店の店主には、もしかすると「鶏骨スープ」を作っている人がいるかもしれません。カレー番長として知られる水野仁輔氏も「鶏骨」のみのスープの味が気になって仕方ないようです。「鶏肉の骨から本当に“ダシ”は出るのだろうか? 問題」https://note.com/airspice/n/nbc403ff6ebb9 ちょっとした実験の後に水野氏は「鶏骨」のみのスープに対して疑問を呈しましたが、ぼくは豚骨、牛骨でスープが取れるんだからきっと鶏骨でもしっかりとしたスープが取れると思うんですが、実際のところどうなんでしょう。「鶏骨」のみのスープがもし可能なら「純白」(純白ってのは真っ白って意味なんだから、そこに白菜を入れたら「汚す」より前に見えなくなってしまうはずじゃないか。魯山人は本当はここでは「透明」といった類の言葉を用いるつもりだったんじゃないか)なスープに近付けることができそうな気もする。こんなに透き通った豚骨スープもあるみたいですから。TBS 「【王様のブランチ】豚骨スープが透明!?衝撃の“清湯系”豚骨ラーメンとは」https://topics.tbs.co.jp/article/detail/?id=9871 でも透明度の高さを求めるのであれば、動物肉のだしより魚介や海藻、野菜のスープの方が上手なんじゃないかなあ。醤油を用いずに塩で調味するってのは同意しますけど。白菜の塩あんかけ【材料】白菜(一口大) 1/2個/水 2.5L/塩 10g/昆布 30g/鰹節 50g/葛粉・水 80g/胡椒 適宜【作り方】1. 鍋に白菜、水を入れて落とし蓋をし、強火で40分煮る。ボウルに鰹節を入れてザルを置き、煮汁を注ぐ。鍋に煮汁を戻して中火にかけ、塩を加えて水溶き葛粉を加える。白菜を戻す。器に盛って胡椒を散らす。【備考】dancyu 「食堂おがわの"白菜の塩あんかけ"」https://dancyu.jp/recipe/2020_00002911.html 魯山人のレシピを和風だしに置き替えただけに思えて、料理する気力がない時に作ってみたのですが、これが想像を遥かに凌駕する旨さ。びっくりしました。白菜の和風トースト【材料】食パン 2枚/白菜(内葉/1cm角/電子レンジで600W2分加熱/【調味料】と和える) 200g/溶けるチーズ・胡椒 適宜/【調味料(混ぜる)】マヨネーズ 大さじ1.5/醤油 小さじ1.5/鰹節 1袋【作り方】1. 食パンに白菜、溶けるチーズをのせてトースターで焼く。胡椒を散らす。 緒方湊なる方のレシピです。ダメかなあって思ったらやっぱりいまいちでした。白菜、セロリとアサリ入り春雨【材料】白菜(一口大)・セロリ(斜め切り)・ニンジン(拍子木切り)・アサリ・春雨(湯で戻す)・キクラゲ(湯で戻す)・サラダ油・水・鶏がらスープの素・魚介スープの素・オイスターソース・塩・白胡椒・砂糖・醤油・ごま油 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱して白菜、セロリ、ニンジン、アサリを炒める。春雨、キクラゲを加える。水、鶏がらスープの素、魚介スープの素、オイスターソース、塩、白胡椒、砂糖、醤油を加えて煮る。ごま油を加える。 単なる思い付きで作った料理です。白菜は淡泊だから大概の料理に合わせられると思うけれど、水っぽいからその点に配慮して調理する必要がありそうです。これはなかなか美味しくできました。セロリが正解だったかな。白菜焼売【材料】白菜(葉:千切り/芯:みじん切り) 200g/豚肉(ひき肉) 150g/豆腐(絹) 1/2丁/餃子の皮・練り辛子 適宜/【下味】片栗粉 大さじ2/オイスターソース・砂糖・ごま油 小さじ2/醤油・鶏がらスープの素 小さじ1【作り方】1. 耐熱皿に白菜(葉/半量)を敷いて混ぜた白菜、豚肉、豆腐、【下味】を広げ、白菜(葉/半量)、餃子の皮をのせる。電子レンジで600W8分加熱する。 焼売っていざ作るととても簡単な料理なんですけど、意外と作る機会がないです。平野レミ氏風の横着料理にしてみましたが、やはり焼売は一口サイズ位がちょうどよいように思います。
2024/11/09
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生姜が大好きです。生姜のない食生活は考えられない位にぼくの人生には欠かせない食品であります。それは特段、ぼくに限った話ではないのかもしれません。生姜って食品は世界的に食べられてはいるけれど、日本ほどに多様に調理されて食されている国は他にはなさそうです。どう多用なのか、例えば栽培・収穫方法で根生姜、新生姜、葉生姜、矢生姜といった区分がなされ、それぞれに独自の食べ方がされています。その食べ方も世界的に主流である香辛料として用いるほか、様々な料理で加熱して用いられるほか、生食されることも一般的でこれは世界的に稀有なことのようです。といった具合に日本人の多くにとって生姜は食事と切っても切れない深い繋がりのあるものなんだと思います。ただし、生姜って脇役として用途が多様であることに加えて、主役だって慣れてしまうのがすごい。って紅生姜や甘酢漬けが主役かってツッコミもありそうですが、ぼくには十分に主役級の料理です。市販の食紅まみれのも捨てがたいけれど、なるべくは添加物なしのヘルシー志向といきたいものです。紅生姜【材料】新生姜 300g/赤紫蘇塩漬け 20g/酢 200ml/塩 5g【作り方】1. 漬け樽に全ての材料を入れて一週間漬ける。細切りにして瓶詰めする。 色んな作り方があって試しに楽ちんなのを作ってみたけれど、これで何ら問題ないのでリピートしてます。梅干しの種を追加して追い紅生姜にしてもちゃんと食べられるのが嬉しいです。赤紫蘇塩漬け【材料】赤紫蘇 40g/塩 8g+5g/水 150ml【作り方】1. 保存容器に赤紫蘇、塩を交互に重ねての水を加える。重石をして冷蔵庫で3日漬ける。水を捨てて水気を絞る。塩をまぶす。 家庭版紅生姜には赤紫蘇漬けを用いるのがポピュラーみたい。梅干しが好きです。でもそれ以上に一緒に漬けられている赤紫蘇が好きなのです。だからおにぎりも梅干しもいいけど、紫蘇巻きのおにぎりがもっと好きなのだ。作るの面倒臭がっていたけれど、思っていた以上にあっという間に作れます。季節になったらまた作ります。生姜甘酢漬け【材料】新生姜(茹でる/水気を切ってざるに広げる/塩をまぶす/水気を絞る) 300g/塩 小さじ1/2/【甘酢】昆布だし 180ml/酢 120ml/砂糖 大さじ5/塩 小さじ1/2【作り方】1. 鍋に昆布だしを入れて加熱する。湧いたら火を止めて砂糖、塩を加える。酢を加える。冷めたら新生姜を加えて冷蔵庫に保存する。 甘酢漬けも大好きで、寿司を食べるとついついこれも食べ過ぎてしまいます。回転寿司では食べ放題でありますが、思った以上に糖分を摂取してしまうので、自分で作る際には羅漢果糖なんかで健康面に配慮するのです。食べる生姜【材料】新生姜(みじん切り) 100g/鰹節 1袋/【調味料】酒・砂糖 大さじ1/みりん・水 大さじ2/醤油 大さじ3【作り方】1. 鍋に新生姜、【調味料】を入れて沸かし、鰹節を加えて2分煮る。 醤油漬けの生姜ですね。佃煮もいいけれど生生姜のフレッシュな感じもまたよいものです。いっそ甘味を付けないっていうのもありかな。定番の冷奴のほか、野菜炒めにしたりカレーにチャツネ風に添えるなど応用範囲は広そうです。食べる生姜そば【材料】そば(茹でる/冷水で冷やす)・食べる生姜・きゅうり(千切り)・揚げ玉・めんつゆ 適宜【作り方】1. 器にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、食べる生姜、きゅうり、揚げ玉をのせる。 すぐにそばにのせて食べた写真があったので、のせておきます。
2024/11/08
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客の立場としては、店がいつだって営業しているというのは基本的には有難いことです。でもそれって自分にとって行きたい店であることが条件で、年がら年中、興味のない店が開いているのは何となく落ち着かないのだ。例えば年末年始なんかにデパートが営業していたりするけれど、ぼくの場合、正月くらい(に限らずインドアなぼくとしては基本的には出歩くのはいつだって億劫なのだ)は、世の中のほとんどの人がだらけ切っていると思いたいのだ。若い連中が家にいたくなから町を闊歩するのは勝手だが、いい大人を無理矢理に表に引きずり出してもらいたくないのだ。そりゃまあ、24時間営業のお店が治安維持や震災時の避難先として有効であることは分からぬではないし、天涯孤独な人にとっては逆に安らぎをもたらしてくれるなんてこともあるかもしれません。実利的な意味では無休の場合だと必死になって出向いてみたら、営業していなかったなんていう悲惨な結果に至ることもないのは、感謝しかないのである。だとすると24時間年中無休は有難いけれど、ウザいということになるのです。ウザいのを回避するには目に付きにくいということが最も効果的に思えるのです。目に付きにくい場所にそうした店(ここでは居酒屋を想定している)があるのはぼくとしては大歓迎なのです。具体的な例を挙げつつ本題に突入するのです。 ぼくにとって、例えば松戸の場合は、「大都会」が理想的な酒場でありました。駅前という好立地でありながら地下に店を構えているから昼間から呑んでいても非難がましい視線に晒されずに済むのだ。逆に呑むつもりがなければ、視界に飛び込んできて同類を憎むといった不愉快な気分に陥ることもないのだ。そんな好ましい「大都会」でありましたが、残念なことに不意打ちのような閉店に次ぐ再オープン、しかし深夜時間帯の営業はなくなってしまいました。でも駅前には「磯丸水産 松戸西口駅前店」もある。しかし、こちらは開放的な構えの物件であるからして、前段の理屈から言えばぼくにとって目障りな酒場ということになります。実際目障りだからこれまで訪れたことは一度としてなかったのです。それは松戸駅前店のみならず、都内を中心に随所にある系列店のいずれにもお邪魔していなかったのです。けしてこちらが値段が高いからお邪魔しなかったわけではないのであります。にしても七輪で海産物を焼いて食べるという酷く非効率に思える業態で24時間年中無休をやろうというのはどうしたことか。それはもう一般人が酒を呑んでる時間帯に基本的には酒を呑めない呑み屋のオーナーや従業員だってやはり酒を呑みたいのだ。酒が嫌い、もしくは下戸だから酒場をやるという人も意外といるけれど、酒が好き、好きすぎて呑み過ぎてしまうから酒場を始める人が大概ではないかと推測するのです。そうした酒場関係者のアフターを当て込んだお店なんじゃないかと推察する次第なのだ。実際、早朝なんかにはより深夜時間帯まで稼ぎ続けた性的なサービスを含む飲食店アフター組が金に糸目を付けずに呑んでいたりするのを目にすることがある。そういったところもぼくがこの酒場を敬遠していた理由なのです。そして実際に経験してみたら、あらあら別になんてことのない普通の酒場でありました。でもまあ好んで訪れることは、今後もきっとないんだろうなあ。
2024/11/04
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埼玉高速鉄道に乗って呑みに行く。ずっと機会をうかがっていながらなかなかあ実現できずにいました。若い頃には、とある用事があって何度か乗車していたけれど当時はまだ呑み歩きの趣味はなく、ただただ用事を済ませるのみに腐心して、付近を散策するような余裕はなかったのです。ところで鳩ケ谷といえばすぐに思い出すのは小谷三志のことです。散歩好きの人なら一度は試みたであろう富士講巡りの話をすればこの名に思い当たる人もおられるかもしれませんが、中里介山の未完の大長編小説『大菩薩峠』 の「恐山の巻」で「鳩ヶ谷の三志様という人は、武州足立郡鳩ヶ谷の生れの人であって、不二講という教に入って、富士山に上り、さまざまの難行苦行をした」とあります。この小ネタがこの後のお話にどう繋がっていくか、期待をしてはいけないのだ。たまたま知っていたからその知識を補強して物識りぶってみただけのことなのです。それはさておき実は明日も乗り換えなしに埼玉高速鉄道に乗り入れ可能な場所に出張なのでありますが、きっと行かないんだろうなあ(改めてメモを調べるとこれを書いた翌日は休業日でありました)。 さて、すでに2軒巡ってそれなりにいい気分になっていますが、せっかく高い電車賃を払って来たんだからと欲張ってもう一軒だけ寄り道していくことにしました。せっかくだし駅の反対側に行ってみようと思い立ちました。駅の北側を経由していったんですが、ほんのわずかながらアーケードも残っていて、かつてはそこそこ酒場が立ち並んでいたんじゃないかって雰囲気を留めているのですが、留めているのがあくまで雰囲気だけだから仕方がない。しばらくなるべく駅から遠ざからぬように散策を続けるのですが、なかなかここぞという酒場に行き当たることはなかったのです。案外車通りも多くそうした道路を歩いている限りは大型の店舗があるばかりでつまらぬから、そうした表通りの裏手に回り込むのですが、やはりほとんどは住宅なのです。諦めかけたところで「炭火串焼 髙」という酒場に行き当たりました。周辺にも閉まってはいるけれど酒場の痕跡が数軒軒を連ねていたからこの界隈もかつては酒場が立ち並んでいたのでしょうか。そうした疑問は吞み込んで店内へ。長屋の築年数はかなりのものに見受けられますが、こちらは改装済みのいかにも若い人の酒場ってムードです。女性客が若い主人を相手にお一人で呑まれています。随分とくだけたやり取りをしているので、かなり頻繁に出入りしているようです。そのうちに一人また一人とお客さんがやってきます。近くにボーリング場があるようで、ご主人もそこに通っているようでボーリング繋がりの客が多そうです。それこそボーリング帰りのお客さんが、一杯だけ呑んで帰ると宣言しながら店に入ってきたりして。酒場には一見客には徹底して冷ややかな店とあっさりと輪に加えてくれる店があって、こちらは後者でした。すぐに会話に引き入れてくれるのですね。それがなければ、ちょいと値段が高めの設定だから一軒でで軽く呑つもりだったんだけどなあ。記憶違い鴨でなければ、こちらの店舗、昔は駄菓子屋だったということで、店主も子供の頃はよく寄り道をしておられたみたい。近くには他に酒場もないからつい立ち寄ってしまいたくなる客も少なくないんでしょうね。
2024/11/03
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子供の頃、ナスが嫌いでした。しかし、今となってはどこがどう好きになれなかったのか思い出せないのです。焼きナスを焼く際の独特の臭いが嫌いだったのかもしれません。あと噛み締める際にやけに抵抗する皮と歯の軋みは今でも気になることがあります。収穫から時間を経て黒々としてくる種の不気味なところもどうも好きに離れないのです。今回4つのナス料理を作ったのですが、これが実に美味しくて、子供の頃のぼくに食わせたら何と言うのか聞いてみたいものです。ナスっていうのは、世界各地の料理のレシピを見ても実に広範に亘って用いられているし、多様な調理法があって世界中で愛されているってのがよく分かるんですけど、でもぼくの場合は、冷蔵庫にくたびれかけのナスが残っていたら、やっぱり結局は味噌汁の具にしてしまうんだろうなあ。ナスラーメン(金門飯店)[日本・東京都品川区]【材料】中華麺(醤油/茹でる) 1人前/長ナス(縦2等分/斜め薄切り/素揚げ) 1.5本/豚肉(バラ/一口大) 40g/ごま油 大さじ1/片栗粉・水 大さじ1/【調味料】豆板醤 小さじ1/醤油・オイスターソース 大さじ1/水 50ml/鶏がらスープの素 小さじ1/2【作り方】1. フライパンにごま油を熱して豚肉を炒める。長ナス、【調味料】を加える。水溶き片栗粉を加える。丼に中華麺を盛ってかける。 麻婆ナスは当然大好きな料理なんですけど、自分で作るとどうも店のようにはピタリと決まらないのです。このレシピだってそのまま食べてみたんですが、どうも味もぼんやりとしていたのです。ところが、ラーメンにのっけた途端に激しい変化を遂げたのでした。これは簡単極まりないのにむちゃ美味しいのです。定番入りです。ナスバター炒飯(龍王)[日本・東京都板橋区]【材料】ごはん・ナス(1cm角)・チャーシュー(1cm角)・ハム(1cm角)・ピーマン(1cm角)・赤ピーマン(1cm角)・塩・胡椒・サラダ油・バター 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してナスを炒める。ごはん、ハム、ピーマン、赤ピーマンを加える。塩、胡椒する。バターを加える。【備考】メシ通 「はかりしれない衝撃度!チャーハンしっとり派が一目置く板橋「龍王」の超目玉新メニュー「ナスバター炒飯」」https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/kekkojin/17-00484 これもレシピを見る限りはダメなんじゃないのって思ってしまうのだ。ところが騙されたと思って試してもらいたいのですが、驚くほどに美味しいのです。ありそうでなかったナスのチャーハンでありますが、単なるチャーハンでなくバター風味とするところがポイントなんだろうか。やっぱり騙されたと思われる方もいるかもしれないけれど、試してみる価値はあると思うのです。町中華風なす豚ドライカレー(ヤスナリオ)【材料】ごはん 1膳分/豚肉 100g/ナス(乱切り) 1本/玉ねぎ(薄切り) 1/4個/青ねぎ(小口切り) 2本/卵(目玉焼) 1個/ごま油 大さじ1/カレー粉 小さじ1/中濃ソース 小さじ2/トマトケチャップ 小さじ1/鶏がらスープの素 小さじ1/ラー油 適宜【作り方】1. フライパンにごま油を熱して豚肉を炒める。ナス、玉ねぎを加える。カレー粉、中濃ソース、トマトケチャップ、鶏がらスープの素を加える。2. 皿にごはん、1.を盛って目玉焼をのせ、青ねぎ、ラー油を散らす。 これまた炒めたごはんとナスの組合せ。これでいいのかって位にシンプルな食材の組合せではあるけれど、これだけシンプルでしかも旨いってのは実に有難いことなのです。このヤスナリオ氏のレシピは大概、えーって思うほどに疑念を感じさせるものが多いのですが、これが旨かった以上は他も試してみる価値があるかな、なんて思ってます。うナス丼【材料】ごはん 1膳分/ナス(皮を剥く/包丁で開く/電子レンジで600W1分加熱/フォークで筋を入れる/片栗粉をまぶす) 1本/片栗粉・ごま油・山椒 適宜/【タレ(混ぜる)】醤油・みりん 大さじ1/酒・砂糖 大さじ1/2【作り方】1. フライパンに油を熱してナスを焼き、【タレ】を加えて煮詰める。丼にごはんを盛ってナスをのせ、山椒を散らす。 定番のナスの蒲焼きのヴァリエーションです。少しも鰻っぽくはないんだけど、この食べ方はいいですねえ。一風変わっているのは片栗粉をまぶしているところ。粉アリのこちらの方がさらに旨いような気がしました。
2024/11/02
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ぼくにとって、なめこってなめこ汁位しか好きな調理法ってないんですね。なめこおろしなんかもメジャーなレシピではあるけれど、ぼくにはちっとも美味しくないのだ。わらびやゼンマイなどの山菜に混ぜてそばにのっけたりして食べるのは美味しいけれど、こうなるとなめこ感は希薄になります。近頃やけになめこパスタのレシピを見掛けるので、今回作ってみました。その感想は以下にて。ところでこれまで散々腐してきた北大路魯山人ですが、「夜寒に火を囲んで懐しい雑炊」という文章があります。冒頭は相変わらずのいけ好かないもので、それが数種の雑炊とほとんど関係ないのだから参ってしまう(まるでこのブログの文章みたい)。-- 元来、美味な料理ができないという理由は、料理する人が鋭敏な味覚の舌をもたないことと、今一つは風情というものの力が、どんなにうまく料理を工夫させるかを知らないからに基因する。この風情とは、美的趣味と風流とが主になって働きかけ、まず見る眼を喜ばせ、次に食べる心を楽しませるのである。 しかし、料理という仕事も至芸の境にまで進み得ると、まことに僅少な材料費、僅少な手間ひまでなんの苦もなく立ちどころに天下の美料理を次から次と生むことができるものである。よく主婦の料理下手を非難するもののあることを耳にするが、一家の主婦に料理の上手を求めようとするほどの者は、まずもって求める者以上に、主婦をしてよい料理体験をなさしめることである。-- そこにこんな雑炊が紹介されています。あれれ、この文章読んだことあったはずなんだけどねえ。見逃していたのかなあ。--なめこ雑炊 なめこは缶詰でよいから、缶から出したらザッと水洗いする。 缶六、七十銭のものを五人前に使えば適宜といえよう。やはり、これも薄味付けしたお粥を拵えて、できた粥の中へなめこを入れる。温まった程度でよい。煮過ぎるとなめこの癖が出て食べられない。茶碗に六、七分目取り、餡かけ饂飩の餡で、人の知る餡を別に拵えてかけて食べる。なかなかしゃれたもので、ぜいたく者ほど喜んでくれるもの。餡の上にすりしょうが一つまみ添えて出すことを忘れてはならない。-- これはなかなか旨そうですね。ぼくなんかだと餡の方になめこを入れてしまいそうですが、米と合わせるってのが良さそうです。でも雑炊って粥を別物と思っていたけれど、魯山人的には米の粒が輪郭を失った粥で作るのが雑炊なんですね。これも今更ですが。なめこペペロンチーノ(魚醤)【材料】バリラ(1.4mm/茹でる) 100g/なめこ 1パック/にんにく 1片/赤唐辛子 1本/魚醤 小さじ2/イタリアンパセリ・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してなめこを炒める。にんにく、赤唐辛子を加える。魚醤、茹で汁を加える。イタリアンパセリ(茎)を加える。パスタを加える。皿に盛ってイタリアンパセリ(葉)を散らす。【備考】パスタの聖書https://pastabible.hateblo.jp/ このレシピがのっているパスタの聖書ってサイト、膨大なパスタレシピで圧倒されるんですけど、眺めれば眺める程、パスタとは何だって合わせられるんだなって思うばかりです。パスタや唐辛子などがイタリア産の食材にこだわっているようで、バターはカルピスバターを持ち上げたりとなかなか私的な拘りをお持ちの方のようです。さて、極めてシンプルな食材で作ったこのパスタですが、やはりぼくにはまだまだなめこを活かし切れていないに思えるのでした。なめこペペロンチーノ(アンチョビ)【材料】バリラ(1.4mm/茹でる) 100g/なめこ 2袋/にんにく 1片/赤唐辛子 1本/アンチョビ 1切/オリーブ油 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してなめこを炒める。茹で汁を加える。オリーブ油を熱してにんにく、赤唐辛子、アンチョビを炒める。パスタを加える。【備考】パスタの聖書https://pastabible.hateblo.jp/ こちらも同様にやまだまだ物足りない気がするのです。なめこバターめんつゆパスタ【材料】バリラ(1.6mm/茹でる) 100g/なめこ 2袋/バター(無塩) 15g/めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ2/塩昆布 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してなめこを炒める。めんつゆを加える。パスタ、バターを加える。皿に盛って塩昆布を散らす。 これはどこかで見掛けたレシピを書き留めておいたものですが、これが一番しっくりきたかも。ってこれならわざわざレシピを眺めなくても思い付きで作れそうだなあ。なめこ汁そば【材料】そば(茹でる)・なめこ(水洗い)・絹豆腐(1cm角)・油揚げ(細切り)・青ねぎ(小口切り)・だし・味噌・めんつゆ・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 鍋にだしを沸かしてなめこ、絹豆腐、油揚げを加熱する。味噌を加える。2. 丼にそばを盛って1.、めんつゆを注ぎ、青ねぎ、一味唐辛子を散らす。 最後はそばにしてみました。なめこ汁にそばを入れただけですが、これは美味しいなあ。なめこと味噌ってよく合うとつくづく思うのです。
2024/11/01
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