宵っ張りの子供が日本で増えている

なぜ遅寝ではいけないのか?

 ヒトの生体時計の一日は大多数の方で約25時間です。毎朝光を浴び、朝食を摂り、日中活動する事で、周期25時間の生体時計を周期24時間の地球時間に毎日時計合わせ(リセット)をして生活しています。生体時計のリセットに特に重要なのは「朝の光」です。
 生体時計は周期25時間ですから、ヒトにとって遅寝遅起きは楽な作業です。まして夜中に光を浴びれば、生体時計はまだ昼間だと勘違いしてしまい、生体時計はさらに遅くなります。ますます遅寝遅起きが楽になります。こんなにも楽な遅寝遅起き、してはいけないのでしょうか?

ニコパタ君

遅寝遅起きの問題点

①睡眠時間の減少

 遅寝をしても、朝から幼稚園、学校、職場に出かけなければなりません。朝寝坊ができません。遅寝では当然睡眠時間が減ります。しかし幼稚園や保育園に行く前の朝寝坊をしてもよい年齢層でも、遅寝では睡眠時間が減る事が最近の調査でわかりました。遅寝で減った睡眠時間は、朝寝坊や、昼寝では取り返すことができていないのです。 睡眠時間を減らすと、脳の神経細胞同士の結びつきが弱まる という実験結果が仔猫で報告されています。また成人では 睡眠の量が減ると老化過程を促進させる ことも知られています。

②夜の光環境

 メラトニンというホルモンの問題です。メラトニンは一生のうちで1~5歳の頃に最も多量に分泌されます。メラトニンは暗くなると分泌されますが、明るいと夜でもメラトニンの分泌は抑制されます。メラトニンには抗酸化作用や性腺抑制作用があります。抗酸化作用とは本来細胞に対し毒性を持っている酸素から細胞を守る働きのことで、この働きの為に、メラトニンには老化防止作用や抗がん作用があるといわれます。また幼児期に大量に分泌された後、思春期に入りメラトニン分泌が減少することによって、二次性徴が発来します。本来たくさん分泌されるべき時期に、遅寝のせいでメラトニン分泌が抑えられてしまうとその後どのような影響が出るのか、実は誰にも分かっていません。

③内的脱同調

 朝の光を浴びる事無く、生体時計のリセットを怠っていると、身体の中のさまざまな生体リズムがばらばらに動き出してしまいます。身体の中のいろいろなリズムが本来あるべき関係とは違ってしまう状態を内的脱同調と呼びます。内的脱同調の時にはいわゆる「時差ぼけ」の時と同様の事が身体に起こり、睡眠障害、疲労感、食欲低下、作業能率の低下などが現れます。 遅寝では慢性の時差ぼけ状態を招く のです。また季節性うつ病といって、冬場になって光の量が減ると気分が滅入ってしまう病気も知られています。光が精神機能と密接に関連する事が分かります。

④肥満との関係

 ごく最近の富山県の調査で、遅寝は子供の肥満の危険因子である事が明らかにされました。肥満は運動量の低下の原因にも、結果にもなります。また遅寝では日中の活動量が早寝の子供よりも格段に少ないという調査結果もあります。昼間の活動量の低下は内的脱同調の症状とも捉える事ができます。昼間の十分な活動と望ましい生体リズムの確立は表裏一体です。

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