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中国上海市で2022年6月に進水した中国3隻目の新型空母「福建」が上海の埠頭で、艦載機発進用の電磁式カタパルト(射出機)の射出実験を行ったと、2023年11月27日付の香港紙、インターネットに出回っている映像を基に明報などが報じた。 空母「福建」初の試験航海へ=台湾見据え海軍力増強―中国時事通信 2024年5月1日 中国3隻目の空母「福建」が1日午前、初めての試験航海を行う。国営新華社通信が伝えた。就役に先立ち試験航海を複数回行い、艦載機の射出などを確認する見通し。 習近平政権は台湾侵攻の可能性を念頭に、空母の建造をはじめとする海軍力の増強を急いでいる。中国が「台湾独立派」と見なす頼清徳副総統の総統就任を今月20日に控え、けん制する狙いもありそうだ。 上海海事局は4月30日、「軍事活動」が行われるとして今月1~9日に上海沖の東シナ海に航行禁止区域を設定していた。 福建は2022年6月に進水した。動力は通常型で、満載排水量は約8万トンと大型化した。リニアモーターを用い、効率的に艦載機を射出する電磁カタパルト3基を装備している。 配備済みの「遼寧」と「山東」は、反り上がった甲板から艦載機が発艦する「スキージャンプ式」。今回、電磁カタパルトを初めて搭載したことで、重い哨戒機などの運用が可能になり、防御能力が大幅に向上する。 ― 引用終わり ― ■リニアモーター 電磁式カタパルトはリニアモーターの一種。 リニアモーターの回転式モーターに対する欠点は、1.損失が多く消費電力が増える、2.地上一次式の場合、動かそうとする対象が界磁の付近に無い部分でも励磁するので出力を上げると損失も増える、3.減速機が無いため、制動に必要なブレーキ力が大きくなる、などである。 ■電磁式カタパルト出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 電磁式カタパルト(でんじしきカタパルト、Electromagnetic catapult、電磁カタパルトとも)は、リニアモーターによって航空母艦から固定翼機を発射するシステムである。 アメリカ海軍とイギリス海軍が共同開発したものはEMALS(イーマルス、Electromagnetic Aircraft Launch System 電磁力航空機発射システム)と呼ばれる。 ― 引用終わり ― 電磁式カタパルトの蒸気式カタパルトに対する利点と欠点の抜粋利 点・母艦の機関を選ばない 瞬間的に大電力を使用することから原子力機関を必要とするイメージがあるが、必要なのは高性能な発電機と瞬間放電が可能な蓄電システムであり、動力は原子力や蒸気タービン、ガスタービン、ディーゼルエンジンを問わない。蒸気カタパルトの場合はカタパルト専用にボイラー(蒸気発生装置)を搭載しないのであれば、機関が原子力か蒸気タービンの必要がある。・航空機に無理な荷重をかけない。・最大出力が121MJに上昇 蒸気カタパルトは動作原理上、約95MJで頭打ち。・長寿命・消費エネルギーが少ない・ エネルギー効率が高い・電気的接続のみで、機器配置の制約がより少ない・海水から真水への淡水化の需要が低下する・システムの起動が早い・保温が不要・発艦間隔の短縮 電磁式では45秒で再充電が完了するため、理論上は1分で2機の発艦が可能であり、平均2分に1機間隔で発艦を行う蒸気式に比べて短縮される。欠 点・エネルギーを高効率で電力に変換できる発電機が必要 稼働はすべて電力によって行われるため、原子力空母のように原子力機関を採用していても、発電能力を十分に重視していなければ大規模な改装なしでは運用できない。通常動力艦では統合電気推進等の効率的な電力システムが求められる。・瞬間放電できる貯蔵システムが必要 カタパルト作動時には 2~3秒で121MJの電力が要求されるため、大容量で自然放電が少なく、必要時に瞬間的な放電が可能な電力貯蔵システムが必須。・母艦の負担増 他のカタパルト同様に母艦側の燃費悪化、無補給行動期間の制限、建造・運用・メンテナンスコスト上昇等は避けられない。・作動後に冷却が必要・高コスト 最先端兵器の価格が高いのは常。利点は多く欠点が少なく見える電磁式カタパルトだがいまだ実用化されたとは言い難い。 ジェラルド・R・フォード(CVN-78)に世界で初めて搭載された電磁式カタパルトの運用・維持・管理技術は、いまだ確立されていないようだ。 2024年3月1日、アメリカ・バージニア州でアメリカ海軍の最新技術「電磁カタパルト」を使った発射実験が行われ、36トンの車が時速約240kmで発射された。この実験は、アメリカ空母のジョン・F・ケネディの甲板で実施された。 米海軍の最新空母「ジョン・F・ケネディ」初の電磁式カタパルト試験を実施2024.02.23 乗りものニュース編集部就役は2025年の予定 アメリカ海軍は2024年2月22日、ジェラルド・R・フォード級空母の2番艦「ジョン・F・ケネディ」の電磁式カタパルトの射出試験を実施したと発表しました。 「ジョン・F・ケネディ」は2024年現在、バージニア州ニューポートニューズ市にあるハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)社のニューポート・ニューズ造船所で建造中です。 艦番号はCVN-79で、2015年8月22日に起工、2019年10月29日に進水、そして2019年12月7日に命名式を実施しています。就役は2025年の予定ですが、このたびアメリカ海軍の正規空母としては必須装備といえる電磁カタパルトの最初の動作テストが行われました。 ― 引用終わり ― 川崎重工業は大容量ニッケル水素2次電池「ギガセル」について、航空母艦からの艦載機射出に使う電磁式カタパルトへ転用できるとして、「DSEI Japan 2023」(2023年3月15~17日、幕張メッセ)にパネルで展示した。電磁式カタパルトの電源として、大電力の放電が可能な特徴を生かせると説明している。」 ギガセルの「30-K7」型モジュールは電圧が約36Vで容量は5.4kWh。電磁式カタパルト向けには300個を使い、32MWの出力を得る想定。キャビネットに並べて、格納庫のようなスペースに設置すると想定している。 出力が大きい原子力機関搭載艦ではなく、発電量が比較的小さい通常動力艦に電磁式カタパルトを装備するときより有効かもしれない。
2024年05月14日
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エンタープライズ(USS Enterprise, CVN-65)は、米海軍の世界初の原子力空母で米海軍の象徴的存在。 エンタープライズの名を持つ艦としては8隻目。通常動力の先代のエンタープライズ (USS Enterprise, CV-6) と同じく「ビッグE」の愛称で呼ばれた。 同型艦の建造も検討されたものの、高コストのために実現しなかったので原子炉を8基持つ原子力空母はエンタープライズだけとなった。 1960年9月24日進水、1961年11月25日就役、2012年12月1日退役。 原子炉としてを8基搭載はウェスティングハウス・エレクトリック社製加圧水型原子炉A2Wを8基搭載。核燃料としては核爆弾並みの高濃縮ウラン(最大93%)を用いる。 「エンタープライズ」は世界初の原子力空母である点を考慮して博物艦船として保存するという意見もあったが、高濃縮ウランを使用した原子炉を取り出す際に船体を切断しなければならないため、解体されることが決まった。 2015年5月4日ハンティントン・インガルス・インダストリーズで原子炉燃料の処理が開始された。 遺構として保存する案の議論は未決着。 世界初の原子力空母「エンタープライズ」ついに解体へ? アメリカ海軍動きだす 「100年に渡る作業」乗りものニュース 2023年12月2日 アメリカ海軍は2023年11月29日、原子力空母「エンタープライズ」の解体方針がようやく決定したようです。同艦は世界最初の原子力空母であり、最初に解体される原子力空母でもあります。 後続艦を合わせると100年単位のプロジェクトに アメリカ海軍は2023年11月29日、世界初の原子力空母解体のための方針を決定したと、複数の防衛系メディアが報じています。 今回、解体の対象となるのは世界初の原子力空母である「エンタープライズ」になります。この一大事業に際し、アメリカ海軍はバージニア州アーリントンに原子力空母の解体に関する新しいプログラム室を設立し、そこで全体的な管理を行うそうです。 その解体の場所は、軍の施設ではなく、自国の民間造船所に送ることが決定。現在アメリカ海軍は原子力空母や原子力潜水艦の整備・解体に対応できる軍施設を全米で4か所保有していますが、原子力空母のような大型の艦を数年単位で置いておける施設がないということで、民間へ委託するという判断になったようです。 「エンタープライズ」は2012年以来、バージニア州のニューポートニューズ造船所に長らく停泊していましたが、曳航され、民間の解体施設に送られることとなります。取り出された原子炉については、ワシントン州の「トレンチ94」と呼ばれる海軍原子炉廃棄場に輸送されるようです。 同艦は原子炉を8基も有しているということで、なかなか解体方針が決まっていませんでした。一時期は記念艦にする計画もありましたが、この原子炉のため断念。民間企業に委託する方針はあったものの、原子力空母の解体は前例がなく、どれだけ厳重にやるかによっても費用はまちまちのようです。アメリカ国内の報道によると、最も安く見積もってもおおよそ7億ドル(約1000億円)が解体費用にかかり、期間は5~15年になる見込みです。 さらに、2025年からはニミッツ級原子力空母の退役も始まる予定です。ニミッツ級の原子炉は2基ですが、計10隻が就役しており、「エンタープライズ」で解体のノウハウを蓄積しておかないと、これらの艦が全米の海上に留め置かれることになってしまいます。 一部報道によると、こうした原子力空母の解体事業に関して海軍プログラム室の担当者は「今後1世紀に渡り作業が待っている」と発言しているといいます。 ― 引用終わり ― 米海軍最新のジェラルド・R・フォード級航空母艦の発電・推進用の原子炉はA1B2基。 ニミッツ級では、A4W(熱出力550 MWth)2基が搭載された。炉心のエネルギー密度を向上することでコンパクト化がはかられ、A1Bで出力にして25パーセントの増加が達成された。炉心寿命は、ニミッツ級のA4W/A1G炉心と同様に約25年。 「エンタープライズ」はテレビシリーズ『スタートレック(TOS、宇宙大作戦)』に宇宙艦隊の恒星間宇宙艦として登場する。 『スタートレック』のエピソードが収録されたビデオテープが、ビデオ普及初期に本艦に供給された。 カーク船長が率いるUSSエンタープライズ(登録番号"NCC-1701")も原子炉があるが核融合炉と設定されている。
2023年12月17日
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輜重輸卒が兵隊ならば、蝶々トンボも鳥のうち、電信柱に花が咲く 自衛隊も兵站、ロジスティクスを考えて実行している。 「補給、輸送、修理、整備」を担当する大日本帝国陸軍の「輜重輸卒」にあたる陸上自衛隊の兵科は、「施設科」「武器科」「需品科」「輸送科」。 伊勢の神宮の式年遷宮並みの20年ぶりに補給艦を新造という。「常若」の考えでもあるのだろうか。 もはや“海のショッピングモール”? 海自「補給艦」20年ぶり新造のワケ 油&貨物に車両運搬・病院も深水千翔(海事ライター)2023.10.03 のりものニュース海上自衛隊が約20年ぶりに新型の補給艦を建造する予定です。外観も機能も従来の補給艦から一新されたものになるとのこと。加えて、造船所も20年前とは様変わりしており、技術の伝承という目的も含まれているようです。 新型補給艦の1番艦は5年後の就役を予定 防衛省は2023年8月31日に公開した2024年度概算要求で、「新型補給艦」1隻の建造費として825億円を計上しました。 防衛省・海上自衛隊が補給艦を新造するのは、ましゅう型補給艦2番艦の「おうみ」以来、約20年ぶりのこと。これまでの国産補給艦とは異なる外観、性能を持つようです。 同艦は、艦齢36年を数える補給艦「とわだ」の代替として取得が予定されているもので、2028年度中の就役を目指しています。基準排水量は海上自衛隊の補給艦としては最大サイズとなる1万4500トン。艦首側にブリッジを配置しており、従来の艦とは一線を画す船体デザインが外観の特徴となっています。 海上自衛隊は現在、基準排水量8100トンのとわだ型3隻と、同1万3500トンのましゅう型2隻、計5隻の補給艦を運用中です。全艦が護衛艦隊隷下の第1海上補給隊に所属しており、呉、横須賀、舞鶴、佐世保の各基地に1隻ないし2隻が配備されています。 補給艦はその名の通り艦艇部隊への補給を主な任務としており、護衛艦など補給相手の艦と並走しながら蛇管(ホース)や「ハイライン」と呼ばれる洋上移送装置を使用して、燃料や物資を洋上補給できるだけの性能を持っています。そのため艦内には艦艇燃料や航空燃料、各種弾薬、食料、真水など艦隊行動に必要なさまざまな物品を積載可能なスペースが用意されています。 さらに近年は、護衛艦の大型化・高性能化に加えて災害派遣や国際緊急援助活動、PKO(国連平和維持活動)、在外邦人輸送などといった多種多様な任務への対応が求められています。そのため比較的新しいましゅう型は、船体を大型化しつつ、ガスタービンエンジンを採用して機動性を向上。加えて艦内には、手術室や集中治療室、入院設備といった充実した医療区画を備えていました。 補給艦の設計・建造ノウハウが途切れる前に 一方、1987年から1990年にかけて3隻が建造されたとわだ型は、前述したように船体規模も8100トンと小さく、拡張性に限界があるうえ老朽化も進んでいることから、代替艦が必要だと判断されました。 艦隊随伴能力を推し測るうえで重要な速力も、ましゅう型と比べて2ノット遅い最大22ノット(40.74km/h)で、またディーゼル・エンジンのため、ガスタービン搭載艦よりも加速性が劣るという欠点も有していました。 また、補給艦の新造自体も「おうみ」が就役してから約18年もの月日が経っており、設計・建造のノウハウを継承するためにも、新型補給艦の整備が必要でした。 こうした背景もあり2022年12月に策定された防衛力整備計画で「洋上における後方支援能力強化のため」補給艦の増勢が明記され、防衛省は2024年度予算で1万4500トン型補給艦1隻の建造を要求したのです。 新型補給艦は、アメリカ海軍のサプライ級高速戦闘支援艦のように、艦首側に艦橋構造物を配置し、艦尾側に煙突とヘリコプター格納庫、飛行甲板らしきものが置かれているようです。船体中央にはポール型の補給ステーションが確認できます。 補給能力に関しても、燃料タンクの容量を増やすなどして強化を図っているほか、省人化の一環として艦内の貨物移送装置を自動化するとか。ましゅう型のように医療区画を広くとっている可能性もおおいにあるでしょう。 さらに、これまでの補給艦と大きく異なる点として、車両の積載・運搬機能を持っている点も特徴です。船体にはRORO船のようにサイドランプが装備されます。これらにより、トラックやシャシーに搭載されたコンテナをそのまま艦内へ積み込めるようにすることで、より効率的に物資の搬入・搬出を実施できるようにしていると推察できます。 このため、新型補給艦は艦艇に対する燃料・物資の補給だけでなく、南西諸島を始めとした遠隔地で有事があった際、迅速に車両を展開する必要があるような場面でも活用されると思われます。また、大規模災害時は陸上自衛隊の衛生科が装備する「野外手術システム」の輸送や給水車に対する真水の補給拠点としても使用できるとみられます。 日本版「空母打撃群」の随伴艦となるか 肝心の建造ヤードについては、2023年9月現在、日本で自衛隊向け艦艇の新造能力を持つ企業は三菱重工業、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)、川崎重工業の3社のみ。このうち、川崎重工業は潜水艦の建造のみに特化しているため、水上艦の建造を手掛けるのは前2社のみという状況です。 補給艦については、かつて三井造船玉野事業所(現・三菱重工マリタイムシステムズ玉野本社工場)が「ましゅう」を、ユニバーサル造船(現・JMU)舞鶴事業所が「おうみ」を建造した実績があるため、三菱重工もJMUも受注する可能性があります。 なお、とわだ型補給艦は3隻すべてが置き換えられると思われるほか、防衛力整備計画では補給艦の増勢も掲げられているため、ひょっとしたら4番艦が建造されるかもしれません。 昨今、海上自衛隊ではヘリコプター搭載護衛艦である「いずも」「かが」の事実上の空母改装が進められています。この2隻の改装が終わり、艦載機として航空自衛隊にF-35Bが配備された暁には、汎用護衛艦や対空ミサイル搭載護衛艦(イージス艦)などとともに「日本版空母打撃群」が編成されると思われます。そのとき、同艦船群に随伴する補給艦となるのが、この新型補給艦であることは間違いないでしょう。 ー 引用終わり ー
2023年10月16日
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日韓間の国際旅客船「クイーンビートル」が、船体に亀裂が確認されたのに、報告や点検をせずに運航を続けていた。 高速艇であれば衝撃も大きいことが予測され、なぜこのような安全軽視の事態が生じたのか、組織体質が問われる。 船体亀裂確認するも運航継続「クイーンビートル」安全確保を国土交通省が命令2023年6月23日 RKB毎日放送 博多と韓国の釜山(プサン)を結ぶ国際旅客船「クイーンビートル」が、船体に亀裂が確認されたのに、報告や点検をせずに運航を続けていたとして、国土交通省は23日、JR九州高速船に対し、輸送の安全確保を命じました。 国土交通省などによると、「クイーンビートル」は、今年2月11日の運航中に浸水警報装置が作動。 12日にダイバーが潜水して確認したところ、船首部分の水面下に幅7センチほどの亀裂が見つかったものです。 運航するJR九州高速船は、亀裂部分に応急処置をしたうえで14日までにさらに3便を運航していて、その間、国などへの報告や、法に基づく臨時検査をしていませんでした。 運航中、乗客や乗員にけがなどの影響はなかったということです。 これを受けて国土交通省は、JR九州高速船に対して、輸送の安全の確保に関する命令を出すとともに、文書での報告を求めています。 ― 引用終わり ― クイーンビートルは、全長83.5m、幅20.2 m、旅客定員502名、2,300国際総トンの三胴型高速艇。 航海速力は36.5ノット(約67.5km/h)。 主機はMTU 16V1163 M74型ディーゼル4基で出力26,104馬力(19,200キロワット)。 推進器はウォータージェット4基。 2020年9月29日に引渡しを行い、オーストラリア・パースから10月15日に博多港に到着。 デザインは列車のデザインで著名な水戸岡鋭治氏が担当。船内はバリアフリー仕様。 当初はパナマ船籍だったが、制約が大きいことから2022年3月に日本籍に変更、4月から博多港 - 門司港、博多港 - 長崎港間航路の運航を開始した。
2023年07月12日
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2023年4月6日、陸上自衛隊第8師団長ら10人が乗ったUH60JAヘリコプターは15時46分、宮古島分屯基地を離陸し、同56分、同島の北西約18キロの空域を飛行中にレーダーから消えた。 海上自衛隊の艦艇が13日、海中でヘリの機体とみられるものを発見した。 【陸自ヘリ事故】 荒天などのため「飽和潜水」を断念あす朝にも再開へ沖縄タイムス+プラス 2023年4月15日 陸上自衛隊幹部ら10人が乗ったUH60JAヘリコプターが沖縄県の宮古島周辺で行方不明になっている事故を巡り、防衛省は15日、機体の主要部分とみられる物体や複数の搭乗員らしき姿が確認されている海底への「飽和潜水」に向けて準備を進めたが、荒天などのため、海底への潜水を断念した。16日朝にも再開する。 飽和潜水は、深い海へ潜る技術。海上自衛隊の潜水士が「チャンバー」と呼ばれる密閉された特殊な部屋で、半日以上かけて深い海の高圧で作業できるよう体を慣らす。潜水士はその後、同気圧に保たれたカプセル型の昇降機で海底まで降り、海中に出て作業する。 海自の潜水艦救難艦「ちはや」の潜水士が14日午後、飽和潜水に向けた活動を始めたが、機材の不具合で中断していた。 機体とみられる物体や複数の人らしき姿は、伊良部島の北側水深約100mの海底で確認されている。政府関係者によると、物体は大きく破損しているという。(東京報道部・新垣卓也) ― 引用終り ― 4月16日、自衛隊は「飽和潜水」による捜索を行い、潜水士が海底に沈んだヘリの主要部とみられる物を直接確認し、周囲で5人の姿を発見した。 「飽和潜水」は、人間が深海の水圧に耐え、安全に長時間作業ができるように開発された潜水技術。飽和潜水を行う潜水員は、まず高い圧力環境を再現・維持できるカプセルに入り、作業現場と同じ圧力までカプセル内の気圧を上げて高圧下に順応したのち、水中へと移動して作業を行う。 海上自衛隊・潜水医学実験隊(潜医隊)で、潜水に関する医学や心理学、人間工学などを研究し、深海で遭難した潜水艦から乗員を救出するという特殊な任務を担う潜水士を養成している。 海上自衛隊の潜水艦救難艦は、飽和潜水を行える装備を備えている。 海上自衛隊は、6名ないし3名のチームによって飽和潜水を実施する。潜水チームがタンク(DDC)に入ると、まず、2気圧(水深10m相当)まで加圧される。 ここで点検を行った後、呼吸ガスをヘリウム・酸素混合ガス(Heliox)に切り替えて、所定の深度に相当する圧力まで一気に加圧する。目標深度が200mより深い場合、加圧速度を遅くする。長時間の加圧に対応するため、DDC内には、シャワーやトイレなど、必要最低限の居住設備が設けられている。 潜水艦救難艦は、海中で遭難・浮上不能になった潜水艦の乗員救助の任に当たる艦である。艦種記号はASR(Auxiliary Submarine Rescue Vessel)。海上自衛隊は「ちはや」と「ちとせ」、2隻の潜水艦救難艦を保有する。 日本で一番深く潜水できる 海上自衛隊「潜水医学実験隊」とは2022-06-08 MAMOR日本で一番深く潜る男たち自衛官飽和潜水部隊 潜水に関する医学や心理学、人間工学などを研究し、深海で遭難した潜水艦から乗員を救出するという特殊な任務を担う潜水士を養成しているのが、神奈川県横須賀にある海上自衛隊潜水医学実験隊(潜医隊)だ。 すさまじい水圧に耐えながら安全で確実な救出作業を行うため、時には深度450メートルを想定した環境での作業も行う。 ― 引用終り ―
2023年04月21日
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ブラジルは2022年、トルコの企業に退役した航空母艦サンパウロの解体を発注した。 アスベスト、重金属などの有害物質が大量に含まれていることから、8月に解体許可を取り消された。 サンパウロは帰還したが、環境リスクの大きさを理由に入港を認められず、大西洋を数か月さまよっていた。 サンパウロは、船齢60年。 環境保護団体は、大量の有害物質が浸出すれば海洋の食物連鎖を脅かす恐れがあると非難していた。 ブラジル、退役空母を沈めて処分汚染の懸念押し切り2023年2月4日 10時14分 ブラジル海軍は3日、退役空母「サンパウロ(NAE Sau Paulo)」を海に沈めて処分したと明らかにした。環境保護団体は、同空母は「3万トンの有害物質」を含んでおり、汚染源になると批判していた。 海軍はサンパウロについて、大西洋のブラジル沖約350キロ地点(水深約5000メートル)で3日午後、「計画通り制御された状態で沈没させた」としている。 ― 引用終り ― 相手よりも強力であることが目的の兵器は、重金属や放射性物質の使用・処分について、環境への配慮や、長期的な健康への配慮がない。 劣化ウラン弾は半減期45億年のプルトニウムを含む劣化ウランを弾芯とした砲弾。劣化ウラン弾が放つアルファ放射線は、がん、白血病、DNAを損傷することによるとされる先天性の奇形・異常、様々の全身性の症状を引き起こす。 劣化ウランの弾芯は比重が大きく装甲貫徹力に優れるため、湾岸戦争で対戦車弾として大量に使用され、その粉塵を吸入することにより味方である米兵に多くの障害を発生させたことは、米国政府により隠蔽されている。 環境への配慮がない兵器の代表に原子力潜水艦がある。発電などよりはるかに高濃度の核燃料を使用するそれらの原子炉は、廃炉となった後も危険物であり、米国の砂漠の地下に護衛の兵隊に守られて静かに眠る。ソ連の原子力潜水艦の原子炉も米国の原子力潜水艦の原子炉も同じと場所に眠る。ソ連・ロシアは深海底に退役した原子力潜水艦を日本海などの深海底に沈めようとしたため、解体後の原子炉を米国が引き取ることになった。 米国における高レベル放射性廃棄物処分 諸外国での高レベル放射性廃棄物処分 仮想敵国である日本打倒のため、韓国の文在寅・前大統領は、軍事強国の象徴である原子力潜水艦保有の野望を抱いていた。 韓国「4000トン級原子力潜水艦」開発に燃えるも空回り決定的な欠陥とは?2022年1月30日 THE OWNER 核燃料が自国の自由になるものでないとは文前大統領は毛頭考えていなかった。この思いつきは構想段階で米国により拒否された。もちろん原子炉の処分方法など考慮の埒外であったことだろう。 プルトニウム保有大国の日本も、米軍などが軍事用原子炉に用いる高濃度核燃料はもっていないはずだ。
2023年02月19日
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世界の脱炭素化と歩調を合わせ、海運業、造船業も脱炭素化の目標を定めて取組を進めている。 総合的な温室効果ガス排出量の削減が世界的な潮流となる中、顧客から選ばれ続けるために、自社船からの排出量を減らし、クリーンな運搬手段だと訴求していくために、アンモニア、水素、風力発電事業への関与など、海運会社・造船業者が重油に代わる燃料や自然エネルギーへの取り組みに力を入れている。 海運の脱炭素化に向けた各国政府への行動喚起提言に賛同2021年09月22日 日本郵船 当社は、海運の脱炭素化実現に向けた企業連合「Getting to Zero Coalition」(注)による各国政府への行動喚起提言「Call to Action for Shipping Decarbonization」(以下「本提言」)に賛同しました。本提言は、海運の脱炭素化実現のためには民間セクターと各国政府の協力が不可欠という認識のもと、多様な業界からの賛同者が共同で、各国政府へ以下の提言を2021年11月(予定)に行うものです。 <各国政府への提言内容>1. 2050年までの国際海運の脱炭素化へのコミット 2050年までに国際海運を脱炭素化するという明確な目標を設定し、2023年に予定される国際海事機関(IMO)での温室効果ガス(GHG)削減戦略の改正に際し、同目標を達成するための明確且つ達成可能で公平な実施計画を推進すること。 2. 各国の政策を通じた産業横断的な船舶のゼロエミッション・プロジェクトの支援 船舶、港湾設備、燃料生産に関する実証プロジェクトを産業横断的に支援し、脱炭素の取り組みにおける先行企業のリスクを軽減し、イノベーションを加速させること。3. 2030年までにゼロエミッション船舶と燃料を既定の選択肢とするための政策措置の導入 国際海運におけるゼロエミッション船舶およびゼロエミッション燃料の商業利用を遅くとも2030年までに可能とするため、2025年までに発効するグローバルな経済的手法(Market-Based Measures, MBM)を含む政策措置を採択すること。 … (略) …(注) 「Getting to Zero Coalition」・海運の脱炭素化実現に向け2018年10月に発足した企業連合。 2021年9月現在、海事、エネルギー、インフラ、金融各部門を代表する150社以上の企業・機関などが参加。・海事産業、エネルギー産業、シンクタンク、政府機関等の産業横断の取り組みにより、ゼロエミッション燃料の開発・普及とサプライチェーンの確立、船舶の技術革新促進、ゼロエミッション燃料のマーケット創出を推進。 政策提言等を通じ、2030年までに外航航路でゼロエミッション燃料による船舶の運航を商業ベースで実現させることを目標としている。 ― 引用終り ― 大型船を中心に重油を主な燃料としてきた海運業界と造船業界は、LNG(液化天然ガス)、アンモニア、水素など新エネルギーへの切替の実用化に向けた開発・実証実験をすすめている。 三井E&Sは舶用エンジンの燃料に使う重油の代替として水素の利用を想定し、次世代エンジンの実用化を目指す。燃料転換が段階的に進むことを踏まえ、水素焚きのニーズを取り込む。 重油の代替では、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないアンモニアの活用も見込まれる。三井E&Sは伊藤忠商事や今治造船などが進めるアンモニア燃料船開発に参画している。 海上の風を船の推進力とする取組も進められている。 川崎汽船が風力を帆で推進力とする大型バルクキャリア(ばら積み船)で2年間、AIRSEASの協力により調査した結果、二酸化炭素(CO2)排出量を従来の同型船より20%以上、年間5200トンの削減が期待できるとされた。 欧州では「巨大凧」を推進力とする仕組みを、航空機大手の欧州エアバスから分社化した AIRSEAS が開発し、エアバスの部品運搬船で実用化されている。
2023年01月10日
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4月14日、黒海艦隊旗艦のミサイル巡洋艦モスクワが沈没した。ウクライナ側は対艦ミサイル攻撃による戦果としている。 ロシアは、巡洋艦モスクワで弾薬が爆発して火災が発生し、損傷したと発表した。 米経済誌フォーブス(ウクライナ語版)は、沈没したロシア黒海艦隊の旗艦でミサイル巡洋艦の「モスクワ」の価値は約7億5千万ドル(約950億円)相当で、ウクライナ軍が破壊した5260のロシア軍装備品の中で最も高価だったと報じた。 また、ウクライナがモスクワへの攻撃に使った対艦ミサイル「ネプチューン」の費用は2600万ドルだったと推定した。 巡洋艦モスクワ沈没「最大級の屈辱」ロシアの作戦修正は必至…兵士の犠牲も拡大 2022年4月15日 東京新聞 ウクライナ侵攻を続けるロシア軍が、防空システムの要としてきた黒海艦隊巡洋艦モスクワを14日に失った。南部制圧に向けた軍事作戦の修正に迫られるのは必至で、増加の一途をたどる兵士の犠牲と合わせてロシア国内に厭戦えんせんムードが広がる可能性もある。 モスクワは、ロシア軍が保有する3隻の大型巡洋艦の1隻。搭載する防空ミサイルシステムS300でウクライナ軍の戦闘機や無人機をけん制し、南部一帯での部隊展開を支えてきた。黒海艦隊は、ロシアにとって重要な標的である港湾都市オデッサなどの攻略を目指していた。 だが独立系メディア、メドゥーザによると、ロシア軍はモスクワを失ったことで、残る部隊をウクライナ軍の攻撃から防ぐ能力が著しく衰える恐れがある。ロシアとウクライナの交戦を理由に、トルコが黒海への軍艦の侵入を制限しているため、ロシアが地中海経由で代替の巡洋艦を派遣することも難しい。 ― 引用終り ― 対艦ミサイル・ネプチューンはウクライナ製。 フォークランド紛争で多くの戦果をあげたフランス製対艦ミサイル・エグゾセのように人気沸騰するだろうか? ネプチューンの全長は5.05m。十字翼を持つ。5.30×0.60×0.60mの輸送・発射コンテナ(TLC)に格納される。最大射程距離約300km。ミサイルの重量は870Kg。 ネプチューン (巡航ミサイル)出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 R-360 ネプトゥーン(ウクライナ語: Р-360 «Нептун»)は、ネプチューン(Neptune)の英語名でも知られる、 国家キーウ設計局ルーチ(英語版)によって開発されたウクライナの対艦巡航ミサイルである。 実質的にはソビエト連邦製のKh-35対艦ミサイルを基に射程と電子機器を改善したものである。排水量5,000トンまでの水上艦艇や輸送艦を撃破できるよう設計されている 。 2021年3月にR-360を採用したミサイルシステムRK-360MC ネプトゥーン(ウクライナ語版)の最初のユニットがウクライナ海軍に配備された。 ― 引用終り ― 「最強の盾」と呼ばれるイージス艦はロシア製のミサイル巡洋艦よりはるかに高い。 【独自】イージス艦2隻で5000億円超政府の代替案、地上配備型の2倍 2020年11月24日 東京新聞 政府が進めている地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の代替案の検討で、有力となっているイージス艦を新造する場合、費用は2隻で計約5000億円超との試算が出ていることが、関係者への取材で分かった。 迎撃ミサイルのランチャー(発射機)など米国から購入が見込まれる装備品の金額が流動的な面もあるが、地上イージスの倍程度の費用がかかることになる。 今年3月に就役した最新鋭イージス艦「まや」の建造費は約1720億円でこれと比べても約1.5倍。地上配備計画の撤回で宙に浮いた形になっている米ロッキード社製のレーダー「SPY-7」を搭載するためには船体の大型化が必要なことなどから割高になるとみられる。 ― 引用終り ―
2022年05月07日
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2022年2月16日、商船三井がが運航する自動車運搬専用船(PCC船)「フェリシティ・エース」がポルトガル沖を航行中、船内で火災が発生。 停車中の発火といえばEV火災を思い出す。 商船三井、自動車船で出火ポルトガル沖、乗組員無事2022年2月19日 共同通信 商船三井は19日までに、同社が運航する自動車運搬船「フェリシティ・エース」がポルトガル沖を航行中、船内で出火したと発表した。乗組員22人は無事で、近くの島に全員避難した。 消火活動が続く中、船は大西洋を漂流しているという。 積み荷はポルシェを含め、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループの高級車など約4千台に上る。 商船三井によると、ドイツから米国に向けて航行中の現地時間16日に出火。油の流出は確認されておらず、ポルトガル海軍が派遣した巡視船が監視しているという。乗組員はポルトガルのアゾレス諸島にヘリコプターで搬送された。出火原因は分かっていない。 ― 引用終り ― RO-RO式の外航自動車専用船をPCC船(Pure Car Carrier)とよぶ。 PCC船は、ランプウェイを備え、岸壁から車両を自走で積載する車両甲板をもつRO-RO船(roll-on/roll-off ship)。その積載方式はRO-RO方式と呼ばれ、カーフェリーなどもRO-RO方式。 対義語、対義方式は、クレーンなどで積載するLO-LO船(Lift-on/lift-off)。 自動車運搬船 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 自動車運搬船(じどうしゃうんぱんせん)とは、自動車の運搬に特化した構造を有する船である。自動車専用船とも言う。 概 要 船内に複層の車両甲板を持ち、各種自動車を積載できるという点ではフェリーに類似するが、商取引を目的とした自動車(商品)を大量に航送する目的で造られているため、フェリーとは構造が異なる。 一般的な貨物船との大きな違いは、積載し輸送する貨物(自動車)が自走して積み込まれ、また荷降ろしされることで、港湾での作業に使うためのクレーンを備えず、船内は自動車を最大限積載するために各層の天井高が各種自動車に合わせた必要最小限の高さに設計されている。 ― 引用終り ― ConRO船はRORO船とコンテナ船の両方の機能を持ち、上部甲板にはコンテナを、下部甲板にはトレーラーを積む。
2022年02月27日
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世界物流の根幹をなすのは、船輸送。 2021年6月17日、国際的な物流を担う船舶の温室効果ガスの削減を義務づける新たな国際ルールが、国連のIMO(国際海事機関)の海洋環境保護委員会で採択され、2年後の2023年に規制が始まることが決まった。 新造船だけでなく、すでに運航している船にも温室効果ガスの削減を義務づける。 2021年10月20日、三菱重工業は、船舶エンジンから排出されるCO2を99.9%回収することに成功したことを発表。 船の排出CO2「99.9%回収」に成功「実用化の可能性高まった」2021.10.21 乗りものニュース編集部 … (略) … 三菱重工業は2021年10月20日(水)、実船搭載したCO2回収小型デモプラントにて、船舶エンジンより排出される排ガスからCO2を分離・回収した結果、回収CO2純度が99.9%以上と計画通りの性能を達成したと発表しました。 これは三菱造船と川崎汽船、日本海事協会と共同で進める洋上用CO2回収装置の検証プロジェクト「CC-Ocean(Carbon Capture on the Ocean project)」の一環。川崎汽船が運航する東北電力向け石炭運搬船「CORONA UTILITY」で実施されています。CO2回収小型プラントは、陸上プラント用装置を洋上用に転用したものだそうです。 三菱重工業は今回の結果について、「計画通りのCO2回収率を洋上で得られたことから、舶用システムとしての実用化の可能性が高まりました」といい、得られたデータは実用化に向けたベンチマークになると評価しました。 今回は三菱造船の技師が乗組員へ技術指導を行ったのち、9月中旬から、一般乗組員が商用運航中にCO2回収を行う世界初の試みとして実施しているといいます。2021年度末まで同様に続けるということです。 ― 引用終り ― 船上CO2回収システム搭載船は、排気ガスからCO2を回収する既に陸上で実用化された技術を応用して、CO2回収装置を船舶に搭載することで、どんな燃料でもCO2排出ゼロの達成が可能になる。 船舶でどこまで効率的に回収できるかが、このシステムの実用化のカギになる。 日本は「次世代船舶」として、燃焼時にCO2を排出しないアンモニア燃料船、水素燃料船、船上CO2回収システム搭載船、CO2の排出が少ない低速LNG(液化天然ガス)+風力推進船を想定し、開発・実証・実用化を進めている。 海運各社も温暖化対策として、目標を掲げ取組みを進めている。 商船三井は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロ、川崎汽船は、温室効果ガスの排出量を2008年の半分に、日本郵船は二酸化炭素の排出量を2015年の半分にするとしている。
2021年11月18日
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造船に自負がある三菱重工業は、大型クルーズ客船の建造を受注して、莫大な赤字を計上した。 船体の建造は得意でも、内装の艤装は初心者であることを忘れ、付加価値の増大として安易に考えたものと思われる。 造船能力で世界トップレベルの中国で、クルーズ客船の建造が始まっている。 2011年、国家発展改革委員会中国交通運輸協会クルーズ客船・クルーズボート分会の鄭イ航副会長は、今後5年間は中国のクルーズ客船経済の急速発展期との見通しを示した。 でクルーズ客船経済に関する一連の法規がうち出されたほか、6月に初の業界基準が公布施行されることを踏まえた見通し。 中国、来年は「海洋観光年」クルーズ客船旅行推進へ2012年12月26日 人民網日本株式会社事業案内 中国観光局はこのほど、来年の観光テーマを「2013中国海洋観光年」に定めたと発表した。「海洋観光、未来を引率」、「海洋観光、精彩無現」などのスローガンが準備されている。 また、世界最大のクルーズ客船運航会社「カーニバル」(本社・米国)やヨーロッパを根拠点とするクルーズ会社「MSCクルーズ」なども、2013-14年の期間、中国を拠点として出発する新ルートを開発することを検討しており、商談のため初めて北京を訪問するとの情報もある。 同計画が実現すれば、世界を代表するクルーズ会社が中国市場に参入することになり、クルーズ客船をめぐる旅行商品はさらに豊富になる。北京の二ュースサイト「千竜網」が報じた。 ― 引用終り ― そしてコロナ禍でも、クルーズ客船旅行の国産化がすすんでいる。 2021年9月24日、中国が初めて建造する大型クルーズ客船「H1508」が先ごろ、全ブロックの製造と搭載の作業を無事完了したと中国新聞網が報じた。 ひどく手間はかかるだろうが、空母建造のような技術上の困難は少ないことと思う。 運ぶ船が国産であろうとなかろうと、世界的にコロナ禍が収まれば、中国からの観光客の輸出が再開されることだろう。 気になるのは、船の炭酸ガス排出量の抑制策か、国内景気の大きな破綻、腰折れがあるかどうか。 2021年、国家統計局、科学技術部(省)、財政部が発表した「2020年全国科学技術経費投入統計年報」によると、2020年の中国の研究開発(R&D)費は総額2兆4千億元(1元は約17.0円)を突破して、前年比2249億5千万元増、同10.2%増の2兆4393億1千万元(約41兆4430億円)になり、第13次五カ年計画期間以来の2けた増が続いた。しかし新型コロナウイルス感染症などの要因の影響により、増加率は前年比2.3ポイント低下した、と9月24日「経済日報」が報じた。 ピンチはチャンス、チャンスはチャンスとコロナ禍を経ても、中国、中国人の回復力は、未来志向で絶大。 他のミスに漬け込み自身の優位性を誇る韓国人、一点の曇りものないことを重視する日本人と大いに違う。 恥、面子重視は3国共通するが、あり方は相当違う。
2021年10月12日
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韓国・文在寅政権は米国の安全保障からの離脱と、仮想敵国・日本からの侵略に対抗することを目指して「自主国防」の強化に努めている。日米などの敵国に左右されないため、輸出して外貨を稼ぐため、兵器の国産化にも努めている。 日本政府が2018年12月にいずも型護衛艦へのF‐35B搭載を可能にする新たな「防衛計画の大綱」を閣議決定した8カ月後、韓国は、2019年8月の「2020-24年国防中期計画」で軽空母建造計画を公式化した。 「歴史認識を正さない憎き日本」に対抗する計画であることは明白。 2021年2月、韓国国防部は、2022年から国産軽空母の基本設計に着手。2033年までに実戦配備し、2兆300億ウォン(約1900億円)を投入する計画を発表した。 韓国軍初の「軽空母」建造で知っておきたい3つのポイント高橋浩祐|ジャーナリスト2021/9/12 YAHOO!JAPAN ニュース 「自主国防」強化を掲げる韓国の文在寅(ムンジェイン)政権が、最新鋭ステルス戦闘機F35Bを搭載できる軽空母の建造計画を着々と進めている。 戦前から空母を建造し、運用していた日本と違い、韓国はこれまでに空母の開発経験や運用経験がない。技術的な課題など試行錯誤が予想される中、なぜこの機に及んで文政権は軽空母建造を推進しているのか。日本もいずも型護衛艦の軽空母化を進めているが、韓国の軽空母はどこが違うのか … (略) … 2.課題 韓国が軽空母を建造するうえで大きな課題となるのが、F35Bがリフトファンで垂直着陸する時に発生する1000度以上の高熱に甲板が耐えられるほどの技術が確保できるかだ。 韓国の防衛事業庁は、艦載機の排気熱から甲板を保護するコーティング剤の開発や艦載機離着艦シミュレーション、艦載機衝突解析など9つの項目を軽空母建造に必要な核心技術に選定している。 ― 引用終り ― 課題は日本の空母化計画と同様、他にも数多くある。 最も根本にあるのは、兵器としてのコストパフォーマンスの悪さだ。 カタパルトを備えない軽空母から搭載機最大出力で、垂直離着陸(VTOL)、またはスキージャンプ式甲板から短距離利益陸(STOL)することになる。 短距離での離発艦は最大離陸重量を制約し、エンジンを全開にするため短時間で燃料を大量に消費し、武装や燃料搭載量の制約となる。 日本海、東シナ海付近で活動するならば陸上基地からの発着でも可能で、何のために維持費の高い「空母」を持つのか、ということになる。 搭載機のF-35Bは、V/STOL用にエンジンを1基多く搭載することもあり、航続距離が短く、燃料・武装搭載量が少ないにも関わらず、高価なF-35シリーズの中で最も高価とされる。 即応性だけのためにそれだけのヒト・モノをかけるのか、という判断になる。 韓国は「日本に対抗するためだ」といい、日本は「日米安保に貢献するためだ」というのであろう。 自衛隊はこんなものに予算を使うなら、隊員の負担の軽減、待遇の向上に予算をかけ、定数を満たすため募集・定着の改善を目指したいところだろう。 2021年6月に開催された「国際海洋防衛産業展(MADEX)2021」で大宇造船海洋、現代重工業が受注を目指し計画案を公開した。・大宇造船海洋(案) 全長263m、幅46.6m、満載排水量4万5000トン、最大速力27ノット(50km/h) F35B戦闘機を最大16機搭載(12機格納可能) 艦橋2基・現代重工業(案) 全長270m、幅60m、満載排水量4万5000トン F35Bを最大16機搭載(8機格納庫可能) 艦橋2基 スキージャンプ式甲板設置 英空母クイーン・エリザベスのような2艦橋方式は、重量の増加による復元性の低下、標的として大きくなることによる被弾確立の上昇を招く。甲板上の乱気流の増加も予想される。 何でもスペアがあればよいというものではないが、日本との違いで優位性を示したいのかもしれない。 飛行機の離発艦は十分な設備と訓練が必要で困難なこと。 何かと世界に話題と笑いを提供することの多い韓国国産兵器、韓国性兵器なので、就役後に注目したい。 ところで、耐熱甲板が作れたとしても、ブラックボックスを勝手に開けることで有名な韓国に、米国はF-35Bを売るのだろうか?
2021年10月02日
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世界では炭酸ガス排出量削減に向けて、モビリティの低炭素化、電動化が着々とすすんでいる。 自動車はもちろん、船舶、航空機も例外ではない。 川崎重工がENEOSオーシャンから、LPGと低硫黄燃料油の両方が燃料として使用可能なLPG/液化アンモニア(LAG)運搬船を受注した。 CO2排出量の削減策により、2020年1月から強化されたSOx排出規制1および段階的に規制が強化されている二酸化炭素排出量規制に加え、2022年にさらに強化される予定の新造船における省エネ性能に関する国際規制「EEDI」フェーズ3にも適応可能としている」。 エコで省エネENEOSオーシャンからLPGで動くLPG/アンモニア運搬船を受注 川崎重工2021年9月12日 乗りものニュースLPGでも燃料油でも、どちらでも航行可能!LPGとアンモニアを同時に運搬可能な船 川崎重工は2021年9月3日(金)、新たに開発した8万6700立方メートル型LPG(液化石油ガス)燃料LPG/アンモニア運搬船1隻について、ENEOSオーシャンと造船契約を締結したと発表しました。 本船はLPGと液化アンモニアを積載できるカーゴタンクを搭載した運搬船で、LPG運搬船としては72隻目、アンモニア積載も可能にした新型船型としては2隻目になります。 主要目は全長が約230m、幅が37.2m、深さが21.9m、夏期満載喫水は11.65mであり、今後、坂出工場で建造し、2023年に竣工予定とのこと。 LPG/アンモニア運搬船は、低炭素エネルギーとしてすでに活用されているLPGと、脱炭素社会の新燃料として活用が期待されるアンモニアを同時に運搬可能な大型船です。世界の主要LPGターミナルに入港できるよう、全長や幅などの船体主要目については従来船型と大きく変えず、逆にカーゴタンク容積については従来船型よりも増量しているといいます。 燃料には、LPGと低硫黄燃料油の両方が使用可能です。LPGを燃料に用いる場合、燃料油の使用時と比べて、排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)や二酸化炭素などの排出量を大幅に削減できるメリットがあるといいます。 ― 引用終り ― 大型船では、低炭素燃料のひとつとしてLNGを主燃料とした船隊整備が進められている。 さらなる低炭素化でアンモニアが舶用燃料として供給可能な設備が整備された際、直ちにアンモニアを舶用燃料に転換できる船舶「アンモニアReady LNG燃料船の開発がすすめられている。 ENEOSオーシャンは原油タンカー、LPG船、ケミカルタンカー/プロダクトタンカー、貨物船による海上輸送サービス、ENEOSが運用する原油タンカーおよびその他船舶の運航管理業務などを行っている。 資本金40億円で主要株主はENEOS株式会社(81.08%出資)。 ENEOSオーシャン株式会社公式サイト
2021年10月01日
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2021年9月4日、英海軍最大の艦船、最新鋭空母クイーン・エリザベスが、米海軍横須賀基地に寄港した。日本寄港は初めて。 中国に向けて、日米が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現に向け連携を示す狙いがある。 英空母「クイーン・エリザベス」が横須賀に寄港…英海軍最大の艦艇、中国をけん制2021年9月4日 読売新聞 英国が東アジアに派遣している最新鋭空母「クイーン・エリザベス」が4日、米海軍横須賀基地(神奈川県)に到着した。日本への寄港は初めて。日本近海で活動を活発化させる中国軍をけん制する狙いがある。 空母は排水量約6万5000トン、全長約280メートルで、英海軍最大の艦艇だ。最新鋭ステルス戦闘機「F35B」などを搭載している。 空母を中心に英、米、オランダ海軍の計9隻の艦船などで構成される空母打撃群は5月、英南部ポーツマスを出港した。スエズ運河やインド洋、南・東シナ海を航行しながら、海上自衛隊やインド海軍などと共同訓練を重ねてきた。 空母打撃群は7日までの日程で、東シナ海から関東南方にかけての海空域で海上・航空自衛隊、米海軍と防空戦、対潜戦訓練などを実施する。 ― 引用終り ― 「クイーン・エリザベス」にはF-35B「ライトニングII」戦闘機が18機搭載されいる。 空母打撃群(CSG21)全体で水上艦9隻、潜水艦1隻、ヘリコプターを含む各種航空機32機、要員3700名。 環境が二つあり、前方は航海用、後方は航空管制用。 英海軍空母「クイーン・エリザベス」は、カタパルトを持たず、スキージャンプ型飛行甲板を備えている。 2009年7月7日 起工。 2017年12月7日就役の英海軍最新鋭空母。 基準排水量 45,000トン 、満載排水量 67,669トン 期間は、ガスタービン・エレクトリックのハイブリッド(推力10万馬力) 最大速力 26ノット 、航続距離 10,000海里(18,520 km) 乗員約1600人。 兵装は、ファランクスCIWS3基、30mm単装機銃4基。 搭載機は、F-35Bとヘリコプターを合計して平時約40機、戦時には最大48機。
2021年09月11日
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一般にエンジンの出力が大きく、燃料を大量に消費するジェット機は、レシプロ機より重い。 燃料、武装などで最大離陸重量が大きいジェット機を空母の甲板から、発艦、着艦させるには、様々の技術と訓練が必要となる。 米国しか実用化していない、空母の蒸気カタパルトの技術を習得することなく、中国は次世代空母に電磁カタパルトを装備する計画を公表した。 中国が空母4隻目の建造凍結電磁カタパルト導入も断念 2019.12.2 産経新聞 米国でも実用化に難儀している電磁カタパルトの装備を、中国は2019年に断念。 これが欺瞞情報でないとしたら、中国・人民解放軍は、運用する過程で空母を戦力化することの数々の障害を認識したのであろう。 最新鋭原子力空母ジェラルド・R・フォード(CVN-78)は初の電磁カタパルトを装備している。 CVN-78は、トラブル続きで就役が大幅に遅れた。 2017年7月、ほぼ8年の時間をかけて建造された新型ジェラルド・R・フォード級原子力空母の1番艦CVN-78は米海軍に引き渡された。 当初、2020年中に実戦配備される予定だった。 新技術・機構満載のCVN-78は、実戦配備に向けての各種テストで、様々な問題点が噴出した。 世界が注目する新装備の電磁式航空機発艦装置に不具合があった。 その他、先進型航空機着艦制御装置、先進型兵器用エレベーター、デュアルバンドレーダーシステムなどに問題点が見つかった。さらに、動力システムが不調であったため、就役早々15カ月にわたる大規模整備を実施することとなった。 大規模整備後、海上テストを終えたCVN-78は、2018年10月25日にニューポートニューズ造船所に無事帰還。 海軍当局は、CVN-78が抱える様々な問題点の解決は着実に進んでおり、海上テストにおいても「見事に高速ターンを成し遂げた」と謎のコメントを発表した。 しかし従来のケーブルではなく、リニアモーターで作動する先進型兵器用エレベーター11基のうち、作動するのは4基で、そのうち、実戦運用テストに合格したのは3基だった。 2019年1月、海軍首脳はトランプ大統領に対して、エレベーターの不具合はメンテナンス後の海上テストまでには解消させると確約していたが、その約束は果たせなかった。他の新装備も所期の性能を発揮できているのか、疑念を抱かせるものだった。 新型空母フォードに暗雲:EMALS故障で帰港2020年6月19日 [Joint・統合参謀本部]フル航空団艦載試験開始で「歴史的」と会見の翌日2020年運用開始予定に暗雲未だF-35C搭載の許可なしの状態もあり… Ford.jfif11日付Military.comは、運用体制確立に向け最終的な詰めに入っているはずのフォード級空母の1番艦Gerald R. Ford で、フォード級空母の目玉の一つである電磁式カタパルトEMALSが6月2日に故障し、空連を中断して引き返すことになったと報じました 同空母は、当初2014年の海軍への引き渡し予定が3年遅れの2017年となり、1隻の価格も当初の1.1兆円から1.5兆円に膨らみ、従来のニミッツ級の2倍にもなったことで強い非難を浴びていますが、更に中国などの軍備増強の中、空母の脆弱性が指摘され、米国防省が「空母の2隻削減」を検討するなど、一層つらい立場に立たされています それでも今年1月には、F/A-18E/F、EA-18G、E-2D、C-2AがEMALSや着艦拘束装置(AAG)の運用確認テストを実施し、整備員や燃料員も航空機の取り扱い試験を受け、「空母」としての能力が確認されたことの証である航空機適合性試験(ACT)完了が2月5日に公表され、2020年中の運用開始に何とか間に合いそうな雰囲気を醸し出していました。 ただし、今後の戦力の中核であるF-35C型は、電磁式カタパルトでの検証が進んでいないため、同空母に搭載する目処は全くたっていない状態です。この問題は大きく、米議会はF-35適応の問題がクリアされなければ、建造中の2番艦を受け取るべきでないと主張し、会計検査院も大きな懸念事項としてたびたび取り上げています ― 引用終り ― ■蒸気カタパルト 米海軍の空母の従来の主流は蒸気式カタパルト。 高圧の蒸気を利用した巨大な発射装置で、燃料・装備品を満載した航空機を飛行甲板から打ち出す。 蒸気の発生源は動力用の原子炉。原子炉から付近から飛行甲板下部まで高圧蒸気の配管が必要で、維持運用のための要員も相当数必要となる。大出力の蒸気は、制御、維持管理が難しい。■電磁式カタパルト 電磁式カタパルトの理論は、電磁砲と同様に早くから存在した。 主なメリットを下記のに記す。・蒸気配管がリニアモーターとなり、スペース効率が向上する・運用が電子化される・射出スピードの細かな制御が可能になる 電磁式カタパルトを実用化するには数々の課題がある。・大出力に見合う大電力の確保・リニアモーター短時間で確実な制御・短い間隔で繰返し使用するに足る、大電力の蓄積・大出力発揮に伴う熱の処理(冷却システム) 原子炉が高出力であっても、短時間で大出力を供給すると、電力の品質が低下し、他の電子機器の誤作動などを招く可能性がある。したがって、電磁カタパルト用の電気はどこかにいったん蓄積されることが望ましいと推測される。 空母から艦載機を射出する際、射出する機種、燃料、兵器の搭載量や、搭載位置、飛行甲板上の気温・風速などを合わせて計算し、カタパルトに加える蒸気量を調整している。 F-35Cの運用にあたっては、「電磁式航空機発射システム(EMALS)」だけでなく「先進型着艦制動装置(AAG)」にも問題があるとされている。■アレスティング・ワイヤー・システム 着艦時に油圧のパワーと甲板に這わせた強度の高いワイヤーで艦載機を減速・制動させる。■先進型着艦制動装置(AAG) 水圧タービンとインダクション・モーターを減速装置とし着艦機を艦上にとらえる。 着艦時、着艦してくる機種、残燃料、持ち帰りの兵器量などを計算して、アレスティング・ワイヤーに掛かる油圧シリンダーの制動力を調整している。 AAGも同様の調節が必要。 AAG自体の問題のとともに、機体、アレスティング・フック(着艦拘束装置)の検証が必要となる。 発艦、着艦ともに、システムの検証・是正とともに、様々な条件で実際の飛行テスト・データを集積しないと、運用できない。 年次国防政策法案の草案にはジェラルド・R・フォード級2番艦の「空母ジョン・F・ケネディが海軍に引き渡される前に、フォード級空母がF-35Cの運用能力を獲得できることを海軍長官が保証すること」が盛り込まれていた。 草案は、CVN-78にF-35Cの運用能力がないことを示している。 空母ジョン・F・ケネディは、起工済みで艦体は90%以上完成し、2024年に就役予定となっている。 なお、自衛隊が艦上用として配備する予定の垂直/短距離離着陸機(V/STOL機)F-35Bは、搭載能力・航続距離が少なく、価格が高いという代物であり、カタパルトを装備するフル規格の空母であればF-35Cを配備しなければ意味がない。 F-18E/Fと、EA-18Gを運用するだけでは、日本の議会より税の使途にうるさい米議会が納得しない。
2021年09月02日
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中国・人民日報傘下の「環球網」は、韓国が空母建造計画を発表したことについて、「造らない方がよい」と忠告する記事を掲載した。 本当は自国の空母建造計画にもモノ申したいのかもしれないと思わせるほど、冷静な論評だ。 韓国軍と自衛隊の実力差は空母1、2隻どころではない―中国メディア2020年8月19日 Record China … (略) … 記事は、韓国の国防部が10日に発表した2021~25年の国防中期計画の中で、空母建造計画の情報を明らかにしたことを挙げ、「数十億ドルを投じて3万トン級の軽空母を建造し、F-35Bを配備して2020年代末までに進水する計画だ」と紹介した。 これについて「韓国は本当にさまざまな戦略を想定しているのだろうか?」と疑問を提起。「系統的なサポートがない危険な環境では、軽空母の実際の戦力と生存能力は非常に心配な点であり、容易に『浮かぶ高価な標的』になってしまう」と指摘したほか、「対北朝鮮という角度からは、空母建造は北朝鮮の対空母ミサイルの研究開発を刺激することになる」としている。 また、「韓国は日本が護衛艦いずもを改造してF-35Bを搭載できるようにすることに対抗して空母を建造するとの見方がある」とも言及。「空母があれば韓国は海軍力において日本と対等になれるのだろうか?韓国軍と自衛隊の実力差は空母の1、2隻の差どころではない」と指摘した。 日本に対抗するなら、「まずはF-35Aの数を増やすべきだ」としている。 さらに、韓国による空母建造計画は「どんな目的であれ、米韓同盟を強化することになる」と分析。 韓国の学者は「韓国が空母に資金を投じるのは必要だからではなく、米国の武器を購入することで米国から早く戦時作戦統制権を返してもらいたいという思惑があるから」と見ているという。 記事は、「総合的に考えると韓国による空母建造のコストパフォーマンスは決して高くはない」と主張。「しかも、設計図を現実へと変えることができるかどうかは多くの変数で満ちている」と、その実現性に疑問を呈した。 ― 引用終り ― 日本が「いずも」を空母化するのも、海上自衛隊のニーズではなく、F-35の購入を増やして米国に貢献するため。 空母、艦載機の運用、維持管理には多くの経費を要す。 またF-35Bの複雑な構造のため高価で整備性を悪化させており、航続距離はF-35A/Cに比べて約2/3〜3/4と、かなり短くなっている。 韓国が対日戦を想定するにあたっては、F-35Aの航続距離で十分足りる。 空母の保有は、離島への上陸戦を想定しても、敵地への侵攻戦を想定していない自衛隊においてコスパが悪い。 政権の歓心を買いたい防衛省のニーズである可能性は否定できない。
2021年08月04日
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最新の米海軍・空母「ジェラルド・R・フォード」の耐衝撃性能試験「フル・シップ・ショック・トライアル」が太平洋で行われた。 公開試験の意図は、通常動力で辛うじて高速航行し、カタパルトなしで艦載機を辛うじて発艦させることのできる空母を備える中国・人民解放軍へのけん制であろう。 爆薬18トンで水柱、新型空母の耐衝撃性能試験米海軍2021年6月21日 AFPBB News 米海軍は18日、新型空母「(USS Gerald R. Ford)」の耐衝撃性能試験を開始し、至近距離で大量の爆薬を爆発させた。 耐衝撃性能試験「フル・シップ・ショック・トライアル(Full Ship Shock Trials)」を捉えた画像や動画では、海面から巨大な水柱が上がった。米メディアによると、爆薬約18トンが使用された。 米地質調査所(USGS)は、フロリダ州沖の大西洋で起きたこの爆発で、マグニチュード(M)3.9の地震が観測されたとしている。 海軍は、「新型艦に対し、本物の爆薬を使った耐衝撃性能試験を実施し、わが軍の艦が戦闘中に遭遇する可能性のある過酷な状況下で、任務で必要とされる厳しい要件を満たし続けることができるかを確認している」と述べた。 ジェラルド・R・フォードは試験終了後、メンテナンスと修理を受ける。 ― 引用終り ― ジェラルド・R・フォード(USS Gerald R. Ford, CVN-78)は、初の電磁式カタパルトを装備した米海軍の原子力航空母艦。 ジェラルド・R・フォード級のネームシップ。 2009年に起工され、2017年に就役。 海軍向けのF-35C型が2021年、ニミッツ級空母の「カール・ヴィンソン」に初めて搭載される予定だったが、電磁式カタパルトの検証が進んでいないため、就役開始時、ジェラルド・R・フォード級空母にF-35Cを搭載する目処がたっていなかった。 空母は高価な兵器で、ニミッツ級空母の最終艦「ジョージ・H・W・ブッシュ」の建造費は62億ドル(約6800億円)だった。 ジェラルド・R・フォードは、「電磁式航空機発射システム(EMALS)」や、「新型着艦制動装置“Advanced Arresting Gear”(AAG)」、「先進型兵器エレベーター“Advanced Weapons Elevators”(AWE)」の開発遅延、高効率な新型原子炉の採用など各種の改良で、建造費用は130億8400万ドルとなった。 これは船体規模が同程度のニミッツ級空母2隻の費用となった。 米海軍は現有のニミッツ級航空母艦10隻に代えて、2030年代末までにジェラルド・Rフォード級を12隻体制とする方針。 2025年就役予定で、2番艦のCVN-79 ジョン・F・ケネディが現在建造中。 3番艦は2020年起工の予定。 中国が国力をかけて(傾けて)海軍力を増強する様子は、大日本帝国海軍に似る。
2021年07月14日
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水素は使用時に二酸化炭素などの温室効果ガスが発生しない特性を持ち、発電や燃料電池自動車などでの活用が期待されている。 地球温暖化対策のカギとなる次世代のエネルギーとして注目されている。 世界初の液化水素運搬船を公開日豪間の供給網に活用2021年5月24日 共同通信 川崎重工業や岩谷産業などでつくる企業連合は24日、世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」を神戸市で報道陣に公開した。船体はほぼ完成し、オーストラリアで製造した水素を日本へ輸送する実証実験に今秋以降、活用する。水素は脱炭素化の切り札となる次世代エネルギーとして期待されており、同船は供給網構築の一翼を担う。 運搬船は全長116メートル、総トン数は約8千トン。現地で製造した水素を零下253度まで冷やし、液化して日本へ海上輸送する。真空構造で断熱性を高めたタンクを搭載し、75トンの液化水素を運べる。2030年の商用化を目指している。 ― 引用終り ― 2019年12月日、川崎重工・神戸工場において世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」の命名・進水式が行われた。 ■液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」 全長:116.0m 全幅:19.0m 深さ:10.6m 定員:25名 船籍:日本 国際総トン数:8000トン 航速:13ノット 喫水:4.5m タンク容量:1250m3 水素は液化可能なマイナス253℃に冷却して、体積を気体時の800分の1とする。 これを川崎重工・播磨工場で製造する1250m3の真空断熱二重殻構造の液化水素貯蔵タンクに貯蔵し運搬する。 実証実験船の動力はディーゼルだが、2026年に計画されている商用船は、積み込んだ液化水素を動力として使う船となる。商用船は水素を燃やして発生させた蒸気でタービンを回す川重の独自方式を検討する。
2021年06月03日
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そうりゅう型に続く海自潜水艦の1番艦「たいげい」が進水。 最大の注目点は主機関。 そうりゅう型はスターリング機関が11番艦 おうりゅう からディーゼル電気推進に変更された。 たいげい もディーゼルエンジンとリチウムイオン電池のハイブリッド。 艦名一新! 海自の最新鋭潜水艦「たいげい」が進水次世代国産潜水艦のネームシップ2020.10.14 乗りものニュース 防衛省は2020年10月14日(水)、三菱重工神戸造船所(神戸市兵庫区)にて、新規建造された潜水艦の命名式および進水式を実施しました。 「たいげい」と命名されたこの艦は、従来「3000トン型潜水艦」と呼ばれていた新型潜水艦の1番艦にあたります。 「たいげい」は全長84.0m、幅9.1m、深さ10.4m、基準排水量3000t、乗員は約70名、主機関はディーゼル電気推進で、軸出力は6000馬力です。 起工は2018年3月16日で、今後、艤装や各種試験を実施したのち、2022年3月に引き渡しの予定です。 ― 引用終り ― 海自は「たいげい」。 帝国海軍には潜水母艦「大鯨」があった。 潜水母艦は、前進根拠地や泊地などで潜水艦を接舷させ食料、燃料、魚雷その他物資の補給、修理・整備能力、潜水艦乗組員用の休養などを担う補助艦艇。 大鯨は公試排水量14,400トン、全長:215.65m、最大幅20.0mの大型艦。 1934年竣工。 後に航空母艦「龍鳳」公試排水量15,200トンに改造された(1942年改装完了)。 高速化のため、主機関はディーゼルエンジン8基、出力56,000馬力に変更され、速力27ノットになった。 1930年に調印されたロンドン海軍軍縮条約で、日本は主力艦とともに補助艦艇の保有を大きく制限された。 航空機の有用性を認識していた大日本帝国海軍は、枠外の10,000トン以下の艦艇を戦時にいつでも航空母艦に転用できるように設計、建造した。 潜水母艦大鯨(龍鳳)、高速給油艦剣埼(祥鳳)、高崎(瑞鳳)は航空母艦に改造された。 大鯨は計画時(1933年)10,500トンで既に基準を超えていた。 はなから条約を守る気はなかったのだろう。 龍鳳は防空砲台として終戦を迎え、1946年9月25日、呉工廠にて解体完了。
2020年10月25日
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中国・武漢市の話と思っていた日本人が、新型コロナウイルスを身近な脅威と感じたのは、クルーズ船 コロナ禍は日本発着のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から始まった。 2020年2月4日、厚生労働省は、検疫のためにダイヤモンド・プリンセス号の航海を24時間差し止めた。 団塊の世代の定年退職を契機に盛り上がり始めた日本の外航「クルーズ船ブーム」は、いきなり冷水を浴びせられ収束した。 クルーズ船はコロナ禍とセットでイメージされるようになった。 2月10日、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を保有する米国の船会社「プリンセス・クルーズ」は、横浜港で下船できなかった乗客らにクルーズ代金など費用全額を払い戻すと発表した。 船内隔離による感染拡大を経て、当初乗船していた約3700人は、船長を含めて全員が3月1日までに下船した。 9月18日、国土交通省が「クルーズの安全・安心の確保に係る検討」の中間とりまとめを発表。 それに示された基準の達成を「お墨付き」とし、郵船クルーズが国内クルーズ商品を発表した。 国内クルーズ船 再開へ 「飛鳥II」横浜から11月出航乗船前に全員PCR検査2020.09.22 乗りものニュース …(略)… 郵船クルーズは今回、11月から2021年3月までに出航するプランを発表しています。 販売開始は9月23日(水)の予定。 感染予防対策に関しての主な特徴は次の通りです。・申込定員数を通常の乗客定員の半数程度とし、一部の客室タイプの販売を休止。・乗客は全員が乗船前に新型コロナウイルスの検査(PCR検査)を受ける。 3段階で表示される検査結果で「高リスク」もしくは「再検査」となった場合は乗船不可。 なお検査費用はクルーズ代金に含まれる。・乗船前14日以内の健康状況を回答する質問票の提出、乗船受付時の検温、マスク着用の徹底など、乗船中の感染拡大防止への協力を乗船の条件とする。・朝食および昼食は、ビュッフェサービスから、和食・洋食を選ぶセットメニューに変更。 ディナー会場や劇場は定員を絞り指定席制とする。 展望風呂(なおサウナは中止)などの各施設も利用人数を制限する。 ・乗組員は乗船時にPCRなどの遺伝子検査を実施したうえで乗務。 乗船中は1日2度の検温、適切な手洗い、定期的なPCRなどの遺伝子検査を実施。 乗組員区画でもソーシャルディスタンスを保ち、当面の間、乗組員の居室は個室とする。・船内で有症者が発生した場合に備え、診療室に検査チームを設置し体制強化に取り組む。 万一、有症者が確認された場合はクルーズを中止し、速やかに下船港へ向かう。 ― 引用終り ― 商船三井客船の豪華客船「にっぽん丸」による国内クルーズも再開。 2020年10月12日から、11月以降発着のクルーズ商品について予約を受け付ける。 2020年内は、おもに2泊程度のショートクルーズで運航。 船内のアクティビティや飲食を楽しむ豪華客船によるクルーズ船の旅は、実は期間が長い方が楽しめる。 外航クルーズ船再開の見通しは立っていないはずだ。
2020年10月21日
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2020年7月26日未明、長鋪汽船(岡山県・社員17人)が所有し、商船三井がチャーターしていた貨物船「WAKASHIO」が島の沖合で座礁した。 貨物船に積まれていた重油約1000トンが海に流出したとみられた。 インド洋の貴婦人と称されるモーリシャスは、観光業が経済の重要な柱。 新型コロナウイルスの感染対策として、3月以降、国境を事実上閉鎖し、観光業界はすでに大きなダメージを受けいるさなか、座礁事故が発生した。 モーリシャス政府は、重油流出の影響を受けたのは島の海岸線の5%以下としている。 被害を受けた生態系とともに、観光イメージの回復には長い時間がかかるとみられている。 9月3日、モーリシャス沖でのケープサイズバルカー「WAKASHIO(わかしお)」座礁・燃料油流出事故を巡り、モーリシャス政府が日本政府に12億モーリシャスルピー(約32億円)規模の漁業支援費を要求している模様と報道された。 9月30日、商船三井は、同社手配の貨物船による重油流出事故で被害を受けたモーリシャスの環境回復支援の取り組みを推進・統括する「モーリシャス環境・社会貢献担当執行役員」を10月1日付で新設すると発表。 モーリシャス沖の自然環境回復のための基金設立を発表するとともに、基金とは別に、現地の漁業や観光業への支援の検討開始を発表した。 WAKASHIO号事故に関するモーリシャスの環境回復・地域貢献に向けた当社の取り組みについて~モーリシャスと共に~MOL 商船三井 プレスリリース2020年09月11日 当社は、これまでにグループ社員の現地派遣(本日現在13名)と共に、流出油の回収除去作業に有用な資材他の支援物資の提供及び輸送を行っています。今後それらに加え、自然環境の回復と保護について知見を持つ専門家や団体の助言と協力を仰ぎ、日本政府とも連携を取りながら、長期的にモーリシャスの自然環境及び地域社会への貢献に取り組みます。今般、具体的に以下の実施方針を決定したのでお知らせします。1. 自然環境保護・回復プロジェクト 既に、環境省が、中長期の環境モニタリングや環境再生方策の検討について、モーリシャスに専門家を派遣して援助活動を行っていることから、こうした動きとも連携しながら進めていきます。(1) マングローブ保護・育成プロジェクト 民間コンソーシアムの組成と、現地NGOとの協働を検討中。 ・助言・協力先: 日本マングローブ学会・モーリシャス大学 ・企図する活動: マングローブ林の生態系を傷つけない清掃 マングローブ林下に棲息する生物多様性の保全 マングローブの植林(2) サンゴ礁回復プロジェクト 企業、大学、研究機関等と連携し、現地NGOとの共同プロジェクトを検討中。 ・助言・協力先: (株)イノカ・モーリシャス大学・アルビオン水産研究所・EcoMode Society ・企図する活動: A.I.等最新技術を利用したサンゴ礁の早期育成と移送 海中サンゴ棚でのサンゴ養殖・移植 海中に浮遊する泥質物からのサンゴ礁の保護(3) 海鳥の保護・希少種海鳥の研究 海鳥の保護、希少種保護に関する研究支援。(4) モーリシャス自然環境回復基金(仮称)の設立 ・上記(1)~(3)のプロジェクト・研究の遂行を目的に創設。 ・当社は発起人として数年間に亘り8億円程度の拠出を予定。 ・個人・法人からの拠出も受け入れ可能とする予定 (本船船主である長鋪汽船から拠出の意向表明あり)。 ・運営支援:(株)日本総合研究所 ― 引用終り ― モーリシャスの海が事故前の姿を取り戻すには、数十年かかるとの見方もある。 モーリシャスの自然環境で重要な役割を果たしているマングローブについて、国際マングローブ生態系協会の理事長で、馬場繁幸琉球大学名誉教授は「マングローブの根は栄養分を吸収し、呼吸をする役割があるが、油が付着すると、毒性の成分がしみ込み、細胞膜が壊れ、枯れてしまう」と指摘する。 以下プレスリリースの記された施策のタイトルのみ記載。2. 現地NGOおよびモーリシャス政府・国際公的機関の基金への拠出3. 人的貢献4. 地域社会・産業への貢献 1~3の貢献支援策の資金として、商船三井は複数年で総額10億円程度の拠出を予定。 4については、今後詳細を検討。
2020年10月12日
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国会議員には危機が起きるたびに税金を自分の意図で使用し、成果とするチャンスととらえる者たちがいる。 今般はコロナ禍をとらえ、病院船建造の機会とした。 足りないのはハコではなく、中身の医療従事者の確保であることが明らか。 日常でも不足気味の医療体制整備、厚労省の施策の方向転換をすすめず、国会議員のセンセイ方はハコモノ行政推進に取り組んでいる。 それも超党派で。 相変わらずだね。 コロナ禍で注目集まる病院船、ここまでわかった「不都合な真実」文春オンライン 2020年5月15日 …(略)…病院船関連議連が2つも設立 2月27日には超党派の議員により「災害医療船舶利活用推進議員連盟」が設立。 また、3月3日には、これまた超党派の「病院船建造推進超党派議員連盟」が7年ぶりの総会を開き、会の名称を「病院船・災害時多目的支援船建造推進議員連盟」(病院船議連)と改め、陳情活動を行っている。 両議連は既存船舶を含むか、新たに建造するかで差異はあるものの、病院機能を有する船舶を導入しようという主張は一致し、政府・国会への働きかけを強めている。 …(略)… 活躍できなかった世界最大の病院船 今回のコロナ禍を受けてニューヨークとロサンゼルスに出動したマーシー級病院船は、現在世界最大の病院船だ。 任務に応じて最大1,000の病床を備え、1,200名の医療スタッフを擁する。 500以上の病床を備えれば大病院とされるから、マーシー級が病院としても大変な規模であることが分かるだろう。 だが、鳴り物入りで出動した割には、その活動は冴えなかった。 当初、新型コロナ対応で圧迫されている地域医療の負担を軽減すべく、新型コロナ患者以外の診療を行う方針だったが、ニューヨークに派遣されたマーシー級病院船コンフォートは、最初の1週間で移送された患者は50名にも満たない状況で、後に新型コロナ患者も受け入れるよう方針を転換したが、最終的に治療したのは発表によれば182名に留まっている。 並の大病院を超える規模のマーシー級を1ヶ月投入したわりには、この実績は少ないとみるべきだろう。 …(略)… 仮に自衛隊が将来遭遇する可能性のある有事を想定するなら、病院船導入よりも搬送システムの高度化、各地の自衛隊病院の能力拡充といった施策の方が、自衛隊にとり費用対効果が大きいと考える。 感染症対策に限っても、今回のコロナ禍において、武漢からのチャーター便帰国者や、ダイヤモンド・プリンセス号の患者約260名を受け入れた自衛隊中央病院が高く評価されたことからも、効果は高いだろう。「病院船における戦艦大和」になるか 世界最大の病院船である米海軍のマーシー級だが、自衛隊医官による病院船に関する論文の中で、マーシー級について「病院船における戦艦大和か」と医官が発言し、少なからぬ艦艇部隊関係者から賛同を得たという話がある(『防衛衛生』2000年4月)。 大きすぎる、遅すぎる、費用対効果が悪すぎる、という観点からだ。 この分析は見過ごせない。前記の医官は、医師の視点からはマーシー級の病院機能を評価している反面、自衛官の視点からは軍が運用する船舶として辛辣な評価を下しているのだ。政治的事情だろうが、これまで国が行ってきた検討でも、有事の際の自衛隊の船という要素は検討されていない。 運用側の検討も経ずして建造した結果、運用を任されるだろう自衛隊の負担になっては本末転倒である。 …(略)… なにより、感染症対策を謳うなら、平時からの感染症情報の収集・研究の要である、国立感染症研究所の機能強化が先に来るのが筋と考えるが、病院船に関しては超党派議連が2つも立ち上がっている反面、こちらの動きは明らかに鈍い。 病院船1隻の建造費は規模にもよるが数百億はかかるが、現在の感染症研究所の年間予算は100億にも満たない。 感染症対策を名目にするなら、やるべきことは別にあるだろう。 …(略)… 何やら現場である海上自衛隊幹部が歓迎していないが、官邸主導ですすめられた航空母艦保有に似たスジを感じさせる。 平時の医療体制、搬送などの物流体制の拡充なくして、有事体制の拡充はあり得ない。 費用対効果は高いが、票にならないことは言わないというのでは、国民の代表としての要件に欠ける。 票を集めるために議員センセイ方がバカの集まりと化してしまう現象は、有権者の罪という他ない。
2020年06月03日
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米海軍は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、保有する2隻の病院船を1隻ずつ、ウイルスに感染していない疾病者の診療の方針で、3月27日と29日に西海岸と東海岸に派遣した。 4月3日、方針変更。 新型コロナウイルスに感染した患者の受入れを検討していることを明らかにした。 遅ればせながら、新型コロナウイルスとの闘いが「有事」であることを認識したようだ。 4月30日、ニューヨーク州での任務を終え帰港。 病院船は、戦争や飢餓、大災害の現場で、傷病者にプライマリ・ケアを提供したり、病院の役割を果たすために使われる船舶。 戦時にはジュネーヴ条約が適用されるもので、傷病者や難船者に援助を与え、治療と輸送を唯一の目的として、国が建造又は設備した船舶のみを指す。 通例、病院船は各国の海軍が運用している。 日本では大日本帝国海軍は運用していたが、海上自衛隊は所有していない。 近代戦時国際法において、病院船は一定の標識を行い、医療以外の軍事活動を行わないなどの要件をみたすことで、いかなる軍事的攻撃からも保護される。 【病院船の基本的要件】・船体の塗装 - 船体は白色。 軍用病院船は緑色、民間病院船は赤色の帯を引く。・赤十字標識 - 赤十字(または赤新月)の旗を掲げる。 船体や甲板にも標識し、夜間は電飾する。・非武装 - ただし船内の秩序維持などのための小火器を除く。・軍事的活動の禁止 兵員・軍需物資の輸送、軍事情報の発信などに利用しない。・交戦国への通知 船名等の基礎データを交戦国に通知する。 世界一の海軍である米海軍は世界最大の病院船マーシー級を運用している。 マーシー級は、世界最大の1,000の病床を備える米海軍の病院船で、1986年就役のマーシーと1987年就役のローズ・シティーの2隻がある。 医療能力も世界一。 マーシー級はサン・クレメンテ級タンカーを改装して建造された。 1983年度予算で「ワース」が改装されて「マーシー」、1984年度予算で「ローズ・シティー」が改装されて「コンフォート」が建造された。世界最大の病院船マーシーの内部映像(米海軍)ベッド1,000床・手術室12室・CTスキャンYouTube 全長 272.49 m、全幅 32.23 m。 総トン数 54,367トン(満載排水量 69,360トン)。 航続距離 13,420海里 (17.5kt巡航時)。 乗員 1,207名 (うち医療要員820名)+61名 機関部などの基本構造はタンカー時代のものを踏襲している。 主機は、ボイラー2缶とゼネラル・エレクトリック社製蒸気タービン2基を搭載。 スクリュープロペラ1軸を駆動する。 上部構造物は大幅に改修された。 艦橋は船体前部に移動。 船体中央部には広大なヘリコプター甲板を設置。 装載艇2隻を搭載。 現代の医療に必須の電源は、出力2,000kWhのディーゼル発電機3基と出力1,500kWhのディーゼル発電機1基、出力1,000kWhのタービン発電機1基、出力750kWhのディーゼル非常発電機1基を搭載。 出動の際は医療スタッフや支援スタッフを招集・乗船させ、出航まで5日要する。 初療室は50床で、トリアージおよび初期診療が行われる。 画像診断のためにポータブルX線撮影装置、超音波検査装置3基が配置されている。 外傷初療室に隣接して放射線科区画が設けられており、X線撮影・透視室4室およびコンピュータ断層撮影(CT)1室が設置されている。 CT装置は、心臓・冠動脈CTにも対応できる。 手術室12室のうち1室は血管造影に使用できる。 病床1,000床のほかに集中治療室(ICU)80床、術後回復室(PACU)20床、熱傷治療室が設置されている。 医療活動に必要な清水は、1日に30万ガロン(約136万リットル)の造水能力をもつ。 日本も病院船を持つべきか? そのメリット・デメリットとは稲葉義泰(軍事ライター)2020.03.16 乗りものニュース
2020年05月11日
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米国の空母4隻に続きフランスの原子力空母も感染拡大が判明。 大規模な武力紛争は継続できにくい状態が広がっている。 仏空母、1000人超陽性=新型コロナ、経路不明時事通信 2020年4月18日 フランスのパルリ国防相は17日、仏軍空母「シャルル・ドゴール」や護衛艦などの乗組員約2300人のうち、半数近くの1081人に新型コロナウイルスの陽性反応が出たと明らかにした。 国防省は10日、同空母の乗組員50人が新型ウイルスに感染したと発表していた。 パルリ氏によると、これまでに2010人に対し検査が行われた。 545人に新型ウイルス感染の症状が表れ、24人が入院。うち1人は集中治療を受けているという。 ― 引用終り ― 中国の空母と各国の核ミサイルを搭載した原子力潜水艦に感染が拡大すると、世界平和に繋がる。 各国の内戦の状況はどうなのだろうか。 宣戦布告なき世界大戦、武力闘争なき世界大戦は、新型コロナウイルス感染が収束すると終わる。 懲りない権力者たちは、武力による新たな戦争準備を開始するのだろう。
2020年05月01日
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米原子力空母「ニミッツ」「カール・ビンソン」「ロナルド・レーガン」「セオドア・ルーズベルト」のインド太平洋地域を担当する4隻で、乗組員の武漢肺炎感染が判明している。 敵軍(米軍)の弱みは自軍(中国軍)のチャンスとばかりに、年々増強されつつある中国海軍が不穏な動きをみせている。 コロナの世界的大感染の陰で…中国海軍に“不穏な動き” 識者「米軍が弱っているなかで、いろいろ試している」夕刊フジ 2020年4月14日 新型コロナウイルスの世界的大感染(パンデミック)の陰で、中国海軍の艦船が、日本や台湾周辺などで挑発的な活動を続けている。 インド太平洋地域に配備されている米海軍の原子力空母4隻で感染者が確認され、抑止力低下が懸念されるなか、軍事的影響力を強める狙いなのか。 米軍は警戒態勢を強め、中国を強く牽制(けんせい)している。 台湾の国防部(国防省)は12日、中国海軍の空母「遼寧」の編隊が同日、台湾の東部から南部の海域を南下したと発表した。 日本の防衛省は遼寧が11日午後、沖縄本島と宮古島の間を南下、太平洋に向けて航行するのを確認したと発表していた。 中国軍の特異な動きは3月から続いている。 防衛省統合幕僚監部によると、中国海軍のミサイル駆逐艦など4隻が3月18日、沖縄本島と宮古島の間の海域を北上したほか、中国軍のY-8早期警戒機が同23日に東シナ海を、Y-9情報収集機が同25日に日本海と東シナ海を飛行。 さらに、中国海軍のフリゲートが同24日、対馬海峡を北上して日本海に進出し、翌日に対馬海峡を南下して東シナ海へ航行した。 背景の1つには、米軍に広がるコロナ禍があるとみられる。 ― 引用終り ―
2020年04月20日
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2020年3月、フィリピン海で作戦行動をとっていた米海軍の原子力空母セオドア・ルーズベルトは、これまでに乗組員150人以上の武漢肺炎感染が確認され、3千人近い乗組員が米領グアムで隔離措置を受けている。 米海軍横須賀基地を事実上の母港とするロナルド・レーガン、ワシントン州ピュージェット湾でメンテナンス作業中のカール・ビンソンでもそれぞれ感染者がいたことが判明。 解任された米空母艦長、乗組員の声援受け下船AFPBB News / 2020年4月4日 艦内で新型コロナウイルスの感染が広がった米海軍の原子力空母「セオドア・ルーズベルト(USS Theodore Roosevelt)」の艦長を解任されたブレット・クロージャー(Brett Crozier)大佐が、大勢の乗組員の声援を受けながらグアム(Guam)に停泊中の同艦を去った。 3日に公開された動画で明らかになった。 空母から撮影された動画の中で、クロージャー大佐は乗組員らに短くあいさつした後タラップを一人で歩いて下船し、埠頭(ふとう)で待っていた車に乗り込んだ。 乗組員らは甲板で手拍子をしながら「キャプテン・クロージャー、キャプテン・クロージャー」と声を上げた。 セオドア・ルーズベルトは3月にベトナムを5日間公式訪問してダナン(Danang)に寄港。 その後、数十人の乗組員が新型ウイルスに感染していることが判明し、同空母は3月28日にグアムの米海軍基地に到着した。 3月31日に米国の2紙が、乗組員4800人をできるだけ下船させ、その大半を隔離するよう国防総省の上層部に求めたクロージャー艦長の書簡について報じた。 これに怒った米国防総省は今月2日、クロージャー艦長を解任した。 ダナン寄港は外交上重要で国防総省上層部の承認を得ていたにせよ、新型コロナウイルスの影響について同省で懸念が高まっていた中、あえて乗組員が感染するリスクを取って寄港に踏み切ったクロージャー大佐を批判する向きもある。 民主党と無所属の上院議員17人のグループは、国防総省の監察官にクロージャー艦長の解任について調査するよう求めている。 ― 引用終り ― 米国が世界最大の武漢肺炎流行地となった今、クロージャー艦長の判断の早さと定適切さが明らかになった。 処罰され、非難されるべきは武漢肺炎の感染拡大が有事であるとの認識がない米国防総省。 4月7日、原子力空母ニミッツが西部ワシントン州ブレマートンで出航準備を行っていた。 乗組員一人の感染が確認された。 コロナ感染が米空母4隻に拡大と報道共同通信 / 2020年4月8日【ワシントン共同】 米政治サイトのポリティコは7日、米原子力空母ニミッツの乗組員が新型コロナウイルスに感染したことが確認され、感染者が出た空母が4隻になったと伝えた。 ― 引用終り ― 4月13日、米太平洋艦隊は、原子力空母「セオドア・ルーズベルト」で、感染者の乗組員1人が同日死亡したと発表した。 米空母の感染者からの初の死者。
2020年04月20日
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インド太平洋地域で作戦行動中の米空母「セオドア・ルーズベルト」と横須賀基地に停泊中の「ロナルド・レーガン」で複数の武漢肺炎感染者が確認された。 米空母2隻での感染は対中抑止に重大な影響「ロナルド・レーガン」でも2人横須賀基地を閉鎖2020年3月28日 産経ニュース 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に停泊中の米原子力空母「ロナルド・レーガン」の乗組員2人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたとFOXニュースが27日伝えたことで、中国の脅威をにらんでインド太平洋地域に展開中の空母2隻がともに事実上の行動不能となるという異例の事態に陥った。 米海軍の即応能力と中国に対する抑止力の低下は避けられない。 横須賀基地のジャレット司令官は27日、「同基地所属の水兵2人が新型コロナに感染した」と発表した。 同基地を母港とする空母レーガンの乗組員を指すとみられる。 同基地では26日、米国から戻った水兵1人の感染が確認されている。 基地司令部は向こう48時間にわたり基地を閉鎖することを決めた。 インド太平洋地域で作戦行動を実施していたもう一隻の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」でも先週、複数の感染者が確認された。 FOXニュースによると、ルーズベルトは日本時間27日朝、米領グアムの海軍基地に到着した。 艦内の感染者は約30人に上り、いずれも軽症とされる。 米海軍は乗組員約5000人のうち発熱症状などのある乗組員を中心に感染の有無を検査する。 ― 引用終り ― 原子力空母セオドア・ルーズベルトの感染者は2日時点で計114人。 寄港中の米領グアムで、乗組員約4800人のうち感染者と感染の疑いのある計3千人近くを下船させ、ホテルなどで隔離する準備をすすめている。 4月2日、米海軍のモドリー長官代行は、新型コロナウイルスの感染者が続出した原子力空母セオドア・ルーズベルトのクロージャー艦長を解任したと発表。 感染拡大に伴って空母から上層部に支援を求めた際、部外者にも電子メールを同送したことを問題視した。 米海軍の上層部は感染の急拡大についての危機感が足りないようだ。 中国軍を筆頭に各国の軍隊が、米国の抑止力を超えるレベルで戦闘能力を低下させていると考えられる。 米国と中国とロシアの軍事費をすべて新型コロナウイルス対策に用いたなら、世界中で感染が急速に収束状態となり、特効薬が速やかに開発されるのではないか。
2020年04月03日
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サンフランシスコ沖で病院船と化しているのは、日本の横浜港に停泊していたダイヤモンド・プリンセスと同じカーニバル・コーポレーション&plc所有、プリンセス・クルーズ運営の「グランド・プリンセス」。 予定を変更してハワイからサンフランシスコに帰港することになり、4日夜に到着する予定だった。 カリフォルニア州当局が着岸を延期させた。 船内で感染の疑いのある乗客乗員の検査を実施する。 新型肺炎死者出たクルーズ船ヘリで上空から検査キット配布の徹底ぶり安部かすみ | ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者2020年3月6日 安部かすみの「ニューヨーク直行便」 …(略)… 入港許可がもらえずサンフランシスコ沖をさまよっているのは、乗客2383人、乗員1100人を乗せたクルーズ船「グランド・プリンセス」(Grand Princess)。 入港が許可されない理由は、2月にこの船に乗った71歳の男性が、今週カリフォルニア州でCOVID-19(新型コロナウイルス)により死亡したからだ。 この男性は2月11日から21日の間、サンフランシスコからメキシコへの航海中に、新型コロナウイルスに感染した可能性が高いとみられている。 男性の死は3月4日に発表された。 男性には持病があったとされる。 グランド・プリンセスは15日間の航海予定で今週土曜日、ハワイからサンフランシスコに帰港予定だった。 カリフォルニア州では、新型コロナウイルス検査の結果が出るまで、下船を許可しないとしている。 5日、船内にウイルスの検査キットが配布された。 ヘリコプターにより上空から配布されるなど管理が徹底していた。 ― 引用終り ― グランド・プリンセスはグランド・プリンセス級の1番船。 1998年5月3日、イタリアのフィンカンティエリ社マルゲーラ工場で竣工。 船価は4億5千万ドル。 呪われたダイヤモンドプリンセス!?2020年2月23日 S.A.C.サイバーパンク親父.COM 船内では10人の乗員と11人の乗客に「兆候」が見られるという。 検査結果が出た後、CDC(アメリカ疾病管理予防センター)とカリフォルニア州当局で話し合い、クルーズ船の停泊に最適な場所を決定する。 グランド・プリンセスとは? 日本の横浜港に停泊していたダイヤモンド・プリンセスと同じオーナー会社、カーニバルコーポレーション&plc(Carnival Corporation & plc)所有の客船。 運営もダイヤモンド・プリンセスと同じプリンセス・クルーズ(Princess Cruises)。 建造はイタリアのフィンカンティエリ社マルゲーラ工場。
2020年03月14日
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海運不況と日中韓の設備過剰により、造船業界は長い不況に陥っていた。 日中韓は世界市場の9割を占めている。 先に破綻の危機に陥っていた韓国は、合併と政府による支援で安値受注を行い復活。 「もはや日本は韓国の相手ではない」という。 韓国メディア「不況の沼にはまった日本の造船業 もはや韓国の相手ではない」2020年2月17日 Record China / 2020年2月14日、韓国・ニュース1は「不況の沼に陥った日本の造船業、もはや韓国の相手にならない」と題する記事を掲載した。 記事は「日本の造船産業は現在、不況の沼に陥っている」とし、日本造船2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)が新造船事業から完全に撤退すると発表したこと、今年1月には三菱重工業もLNG船事業をたたみ旅客船に集中すると発表したことを伝えている。 また、日本の造船業が競争力を失った最も大きな理由として「設計者不足」を挙げ、1970年代の好景気後に長い不景気が訪れた際の構造調整で出て行った設計人材の空席を埋められず、「変わりゆく造船業のトレンドについていけない」と指摘している。 さらに、「日本の主要造船会社の受注の大半は自国の船会社の中型バラ積み貨物船分野に集中しており、韓国の主要造船会社が付加価値の高いLNG船、コンテナ船、VLCC(超大型原油タンカー)中心の受注を得ているのとは対照的だ」とも指摘している。 これを受け、韓国のネット上では「うれしい。日本の造船企業の多くは戦犯企業だから」「李政権、朴政権で造船業の人材が中国に流れて行ったの忘れた?ようやく元に戻ってきた感じ。文政権ファイト!」と歓喜に沸き、中には「あとは自動車で勝てばいいね」とのコメントも。 ― 引用終り ― 日本はWTOに提訴したが、解決にはとても時間がかかる。 記事では日本の設計力の低下があげられているが、熟練工が次々と退職し、現場の技能が大きく低下している。 日本の造船業界の統合は順次すすめられている。 合併・統合にあたり大きな課題となるのは大型強襲揚陸艦、イージス艦、潜水艦などの軍艦の建造をどうするか。 世界に冠たる海上自衛隊(海軍)も船が無ければ形にならない。 社説/日本、造船WTO提訴韓国、大規模助成を止めるべき2018/11/9 日刊工業新聞 市場原理を無視した公的支援は看過できない。 韓国政府は自国の大手造船業への政府系金融機関を通じた大規模助成を即刻止めるべきだ。 政府は韓国に対し、自国造船企業への過剰な公的助成が国際貿易ルールに違反しているとして世界貿易機関(WTO)提訴の前提となる2国間協議を要請した。 WTO補助金協定では他の加盟国の利益に対する著しい悪影響を及ぼす公的資金支援を廃止勧告の対象と規定する。 韓国造船業は近年、海洋プラントの不振や新造船価の低迷などで経営が大幅に悪化した。 韓国政府は経営難に陥った大宇造船海洋の救済のための大規模金融支援や実質的に赤字受注を容認する前受け金返還保証の発給などで側面支援している。 日本政府は経済協力開発機構(OECD)造船部会などさまざまな場面で問題提起してきたが、韓国は政府の介入を否定し、国際ルールに抵触しないと主張。 10月に開いた国土交通省と韓国通商産業資源部の局長級会議も物別れに終わった。 日本造船工業会の加藤泰彦会長(三井E&Sホールディングス相談役)は韓国の公的助成策について「市場原理によって淘汰(とうた)されるべき過剰な造船設備をいたずらに延命させることで市場競争を歪曲し、造船市況の回復を妨げ、世界の造船業に多大な損失をもたらす」と懸念を表明。 かねて国土交通相にWTOの紛争解決手続きに基づく早急な問題解決を求めてきた。 ― 引用終り ―
2020年02月27日
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比較的裕福な定年退職者が大量に発生している日本は、空前のクルーズブーム。プリンセスが選ばれる理由WHY CHOOSE PRINCESS公式サイト ダイヤモンドプリンセス(Diamond Princess)は米国のプリンセス・クルーズに所属の外航クルーズ客船。 夏季はアジア、冬季はオーストラリアでクルーズに就航している。 ダイヤモンドプリンセスと姉妹船のサファイアプリンセスは、三菱重工業長崎造船所が建造した。 トラブル■火災 2002年10月1日、三菱重工業長崎造船所内で艤装工事中のダイヤモンドプリンセスに火災が発生。 作業員に怪我人はなかった。 出火場所は船体中央部付近で下から5番目のデッキ付近から出火したと見られている。 納期が迫っていたため、同時に建造していた2番船・サファイアプリンセスを、新「ダイヤモンドプリンセス」として改修し、2004年2月に7か月遅れでダイヤモンドプリンセスとしては納入した。 炎上した船は香焼工場に移されて焼損部分を完全に撤去し、新サファイアプリンセスとして改修され2004年5月にデビューした。 ■大型客船事業の躓きの始まり 三菱重工がアイーダクルーズの客船建造で 大赤字を出したそうですが、 何故そのような事態になったのですか? # がんばれダイヤモンドプリンセス …(略)… 第2次世界大戦以前は浅間丸等の豪華客船を建造していた三菱重工が50年振りに建造した客船が現在・飛鳥Ⅱとなっているクリスタル・ハーモニーで竣工は1990年。 次に建造したのは2004年に竣工したダイヤモンド・プリンセスとサファイア・プリンセスの2船ですが、ご承知の方が多いように、当初、ダイヤモンド・プリンセスとして造っていた船は2002年10月に火災事故を起こして納入不能になり2船目をダイヤモンド・プリンセスとして納入、事故を起こした船は火災部分の改修工事後、サファイア・プリンセスとして竣工しています。 そして受注した船がアイーダクルーズの2船、アイーダ・プリマとアイーダ・ベルラです。 この間、10年以上なのにアイーダクルーズの2船の受注金額1,000億円は、若干小さいダイヤモンド・プリンセスとサファイア・プリンセスの受注建造費よりも少し高い程度だったようです。 これを勝手に推測すると、三菱重工はアイーダクルーズの船をダイヤモンド・プリンセスよりもランク下のカジュアルクラスの船と見て、韓国企業との競争もありかなり甘い見積りを出したのでしょう。 ― 引用終り ― 「アイーダ・プリマ」の建造は工程表どおりに進まず、日本人の熟練労働者が去り、各国から集まった大量の作業者で現場は混乱。 工期は長引き、3度も火災が発生する始末。 計画から1年遅れの2016年3月14日に引渡しを終えた。 三菱重工業は客船事業で累計1800億円の特別損失計上。 遂に大型客船事業からの撤退を宣言。 2018年 1月1日 、船舶・海洋事業本部を三菱造船株式会社へ分社化した。 ■新型コロナウイルス 2020年1月20日出発のクルーズにて、1月25日に香港で下船した乗客が新型コロナウイルスに感染していることが判明した。 2月4日に横浜港沖にて273名に再検疫を行った結果、10名に陽性反応があると判明し、病院に収容された。 2月5日の早朝まで船内での行動は制限されておらず、ショーなどのイベントも通常通り開催していた。 2月5日早朝以降、症状が発生していない乗員・乗客合わせて約3,700人は、船内に缶詰め。 乗客は基本的に船室待機となった。 ダイヤモンドプリンセス 重要なお知らせ
2020年02月23日
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船舶という単語は知っており使うが、「舶」の意味を知らないことに気付いた。 今さらながら調べる。 まずは一般社団法人日本船主協会の説明。 (一社)日本船主協会海運雑学ゼミナール127「船」と「舶」の意味の違いは?―船をあらわすさまざまな言葉 船をあらわす漢字は数十種類あるといわれるが、日本語の中で一般に使われているのは、「船」、「舶」、「舟」、「艇」、「艦」の5種類だ。 このうち「船」は、小型の船にも大型の船にも用いられる。 一方「舶」は、大型の船のみに用いられる。 したがって「船舶」といえば、大から小まであらゆる船を総称する言葉ということになる。 また「舟」は、櫓や櫂によって走るごく小型の船を意味する。 「艇」も小型の船を意味するが、こちらは機関がついたものをさすことが多い。 さらに「艇」の場合は、○○艇というように、船の種類や用途をあらわす他の語とともに使われることがほとんどだ。 「艦」は、護衛艦、潜水艦というように軍用の船に主に使われる。 英語ではどうかというと、主に大型の船をあらわしていたのが「シップ」(ship)だ。 3本または4本マストのシップ型帆船がその語源だが、最近は、どの大きさの船に対しても用いられるようになっている。 また、「ベッセル」(vessel)は、大小にかかわらずすべての船の総称として用いられる語だ。 一方、ごく小型の船をさす場合は「ボート」(boat)が使われる。 しかし、パッセンジャー・ボート、フェリーボートなどかなり大型の船に使われる用例もある。 このほか船一般をさす言葉として「クラフト」(craft)も使われる。 ― 引用終り ― 精選版 日本国語大辞典の解説せん‐ぱく【船舶】【名】 (「舶」は海の大船の意)1.大型の船、特に人間や荷物を積載して海上を航行するように建造した船。※長器論(1801)「船舶の海洋を渉渡するに沖乗りといふ事あり」2.商法で、商行為を目的として航海の用に供される櫓櫂船(ろかいせん)以外の船。 「舶」精選版 日本国語大辞典の解説つくの‐ぶね【舶】【名】 航海用の大船。大きな船。 つくぶね。〔十巻本和名抄(934頃)〕※読本・椿説弓張月(1807‐11) 前「一艘の舶(ツクノブネ)追風よろしきとて、纜を解ありけり」
2020年01月28日
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【RORO船】 RORO船のROROは「ROLL-ON ROLL-OFF」を略した言葉。 カーフェリーのように、貨物を積んだトラック、トレーラーをそのまま運べる車両甲板をもつ船。 通常、船の前後に出入り口があり、自走で乗船(ロールオン)・降船(ロールオフ)できるようになっている。 なお、自動車運搬専用船(PCC船:Pure Car Carrier)は、船内に複層の車両甲板を持ち各種自動車を積載できる構造が、一般のカーフェリー、RORO船と異なる。 【LOLO船】 LOLO(リフトオン・リフトオフ:Lift on / Lift off)方式は、陸上または船上のヘビーデリック(重量物専門のクレーン)で荷役する方式採用の貨物船。 代表的な船はコンテナ船。
2020年01月09日
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新浪財経は、2019年の韓国の造船新規注文量が2年連続で世界トップになる見込みだと報じた。 韓国の造船業、中国抑え船舶受注量2年連続世界一の見込み―中国メディア2020年1月2日 Record China 2019年12月30日、新浪財経は、韓国の造船新規注文量が2年連続で世界トップになる見込みだと報じた。 記事は、英調査会社クラークソン・リサーチの統計として、2019年11月末現在で韓国の造船業が712万CGT(標準貨物船換算トン数)相当の民間用船舶の注文を受け、世界の造船企業による総受注量の36%を占めたことが明らかになったと紹介。 このペースで推移すれば、年間の受注量が18年に続き中国を抜いて世界一になる見込みだとした。 その上で、韓国の造船業がこの2年間好調な理由として、韓国政府が補助金や金融支援、減税、さらには自ら発注するといった助成を行ってきたこと、そして韓国の得意とする液化天然ガス(LNG)船舶の注文が多かったことを挙げた。 特にLNG船舶については、18年に76隻あったLNG船舶の注文のうち韓国企業が87%に当たる66隻を建造したとの統計を紹介したほか、19年も11月末現在で韓国の三大造船企業が51席ほどを受注し、やはり世界の受注量の80%を占めたとしている。 ― 引用終り ― 受注量は世界一だが、韓国の造船業界は収益を適切に上げているのだろうか? 国内からも疑問の声が上がっている。 韓国と中国の受注競争下で、日本の造船は新たな得意技、得意分野の確立が求められている。
2020年01月09日
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三菱重工業は創業の地である長崎市内の造船所のうち、主力の香焼(こうやぎ)工場を売却の調整に入った。 相手は造船業界国内3位の大島造船所。 三菱重工は高付加価値のLNG(液化天然ガス)船など大型船の建造から撤退することになる。 造船業の世界シェアトップの中国では、1位の中国船舶工業集団(CSSC)と2位の中国船舶重工集団(CSIC)が経営統合を決めた。 世界シェア2位の韓国では、1位の現代重工業と2位の大宇造船海洋が合併(現代重工業による大宇造船海洋の吸収合併)。 中国、韓国とも軍需企業であり、その存続にむけ様々な国家による支援が行われている。 両国とも海軍の軍備拡大がすすめられている。 日本では、2019年11月29日、1位の今治造船(愛媛県今治市)と2位ジャパンマリンユナイテッド(JMU、横浜市)が資本提携することで基本合意した。 今度の三菱重工の決定は、これらの情勢を受けてのもの。 主力造船所の売却検討を正式発表三菱重工、大島造船所へ2019/12/18 共同通信社 三菱重工業は18日、主力の長崎造船所香焼工場(長崎市)を、造船国内3位の大島造船所(長崎県西海市)に売却する検討に入ったと正式に発表した。 中国や韓国メーカーの台頭で苦戦する液化天然ガス(LNG)運搬船などの大型船事業を縮小し、貨物を積んだトラックを運ぶ「RORO船」などに経営資源を集中する。 ― 引用終り ― 三菱重工の主力工場売却は外部情勢の影響ばかりではない。 大型客船の艤装にチャレンジするも巨額の損失を出し、事業の継続を断念。 三菱航空機の旅客機事業は多額の開発費の改修の目途が立っていない。 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の火力発電事業の巨額損失もある。 三菱重工業の泉沢清次社長は造船事業からの撤退を否定。 フェリー、貨客船、巡視船などの高密度艤装船と、環境規制を見据えたエンジニアリング、硫黄酸化物排出規制対応の排ガス浄化装置(スクラバー)などで差別化し、生き残りをはかる考え。 米中対立などにより、造船業界は設備過剰、激しい需要不足となっている。 韓国・蔚山は現代重工の企業城下町。 繁栄・発展を続けた街が、長引く造船不況のために急速にさびれている。ラストベルト化におびえる「現代タウン」-韓国一豊かだった蔚山Yoojung Lee2019年8月22日 Bloomberg
2020年01月08日
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世界の造船の中心、中核は韓国、中国、日本。 米中対立などによる貿易の停滞が続いておりバラ積船は低迷しているが、造船業界には液化天然ガス(LNG)船ブームが到来している。 LNG船は、蒸発ガスが少なく、三菱重工業や川崎重工業が得意とする「モス型(独立球形タンク方式)」が主流で日本の得意分野だった。 近時はタンクの内部を薄くてしわのあるステンレス鋼で覆う「メンブレン型」の性能が向上し、韓国の受注が増加している。 加えて韓国は造船会社に対する公的助成の後押しもあって、日本より1~2割安い価格を提示し、収益は不明だが受注競争を勝ち抜いている。 川崎重工業と三井E&Sホールディングス(旧三井造船)傘下の三井E&S造船は、LNG船の受注を取る構えだが、2社とも建造のメインはコスト効率のよい中国の合弁会社。 国内の造船業界は、ボロボロ。 厳しい状況の中、大形の資本業務提携が発表された。 対中韓・造船サバイバル再編最終章、今治造船&JMU連合誕生の全内幕ダイヤモンド編集部 新井美江子:記者2019.12.5 DIAMOND online 総合重工系のジャパン マリンユナイテッドとオーナー系の今治造船が資本業務提携を発表した。 “深くて長い川”が流れる重工系とオーナー系を代表する国内ツートップが手を携えたのはなぜなのか。(ダイヤモンド編集部 新井美江子) JMUはその川を渡って今造との資本提携にまで踏み込むというのである。 おまけに、今回の資本提携では、今造によるJMUの新株の引き受けが検討されている。 そのため、複数の造船業界関係者は、「今造による事実上の救済スキームだ」と口をそろえる。 今でこそ国内ナンバー1は今造、ナンバー2はJMUと建造量での立場は逆転しているが、オーナー系は重工系に学んで技術を培ってきた歴史がある。 そのため、「重工系がオーナー系の傘下に入った」(同)とされる“世紀の提携”の一報が知れ渡ると、造船業界には激震が走った。 …(略)… そんな驚きの提携が実現してしまうくらい、造船市況は悪い。 リーマンショック前後に大量に造られた船が滞留して供給過剰が続いているというのに、中国・韓国勢が強烈な価格攻勢を掛けているからだ。 特に韓国は自国の雇用を守る目的で造船業に公的助成まで行っているとされ、船価低迷と価格競争から一向に抜け出せない状態が続いている。 実際に、日本勢の仕事は枯渇していた。 「みんな手持ちの受注が2年分を切り、焦りを感じていた」(重工系造船会社役員)という。 おまけに今年に入り、中韓勢は再編にまで打って出た。 韓国では、世界最大手の現代重工業が大宇造船海洋の買収を表明。 中国でも、2大国有造船グループの中国船舶工業集団と中国船舶重工集団が統合を決定し、ライバル2国で巨大造船会社が誕生してしまったのだ。 「何としてでも、日本で造船業を続けていきたい」。 JMU幹部は今造との資本業務提携の理由をこう説明するが、JMUにとってはまさに、生き残りを懸けた一世一代の決断だった。 …(略)… “救済”する今造も疲弊 中韓との競争で過剰設備問題が浮上 翻って、今造を突き動かしたものは何だったのか。 「日本の1位、2位連合で世界競争に勝つため」。 12月2日、今造が毎年、系列の今治国際ホテルで大々的に行う取引先を集めた忘年会で、檜垣幸人・今治造船社長は今回の資本業務提携の目的をこう述べていたという。 具体的なメリットは、まず日本勢同士のたたき合いを回避できることだ。 今造とJMUは、ばら積み船の受注で激しい競争を繰り広げていたという。 もう一つは、業務提携の内容としても表明されている「生産体制の効率化」だ。 詳細は明かされていないが、将来的に想定されるのは2社の拠点の統廃合である。 ― 引用終り ― 2019年7月、中国船舶工業(CSSC)と中国船舶重工業(CSIC)が、統合案に合意した。 世界最大の受注を誇る韓国の現代重工業にとっての巨大なライバル。 現代重工が、韓国で第2位の大宇造船海洋を予定通り買収した後も、この構図は変わらない。 中韓両社の統合の狙いは技術開発の向上とコスト削減。 今治造船とJMUとの資本提携はそのような厳しい環境が前提。 国内の設備過剰と経営統合による合理化は、造船業と他の産業でかつてみた構図。 いよいよ造船は国内で展開する事業ではなくなった感がある。
2019年12月29日
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多くの国々で、軍は国会議員と予算を巡って戦いを繰り広げる。 翼賛議会になる前は、大日本帝国でもそうだった。 軍隊は国家と国民財産を守るためにあるのであり、軍隊が国を食い潰すような予算・財政は許されないからだ。 科学の発達で米国の世界最新兵器の価格はうなぎ上りとなり、B-2爆撃機も、F-22戦闘機も配備数を大幅に削減された。 米国の最新原子力空母CVN-78ジェラルド・R・フォードは、ジェラルド・R・フォード級のネームシップ(1番艦)。 2009年に起工され、2017年7月22日に就役。 美辞麗句に飾られたCVN-78は「韓国の国産兵器のように」数々の致命的トラブルに見舞われている。 米国議会が怒る“係留はしけ”状態の最新原子力空母トラブル続きで実戦配備が遅れに遅れる「CVN-78」北村 淳2019.11.7 JBpress …(略)… CVN-78には、電磁カタパルト式発艦装置をはじめとする多くの最新テクノロジーが盛り込まれている。 そのため、運用に向けての各種テストにある程度の長時間が必要となることは予想されてはいた。 ところが、実際に要した時間は予想以上だった。 目玉装備である世界初の電磁カタパルト式航空機発艦装置、先進型航空機着艦制御装置、先進型兵器用エレベーター、デュアルバンドレーダーシステムなどに問題点が見つかった上、動力システムまで不調であったため、就役早々15カ月にわたる大規模メンテナンスが必要となった。 ようやく長期にわたるメンテナンスが完了し、メンテナンス後初の海上テストを終えたCVN-78は、10月25日にニューポートニューズ造船所に無事帰還した。 海軍当局は、CVN-78が抱える様々な問題点の解決は着実に進んでおり、海上テストにおいても「見事に高速ターンを成し遂げた」と、順調にメンテナンスが完了した旨を強調している。 しかしながら、かねてよりトラブルが続いている先進型兵器用エレベーター11基のうち、作動するのはいまだに4基だけである。 そのうち、実戦運用テストに合格したのは3基に留まっている。 本年(2019年)1月、海軍首脳はトランプ大統領に対して、このエレベーターの不具合はメンテナンス後の海上テストまでには解消させると確約していた。しかし海軍はその約束を果たすことができなかった。 空母に設置されている兵器用エレベーターは、艦載機が積載するミサイルや誘導爆弾や機銃弾などの兵器弾薬を格納庫から上部甲板に搬送するために用いられるエレベーターである。 それらの兵器を戦闘機に装着するスピードは空母艦載機運用の死命を制すると言われている。 このように重要な最新装置類が実戦運用可能になるまでには、いまだ数年にわたる各種テストが必要となる。ショックテストの実施をためらう海軍首脳 さらに連邦議会は、米海軍が大統領との約束が果たせなかったこと以上に、あることについて海軍首脳の姿勢に強い疑義を呈している。 それは、新造軍艦を実戦配備するために課されている「ショックテスト」を、海軍がCVN-78で実施しようとしていないことに関してだ。 ショックテストとは、軍艦の直近海中で大容量の爆薬を爆発させることにより、軍艦が過酷な戦闘状況でどの程度耐えうるのかを確認する大がかりな実地試験である。 このテストではかなりの衝撃が軍艦を直撃するため、それなりのダメージが生ずることは避けられない。 そのため、全ての米海軍軍艦に義務づけられてはいるものの、新型軍艦の場合同型軍艦が2~3隻誕生してから実施されることが多い。 しかし、海軍専門家たちの多くは、「CVN-78には多数の新機軸の装置が装着されているため、2番艦、3番艦を完成させる前に、それら新装置の戦闘適合性を確認する必要がある。したがってCVN-78でショックテストを実施することが不可欠である」と指摘しており、連邦議会もそのように海軍当局に要求している。 これに対して海軍首脳はショックテストの実施をためらっている。 ― 引用終り ― 目玉装備の大半がトラブルを起こした。 先進型兵器エレベーター(AWE:Advanced Weapons Elevators)」11基のうち実戦運用テストを通過できたのは3基。 エレベーターが不備では空母として到底実戦使用に耐えない。 電磁式カタパルトの検証が完了していないことからステルス戦闘機F-35Cを搭載する目処がたっていない。 動力システムもトラブルを起こしたというが、ウランの濃縮度が桁外れに高い原子炉のトラブルでないことを祈る。 2020年頃本格配備可能とされていたが、CVN-78が実戦対応可能となるのは2024年以降。 海軍のイージス艦副長の経験がある下院議員は「CVN-78は130億ドルの「はしけ」」と批判した。 130億ドル(1兆4000億円)はニミッツ級空母の最終価格の2隻分のお値段。 最先端の兵器(システム)は分野を問わず未知の領域に挑むためトラブルは多い。 同型艦10隻の建造が予定されており、同種の既存兵器の2倍の価格は新規導入を拒否されるに十分な価格。 空母打撃艦隊の維持には巨額の費用を要し、フォード級の価格高騰は米海軍の世界戦略を変更を迫るに値する。
2019年12月21日
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ロシア海軍は原子力潜水艦の火災で有名だが、空母でも火災を発生させた。 現在はムルマンスクで修理中のロシア海軍唯一の空母「アドミラル・クズネツォフ」で火災が発生。 機関系の改修・修理完了がは2021年以降に見込まれていた。 火災被害が加わると、当然遅くなるはず。 アドミラル・クズネツォフは防御装備が充実しており、航空巡洋艦に分類される。 1982年9月1日、起工で艦齢が高い。 1985年12月5日進水、1990年12月25日就役。 1991年12月25日、ソ連邦解体。 ロシア唯一の空母で火災6人負傷、1人不明か2019年12月13日 CNN.co.jp ロシア北西部ムルマンスクで改修中の同国唯一の空母「アドミラル・クズネツォフ」で12日午前、火災が発生した。 国営タス通信によると、6人が負傷、1人が行方不明とみられている。 火災は整備作業中に動力装置で発生。 大きな黒煙が立ち上る様子が上甲板から確認された。 現在の延焼面積は120平方メートルに達する。 ディーゼル燃料が燃えており、消防隊が泡消火剤を使って鎮火に当たっている。 タス通信は緊急対応当局筋の話として、消防隊はケーブルから発生した大量の煙に阻まれ、出火元に近づけない状況だと伝えた。 ― 引用終り ― この火災で13日現在、作業員1人が死亡 将校1人が行方不明。 アドミラル・クズネツォフは、ソ連邦崩壊による極度の財政難や人員不足などにより、定期修理や整備が満足に行われず、就役後10年ほど満足な活動ができなかった。 1994年、当初予定の定数を遥かに下回る機数で搭載航空隊が編成された。 母港からほとんど出ることがなかったが、1996年のロシア海軍創設300周年を記念して、ロシア艦隊の「地中海行進」が計画された。 「クズネツォフ機動部隊」は、1995年12月23日に地中海入りした。 チュニジア、シリア、マルタ島に寄港。 その後、地中海を出て大西洋を北上、バレンツ海にて北方艦隊の対空母機動部隊迎撃演習の「敵役」をつとめた後、3月22日にウラ・グバへ帰港したが、蒸気タービン機関の蒸気パイプ破損が判明。 その後整備が進まぬまま、1999年、北方艦隊司令部は「クズネツォフ」を現役に復帰させた。 機関は、整備不良で蒸気タービン機関の蒸気パイプはほとんどが破裂している状態が報道された。 2000年に計画された地中海遠征は2021、2022年と延期された。 今回はムルマンスクに修理のため係留中の火災。 世界最悪の空母?ロシアのアドミラル・クズネツォフDaniel BrownJun. 02, 2018, 03:00 PM BUSINESS INSIDER ロシア唯一の空母アドミラル・クズネツォフは、ナショナル・インタレスト(The National Interest)によると、世界で5本の指に入る最悪の空母。 …(略)… 2016年、Diplomatは以下のように記した。 「ソ連時代の空母は全てウクライナで建造された。 だがロシアは継続中のウクライナ危機のために、特に艦の推進システムに関する貴重な専門知識とテクノロジーを失った」 ― 引用終り ― 「最大の問題点は、信頼性に著しく欠ける脆弱な推進システム」とのこと。 一般に空母は難度の高い艦載機の着艦訓練を頻繁に行うが、機関の不備では訓練ができない。 即ち、航空母艦としての実力(戦闘力)はない、または不明。 現代の海軍、軍備の中で「空母」は巨大な依代のようなもの。 実力はなくとも、「そこにある」だけで「安心感」をもたらすのかもしれない。 アドミラル・クズネツォフ諸元 全長:約305m、全幅:約72m、全高:約64m 飛行甲板:スキージャンプ式+アングルド・デッキ 満載排水量:約5万9000トン。 乗員:1,980名 機関 出力:20万馬力 ボイラーKVG-4重油専燃缶×8基 主機 TV12-4蒸気タービン×4基 推進:スクリュープロペラ×4軸 最大速力:29kt 航続距離:8,500海里 (18kt巡航時) 艦載機:41~53機 スホイ27、スホイ33、ミグ29 Ka-27PL対潜ヘリ、Ka-31早期警戒ヘリ、Ka-52K攻撃ヘリ など
2019年12月21日
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プーチン大統領は北極圏の経済開発をすすめている。 ソヴィエト連邦時代、シベリア地方、極東地方にある豊富な鉱物資源・エネルー資源を開拓し、北極海に面している都市の経済活動を活発にするため、冬季の北極海を航行できる原子力砕氷船を開発・建造した。 今までに、レーニン、アルクチカ、シビーリ、ロシア、セブモルプーチ、タイミール、ソヴィエツキー・ソユーズ、バイガチ、ヤマールの9隻の砕氷船を建造し就航させた。 ロシアの原子力砕氷船「アルクチカ」、試験航行終え帰還2019/12/15 AFPBB News 最強の原子力砕氷船と称され、北極圏(Arctic)の商業活用を図るロシア政府の意欲の象徴とされている巨大原子力砕氷船「アルクチカ(Arktika)」が14日、2日間の試験航行を終え、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)に戻った。 アルクチカは2016年に進水し、長さは173メートル、高さは15メートル。北極圏からの液化天然ガス(LNG)輸送に利用されることになっている。建造会社によると厚さ2.8メートルの氷を割りながら航行する能力がある。 今回の初航行では動力源にディーゼル(軽油)が使用された。 アルクチカが一角を占めるロシアの原子力砕氷船団は、国営企業アトムフロート(Atomflot)が管轄。 太平洋や大西洋に通じるロシア北極圏沿岸の海上貨物輸送量を、年間を通じて大幅に増やすことを目標としている。 北極圏には大量の石油や天然ガスが眠っており、ロシアのほかにも米国、カナダ、ノルウェーが開発を図っている。 原子力砕氷船団により、ロシアの東南アジア向け石油ガス輸送も容易になる見込みだ。 アルクチカの最終試験航行は来年3月と4月、就航は5月に予定されている。 同型の原子力砕氷船である「ウラル(Ural)」と「シビーリ(Sibir)」の2隻は現在建造中。 北極圏の経済開発は、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の重要目標の一つと位置付けられている。 ― 引用終り ― 原子力砕氷船のメリット・燃料補給(燃料交換)が長い期間不要・燃料消費による喫水線変動がない レーニンは世界最初の原子力砕氷船として1959年に就航した。 1970年、改造を実施し再度就航。 1989年退役。 ウラル号は1994年に進水したが、経済的事情により艤装が中断された。 さらに2隻の砕氷船、スーパー砕氷船とペベック号を計画中。 砕氷船に搭載している原子炉は、レーニン号はループ型加圧水型炉OK-150。 アルクチカ号からは半一体型加圧水型炉OK-900Aを搭載。 半一体型加圧水型炉の原子力船での実用化はロシア連邦が世界で最初である。 半一体型炉は、一次系機器を原子炉容器に直接短管で連結吊す原子炉システム。 熱出力2,000MW程度までで大型炉には向かない。 ループ型炉と比べると場所をとらず、建設時の据え付けと溶接箇所が少ない。 大口径の一次系配管が無いので、大LOCA事故の想定をしなくて済み安全対策上有利。 世界で半一体型炉の搭載は、ロシアにおけるアルクチカ号以降の原子力砕氷船のみ。 先代アルクチカは1971年7月3日起工、1975年12月17日就役。 1982年、同年死去したレオニード・ブレジネフ書記長の名を冠してレオニード・ブレジネフに改名された。 1986年、元の船名に戻された。 1977年8月17日、ムルマンスク港から13日かけて、民間の船舶として初めて北極点に到達し、15時間滞在した。 解役は1990年に予定されていたが、2008年まで延長された。 1992年以降、一時はムルマンスク港で係船された。 2007年4月8日、船内で火災が発生。 8時間延焼、船室3室と配電盤が被災。 2008年10月に引退。アルクティカは退役後もムルマンスクに係留。 2代目、アルクティカ はLK-60Ya。2013年11月にバルチック造船所にて起工。 2016年06月に進水。 2019年6月、アトムフロートへ就役予定だった。
2019年12月20日
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三代目さるびあ丸が装備する「アジマス推進器」は、水平方向に360度回転可能なポッドにプロペラを装備した推進器。 アジマス推進器を活用することで、船を任意の方向に移動させたり、現在位置を正確に維持したりすることができる。 タグボート、掘削船、海底ケーブル敷設船、掃海艇などの作業船に多く採用されるてきた。 ジョイスティック操作のものは、プレジャーボートでシェアを伸ばしている。 近年では岸壁への離接岸が容易になることなどから、クルーズ客船等に活用されている。 近年、船内で発電した電力と電気推進との組合わせにより機械的な伝達軸を廃する事が可能になり、活用範囲が広がった。 長 所・機動性・操船性の向上 小半径での旋回、離接岸時の水平移動が可能になる。 そのため、大型船舶でも入出港時にタグボートの支援なしで離接岸することができる。・流体力学的に船型を最適化できる。 減速、伝達機構に起因する機械的損失や整備費用を低減できる。・複数の推進器を備える事により機動性、抗堪性が高まる。・定点維持が容易で、海洋掘削船など定位置に留まる必要がある用途に適する。 短 所・従来の伝達軸を使用した推進器に比べて実績が浅い為、アジマススラスタに起因する故障が発生している。 この短所は使用実績が増すにつれ、解消されると思われる。 アジマス(azimuth:方位角)とは、方位(方向の水平成分)の数値表現。 基準となる方位との間の角度のこと。 航空分野などにおいては、機首の方向や進行方向を示すのに用いられる。 水平座標系や天測航法、また衛星通信用地上アンテナの光軸方向を示すときには、水平方向の方位角と、垂直方向の仰角という2つの角度を用いて表現する。 測量や航法などの分野においては標準的には度・分・秒を用いて表現する。
2019年10月03日
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三代目「さるびあ丸」 2020年6月5日、就航予定。 三菱重工業下関造船所江浦工場で建造中。 カラーリングは美術家の野老朝雄氏。 メカで特徴的なのは4つのエコロジー機能。1.気象・海象情報を分析する最新の航海支援システムを搭載。 最適な運航計画で燃費を削減。2.ディーゼル主機関1基1軸+電動駆動プロペラ(アジマス推進器)の「ハイブリッド方式」によって低燃費、低騒音、低振動を実現。3.「電子制御燃料噴射装置」搭載で排気ガス中のCO2(二酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)を削減。4.燃費の削減、環境対策に「排ガスエコノマイザ」を装備。 総トン数:約6,200トン全長:約118m、全幅:約17m満載喫水:約5.4m主機関:2サイクルディーゼル推進加勢:アジマス推進器旅客定員:1,343人 ※指定席は733席コンテナ積載数:38個
2019年10月02日
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二代目さるびあ丸 1992年12月25日に就航。 三菱重工業下関造船所で建造された貨客船。 簡素な初代と比較して、一回り大きく、豪華になった。 船客区画最上階のAデッキに、特等・特1等・1等の上級船室が配置される。 上級船室のエリアに下級船客は入れない。 劇場版アニメ『天気の子』の冒頭、主人公の帆高が住んでいる島(神津島)から東京にくるときに乗っているのが「さるびあ丸」。 近年、さるび丸は「東京湾納涼船」で活躍。 2時間ほどのナイトクルージングの飲み放題付きで通常2600円。 WEB予約で2400円。 浴衣着用で男女とも平日1000円引き。 かなりお得な納涼船。 【諸元】総トン数 4,965トン全長:120.54m 全幅:15.2m深さ:8.8m 喫水:5.4m主機関:三菱8UEC37LA型(ディーゼル) 2基出力:5,600馬力×2基推進器:2軸旅客定員:1,927名 船室改造後:816名 2002年のすとれちあ丸の引退により、運航区域が沿海区域から近海区域に変更された。 救命艇設置等の改造工事を受けた。総トン数:4,973トン(近海資格取得後)(航行区域は 限定近海)
2019年10月02日
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初代さるびあ丸 内海造船田熊工場で建造された。 1973年1月、東京(竹芝桟橋) - 大島 - 三宅島航路に就航。 定期航路で乗客と島々に生活物資なども運んでいた。 時代は既に中距離旅客船航路のカーフェリーへの転換がすすんでいた。 1960年代から1970年代にかけて建造された5隻の旅客船(さくら丸、はまゆう丸 (初代)、かとれあ丸、ふりいじあ丸、本船)の最終船。 若者が海外に手軽に行けなかった時代、「離島ブーム」があった。 伊豆諸島は乗船料の安さもあり、若者が大挙して主に東海汽船を利用して訪問。 ピーク時の1973年には人口3,000人の島に136万人もの観光客が伊豆諸島を訪れた 1992年12月、大きくなった二代目さるびあ丸の就航により引退、係船された。 【諸元】総トン数:3,079 トン全長:93.00m 型幅:14.00 m型深さ:5.90 m主機関:新潟鉄工所(ディーゼル) 2基最大出力:7,200 PS定格出力:6,120 PS推進器:2軸旅客定員:2,256名
2019年10月01日
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「さるびあ丸」は、東京・竹芝~伊豆大島・利島・新島・式根島・神津島航路に就航する貨客船。 「さるびあ丸」の名は、一度でも伊豆七島航路で乗船した者には、ひどく懐かしく響く。 三代目となる「さるびあ丸」の進水式見学ツアーが開催される。 【3代目さるびあ丸進水式概要】■日時 11月27日(水) 9:55開会 ※10:00進水■場所 三菱重工業下関造船所江浦工場■建造 三菱造船株式会社東海汽船の新造「さるびあ丸」進水式ツアー開催「船台進水」を見学2019.09.07 乗りものニュース編集部 東海汽船は2019年9月6日(金)、建造中の3代目「さるびあ丸」の進水式見学ツアーを実施すると発表しました。 旅行会社3社にて、9月10日(火)から販売が開始されます。 進水式は11月27日(水)、三菱重工業下関造船所 江浦工場(山口県下関市)で執り行われます。 ツアーはクラブツーリズム、ナショナルランド、トラベルロードの3社が主催し、それぞれで内容や金額が異なりますが、いずれも進水式前日の11月26日(火)に東京を出発する2日間の日程で、北九州や下関の観光を含みます。 組み立てられた新造船を初めて水に触れさせる進水式は、ドックに注水するだけで済ませるケースもありますが、今回は造船台から船体を水面へと滑らせる「船台進水」が行われます。 就航は2020年6月の予定です。 ― 引用終わり ― 世はクルーズ船ブーム。 時間と小遣いに余裕のあるシニア層も多いことだろう。 若いころに初代サルビア丸に乗った世代が、豪華になった三代目にノスタルジーを感じながら乗船する、という構図もありだと思います。
2019年10月01日
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ドレッドノートは1906年12月2日、英国海軍(HMS)に就役した戦艦。 中間砲・副砲を装着せず単一口径の連装主砲塔5基を搭載して当時の戦艦の概念を一変させた革新的な艦である。 艦橋に設置した射撃方位盤で統一して照準することで砲を集中管理し、一斉射撃(斉射)することで命中率が飛躍的に向上した。 また当時のの戦艦の速力が18ノット程度(レシプロ機関)なのに対し、蒸気タービン機関で21ノットの高速航行が可能だった。。 以降、日本では「ド級(弩級)」戦艦という言葉が生まれたほどだ。 大口径、長射程、高速戦艦は、超ド級発展を遂げた。 戦艦はなぜ消えた?「航空機優位」だけじゃない、空母が海上戦力の中心になった理由2019年4月3日 乗りものニュース …(略)… さて、その「空母の有用性」とは何なのでしょうか。 そのポイントとしては以下の3つが挙げられます。 空母の有用性、具体的にはどのあたり? まずひとつ目は「艦載機の存在」です。 戦艦は大口径の大砲を有していますが、その射程はせいぜい40kmほどです。 しかし、それが空母であれば、艦載機の存在によって、200km以上先の目標に向けて狙いを定めることも可能です。 もちろんこの距離は、洋上だけでなく内陸部にも向けることができるため、敵艦艇だけでなく敵地奥の陸上目標に狙いを定めることもできます。 しかも第2次世界大戦後、航空機はジェット化され、より速くより遠く飛べるようになりました。 現代の艦載機であれば、1000km以上も先の目標に対して攻撃することも可能です。 しかも、より大型の爆弾やミサイルも積めるようになっています。 複葉から単葉へ、レシプロ(ピストン)エンジンからジェットエンジンへ、航空甲板という狭い空間でも運用可能な航空機の登場により、空母は大発展を遂げたのです。 ふたつ目の要素は「汎用性、柔軟性」です。 航空母艦は英語で「Aircraft Career」といい、直訳すれば「飛行機運搬船」となりますが、運ぶ飛行機、いうなれば搭載する航空機の種類によって、さまざまな使い方ができるのです。 たとえば、特定エリアの制空権(一定空域において味方の航空機が自由に行動できる状態のこと)を確保したい場合には、制空戦闘機を多めに搭載して出航し、敵国本土を叩く目的ならば攻撃機を、揚陸作戦ならばヘリコプターや「オスプレイ」のような輸送機を多めに搭載するなど、それぞれの目的に合わせて柔軟に艦載機の数や種類を変更することで、幅広く運用することができます。 また艦載機の搭載武装も、目標が敵航空機であれば空対空ミサイル、艦船であれば魚雷や対艦爆弾、対艦ミサイルといった具合に、潜水艦なら対潜ロケットや対潜爆雷、魚雷など、陸上目標なら爆弾や空対地ミサイル、ロケット弾などといったように、積み替えることができます。 これは海上で、砲撃戦主体の船として生み出された戦艦とは大きな違いです。 戦艦は強力な艦砲を多数装備するとはいえ、それを魚雷やミサイルに積み替えることはできません。 仮にミサイルを搭載したとしても、その巨大な艦砲を外すことはできず、場合によっては無用の長物を載せたままとなるのです。 実はお安い空母、その理由 3つ目のポイントはその「経済性」です。第2次世界大戦当時、日本の国力を結集して建造した戦艦「大和」の建造費が、当時の価格でおよそ1億4000万円、現在の価値にすると約3兆円弱になるそうです。 同じころ建造された空母「翔鶴」「瑞鶴」の建造費はそれぞれ約8000万円ですから、「大和」の約半分の値段で建造できたわけです。 当時は、年に50%ともいわれるハイパーインフレが起こっており、また空母の場合、艦載機やそのパイロットを考慮しないと戦力としてカウントできないので、一概にこれだけで有用性を問うのは難しいかもしれませんが、それでも多くの国が、戦艦の建造より空母に力を入れた理由のひとつが、このような経済的理由だったといえるでしょう。 さらに戦艦の場合は、前線で直接的に敵艦とやりあうため、砲弾や魚雷に耐えられるような重装甲、そして敵艦の装甲を撃ち破れるだけの大口径砲を搭載しようとすると、建造にも高い技術力と相応のノウハウが必要です。 しかし空母の場合は、ある程度後方から航空機を発着艦させるため、それなりの発着艦支援装置は必要ですが、艦自体にはそこまで高い建造能力を必要としないため、戦艦と比べれば短期間での大量建造が可能です。 ゆえにアメリカは、太平洋戦争中に正規空母16隻、軽空母9隻、護衛空母118隻もの大量建造ができたわけです。 ちなみに、同時期にアメリカが建造した戦艦はわずか4隻(ほかに、戦前に起工、戦中に竣工したのが4隻)だけでした。 …(略)… 大口径・長射程砲を搭載する戦艦は自艦と同程度主砲を備える敵艦に相対しても撃たれ負けないための装甲(バイタルパートのみ)を備えた。 また片舷斉射で安定を得るためにも全幅が拡大しドンドン大きく、重くなった。 極め付けが戦艦大和(1941年12月16日就役)、武蔵(1942年8月5日就役)だ。 大和級は戦艦として史上最大の排水量(基準排水量64,000トン)、史上最大の46cm主砲3基9門、防御面は重要区画(バイタルパート)で対46cm砲防御を備えた正統派の戦艦。 苦労して大日本帝国海軍は巨大戦艦を作ったが、戦艦の時代を終わらせたのも帝国海軍だった。 1941年12月10日、マレー半島東方沖で帝国海軍航空隊がイギリス東洋艦隊の戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋戦艦レパルスを撃沈した。 戦艦は航空攻撃だけで撃沈できる証明となった。 大和、武蔵の就役の前に、戦艦は艦体決戦の主役から外れた。 一方、航空母艦は主役となったが、記事のように「安い」とはいえない存在。 機動艦隊、空母打撃群の形で、航空母艦を護衛する艦を伴わないと敵からの攻撃に脆弱だからだ。 中国海軍や海上自衛隊が急ごしらえの航空母艦を運用するには、航空母艦に随伴し海上、水中て守る様々な艦が必要。 航空母艦を単独で運用すると、対艦ミサイルで沈められる可能性があるからだ。 イージス艦などを配備するとさらにさらに高くつく。 そのため、艦載機が高額なこととあいまって、航空母艦はとても高くつく。 世界最強の米海軍の中でも中核を担う空母打撃群の戦闘力は?インタレスト 専守防衛を旨とし、少子高齢化・人口減少社会に入った日本が装備するに相応しくない艦種だ。
2019年06月21日
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2019年2月11日、スペインの有力紙「エル・パイス」は、中国の軍事予算が2000から16年まで毎年2ケタ成長を続け、中国の軍事改革が2015年から明らかに強化されたなどと指摘。 中国軍はより専門的になり、戦闘力もより強化され、さらに「情報戦に勝利できる」ようになったと主張した。 海軍力では、2017年に水上艦と潜水艦の数が米国を抜き、米海軍が283隻であるのに対して、中国海軍は317隻になったと報じている。 中国はロシアと同様に元来陸軍国。 近年、一帯一路の戦力を整えようと海軍力の増強にやっきになっている。 空軍と同様に海軍の装備が遍く高度な技術力、工業力を要求することは、現代も変わりがない。 高度な海軍戦力の充実は、軍事費の大幅な増大を招く。 中国、2035年までに原子力空母4隻建造それでも「経験不足で戦闘力は米海軍に及ばない」―香港紙2019年2月24日 Record China / 2019年2月22日、中国海軍は2035年までに米海軍に追い付くことを目標に新たな原子力空母4隻を建造する計画だ、と香港紙が報じた。 中国海軍は現在2隻の空母を所有。 最終的には空母6隻による戦闘態勢を整える構想だが、記事は「戦闘経験不足のために米海軍には戦闘力では及ばない」と分析している。 中国海軍では2012年に就役した空母「遼寧」だけが実戦配備され、国産空母「001A型」はまだテスト段階にある。 「遼寧」は旧ソ連で設計された船体を建造途中でウクライナから購入して中国で完成させた空母で、乗組員の訓練に使用されている。 中国の習近平国家主席は2035年までに人民解放軍を近代化し、2050年までに世界トップクラスの軍事力となるよう指示。こうした近代化の中で、陸軍部隊を減らして空軍、海軍にもっと予算を割くように命じた。 香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」によると、中国の原子力空母4隻は2035年までに海軍に配備される見通し。 米空母などが使う蒸気式カタパルトよりも戦闘機の射出が容易な電磁式カタパルト(EMALS)が搭載される。 軍事専門家は「中国海軍の空母は6隻になるが、戦線に投入されるのは4隻だろう」とみている。 原子力空母4隻の配備が実現すれば、中国海軍の装備は米海軍に匹敵するが、同紙は「中国海軍には実際の戦闘経験が不足しているという問題がある」と指摘。 同時に軍事専門家の「中国軍の総合的な軍事力は戦闘経験の不足によって限定されるものの、空母や艦載機の技術は米軍と匹敵するレベルになるだろう」「米軍と同レベルに達するまで中国は軍事力を増強しなければならない」との見方も紹介している。 …(略)… 原子力空母は、原子力(原子炉)をエネルギー源とする航空母艦(空母)。 原子核反応による反応熱を熱源とする蒸気タービンを動力機関に備え、長大な航続力を誇る。 米国の空母は、長期間(約6ヶ月)に備え、大規模な給食施設の他、診療室、床屋、郵便局、売店、教会などを備えている。 原子炉は出力の割りに体積が小さく、は動力にゆとりをもたせることが可能。 発電電力が大きく取れるため、最新電子機器の電力消費に対応できる。 原子炉冷却用に発生する蒸気量が豊富で蒸気カタパルトを使用できる。 通常動力で必要となる排煙設備(煙突)が不要。 現在の米国の原子力空母は退役まで炉心交換不要。 炉心(燃料棒)交換は長期間の運用停止が必要となる(米海軍で18ヶ月程度)。 空母打撃軍を構成すると莫大な費用が必要になる。 そのため現在、世界中で原子力空母は、米国が11隻、フランスが1隻保有するのみ。 中国が原子力空母を保有するにあたっての主な懸念事項・空母用の原子炉を作り、運用できるのか。・実用化の例がない電磁式カタパルトを実用化できるのか。・有効な艦載機を実用化できるのか。・空母打撃軍を整備できるのか。・4隻分または6隻分の空母打撃軍を装備し維持する軍事費の負担に国家財政が耐えられるか。・膨大な技術者の養成はできるのか。 少子高齢化の中国の人口は2020年からの15年間で1億人以上減少する。 年金受給人口の構成比は2035年に30%を超える。 現在と同じ様な国家運営をしていたら、人材も、財政も危機的状況になると予測される。 もちろん、中国政府、中国海軍は「財政と人材の整備はできる」と答えるのだろう。 国家財政を傾けて海軍を整備した、大日本帝国海軍を想起する。
2019年06月02日
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日本遊船は3社統合で黒字となるはずのコンテナ船事業で赤字拡大。 三菱重工、日本遊船と伝統ある三菱企業が大赤字で轡を並べるのか。 日本郵船社長に長沢仁志氏19年決算、445億円赤字2019年4月26日 共同通信 日本郵船は26日、長沢仁志副社長が社長に昇格する人事を発表した。 内藤忠顕社長は会長に就く。 6月19日付。 2019年3月期連結決算も26日発表し、純損益が445億円の赤字に転落した。 前期は201億円の黒字だった。 出資する定期コンテナ船会社の業績低迷で約310億円の特別損失を計上したことなどが響いた。 2017年7月7日、日本郵船(38%)、商船三井(31%)、川崎汽船(31%)がコンテナ船事業を統合し、新会社、オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)を発足させた。 ONE設立時点では世界第6位の規模の定期コンテナ船事業。 記者会見で、統合が進む欧州のメガキャリアとの競争に「打ち勝つ意欲」を示したと報じられた。 これは、短期・中期・長期でみて、全く現実味のない発言。 コンテナ船事業は規模のメリットがコストに活きる。 世界一のMERSKは油断なく統合をすすめており、1位と2位以下との規模の差は勝負にならないほど大きい。 コンテナをより低いコストで輸送できる超大型コンテナ船も保有している。 ONE 公式サイト 2018年4月、ONEが営業開始。 2018年10月16日、ONEの2019年3月期の連結最終損益が6億ドル(約670億円)の赤字になる見通しと公表。 ONEは3社の持ち分法適用会社なので、各々の連結決算の収支に影響を及ぼす。 4月の営業開始直後に発生したサービス混乱の影響で積み荷が想定を下回り、運賃収入が減少。 一部費用も増加し収益を圧迫した。 燃料油価格高騰に対応したコスト削減も目標額を下回る見通しとなった。 そしてさらに業績低迷。 フツーに考えれば、分かりきったことだ。
2019年05月17日
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中国、韓国、北朝鮮の脅威が増し、近年は海上、離島の安全・権益確保が重視されている。 一方少子高齢化の波は、当然海上自衛隊にも押し寄せている。 陸海空三軍の中で、海上自衛隊は志望者が最低。 海上自衛隊は「省人化」と「洋上勤務期間の短縮」の取組を強化する。 海自「省人化」推進へなり手不足深刻で効率化2019年3月19日 毎日新聞 海上自衛隊は新たな防衛計画の大綱が適用される来年度以降、省人化の取り組みを強化する。 乗員を半分程度に減らせる新型護衛艦を22隻建造するとともに、休養時間を確保するために乗員を途中で入れ替えるクルー制を導入。 無人哨戒機の導入も検討する。 背景には、警戒監視などの任務が増大する一方で、少子化で隊員募集が困難になっている状況がある。 新型護衛艦は今年度予算から取得が始まった。 船体のコンパクト化を図り、乗員は現在の護衛艦の半分程度の約100人でも運用できるようにする。 機雷を排除する掃海艇の機能も併せ持ち、駆逐艦(DD)よりも小型のフリゲート艦の頭文字を取ったFFMを略号とする。 海自は昨年度末に47隻だった護衛艦を今後10年間で54隻まで増やすが、このうち22隻をFFMにする方針だ。 海自は主にこのFFMを対象に、ヘリコプターなどを使って護衛艦の乗員を任務途中で入れ替えるクルー制を導入する。これまでは艦艇ごとに乗員が固定されており、休養のためには停泊しなければならなかった。 クルー制にすることで、乗員の洋上勤務期間を短縮し、陸上での休養日数を増やしたい考えだ。 …(略)… 軍艦を造る、入れ替えるのには長期間かかる。 現在大胆な施策を打ち出しても、完了するのは10年後。 軍艦はメカの塊なので多分野に自動化、AIの導入が行われて初めて省人化が実現する。 省人化の面で画期的な艦船が生み出される可能性もある。 省人化のメリットが大きい潜水艦では一歩先に進んでいるようだ。 海上自衛隊初の非大気依存推進(AIP)潜水艦「そうりゅう」型の乗員は65名。 電動化、電動部分を増やすことは、省人化に有利。
2019年05月13日
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世界と並んで日本のマスコミも政治かも「空母」という言葉が好きらしい。 航空機が万能ではないのと同様、空母は万能ではない。 米軍が佐世保に大型強襲揚陸艦の配備を検討しているという。 大型強襲艦で運ぶべきは戦車、歩兵などの陸兵、輜重兵など後方部隊。 足の短いヘリコプターなど。 航空機は日本海を飛び、十分な作戦行動ができる。 佐世保に大型強襲艦配備検討=「小型空母」並みF-35B重視-米海軍2019.02.03 時事通信 米海軍佐世保基地(長崎県)に最新の大型強襲揚陸艦「アメリカ」(全長約260メートル、約4万4000トン)を配備することが米軍内で検討されていることが、日米関係者への取材で分かった。 「アメリカ」は既存の強襲艦より、最新鋭ステルス戦闘機F35Bを艦載機として運用することを重視した設計になっており、配備されれば「小型空母」並みの戦力となる。 佐世保基地に現在配備中の強襲揚陸艦「ワスプ」は年内に整備のために米本土へ戻る予定で、その後継となる。 佐世保配備の艦船を指揮下に置く米第7艦隊は取材に対して「艦船の将来の配備については言えない。 ワスプは前方展開が終了すれば、計画通りノーフォーク(バージニア州)に戻る」とコメントした。 …(略)… 議会を納得させるために、海兵隊は高価なF-35Bを活躍させたいのかもしれないが、第二次朝鮮戦争で活躍すべきは、多くの日本人が忌み嫌う搭載能力の大きいV-22オスプレイ。 強襲揚陸艦の日本配備で想起されるのは朝鮮戦争の仁川上陸作戦。 950年9月15日。 朝鮮戦争を戦うに国連軍が大韓民国(韓国)のソウル西方約20キロメートル付近の仁川(インチョン)へ上陸した。 北朝鮮を追い払い、大韓民国壊滅の危機からソウルを奪還した一連の作戦・戦闘。 コードネームは「クロマイト作戦」。 仁川上陸作戦には大量のLST(戦車揚陸艦Landing ship,tank)が使用された。 仁川港は干満の差が平均6.9mと非常に大きく最大で10mになり、干潮時には港の周辺はおおよそ3.2kmの干潟となり、上陸作戦は困難を極める。 そこでその操船に、朝鮮の地理に明るい日本人水夫が2000人参加した。 情報戦も駆使した仁川上陸作戦は大成功。 そう、日本人は米軍主体の国連軍とともに北の脅威から大韓民国を守った。 LSTは、水陸両用戦の概念も明らかではない1943年6月のソロモン諸島で米軍の作戦で実戦に投入された。 その後行われたノルマンディー、硫黄島、沖縄などの多くの上陸作戦においては、欠かすことができない存在となった。 空爆や艦砲射撃では地点を制圧することはできない。 敵前上陸という過酷な任務から犠牲は多かったが、有効性も確かだった。 そして朝鮮戦争において仁川で使用され、LSTの有用性が再認識された。 LSTは進化し、エアークッション艇やその他の上陸用舟艇を用いた揚陸を主体とするドック型揚陸艦等に取って代わられつつある。 強襲揚陸艦(Amphibious assault ship)は、揚陸艦のうち輸送ヘリコプター及びエア・クッション型揚陸艇を始めとした各種上陸用舟艇を搭載・運用する能力を持つ艦。 大規模なヘリコプター運用能力と全通飛行甲板を持つ。 大半は垂直離着陸機(STOVL機)を搭載・運用することによる揚陸支援攻撃能力をも持つ。 広義にはヘリコプターのみを搭載運用し、揚陸能力をヘリコプターのみに依存しているヘリコプター揚陸艦も強襲揚陸艦と呼ぶ。 狭義には船体内にウェルドックを持ち、上陸用舟艇の搭載・発進機能とヘリコプターによる空輸上陸機能を併せ持つ軍艦のことを指す。 戦争は空母だけでなすのではない。 上陸作戦には空輸能力の限界が現在程度なら、強襲揚陸艦や上陸用舟艇は上陸策背陰に必須だ。 LST-1級戦車揚陸艦の満載時排水量は4,050トン。 タラワ級強襲揚陸艦の満載排水量は39,000トン。 強襲揚陸艦はLSTと桁違いに大きい。 海上自衛隊のドック型輸送揚陸艦(LPD)2代目おおすみ型は満載時排水量14,000トン。 これでも陸自隊員 330名、大型トラックは第1甲板に 38台、第4甲板に 27台。 90式戦車は第4甲板に 18輌収容できる。 <a href="https://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/17da4295.b770d42a.17da4296.68e9f374/?link_type=pict&ut=eyJwYWdlIjoic2hvcCIsInR5cGUiOiJwaWN0IiwiY29sIjowLCJjYXQiOiI0NCIsImJhbiI6IjQ2MDEzNSJ9" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer" style="word-wrap:break-word;" ><img src="https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hsb/17da4295.b770d42a.17da4296.68e9f374/?me_id=1&me_adv_id=460135&t=pict" border="0" style="margin:2px" alt="" title=""></a>
2019年03月07日
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水戸岡 鋭治(みとおか えいじ)氏は、1947年7月5日、岡山県岡山市生まれ、71歳。 日本のインダストリアルデザイナー、イラストレーター。 九州旅客鉄道(JR九州)の車両デザインで鉄道マニア以外にも著名になった。 岡山県立岡山工業高校卒。 大阪・ミラノのデザイン事務所に勤めた後、1972年にドーンデザイン研究所を設立。 家具や建築のデザインを中心に行う。 幼い頃のアダ名は「鈍治(ドンジ)」に因んで「ドーンデザイン研究所」とした。 1988年、福岡市の福岡地所の「ホテル海の中道」のアートディレクションを手がける。 以降、JR九州の列車・駅・広告のデザインに携わった。 最初に手がけたのは、海の中道へ向かう香椎線用のジョイフルトレイン「アクアエクスプレス」で、キハ58系気動車を改造。 1992年、787系電車「つばめ」が、ブルーリボン賞(1993年)、ブルネル賞(1994年)といった鉄道関連の賞だけでなく、グッドデザイン認定(1993年)や松下電工(現:パナソニック電工)のライティングコンテスト最優秀賞などを受賞。 国内外から高い評価を得た。 1995年、883系電車「ソニック」はロボットのような奇抜なデザインで話題となった。 2000年、885系電車「かもめ」はオール革張りシートにフローリング床の組合せで登場。 2004年、九州新幹線800系電車「つばめ」は西陣織のシート、簾、い草、さらには金箔(1000番台・2000番台)といった和のテイストを持ち込んだ内装を実現した。 JR九州は移動の手段ではなく、乗ることが目的、乗ること、体感することが喜びの鉄道をこの後も次々と実現していった。 プロフェッショナル 仕事の流儀(NHK総合テレビジョン、2011年4月4日)列車は、走るビックリ箱デザイナー・水戸岡鋭治 水戸岡氏のこだわりも凄いが、そのこだわりを受入れたJR九州も凄い。 着手した当時、成功の保証は何もなかったのだから。 北海道、四国とともに三島会社と呼ばれ収支がとれないとされたJR九州は、鉄道とその関連ビジネスで一頭地抜きん出た。 鉄道やバスのデザインの水戸岡氏とドーンデザイン研究所は、物語を紡ぐデザインを観光船にあてた。 「クイーン芦ノ湖」進水! 水戸岡デザイン新型海賊船箱根に登場 「バーサ」は引退へ2019.02.04 乗りものニュース編集部 …(略)… 「心ときめくクルーズ」をコンセプトとし、船体は湖面に映える黄金色を採用。 JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」などを手掛けたドーンデザイン研究所 代表の水戸岡鋭治さんが、内外装のデザイン設計を担当しています。 …(略)… 箱根の水戸岡デザインも体感してみたい。 主な建築物 熊本駅(1991年) ハウステンボスジェイアール全日空ホテル(1995年) 西鹿児島駅/現・鹿児島中央駅(1996年) アミュプラザ鹿児島 プレミアム館(2014年) さいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区) JR西日本大阪駅 大阪ステーションシティの広場 などなど <a href="https://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/17da4295.b770d42a.17da4296.68e9f374/?link_type=pict&ut=eyJwYWdlIjoic2hvcCIsInR5cGUiOiJwaWN0IiwiY29sIjowLCJjYXQiOiI0NCIsImJhbiI6IjQ2MDEzNSJ9" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer" style="word-wrap:break-word;" ><img src="https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hsb/17da4295.b770d42a.17da4296.68e9f374/?me_id=1&me_adv_id=460135&t=pict" border="0" style="margin:2px" alt="" title=""></a>
2019年03月06日
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ソ連海軍の時代に計画された引取手のないアドミラル・クズネツォフ級航空母艦「ヴァリャーグ」をウクライナは、本スクラップとして2,000万ドルで売却する意向を示した。 1998年、マカオの「中国系民間会社」創律集団旅遊娯楽公司が購入した。 用途は「中国本国で海上カジノとして使用する予定」とされていた。 この会社の社長、徐増平は中国人民解放軍海軍の退役軍人。 創律集団旅遊娯楽公司は、事務所も電話もないペーパーカンパニーで、カジノの営業資格もなかった。 世界を騙して個入した中国海軍関係者が不良品を売りつけられたとは、盗人猛々しい。 中国、不良品の空母売りつけられたと告白2018年04月20日 スプートニク日本 中国、ウクライナから未完成の状態で購入し、大掛かりな改修作業を経た中国初の空母「遼寧」が欠陥品だと認めた。アジアンタイムズが報じた。 中国は購入した空母を改良しようと1200を超える技術的試みを行ったが、構造的限界と「生まれ持った」欠陥から改良できる余地は限られていたという。 中国軍、新たな弾道ミサイル導入 あるテストパイロットは、空母「遼寧」に着陸する際の困難を語った。着陸のためには重さを減らすため、武器と燃料を捨てる必要がある。 発進は切り詰められた飛行甲板のおかげでかなり簡単だという。 アジアンタイムズによると、「遼寧」は米国の空母に大きく劣っており、交換が必要である。 中国初の空母「遼寧」は、1998年にウクライナから購入したソ連の未完成航空母艦「ヴァリャーグ」を基に建造された。 空母に修理作業は2005年、中国・大連の造船所で開始された。 カタパルトを持たない「遼寧」は最大離陸重量が低いことが予想された。 発艦にあたり艦の速度が重要であり機関は大出力が要求される。 中国は許可なく蒸気タービン機関の修復を試みた。 本艦の初代機関長は、当初は蒸気を発生するボイラーの圧力があまりに高く危険であったため、出航速力に必要な出力を得られなかったことを明らかにしている。 改善により問題はなくなったと公表されているが真相は不明。 着陸する際に武器を捨てるのはリスク低減のため必須。 燃料も最小限の方が好ましい。 空母用アレスティング・ワイヤーはロシアかアメリカが製造している。 ロシアから購入できなかったので自主開発しているとあり、着艦時の重量の制限が大きいのはそのためだろう。 中国人は、韓国人に次ぐ「ひとのせい」達人か。 空母・遼寧の艦載J-15戦闘機が初の夜間離着艦=それでも実戦力の獲得には遠い道―中国メディア2018年5月29日 Record china
2019年02月08日
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