序章(プロローグ)

MESSIAH

 暗闇の中に幾つかの炎が浮かび上がっている。その炎は、辺りの様子を照らし出す。複雑な物も、見るに耐えかねる物も…
 その炎が一人の青年を照らしている。青年というのは顔を見れば分かるのだが、明りが少ないせいで、服装や特徴までは分からない。
他にも、辺りにある建物と思しき物と、青年の前に聳え立つ方尖柱のオベリスクのような物を照らしている。
 青年が方尖柱に歩み寄っていった。そして、両手を前に突き出し方尖柱に触れ、ブツブツと何かを唱え始めた。すると、方尖柱は突然閃光を放ち出した。
 閃光が放たれると青年が方尖柱から数歩離れた。そして、腰に収めていた太刀を引抜いた。
 急に生暖かい風が吹いた。どこからともなく声が聞こえてくる。
「ホォ、貴様がメシアか。確かに力を持っている。だが、残念なことに我らを倒すには至らぬようだが?しかし貴様はそれでも我々に歯向かうのかな?」
 その問に青年が答える。
「それが俺の定めらしいからな。今逃げてもいずれまた同じことをするだろうさ」
「フン、命知らずめが!いくらメシアと言えど、たかが人間ではないか!即刻粉砕してくれる!」
 声が途切れると、方尖柱が形を変えた。鎧に包まれた真紅の肉体と、鋭く相手を刺すような眼球を持った化け物の姿へと変貌した。
 青年は、それを確認すると太刀を真っすぐに構え、相手の攻撃に備えた…



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