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2023年10月16日
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テーマ: 軍艦(25)
カテゴリ: 船舶・navy

 自衛隊も兵站、ロジスティクスを考えて実行している。
 「補給、輸送、修理、整備」を担当する大日本帝国陸軍の「輜重輸卒」にあたる陸上自衛隊の兵科は、「施設科」「武器科」「需品科」「輸送科」。
 伊勢の神宮の式年遷宮並みの20年ぶりに補給艦を新造という。「常若」の考えでもあるのだろうか。
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海自「補給艦」20年ぶり新造のワケ 
油&貨物に車両運搬・病院も
深水千翔(海事ライター)
2023.10.03 のりものニュース
海上自衛隊が約20年ぶりに新型の補給艦を建造する予定です。外観も機能も従来の補給艦から一新されたものになるとのこと。加えて、造船所も20年前とは様変わりしており、技術の伝承という目的も含まれているようです。
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新型補給艦の1番艦は5年後の就役を予定
 防衛省は2023年8月31日に公開した2024年度概算要求で、「新型補給艦」1隻の建造費として825億円を計上しました。
 防衛省・海上自衛隊が補給艦を新造するのは、ましゅう型補給艦2番艦の「おうみ」以来、約20年ぶりのこと。これまでの国産補給艦とは異なる外観、性能を持つようです。
 同艦は、艦齢36年を数える補給艦「とわだ」の代替として取得が予定されているもので、2028年度中の就役を目指しています。基準排水量は海上自衛隊の補給艦としては最大サイズとなる1万4500トン。艦首側にブリッジを配置しており、従来の艦とは一線を画す船体デザインが外観の特徴となっています。
 海上自衛隊は現在、基準排水量8100トンのとわだ型3隻と、同1万3500トンのましゅう型2隻、計5隻の補給艦を運用中です。全艦が護衛艦隊隷下の第1海上補給隊に所属しており、呉、横須賀、舞鶴、佐世保の各基地に1隻ないし2隻が配備されています。
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 補給艦はその名の通り艦艇部隊への補給を主な任務としており、護衛艦など補給相手の艦と並走しながら蛇管(ホース)や「ハイライン」と呼ばれる洋上移送装置を使用して、燃料や物資を洋上補給できるだけの性能を持っています。そのため艦内には艦艇燃料や航空燃料、各種弾薬、食料、真水など艦隊行動に必要なさまざまな物品を積載可能なスペースが用意されています。
 さらに近年は、護衛艦の大型化・高性能化に加えて災害派遣や国際緊急援助活動、PKO(国連平和維持活動)、在外邦人輸送などといった多種多様な任務への対応が求められています。そのため比較的新しいましゅう型は、船体を大型化しつつ、ガスタービンエンジンを採用して機動性を向上。加えて艦内には、手術室や集中治療室、入院設備といった充実した医療区画を備えていました。
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補給艦の設計・建造ノウハウが途切れる前に
 一方、1987年から1990年にかけて3隻が建造されたとわだ型は、前述したように船体規模も8100トンと小さく、拡張性に限界があるうえ老朽化も進んでいることから、代替艦が必要だと判断されました。
 艦隊随伴能力を推し測るうえで重要な速力も、ましゅう型と比べて2ノット遅い最大22ノット(40.74km/h)で、またディーゼル・エンジンのため、ガスタービン搭載艦よりも加速性が劣るという欠点も有していました。
 また、補給艦の新造自体も「おうみ」が就役してから約18年もの月日が経っており、設計・建造のノウハウを継承するためにも、新型補給艦の整備が必要でした。
 こうした背景もあり2022年12月に策定された防衛力整備計画で「洋上における後方支援能力強化のため」補給艦の増勢が明記され、防衛省は2024年度予算で1万4500トン型補給艦1隻の建造を要求したのです。
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 新型補給艦は、アメリカ海軍のサプライ級高速戦闘支援艦のように、艦首側に艦橋構造物を配置し、艦尾側に煙突とヘリコプター格納庫、飛行甲板らしきものが置かれているようです。船体中央にはポール型の補給ステーションが確認できます。
 補給能力に関しても、燃料タンクの容量を増やすなどして強化を図っているほか、省人化の一環として艦内の貨物移送装置を自動化するとか。ましゅう型のように医療区画を広くとっている可能性もおおいにあるでしょう。
 さらに、これまでの補給艦と大きく異なる点として、車両の積載・運搬機能を持っている点も特徴です。船体にはRORO船のようにサイドランプが装備されます。これらにより、トラックやシャシーに搭載されたコンテナをそのまま艦内へ積み込めるようにすることで、より効率的に物資の搬入・搬出を実施できるようにしていると推察できます。
 このため、新型補給艦は艦艇に対する燃料・物資の補給だけでなく、南西諸島を始めとした遠隔地で有事があった際、迅速に車両を展開する必要があるような場面でも活用されると思われます。また、大規模災害時は陸上自衛隊の衛生科が装備する「野外手術システム」の輸送や給水車に対する真水の補給拠点としても使用できるとみられます。
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日本版「空母打撃群」の随伴艦となるか
 肝心の建造ヤードについては、2023年9月現在、日本で自衛隊向け艦艇の新造能力を持つ企業は三菱重工業、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)、川崎重工業の3社のみ。このうち、川崎重工業は潜水艦の建造のみに特化しているため、水上艦の建造を手掛けるのは前2社のみという状況です。
 補給艦については、かつて三井造船玉野事業所(現・三菱重工マリタイムシステムズ玉野本社工場)が「ましゅう」を、ユニバーサル造船(現・JMU)舞鶴事業所が「おうみ」を建造した実績があるため、三菱重工もJMUも受注する可能性があります。
 なお、とわだ型補給艦は3隻すべてが置き換えられると思われるほか、防衛力整備計画では補給艦の増勢も掲げられているため、ひょっとしたら4番艦が建造されるかもしれません。
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 昨今、海上自衛隊ではヘリコプター搭載護衛艦である「いずも」「かが」の事実上の空母改装が進められています。この2隻の改装が終わり、艦載機として航空自衛隊にF-35Bが配備された暁には、汎用護衛艦や対空ミサイル搭載護衛艦(イージス艦)などとともに「日本版空母打撃群」が編成されると思われます。そのとき、同艦船群に随伴する補給艦となるのが、この新型補給艦であることは間違いないでしょう。
  ー  引用終わり  ー
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最終更新日  2023年10月16日 06時00分12秒
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