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世界的な電動化の流れの中、次世代バッテリーの開発・実用化が急がれている。 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2018年6月15日、電気自動車(EV)向けの次世代蓄電池として注目される全固体リチウムイオン電池の開発を産学連携で始めると発表した。 参画企業は自動車メーカー4社、電池メーカー5社、材料メーカー14社の計23社。 自動車メーカーからはトヨタ自動車、日産自動車、本田技術研究所、ヤマハ発動機が参画。 パナソニック、東レ、旭化成、三菱ケミカルなどの主要メーカーや15の大学・研究機関も参画してオールジャパンでEV用全固体電池の早期実用化と量産技術の確立を目指し、世界市場で主導権獲得を狙う。 2020年6月23日、FDKはSMD対応小型全固体電池の年内量産開始を決定した。 IoT機器やウェアラブル機器などの半導体関連製品や、電解液を使用した電池はで適用困難な環境下など高耐久性が求められるアプリケーションで使用できる。 量産開始第一弾として4.5x3.2x1.6mm, 3V, 0.5mAhなど量産仕様を決定。 20年度中に月30万個規模の生産体制を整備し、22年度に月200万個を計画している。 2020年10月15日、村田製作所がこちらもEV用ではないが全固体電池の量産開始を発表。 村田製作所は全固体電池を2020年度中に量産へ、リチウムイオン電池も高出力化2020年10月19日 [朴尚洙,MONOist] 村田製作所は2020年10月15日、オンラインで会見を開き、オンライン展示会「CEATEC 2020 ONLINE」(2020年10月20~23日)に出展する電池関連製品について説明した。 注目を集めている全固体電池は開発が順調に進んでおり、2020年度中(2021年3月まで)の量産開始という当初計画に変更はない。 また、円筒型リチウムイオン電池については、50~60Aの大電流出力が可能な製品を開発しており2022年4月に投入する計画である。 ― 引用終り ― 安定性が高く、高エネルギー密度、大出力、低コストが要求されるEV向けの全固体電池の課題について、オートモーティブワールドで、トヨタ先端材料技術部チーフプロフェッショナルエンジニア中西真二氏が語っている。 トヨタが「全固体電池」の開発状況を明らかに、量産化への課題は…オートモーティブワールド20202020年1月16日 Response オートモーティブワールドの専門セッションにおいて、トヨタ先端材料技術部チーフプロフェッショナルエンジニア中西真二氏による、全固体電池の現状と課題に関する講演が行われた。 …(略)… 東工大とトヨタは、全固体電池の研究開発の中で、2011年にLGPSと呼ばれるリチウム、ゲルマニウム、リン、硫黄によるセラミックス素材を発見している。 LGPSは従来の液体の有機電解質と同等なイオン伝導率を示した。 LGPSの発見は、全固体電池の実用化が一歩進めた。 その後、東工大とトヨタは、LGPSをベースにゲルマニウムの代わりにシリコンを使いさらに塩素を追加した新しいLGPS系無機電解質(Li9.54Si1.74P1.44S11.7Cl0.3)を発見した。 新しい素材で作った全固体電池は、従来型のリチウムイオン電池より3倍の電流が流れることが確認できた。 さらに-30度、100度でも安定して充放電ができることも確認された。 氷点下の低温や水の沸点でも動作するのも電解質が固体であることのメリットだ。 全固体電池の基礎技術は第2段階に入ったが、実用化には量産など製造技術の問題もある。 ひとつは、固体の電解質をどのように重ねて電池の形にするかという問題だ。 実験用にコイン型、円筒形に作るのはそれほど難しいものではない。 しかし、EVのような大容量、大出力にするには、セルを何枚も集積したモジュールを作らなければならない。 筒に入れるなら正極、負極、電解質をパウダー状にすればいいのだが、集積化を含めた量産を可能にするには別の方法が必要だった。 トヨタでは、電解質の粉を液体とのり(バインダー)を混ぜる湿式コーティング技術を開発した。 これにより、電解質の層を大幅に薄くすることができ、角形のセルのプロトタイプを完成させている。 全固体電池はまだ研究開発段階だが、生産技術もある程度同時に進められている。 実用化、本当の量産化にはまだハードルはあると中西氏はいうが、開発は着実に進められている。 ― 引用終り ― テスラを含め世界中のどの自動車メーカーも、次世代バッテリー量産開始の宣言は発されていない。 次世代バッテリー戦争は2020年が佳境。 実用化されて初めて、内燃機関の代替ではない真のEV普及拡大が始まる。
2020年11月06日
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2020年10月21日、プレミアムミッドサイズステーションワゴン「V60」、およびプレミアムエステート「V90」、クロスオーバー「V90クロスカントリー」の装備を一部変更するとともに、パワートレインに48Vハイブリッドを導入することで全車電動化を図ったことを発表・発売した。 ボルボの乗用車部門ボルボ・カーズは、2010年、米国・フォードの傘下から中国・浙江吉利控股集団の傘下となった。 「ボルボ設計の基本は常に安全でなければならない」という基本理念を引き継いでいる。 本社はスウェーデンのイエーテボリ。 中国を中心に世界各地で現地生産を強化している。 中国工場 2013年:中正汽車製造(ZAMC) 成都 2014年:大慶・ボルボ・カー製(DVCM) 大慶 2016年:浙江吉利製造 路橋 2017年、インドのバンガロールに2018年、米国サウスカロライナ州チャールストンに製造拠点を設けている。 欧州、中国をメインターゲットとするメーカーらしく、この度日本で販売するV60とV90を全車電動化した。 V60は、2018年2月にフルモデルチェンジされたステーションワゴン。 V90は、2017年2月にフルモデルチェンジされたステーションワゴンでV70の後継車。 ボルボ「V60」「V90」が全車電動化に!48Vマイルドハイブリッドを導入 VAGUE編集部2020.10.22 くるまのニュース …(略)…新車一般保証も従来の3年から5年走行距離無制限に延長 ボルボ・カー・ジャパンは2020年10月21日、プレミアムミッドサイズステーションワゴン「V60」、およびプレミアムエステート「V90」、クロスオーバー「V90クロスカントリー」の装備を一部変更するとともに、パワートレインに48Vハイブリッドを導入することで全車電動化を図ったことを発表、同日に発売した。 V60はパワートレインを一新。 従来の「T5」に代わり新たに48Vハイブリッドモデル「B5」を採用し、エントリーパワートレインとして「B4」を追加した。 またプラグインハイブリッドモデル「リチャージ プラグインハイブリッドT6」を設定したことにより、V60はすべて電動化された。 B4・B5には、ISGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール)による回生ブレーキで発電した電力を48Vリチウムイオンバッテリーに蓄電し、エンジン始動や動力補助をおこなうハイブリッドシステムを搭載する。 また新世代パワートレインDrive-Eの第3世代となる2リッター直列4気筒ガソリンエンジンを搭載している。 リチャージ プラグインハイブリッドT6 AWDは、253ps・350Nmを発生するスーパーチャージャー付き2リッター直列4気筒ターボエンジンと、240Nmを発生する電気モーターをリアに配置する4WDモデル。 EV走行のみによる航続可能距離は48.2kmとなっている。 V60にはエントリーグレードとして「B4モメンタム」を設定。499万円という価格を実現している。 …(略)… V90には従来のパワートレイン「D4」「T5」「T6」に代えて新たに48Vハイブリッドモデル「B5」「B6」と、プラグインハイブリッドモデル「リチャージ プラグインハイブリッドT8」を設定した。 B5パワートレインはISGMによる回生ブレーキで発電した電力を48Vリチウムイオンバッテリーに蓄電、エンジン始動や動力補助をおこなうハイブリッドシステムを搭載している。 B6パワートレインは、B5をベースに、ターボチャージャーに加えて電動スーパーチャージャーを装着することで、300ps・420Nmを発生する高性能パワートレインだ。 リチャージ プラグインハイブリッドT8は、318ps・400Nmを発生するスーパーチャージャー付き2リッター直列4気筒ターボエンジンと、87ps・240Nmを発生する電気モーターをリアに配置している。 EV走行可能な距離は42.1kmとなる。 ― 引用終り ―
2020年11月04日
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商用車のEV化計画が続々と発表されている。 各国政府などによる炭酸ガス排出規制措置や事業系ユーザーのニーズに追い立てられるようにして、実用化がすすめられている。 日本の商用車EV化の主な動き●日本郵便 2019年11月13日、郵便物や荷物の配送時に使用する新デザインのEV(電気自動車)を公開。 車両は三菱自動車工業の「ミニキャブ・ミーブ バン」で、2020年度末までに東京都を中心とした近距離エリアに1200台導入すると発表。 2020年1月17日、新宿郵便局で郵便配達業務用電動二輪車の運用を開始。 日本郵便と本田技研は電動二輪車の実証実験を続けていた。 運用される車両は、法人用電動二輪車車「BENLY e:(ベンリィ イー)」の郵政仕様車。 原付一種の「BENLY e:I」と原付二種の「BENLY e:II」。 ●ヤマト運輸株式会社 2019年11月19日、ヤマト運輸株式会社は、宅配に特化した日本初の小型商用EVトラックをドイツポストDHLグループ傘下のストリートスクーターと共同開発し、2020年1月から首都圏に順次500台を導入する計画を発表。 2020年2月から、いすゞ自動車株式会社とEVウォークスルートラックの実証実験を開始。 ●佐川急急便 佐川急便とASFは2020年6月1日、小型電気自動車の共同開発および実証実験を開始すると発表。 佐川急便株式会社ニュースリリース【佐川急便】 小型電気自動車の共同開発を開始する 基本合意の締結について(2020/06/16) ユーザーの活発なEV開発・導入の動きに追われた形で、日野自動車が商用EV開発促進のため、中国のEVメーカーと商用EV開発の新会社設立に向けて合弁契約を締結したと発表。 日野は小型EVバスと小型低床EVトラックの投入予定を発表している。 大型バスはFCEV(燃料電池)。 ラインナップ上開発する必要性があるのは、中・大型トラックとBEV(バッテリー)バスとなる。 日野と中国BYD 中国国内に商用EVの新会社設立 日野ブランド車を市場投入へ2020.10.22 乗りものニュース 日野自動車は2020年10月21日(水)、中国の深センに拠点を置くEV(電気自動車)メーカーのBYDと、商用EV開発の新会社設立に向けて合弁契約を締結したと発表しました。 新会社は2021年に中国国内での設立を予定しており、BYDと日野がそれぞれ50%ずつ出資。 商用EVおよび電動ユニットの開発を行い、主にアジア市場へ展開する構えです。 まずは、2020年代前半に日野ブランド車の市場投入を計画しているといいます。 ― 引用終り ― ●BYD BYD(比亜迪股份有限公司)は、中国のEVのトップメーカー。 2008年12月15日、世界初の量産型プラグインハイブリッドカー「BYD F3DM」を発売した。 メカ二ズムの独自開発がBYDの特徴だが、外観は既存自動車メーカーのパクリがよく話題となった。パクリ根性が逆にすごい…中国車メーカーのデザイン盗用車8選!2017年04月21日 MOBY 日本法人のビーワイディージャパン株式会社は、EVバス、EVフォークリフトなどを販売している。 ●三菱ふそう 規制の厳しいEUのダイムラー・グループ傘下の三菱ふそうトラック・バスは2039年までに全ての新型バス・トラックを電動化し、CO2を排出しない車両にすると、2020年3月26日発表。
2020年10月26日
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2019年10月23日、東京モーターショーにてマツダは初の量産EVを発表する。 2020年に発売を目指すそのEVは、発電を担うロータリーエンジン(RE)レンジエクステンダーの搭載も予定されていると報道されていた。 2012年に生産終了したRX-8以来のRE搭載車だ。 2020年10月現在、RE市販の兆しはない。 ロータリーエンジンは低速域や加速時の燃費は悪い。 最適の回転域で定常回転すればレシプロエンジンと比べて燃費は遜色がないという。 回転運動という以外原理は異なるが、ガスタービンエンジンと同様に、大きな回転数変動時は効率が低下する。 ON、OFFは別として、走行速度に関係なく一定の回転数をキープするレンジエクステンダーのような使い方であれば、燃費はさほど問題にならないとされる。 世界中で段階的に強化される環境性能に適合し、省燃費性能(低炭素)も上げつつ、重量や体積の点で高効率なREにするには、SKYACTIV-Xのような点火方式、燃焼方式の技術革新や表面処理などによる低抵抗化、素材の革新による軽量化などの総合的な磨き上げが必要だ。 東京モーターショー2019で発表されたマイルドハイブリッドの「MX-30」が2020年10月8日発表された。 最大の特徴はRE搭載ではなく、前後のドアが「観音開き」であることだった。 【マツダ MX-30】気になるポイント…価格、EV、ロータリーレンジエクステンダー、ターゲット …(略)… MX-30は、その中で電動化技術のベースとなるモデルとして開発された。 欧州ではニーズが高まるEVからの投入としたが、国内は電動化モデルの普及を考えて、多くの消費者が選択しやすいガソリンエンジン(SKYAVTIV-G)のマイルドハイブリッドエンジンとしたという。 おそらく、EV指向の低い日本市場を考慮しての判断と思われる。 ストロングハイブリッドにしなかったのは、車両コストが上がるという点が影響しているのだろう。 マイルドハイブリッドは欧州メーカーに採用が多い。 ディーゼルが環境性能戦略を担っていた欧州は、複雑で高価で、開発着手も遅れたストロングハイブリッドをパスして、一気にEVにシフトする戦略が如実になってきている。 投資をするならBEVであり、ハイブリッドはCAFE規制対応期間のつなぎとするわけだ。 SKYACTIVエンジンがあるマツダも、いまからストロングハイブリッドに注力するより、ロータリーレンジエクステンダー(シリーズハイブリッドの系列)やBEVを実用化させたほうが長期的な投資効果が期待できる。 今回の発表でも、MX-30開発主査である竹内都美子氏は、ロータリーエンジンによるレンジエクステンダー車両の開発は継続中で、しかるべきタイミングには発表すると述べている。 ― 引用終り ― 自動車に内燃機関を搭載すること自体が困難になりつつあるような世界情勢だが、マツダの秘宝となりつつあるREが、珍奇なメカとして伝説、化石にならないよう、マツダの技術陣に健闘を期待する。
2020年10月17日
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2020年9月3日、自動車業界のボッチと思われているホンダが米ゼネラルモーターズ(GM)との「北米での戦略的アライアンスに向けて合意」したと発表。 GMとホンダの提携は、2013年に燃料電池自動車(FCEV)について燃料電池システムと水素貯蔵システムの共同開発以来のビッグニュース。 かつてGMの担当者は「ホンダとのつながりができたことは神の思し召しだ」と語った。なぜGMとホンダだったのか? GMとホンダの提携は「リスク分散」だ [ホンダとGM提携の舞台裏]牧野 茂雄2020/09/14 Motor-Fan.jp …(略)… GMとホンダがFCEV分野での協業を発表したのは2013年。 じつはそれまでの間、両者のR&D現場は交流を持ち、それがだんだんと密になっていた。 FCEV関連で両社が所有する特許は合計で約1200件。この数は2013年当時群を抜いていた。 水素は将来的には非常に有望だ。 しかし、いまは利益にはならない。 とはいえ、やめるわけにはいかないし他社へのリードは保っていたい。 GMとホンダがそれぞれそう考えれば、FCEVでの協業という線は自然と出てくる。 そして2013年の協業発表以降も、2017年にはFCEV基幹部品の共同生産を発表し、着実に知見の共有が進んでいることを窺わせた。 同時に信頼の絆も深まっているはずだ。 信頼関係なくして、このようなプロジェクトは成立し得ない。 2018年には自動運転分野で両社は提携した。 GMが設立した子会社にホンダが出資し、知財を共有する体制になった。 同時にBEV用2次電池の共同開発も発表した。 自動運転についてこのころ、「レベル3は相当に難しい」と言われるようになっていた。 システムが対応できなくなったとき人間に操作を代わってもらうのがレベル3だが、ひょっとしたらこれは不可能ではないかとも言われている。 ホンダとGMはこの分野でも開発時間とコストをシェアすることにした。 同様に、BEVの次世代電池も共有する決断を下した。 2020年4月、GMとホンダはBEVでの協業を発表した。あくまで「北米市場だけ」とは言うものの、GMと共同開発したBEVをGMの工場で生産してもらい、ホンダもそれをもらう。 電池だけでなく車両全体での協業だ。 ― 引用終り ― 今回の協業は、2020年4月に発表された「GMの新型バッテリー『アルティウム』を採用した、ホンダ向け次世代電気自動車(EV)の共同開発」に続くものとみてよいだろう。 4月の合意は、「GMが開発するEVプラットフォームに、ホンダ独自の内外装を載せたモデルを、GMで生産してホンダ車として売る」というもの。 9月の合意は、「エンジン、ハイブリッドシステム、プラットフォームを両社で共用する」計画。 量産車は地域ごとの好みを反映しながら、世界市場で販売する前提のコストをもとに、各ブランドの特徴・特性を出すべく企画、開発、製造される。 米国での販売の比率が大きいホンダがGMと提携するのは、「意外」ではなく「自然」な流れに見受けられる。 資本提携や経営統合が自社のメリットにならないことを知っている両者は、協業を選択した。日産を見捨て、GMを選んだホンダが「正しい」理由2020年10月07日 Newsweek
2020年10月14日
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中国でEV生産体制の強化をはかっているのは、テスラやドイツ系企業ばかりではない。 EVの生産にあたっては、車体製造工場とともに、バッテリーの供給体制確立がセット。 2020年6月発売のトヨタRAV4 PHVは、1カ月足らずでオーダーストップ状態が続継続。 2020年8月に発表されたホンダe(国内販売計画年間1000台)もあっという間にオーダーストップ。 真相はリチウムイオン電池の供給能力不足のため、作りたくとも作れないためとされる。 ホンダの国内の生産拠点は埼玉・寄居工場。 寄居はEVの世界生産のマザー工場という位置づけ。 台数の観点でメインの生産拠点は中国の合弁会社。 2018年、広汽本田汽車(広汽ホンダ)で、中国国向けの初の量産EV「理念 VE-1」の生産を開始。 2019年4月、東風ホンダの新設する第3工場で量産EVの生産を開始。 2020年7月、ホンダは中国・CATL(寧德時代新能源科技股份有限公司)と新エネルギー車用バッテリーに関する包括的なアライアンス契約を締結したと発表。 2022年を目途に、CATLはホンダの中国生産モデルへバッテリー供給を開始の予定。 トヨタは、2019年2月、中国・天津市に電気自動車(EV、HEV)などの新エネルギ車(NEV)を生産する工場を建設する方向で調整に入った。 現地の合弁会社とあわせた投資額は約1300億円規模を見込む。 生産能力は20万台/年規模。 EV用の車載電池はトヨタとパナソニック合弁会社で製造する。 マツダは2020年5月19日、宇品第1工場(広島県広島市南区)でマツダブランド初の量産EV「MX-30」の生産を開始。 2020年8月13日、トヨタとマツダとで米国アラバマ州に建設中の合弁生産工場に8億3000万ドルを追加投資すると発表した。 現地生産の強化で、国内はEV生産の余力が生じる。 マツダは生産だけでなく、EVの技術開発で連携強化するとみられている。 EVでの先行をアピールしていた日産自動車は、2020年に330億円を投じて栃木工場の生産ラインを刷新。 EV専用生産ラインではなくガソリン車、HEV社との混流ライン。 カルロス・ゴーン元CEOがすすめたEVの急速な普及拡大路線ではなく、ガソリン車やHEVとの共存が続くシナリオを選択した。 2023年度までに投入予定の軽自動車規格のEVは、既存の三菱自動車・水島製作所(岡山県)で生産すると決定した。 EV用バッテリーについては、元は日産自動車の子会社で、現在は中国の再生可能エネルギー関連企業「エンビジョン・グループ」の傘下にある「AESC(オートモーティブ・エナジー・サプライ)」が、中国に初めての自社工場を建設すると、2019年4月に報じられた。 年間20GWhの蓄電池が生産され、従来の同社生産量が3倍となる。 AESCは次世代電池の開発パートナーだった。 スバルは2020年1月20日に開催した技術ミーティングで「30年までに、全世界の新車販売台数の40%以上を、EV(電気自動車)やハイブリッド車」とし、30年代の前半には「生産・販売するすべてのスバル車に電動技術を搭載する」と明らかにした。 トヨタとの提携があるとはいえ、EVに関して周回遅れ感はいなめない。 近い将来の自動車をEVに絞ったドイツ・フォルクスワーゲン(VW)は、ドイツ、中国、米国にEV専用工場を用意することを決めた。 また、生産のカギとなるEV用バッテリーの自社生産に乗り出した。 2020年5月28日、中国でリチウムイオン電池3位の国軒高科(Guoxuan Hi-Tech、以下国軒)の発行株式26.47%を11億ユーロで取得。 EV用車載バッテリーの協業化で、世界で急速にすすめられるEV化でバッテリーの不足に備える。
2020年10月05日
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2020年9月23日、米国・ニューサムカリフォルニア州知事は「2035年までに州内で販売されるすべての新車乗用車をZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)にすることを義務付ける」と語った。 カリフォルニア州大気資源局に対し、具体的な規制づくりを行なうよう指示した 9月26日、コロナ禍で予定より5か月遅れて中国・北京モーターショーが開幕。 新型コロナの感染拡大後の世界で開催される今年唯一の主要モーターショー。 北京モーターショー、主戦場はEVホンダはコンセプトカー初公開2020年09月26日 JIJI.COM …(略)… 中国政府が普及を後押しするEVやプラグインハイブリッド車(PHV)など「新エネルギー車(NEV)」の販売台数は、7月に13カ月ぶりに前年を上回ると、8月には前年同月比26%増の11万台に伸びが加速。 政府は新車販売に占めるNEVの比率を現在の約5%から、2025年には25%前後まで高める野心的目標を掲げ、補助金などの優遇策で支援する。 中国企業が中心だったEV場は、昨年秋に現地生産を始めた米テスラが急速にシェアを拡大するなど、外国企業も交えた競争が激化。体力の弱い国内新興メーカーの中には経営難に陥るケースも出ている。 こうした中、日本勢もEV強化を鮮明にする。ホンダは量産を見据えたSUVのコンセプトカー「eコンセプト」を披露。 井上勝史中国本部長は「現地開発力を結集し、質とスピードにこだわって開発を進めている」と強調、近い将来に中国市場へ投入する方針を示した。 日産は来年の中国発売を計画しているSUV「アリア」を出展。 トヨタ自動車は自動運転機能を搭載した商用車「eパレット」を紹介した。 ― 引用終り ― 2020年5月29日、フォルクスワーゲングループ(Volkswagen Group)は、eモビリティを推進する目的で、中国・安徽江淮汽車(JAC)との合弁会社、JACフォルクスワーゲンへの出資比率を、50%から75%に引き上げると発表した。 フォルクスワーゲングループとJACは2017年に合弁契約を締結し、EVを共同開発・生産するJACフォルクスワーゲンを設立した。 フォルクスワーゲングループは中国において、第一汽車(FAW)と上海汽車(SAIC)に続いて、JACとも協力し、電動車攻勢に乗り出している。 フォルクスワーゲングループは、リチウムイオンバッテリーを手がけるGotion High-Tech(国軒高科)の株式26%も取得する。 2019年7月23日、ドイツ・ダイムラー、中国・北京汽車(BAIC)グループがダイムラーの株式の5%を取得した、と発表した。 ダイムラーと北京汽車は2003年に提携を開始。 2005年8月、中国合弁会社の北京ベンツ汽車を設立。 2018年、中国合弁パートナーの北京汽車グループの子会社、北京新能源汽車(BJEV)に出資し、株式の3.93%を取得すると発表。 2020年7月23日、ダイムラーは、2020年第2四半期(4~6月)の世界新車販売が54万1800台、前年同期比は34%減と発表した。 次にくるのは世界最大の新車市場である中国のEV生産工場建設の発表であろうか。 2019年1月18日、BMWグループ(BMW Group)は、合弁パートナーの中国華晨汽車との合弁会社、BMWブリリアンスへの出資比率を75%に引き上げることが承認された、と発表した。 BMWブリリアンスは2003年設立。 2019年現在、中国に2工場を持ち、『3シリーズ』、『5シリーズ』、『1シリーズ』、『X3』などを現地生産している。 BMWグループと中国華晨汽車は、BMWブリリアンスの合弁契約を2040年まで延長した、今後数年間で、瀋陽市の新工場建設などに30億ユーロ以上の投資を行う。 瀋陽工場の生産能力を増強し、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)などの新エネルギー車(NEV)を含む新型モデルの現地生産を、継続的に拡大することを目指す。
2020年10月01日
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いまやガソリン自動車でさえ電気(電子制御)なしではちゃんと動かない。 EV時代になれば電気の重要性はさらに高まる。 中米欧(EU)日では自動車メーカーごとに「1年間に販売したモデルの燃費を計算」し、その1台平均が規制値を満たせなかったメーカーには罰金が課せられるCAFE(企業別平均燃費)規制が敷かれている。 EUでは、調査会社JATOの2018年の販売データに基づく試算で、VWの罰金は1兆1028億円、ダイムラー3612億円、トヨタ660億円に達した。 制度は既に始まっており、2020年の販売実績をベースに計算し、21年に罰金の支払い義務が発生する。 EUで大したシェアが無いホンダが、Honda-eの販売目標を欧州1万台、日本千台とする由縁だ。 2020年6月に発売のトヨタRAV4 PHVは、1カ月足らずでオーダー停止。 2020年8月に日本で正式発表されたホンダ初の量産EVのホンダeもあっという間にオーダー停止。 電池の生産量の問題ではなく、EUでの販売拡大優先の経営判断。 2020年9月23日、米国最大の新車市場であるカリフォルニア州政府は、州内でのガソリン車とディーゼル車の新車販売を2035年までに禁止する方針を表明した。 過去最大規模の山火事の要因とされる地球温暖化への対策強化をはかる。 現行の自動車各社のEVはバッテリーに蓄電するBEVが主流。 BEVはバッテリーの価格、重量、蓄電容量の問題の他、充電時間、充電方法の課題を抱えている。 ワイヤレス給電は充電方法の課題解消法であるとともに、搭載するバッテリーの課題の改善ともなりうる技術。 ワイヤレス給電とは?原理やメリットを紹介2019.03.25 Technology Geeks …(略)… ワイヤレス給電技術の始まりは、1831年にファラデーにより発表された電磁誘導の原理が元になっています。 1899年には、ニコラ・テスラによって雷発生装置を使った電球点灯実験が成功。 20世紀初頭には、テスラが考案したテスラコイルを用いて“世界システム”と呼ばれる電力を送るという壮大な構想があったものの、失敗に終わりました。 その後も色々な研究が続けられていましたが、目覚ましい進展を見せてはいませんでした。 しかし2007年、マサチューセッツ工科大学の研究者が、磁界の共鳴という現象を利用したワイヤレス給電技術を発表。 ワイヤレス給電技術は、世界中から一躍注目を集めることとなりました。 最近ではスマートフォンをはじめとした、一般消費者用のエレクトロニクス機器や電気自動車といった身近なものだけでなく、医療機器、産業機器などでの利用に向けた開発が進められ、実用化も行われています。 通信分野では有線からBluetooth®、Wi-fiなどのワイヤレスに置き換わりましたが、これと同じことが電力伝送分野でも起こり、今後はワイヤレス給電技術が生活基盤を支えるインフラとなっていくかもしれません。 ― 引用終り ― 2019年2月、総務省は「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム作業班」を設置した。 工場内で利用されるセンサー機器への給電などにおける空間伝送型WPTシステムの技術的条件について審議が主題。 2020年7月、周波数帯や空中線電力などの技術的要件について、情報通信審議会から受けた一部答申の内容を公表した。 2020年9月、「ワイヤレス給電」に使うアンテナの性能を高める技術が開発された。 ワイヤレス給電、実用化へ前進ノーベル賞の天野・名大教授ら2020/9/23 日本経済新聞 ノーベル物理学賞を受賞した天野浩・名古屋大学教授らはマイクロ波を飛ばして離れた場所の電子機器を充電する「ワイヤレス給電」に使うアンテナの性能を高める技術を開発した。 アンテナが受け取る電力が3倍になった。電力の変換ロスも大幅に抑えた。実用化へ大きな前進となる。 すべてのモノがインターネットにつながるIoTを実現するため、工場などに設置するセンサーはますます増える。 センサーへの電力供給が問題となるなか、電極を数センチメートルほど離しても充電ができる「電界結合方式」などとは違い、マイクロ波を使って10メートル以上先に電気を送る方法に期待が集まる。 ― 引用終り ―
2020年09月29日
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マスコミで話題、高評価の電気自動車、Honda e 。 日本では、価格の高さ、航続距離の制約、充電インフラ不足、充電時間の長さなどから電気自動車の普及がそれほど進んでいない。 欧州市場向けとされる Honda e が日本のモータージャーナリズムで高評価を得ている理由がよく分からなかったが、欧州仕様のジャーナリスト向けの発表の記事があった。 ホンダ初の量産電気自動車がいよいよ発売!まもなく正式発表!後輪駆動採用のEV「Honda e」を徹底解説渡辺陽一郎2020.8.18 価格.comマガジン 記事から特徴点を抜き書き。 寿命を左右する電池の冷却方式や出力配分には何も工夫が無かったのだろうか? EVでは重要な点と考えられるが記載がなかった。 内燃機関モータージャーナリストの限界か。 ・後輪駆動・ホンダ初の量産型コンパクト5ドアハッチバック・欧州仕様の全長×全幅×全高は 3,894×1,752×1,512mm。 ホイールベース 2,538mm・サイドミラーは「サイドカメラミラーシステム」 車内に「サイドカメラミラーシステム」の6インチ液晶モニターが、インパネ左右1基ずつ装備・上級グレードに「センターカメラミラーシステム」装備・サイドミラーの両端で測る実質的な車幅は、5ナンバー車と同等・ボディに内蔵「アウタードアハンドル」は、キーを持って近づくと自動でポップアップ キーシリンダーは外見上存在しない・駆動用モーターは、最高出力が113kW(154PS)、最大トルクは315Nm(32.1kg-m)・駆動用電池容量は35.5kWh・航続可能距離はWLTCモード走行で283km、JC08モードで308km・充電口は、ボンネットのフロント中央 急速充電ポートと普通充電ポートを備える・モーターは車体後部に搭載し後輪駆動・最小回転半径は4.3m ・駆動用電池(316kg)を前後輪の間の床下に搭載・前後の重量配分は50:50・サスペンションは前後ともストラットの4輪独立懸架・タイヤは16インチがヨコハマ「BluEarth-A」(185/60R16)、17インチがミシュラン「PILOT SPORT 4」(205/45ZR17)・インパネは5つの液晶画面 左右の液晶画面は「サイドカメラミラーシステム」 運転席正面の画面は「メータースクリーン」 助手席前の2つの液晶画面は「ワイドスクリーン Honda CONNECTディスプレイ」 ナビ、音楽、音声アシスタントや各種設定、専用アプリなどを表示可能・ステアリングホイールは2本スポーク・運転席の木目調パネルは落ち着いた雰囲気のもの・シート表皮の素材は、少しザラザラしたメランジ調のファブリック 座り心地は体が少し沈んだ部分でしっかりと支えてくれる 背もたれや座面のサイズに余裕がある・後席の足元空間は狭め・床と座面の間隔も不足気味・衝突被害軽減ブレーキはさらに進化・上級グレードにホンダパーキングパイロット、センターカメラシステム、100V・1500Wの電源コンセントなどを装備 記事に航続距離が短い言い訳が以下のように書いてあった。「エコロジーを優先させる電気自動車本来の世界観には合わないだろう。 電気自動車本来の世界観は、遠方に出かけるときにはひとり当たりのエネルギー消費量が大幅に少ない、公共交通機関を使うというものだ。 そして、日常的な買い物など公共交通機関を利用しにくい地域内の短距離移動に、個人所有の電気自動車を使う。 自宅から駅までは電気自動車で移動し、駐車場に入れてから先の長距離は電車で移動するパーク&ライドなどもそのひとつだ。 この世界観に基づけば、電気自動車はコンパクトで小回りの利く運転しやすいクルマが好ましい。 その意味で、Honda eは電気自動車の本質を押さえている。」 現在の蓄電池で長い航続距離を実現できなかった言い訳、開発者の屁理屈にだまされてはいけない。 ヒトはより便利、快適な輸送手段を選択する。 この屁理屈の延長線上には、自転車と公共交通機関という選択が見えてくる。 コロナ禍でパーソナル・モビリティの要求はますます高まっている。 航続距離の延長には、全固体電池の実用化などの技術のブレイクスルーが待たれる。
2020年08月31日
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GMは米国の自動車メーカーにしては珍しくEVの将来性にかけていた。 シボレー・ボルト(Bolt) EVは、2016年に発表された。 ガソリン車の燃料タンクと同じ位置にバッテリーを設けることでガソリン車と同じラインで生産を行えるように設計されていた。 2台のガソリン車と同じ組立ラインを使い、ガソリン車との生産の台数比率を調整して年間9万台の生産を行なうこととした。 ブルームバーグ・ニュースはボルトを1台売るごとに8千ドルから9千ドルもの損失をGMは被るであろうと見込んだ。 米GM、中国でEV拡充へ今後5年で新型車全体の40%超にReuters Staff2020年8月19日 Reuters 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)は19日、中国での電気自動車(EV)ラインナップを拡充し、今後5年に投入する車両の40%以上をEVにする計画を発表した。 EVの多くを中国国内で生産するほか、部品も地元のサプライヤーから調達する計画という。 GM中国事業トップのジュリアン・ブリセット氏はロイターに対し、中国で2017年に記録した年間販売400万台への回帰に向け、EVなどの新技術が重要な柱になると語った。 ― 引用終り ― ややこしいことに、2010年~2019年に販売されていたシボレーボルト(VOLT)はハイブリッド車。 いずれにしろGMは電動化に熱心な自動車メーカー。 近年中国でのシェアを落としつつあるが、最大新車市場の中国での販売は、GMにとっても重要なので、EV(電動車)の開発・製造・販売。は欠かせない。 中国市場で販売シェアを落とす米国車の現状 2019年1月28日 JETRO
2020年08月31日
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トヨタのハイブリッド専用車であるアクアとプリウスとは、車名別新車販売ランキングで常にトップ、上位を狙う位置につけていた人気車種だった。 2020年になると、登録車(小型/普通車)の販売ランキング順位が一変。 2020年1月から6月は、1位がトヨタ「ライズ」、2位がトヨタ「カローラ」、3位がホンダ「フィット」、4位がトヨタ「ヤリス」、5位が日産ノート。 トヨタが圧勝しているにも関わらず、プリウスは9位、アクアは12位まで後退した。 「くるまのニュース」の記事はプリウスとカローラの比較、アクアとヤリスの比較を記述した後に、ことの真相を暴露した。 トヨタのハイブリッド専用車は終焉? プリウス・アクアの人気が急落した訳くるまのニュース / 2020年7月23日 圧倒的な販売を誇ったトヨタのハイブリッド専用車である「プリウス」と「アクア」が、昨今は売り上げを落としています。 なぜ両車は人気を失いつつあるのでしょうか。 …(略)… それが東京では2019年4月から、ほかの地域でも2020年5月から、すべての販売店がトヨタの全車種を扱うようになりました。 新型ヤリスやカローラシリーズは、もともと需要の多い人気車なので、全店/全車扱いになって売れ行きを伸ばしました。 この影響でプリウスとアクアが減少する傾向も見られます」 トヨタ店が扱うコンパクトなハイブリッド車は、以前は全店扱いのアクアのみでしたが、いまなら新型ヤリスやカローラシリーズのハイブリッドも購入できます。 そうなるとアクアの売れ行きは下がるでしょう。 このようにプリウスとアクアは魅力が相対的に下がり、設計の新しいヤリスハイブリッドやカローラハイブリッドは、機能が充実する上に全店扱いになって購入しやすくなりました。 その結果、プリウスとアクアの売れ行きがますます下がったわけです。 ― 引用終り ― ハイブリッド専用車はトヨタ系の販売会社の全系列で販売していた。 販売会社は、客の欲しがる車種=売れるクルマを売る。 東京では2019年4月から、ほかの地域でも2020年5月から、すべての販売店がトヨタの全車種を扱うようになり、いままでは他系列で売ることができなかった車種が売ることができるようになった。 国内で販売チャネルを分ける政策は、売れるクルマを多数持つトヨタだけが維持してきた。 しかしながらチャネル政策により分割されたトヨタ車の販売力は、コモディティー化した国内市場のニーズを満たしていなかった。 ハイブリッド専用車が売れなくなったのは、専売が解かれてトヨタの商品企画・開発・製造能力に販売系列の力が追い付いた結果、というのがことの真相らしい。 国内販売が順調なことから、コロナ禍で低下したトヨタの国内生産が7月には復活する見通しが発表された。 2020年7~12月の国内生産は、新型コロナウイルスの感染拡大前に設定した当初計画と比べて9割の水準に回復するという。
2020年07月31日
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7月15日、日産自動車は15日、1充電の航続距離600km超のEV 新型SUV「アリア」を世界初公開した。ブランドロゴを19年ぶりに刷新し、公表した。 「アリア」には、新たな日産のロゴがつけられていた。 カルロス・ゴーン前会長らによる報酬不正問題で傷ついたブランドイメージの回復をはかり、経営立て直しに向けた攻勢の象徴とする。 新生日産第1弾!600km超走るEV 新型SUV「アリア」世界初公開脱ゴーンへ日産ロゴも刷新へくるまのニュース編集部2020.07.15 くるまのニュース …(略)… 新型アリアは、同社がこれまで「リーフ」などで培ってきた電気自動車のノウハウに、最新のコネクティッド技術が組み合わされたモデルとなります。 クルマの骨格となるプラットフォームには、新開発のEV専用プラットフォームを採用。 バッテリーを車体中央に配置し、低重心かつ前後の重量配分バランスに優れた設計としました。 電気自動車でこれまで課題とされていた航続距離についても、高速巡航時の消費電力を低減した新開発のモーターを搭載することで、新型アリアは十分な距離を確保。 設定される2WDの「65kWhバッテリー搭載モデル」「90kWhバッテリー搭載モデル」、4WDの「e-4ORCE 65kWhバッテリー搭載モデル」「e-4ORCE 90kWhバッテリー搭載モデル」のうち、もっとも航続距離の長い2WDの90kWhバッテリー搭載モデルでは最大610km(WLTCモード、社内測定値)を実現しており、長距離移動でも余裕のあるドライブができます。 最大130kWの急速充電に対応し、水冷式のバッテリー温度調整システムを搭載することにより、30分の急速充電で最大375km分の充電が可能です。 またアクセルペダルの踏み加減で減速までコントロールできる「e-Pedal」をリーフから引き続き搭載しています。 日産のスーパースポーツ「GT-R」などで蓄積したノウハウを取り入れた4WDシステム「e-4ORCE」は、前後2基の電気モーターを制御することでトルクを個別にコントロールすることが可能。 加速力がもっとも優れたe-4ORCE 90kWhバッテリー搭載モデルでは、0-100km/h加速のタイムは5.1秒を記録しています(社内測定値)。 さらに滑りやすい路面での高い駆動力を確保するだけでなく、減速時の前後モーターの回生量を調整することで、ブレーキ時にクルマの揺れを抑える制御も可能としています。 日産は2019年10月に同社のリーフをベースとしたe-4ORCEのテスト車両を公開。 安定したパワーとハンドリングを実現するe-4ORCEへの期待が高まっていました。 新型アリアには、先進的なパーソナルアシスタント技術も導入されました。 「ハローニッサン」と呼びかけることでドライバーの操作をサポート。 空調やカーナビを音声操作することができます。 また、アマゾンの音声サービス「アレクサ」も搭載され、音楽の再生や天気予報の確認、家族や友人との通話などが可能。 ふたつの音声サービスが搭載されることで、車内外でユーザーにシームレスな体験を提供します。 さらに、新型アリアはニッサンとしてはじめてリモート・ソフトウェア・アップデートと呼ばれる、無線でクルマのソフトウェアをアップデートする機能が搭載されました。 ― 引用終り ― ふたつの音声サービス搭載などインターフェイスに工夫を凝らしたことで、米国での新車の初期品質にかんする評価を高めようとしている。 補助金や減税措置を考慮した実質購入価格は約500万円からを見込んでいる。 日本では2021年中頃の販売を予定しており、各種のスペックは発売までに変更となる可能性がある。
2020年07月25日
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中国のEV普及策は、自動車の国産化推進策でもある。 三菱自動車は中国にエンジン工場をもっており、中国の国産車は三菱からエンジン供給を受けているところが多い。 EV化は、国産化が困難なガソリンエンジン排除による純国産化だ。 国と市(地方政府)が強調しているさまは、本気ぶりを示す。 中国・深セン市EV普及に独自の補助金支給の背景地元EVメーカーを密かに優遇する思惑も?財新 Biz&Tech2020/06/25 東洋経済オンライン 中国の広東省深セン市は、電気自動車(EV)など新エネルギー車の個人による購入を後押しするため、市政府独自の補助金を1台当たり最大4万元(約60万円)支給する。 6月11日、深セン市発展改革委員会が発表したガイドラインにより、補助金の申請プロセスや支給条件などの具体的政策が明らかになった。 新エネルギー車への補助金に関しては4月末、中国財政省がEVを対象に1台当たり最大2万2500元(約34万円)を中央政府の財源から支給することを決めた。 このため深セン市の住民が条件を満たすEVを購入すると、中央と地方の補助金を合わせて最高6万2500元(約94万円)が支給される。 中央政府と地方政府はもともと新エネルギー車普及に向けた補助金を出していたが、一定の政策効果があったとして2019年6月から中央の補助金を削減、地方では廃止していた。 それを復活させるのは、新型コロナウイルスの流行で落ち込んだ消費の回復を狙う景気対策の意味合いが大きい。 テスラ「Model 3」は補助金なしのカラクリ 深セン市は補助金の申請資格も緩和した。 以前なら深セン市の戸籍を持たない住民(訳注:中国では戸籍の登録地を自由に移すことができない)や外国籍の居住者は、深セン市で社会保険料を24カ月以上連続で支払っていなければ補助金を申請できなかった。 しかし今回は、深センの居住許可証を持っていれば誰でも申請できる。 しかしEVメーカーの立場で見ると、深セン市の政策は各社に平等な恩恵をもたらすわけではなさそうだ。 市政府のガイドラインは、補助金の対象になるEVの技術的スペックを定めている。 深セン市内の自動車ディーラーによれば、それは地元EVメーカーの比亜迪(BYD)を優遇する内容になっているという。 例えば、ガイドラインは補助金の対象となるEVの全長を4970mmから5200mmまでとしている。 EVの性能とは何ら関係ないはずだが、次のようなカラクリがあるようだ。 仮に住民が人気の高いテスラの「Model 3」を購入しても、全長が4694mmなので補助金支給の対象外とされる。 しかしBYDの新型車「漢」を選べば、全長が4980mmなので支給されるのである。 ― 引用終り ― 全長を縮めることは手数がかかるが、全長を伸ばすことは非常に容易なのだが、いずれにしろこれらの施策には疑問符がつく。 5月27日、テスラは北米で主力車種を一斉に値下げした。 販売の8割を占めるモデル3は、主なグレードの価格を2,000ドル引き下げた。 モデルSと高級SUVモデルXは、一律5,000ドル引き下げた。 新型コロナウイルスの影響で米国内の販売は停滞しているための需要回復策だ。 中国では政府の差別的な補助金政策に対応するため既に値下げが2回行われていった。 5月1日、テスラはModel 3標準レンジモデルの中国での販売価格を下げると発表した。 既に中国産のModel 3ベースモデルの価格は9%下げられた。 今回は中央政府の補助金の対象とするため、政府補助金の対象となる30万元(約455万円)以下とする。 中国は近年、自動車のリセールバリューを重視する購買行動がとられており、それがトヨタ、ホンダの販売増につながっている。 ドイツ車、日産車、中国国産車の販売低下をしり目に、販売を伸ばしてきた。 車は動力機関(エンジン、モーター)とタイヤだけがあればよいものではない。 ボディや艤装品の耐久性、経年劣化の少なさが評価されることが分かっているのだろうか? 中国の中央・地方の政府関係者は、取得価額の低さだけが購入動機ではないことを理解しているのだろうか。 新車と中古車の価格差が少ないことが、コストパフォーマンスの高さと知った中国の自動車購買層のことを考えないと、国産化施策を成功に結び付けることはできない。 今のところ、中国人も台湾人もトヨタ車の評価が高い。 政府の補助金の対象となる価格で、トヨタ、ホンダがEVを発売すれば好評を博する可能性が大。
2020年07月16日
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日産自動車は6月24日、新型のハイブリッド車(HV)「キックス」を30日に国内で発売すると発表した。 国内での新型車の投入は2年半ぶり。 巨額の最終赤字を公表した後の、日産の反転攻勢の始まりらしい。 日産が新型「キックス e-POWER」国内発売を公式に発表6月中にもデビューか筆者: MOTA編集部2020/06/10 MOTA日産の新型コンパクトSUV「キックス e-POWER」はどんなクルマ!? 日産は2020年5月15日、コンパクトSUVのニューモデル「Kicks e-POWER(キックス・イーパワー)」をタイで発表した。 同国の日産工場で生産し、輸出も行うことも明らかにされた。 日本以外では初のe-POWER搭載車生産国となる。 キックスe-POWERに搭載されるのは、1.2リッター3気筒ガソリンエンジンと、EM57型交流同期電動機(モーター)、発電機、リチウムイオン電池、インバーターの組み合わせ。 システムの最高出力は95kW(129ps)、最大トルクは260Nmを発生させ、ノートの80kW(109ps)/254Nmに対し性能は向上させている。 他のe-POWERモデル同様に4つの走行モード(ノーマル・S・エコ・EV)を有し、Sとエコモードではアクセル操作だけで加減速が行えるワンペダル走行も可能な「e-POWER Drive」も楽しめる。 ― 引用終り ― 運転支援技術のプロパイロットも搭載し、価格も値ごろな200万円台。 「これで売れぬはずはない」と日産の幹部は思っているのだろうか。 直感的に想像できるのは、セレナとの食い合い。 日産は当面、これまで長い間新型車の開発・投入を後回しにして日本市場を軽視してきた。 e-POWERは売れたが、日産のブランドイメージは希薄化した。 ブランドイメージの向上に必要な車は、「役に立つ廉価なクルマ」ではなく、多くの人が評価するトンガッタ部分のあるクルマだろう。 すでにe-POWER搭載モデルをそろえるコンパクトカー「ノート」とミニバン「セレナ」が販売されている。 もともとエンジン車のキックスを「e-POWER専用車」として発売することは、製造者にとっての効率向上策であり、販売ラインナップの充実でしかない。 キックスは落ち続ける生産・販売台数の止血策の一つだ。 世界生産・販売台数の増加を追い続け、研究開発投資と国内市場を軽視してきたツケの大きさ、深い傷跡の回復の難しさに、日産の経営陣は気付いていることだろう。 日本での本格的な反転攻勢はいつになるだろうか。
2020年07月13日
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生産規模拡大中のテスラは常に資金を必要としており、株価の維持向上に腐心していた。 ついにテスラの時価総額が売上高、生産規模ともにはるかに大きなトヨタに肉薄してきた。 しかの自己株を控除した時価総額と比べるとテスラのほうが上だという。 投資家は将来性(期待値)も含めてテスラはトヨタより上位だと評価していることになる。 トヨタを"超えた"テスラ、上昇続く株価の行方過剰な期待にはイーロン・マスクも困惑か山田 雄大 : 東洋経済 解説部コラムニスト 2020/06/22 東洋経済 ONLINE …(略)… テスラの株価高騰には、世界的な過剰流動性の拡大という外的要因も間違いなくある。 マスク氏はこの5月、ツイッターで「株価は高すぎる」とつぶやいた。 あまりに高い期待に当惑したのかもしれない。警鐘を鳴らしたものの、そこから株価は約3割も上がっている。 ― 引用終り ― コロナ禍で世界の経済活動は委縮したままだが行く先の多くを失ったマネーは資源を避ける一方、株式には滞留。 株価は高めを維持。 テスラのイーロン・マスクCEOは株価維持・向上のためツイッターを活用。 2019年4月26日、株価に影響する記述の多さからSEC(米国証券取引委員会)は、マスク氏が弁護士の事前承認を受けることでイートの使用について合意した。 株価の高さはコロナ後に夢を膨らませた投資家人気を高さからとみられている。 はなはだ不条理だ。 ブラック-ショールズ方程式に始まった現代の金融工学やAI活用の株価予測は、このような要素を「織り込み済み」なのだろうか? SECに限らずマスクCEOは公的機関と争うことを避けない。 下記はEPAとの争い。 テスラモデルSが「電気自動車初の航続距離400マイル(約644km)超え」と発表…評価機関と論争の末にKristen LeeJun. 21, 2020 TECH INSIDER・テスラは同社のモデルS ロングレンジプラスが、アメリカ環境保護庁(EPA)の基準で航続距離402マイルを達成したとブログで発表した。・これを達成するため、テスラは車両を軽量化し、回生ブレーキの効率を最大化した。・5月、EPAが当初391マイルと評価したのはテストが正しく行われていなかったため、とイーロン・マスクは主張している。 ― 引用終り ― 中国・上海に同社最大の年産50万台の製造工場を開設を推進するとともに、2020年1月15日、Weibo(微博)の公式アカウントで、同社の中国戦略を、中国で製造する「メイド・イン・チャイナ」から、中国で設計を行う「デザインド・イン・チャイナ」にシフトすると発表。 中国の行政関係者を喜ばせている。
2020年06月30日
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現時点でEV普及拡大のネックは価格と1充電での航続距離。 その両者を克服したAセグメントのEVが、中国・北汽新能源汽車から発表された。 しかも画期的な新形式の充電池ではなく、リチウムイオン電池で達成した。 AセグEVで「世界最長の航続距離」北京汽車の「EX3」“安売りブランド”脱却に向けた一手久米 秀尚 日経 xTECH/日経Automotive2019.04.26 日経 xTECH 中国・北京汽車(BAIC)傘下の電気自動車(EV)ブランドである北汽新能源汽車(BJEV)は、小型の新型EV「EX3」を発売した。 A0セグメント車でありながら、500kmを超える航続距離を確保したのが特徴である。 電動車両への補助金を差し引いた価格は、12万3900元(1元=17円換算で約211万円)から。 EX3は、「A0セグメントのEVとしては世界最長の航続距離を実現した」(北汽新能源汽車)という。 NEDCモードでは501kmで、等速運転モードでは630km走行できるとした。 500km以上の航続距離を確保するため、北汽新能源汽車はボディー骨格に高張力鋼板を多用して軽量化した。 EVは質量が航続距離に直結する。 EX3は、引っ張り強さが1.5GPa級のホットスタンプ(高張力鋼板の熱間プレス)材をフロントピラーやセンターピラーなどに使った。 ボディー骨格における1.5GPa級のホットスタンプ材の使用比率は8.9%(質量比)という。 ホットスタンプ材を含む高張力鋼板の使用比率は55%である。 EX3の車両質量は1600kg。車両寸法は全長4200×全幅1780×全高1638mmで、ホイールベースは2585mmである。 搭載するリチウムイオン電池は中国・寧徳時代新能源科技(CATL)製で、容量は61.8kWh。 電池セルの質量エネルギー密度は212Wh/kgで、電池パックでは同161Wh/kgである。 電池パックは水冷式の冷却システムを搭載し、「電池の温度が45度を超えないように管理している」(北汽新能源汽車の担当者)という。 リチウムイオン電池は45度を超えると「劣化スピードが格段に高まる」(同担当者)ためだ。 ― 引用終り ― 車体重量の軽減にこだわりながらも、コストととの兼ね合いからアルミやGFRPを使用することなく、高張鋼板に留めている。 電池の劣化防止・充電量維持のために日産・リーフが採用しなかった、温度管理が徹底できる水冷方式を採用したことも好ましい。 電池容量は日産・リーフe+62kWh(空冷)とほぼ同等。 テスラ・モデル3は55kWh(水冷)。 リーフe+とモデル3はの重量は1.6t強で価格は500万円前後(補助金適用せず)。 航続距離は各々458km(WLTC)と409km(WLTP)。 EX-3の200万円台で販売されるなら超破格。 中国のEV市場で圧倒的なシェアを実現することが予想される。 世界のEV市場にも大きな衝撃となるはず。
2020年06月24日
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BYDが日本で最初に有名になったのは、トヨタやホンダの外観デザインのパクリ。 メカニズム面は自社開発を重視し、2017年にEV販売台数世界一になった。 今やBYDは、中国・国産EV(NEVとHEV)のリーディングカンパニー。 2019年7月にトヨタと、2020年4月に日野自動車とEV開発で提携を発表。 2020年4月、電気自動車の研究開発合弁会社「BYD TOYOTA EV TECHNOLOGYカンパニー有限会社(BETE)」発足を発表。 2019年、中国政府のEV購入への補助金削減と景気減速の影響を受け、EV市場は急減速。 BYDのEV販売は前年割れ。 コロナ禍の2020年2月、医療用マスク生産に参入。 BYDは世界最大のマスクメーカーになった。 マスク生産世界最多「中国BYD」返金騒動の真因 カリフォルニア州では契約通りに納品されず浦上 早苗 : 経済ジャーナリスト東洋経済オンライン 2020年5月16日 7時20分 …(略)… 2月にサージカルマスク生産に参入した同社は、今では1日2000万枚を生産し、中国の2018年のマスク生産量(45億4000万枚)も軽々と超える生産体制を築いている。 BYDにはソフトバンクグループの孫正義会長兼社長をはじめ、世界中から注文が舞い込んでいる。 ところがアメリカでは同社にマスク10億ドル(約1072億円)分を注文したカリフォルニア州が、契約通りに納品されないことを理由に、返金を求める騒動が起きている。 …(略)… ■米国基準の認証取れなければキャンセル つまり、BYDのKN95マスクはFDAの検査はクリアしており、中国製マスクの輸出取消とBYDのカリフォルニア州への納品遅延は関係なさそうだ。 ではトラブルの真因はどこにあるのか。 原因の一端が、両者の契約書で明らかになった。 BYDはカリフォルニア州から、納品するKN95(N95)マスクに関してNIOSHの認証を5月8日までに取得することを求められており、認証が取れなかった場合は、先に受け取った代金を返還すると取り決めていた。 BYDのKN95マスクは5月8日時点で、NIOSH認証を取れていない。 両者は5月上旬に協議し、契約内容を「カルフォルニア州が先に支払った4.95億ドル(約531億円)の半分を返金」「認証を5月31日までに取得し、納品日を5月22日までに確定する」と修正した。 5月末までに認証が降りなければ注文はキャンセルされ、全額返金となる。 ― 引用終り ― N95とKN95との違いを初めて知った。N95マスクは世界的に不足しているとの報道があるが、KN95は通販で容易に購入できる。 コロナ禍はEVの普及拡大も阻止している。 技術重視で認証を軽視したBYDの取組は、三菱スーパージェットを連想する。
2020年06月02日
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武漢肺炎の感染拡大で中国の新車市場をあてにしていた各国のメーカーが、大きな打撃を受けている。 感染終息後の市場回復の行方が、環境規制の強化で方向を変えつつある。 中国環境規制の強化ショック間に合うか欧州勢簡易HEVは実質23年まで富岡 恒憲 日経クロステック/日経Automotive2020.04.08 日経XTECH 「ハイブリッド車(HEV)を持っていない自動車メーカーは、2024年から(中国が21年以降に導入を模索中の)“低燃費車”への取り組みから撤退していくと思われる」――。 IHS MarkitシニアアナリストのShan Wang氏は、環境規制の強化が進む中国では、簡易HEVを“低燃費車”として活用できるのは実質23年までになると示唆した。 この“低燃費車”とは、中国が、自動車に対する環境規制の1つである「企業平均燃費(CAFC)規制」において、21年から新たに導入しようとしている新カテゴリーである。 「新エネルギー車(NEV)規制」と並び中国の自動車に対する環境規制の両輪となるもので、2つ合わせて「デュアルクレジット規制」とも称される。 NEV規制は、中国国内で自動車を3万台以上生産もしくは輸入する企業に対して、ある比率以上のNEVの販売を課すもの。電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)がその対象となる。 一方、中国国内で自動車を2000台以上生産もしくは輸入する企業に対して、CAFCを目標値以下に抑えるように求めるのが、CAFC規制である。 中国では21~23年に課すNEV規制を現行のものよりも強化する方針。 一方で企業燃費の低減に努力した企業に対する軽減措置として非NEVの中に「低燃費車」(燃費がその年のCAFCの目標値以下のもの)のカテゴリーを設ける見通しだ。 中国が19年9月に公表した21~23年NEV規制の第2次ドラフトでは、低燃費車は、NEV規制で要求されるクレジット(NEVクレジット)が半分に軽減される。 1/5まで軽減されるとしていた19年7月発表の第1次ドラフトからは後退したが、それでも軽減効果は小さくない。 この低燃費車の導入により、中国市場で増大するとみられているのがHEVと簡易ハイブリッド車(MHEV)である。 企業ごとに要求されるNEVクレジットは、非NEVの生産・輸入台数に要求比率を乗じて算出される。 その要求比率は2019年の10%、2020年の12%に対して、21~23年は毎年2%ずつ上積みされていく見通しで、獲得しなければならないNEVクレジットが増えていく。 しかも、EVやPHEV、FCVで獲得できる1台当たりのNEVクレジットも減らされる見通し。 要求されるNEVクレジットを獲得するには、より多くのNEVを販売する必要が出てくる。 そこで注目されているのが、前述の低燃費車だ。 低燃費車は、要求されるNEVクレジットの計算式において、0.5台(第2次ドラフトの場合)と見なされ、販売しなければならないNEVの台数を低燃費車に該当しない場合に比べて半減できるからだ。 ― 引用終り ― 近い将来に有効なハイブリッド車を持たない中国の現地生産メーカーは、戦略の変更が必要となる。 4月14日、ルノーは、中国・武漢での乗用車生産の合弁事業からの撤退を発表。 株式のすべてを合弁相手の東風自動車に売却する。 ルノー車の中国での販売は以前から低迷していた。 先行きが不透明の中国市場での戦略の見直しに踏み切ったとされる。 ルノーは、成長が見込まれる電気自動車や商用車の合弁事業は継続し、同盟を組む日産との協力関係を強化していきたいとしている。
2020年05月04日
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ゴーン元日産CEOはEVに注力していた。 だが初の量産EVモデル3を売出したテスラに叩きのめされた。 IT関連の高所得者が多い、カリフォルニア州ではとても多い。 EV世界一はテスラモデル3!2位でもない日産リーフはいったい何位?2020年3月1日 日刊SPA! /―[道路交通ジャーナリスト清水草一]― ◆テスラ大勝利は全自動車メーカーの敗北? 日本で電気自動車(EV)と言えば日産リーフ。 テスラなんざ、ベンチャー社長とかホストとか、目立ちたがり屋のクルマ扱いですが(担当Kの妄想)、その考え方間違ってますよ! 実はテスラのモデル3は、今や世界一売れてるEVだったのです。 そんなバカな! テスラってヤバいんじゃないの? そう思っている自分がヤバかったです…… …(略)… そう反応できる人はエリートで、大部分のボンクラ諸君は「ふーん」程度だろうが、現実はこうだ。 <’19年1~11月のEV世界販売台数ランキング>1位 テスラモデル3 24.7万台4位 日産リーフ 6.4万台 その差、なんと約4倍。 ちなみに2位と3位は、中国メーカーが中国国内で売ってるEVです。 テスラには、モデルSとモデルXというEVもあるので、総計だと、ほぼリーフだけの日産の6倍近くに達する。 「いつのまに抜かれたの?」どころの話ではなく、すでに完全にブッちぎられており、その差は開く一方なのだ! 「ホントかよ? テスラなんてほとんど見ないけど」 そう思うのも無理はない。日本国内では断然リーフのほうが売れている。 日本に限れば、昨年リーフは約2万台売れたが、テスラ(販売台数を公表していないので推定値)は1100台くらい。 その差約20倍だ。 この状況から浮かぶ疑問は、この2つだろう。 まず、世界では、なぜリーフはテスラにブッちぎられたのか? 最大の要因はイメージではないだろうか。 テスラはエリートのための新しい乗り物だけど、リーフは庶民が節約のために乗るクルマ。 テスラなら羨ましがられるけど、リーフじゃ羨ましがられない。 性能はどうなのか? 私は今回初めてモデル3に乗りましたが、試乗したのが「パフォーマンス」という717万円のグレードだったので、狂ったように速かった。 そりゃもうアクセルを軽く踏むだけで、真剣にムチ打ちになるくらいだ。 「こんな加速いらんだろ!」と思うが、テスラは常に過剰な性能でイメージを高めつつ、下へ下へとモデルを展開してきた。 モデル3の「スタンダード」は511万円で、加速はこれよりだいぶ穏やかなはずだけど、それでもリーフの最速グレード(e+、411万円)よりはるかに速い。 操作系もまるで違う。リーフはおおむねフツーのクルマの感覚で操作できるが、モデル3は大部分の操作を中央の巨大パネルで行うので、最初はワケがわからず、気が狂いそうになる。ガラケー対スマホそのもの。 隠れた重要ポイントは、バッテリーの寿命ではないだろうか。 テスラは水冷のバッテリー冷却システムを持つので(リーフは空冷)、ある調査によると、25万㎞走っても容量低下は10%以下だという。 対するリーフは、使い方によって異なるが、10万㎞走ると最大30%低下すると言われ、それだけ航続距離が短くなる。 テスラはバッテリー交換はまず必要ないが、距離を走ったリーフは中古車市場でメタメタの激安になる。 2年前に新型リーフが登場したとき、日産のスタッフはテスラとの勝負に自信満々だった。 そのころちょうどテスラ社はモデル3の量産につまずいていて、経営破綻すら噂されていたので、「自動車生産のシロートに、品質を維持しての量産化なんかできるわけがない」と口々に語っていた。 ― 引用終り ― 新型リーフは発表後、バッテリーの冷却システムを持たないことが話題になった。 酷暑が続く日本では、バッテリーの経年劣化が激しいことは、車の寿命に関して致命的となる可能性が濃厚。 上記の記事で清水氏は、「距離を走ったリーフは中古車市場でメタメタの激安になる」と言っている。 初代リーフはその通りだ。 しかし、バッテリーの耐久性が高いテスラの中古車価格が高いとはならない。 バッテリーが丈夫だから中古車価格が高くなるとは断言できない。 10年使うものとしての品質が十分であるかは、これから明らかになることだ。 今のところ、内装系の高い評価はみたことがない。
2020年03月21日
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テスラを除く米国の自動車メーカーのEV化ではGMが先行していた。 2019年のロサンゼルスモーターショーで「Mustang Mach-E」を発表したフォードがリンカーン・ブランドでEV化を加速しはじめた。 フォードが「リンカーン」のEV化を発表着々と電動化戦略進める櫛谷 さえ子 日経Automotive専属ライター2020.02.26 日経XTECH 米フォード(Ford Motor)のリンカーン(Lincoln)ブランドは、新興EVメーカーの米リビアン(Rivian)と組んで、同ブランド初となる電気自動車(EV)を開発すると発表した。 今回の共同開発は、2019年4月にFordがRivianに5億ドルを投資したことを受けてのもの。 リンカーンブランドの電動車は、現在、中型SUVの「Aviator」とコンパクトSUVの「Corsair Grand Touring」にプラグインハイブリッド車を設定しいるだけだが、新しくピュアEVを追加することで電動化計画をさらに進める。 リンカーンブランドは過去3年間で四つのSUVモデルを導入し、SUVの売り上げが前年比7%増となっていることから、この勢いに乗って、新EVもSUVになる可能性が高い。 新しいリンカーンのEVはRivianの「Skateboard Platform」と呼ぶEV用プラットフォームを使用して開発する。 新EVがどのようなモデルになるかは発表されていないが、リビアンの独自EVモデルはSkateboard Platformを使った4輪駆動のピックアップトラックとSUVであることから、リンカーンの新EVもオフロード車になると見られる。 ― 引用終り ― EVは大容積のバッテリーを搭載する必要があるので、大柄なSUVやピックアップが向いている。 フォードは電動化戦略に115億ドル以上を投入。 2022年までに16車種のEVを開発する計画。 既存工場の廃止とEV専用工場開設が必要となる。人気のピックアップF-150のEV版の登場は早いようだ。
2020年03月17日
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2020年2月26日、パナソニックがテスラとの太陽電池の共同生産を解消することが、判明。 先にEVの共同生産を解消したトヨタ、パナソニックはテスラ・イーロン・マスクに振り回されている。 テスラとパナソニック太陽電池の共同生産を解消へ=関係筋2020年2月26日 ロイター 米電気自動車(EV)メーカーのテスラ とパナソニックが太陽電池の共同生産を解消することが26日、分かった。 関係筋が明らかにした。 両社はテスラの太陽光パネルに使う太陽電池を生産するため、米ニューヨーク州で工場を運営してきたが、実際はテスラ製パネルでの採用はほとんどなく、生産量が増えないため近く稼働を止める。 テスラにとって太陽光事業はEVに次ぐ柱だが、当初の戦略を修正する。 両社は米ネバダ州にある車載電池工場「ギガファクトリー1」を軸としたEV向け電池の共同生産は引き続き維持する。 ― 引用終り ― テスラ・マジック テスラはEVに関する苦情が多いにも関わらず、投資家からの評価は依然として非常に高い。 1月17日、NHTSA(米運輸省道路交通安全局)は、テスラの車両が「突然の意図せぬ加速」をする問題を巡り、50万台を対象とした調査とリコールの要請を検討すると明らかにした。 調査とリコールの要請は、2012-19年型の「モデルS」、16-19年型の「モデルX」、そして18-19年型の「モデル3」を対象としたもの。 127件の苦情が寄せられ、110件の衝突事故と52件の負傷の報告があった。 1月20日、リコールを求める請願書がNHTSAに提出されたことに関連し、テスラは「意図せぬ加速は起きない」と反論した。 テスラには、ツイッター上で数多くのクレームが寄せられ、修理・点検に関するひどい話、自然発火、急加速したなどといった苦情が上がっている。 にも関わらず投資家には大人気。 テスラの時価総額はGMとフォードの合計を上回り、さらに高値をつけている。
2020年03月04日
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2019年11月27日から池袋の主要スポットをつなぐIKEBUSが運行を開始した。 運営は高速バスで知られるWILLER EXPESS。 オリジナルの赤色「IKEBUKURO RED」を使用した、目を引くシンボリックな車両は、鉄道の車両で有名な水戸岡デザイン。 インホイルモーターの電動車。 10輪駆動8輪操舵。 全長5,165㎜、全幅2,105㎜、全高2,710㎜。 輸送人員は着席14人、立乗り7人。 最高速度19km/h、航続距離60km。 運転席脇に家庭用コンセントを装備し、非常時に電源供給車として機能する。 IKEBUS出典:Wikipedia IkEBUS(イケバス)は、2019年11月27日に開業した電気バスによる池袋エリア周遊バス路線である。 東京都豊島区の池袋駅東口からHareza池袋・サンシャインシティ・豊島区役所を経て東口へ戻る「Aルート」と、池袋駅西口から、Hareza池袋・サンシャインシティを経て西口へ戻る「Bルート」の2系統を運行する。 …(略)… シンクトゥギャザー製の低速電動ビークル『eCOM-10』がベースで、片側5輪のタイヤを装備し、車両後方には車いす乗降用のリフトを備える。 デザインは、運行を担当するWILLER EXPRESSと同様にWILLERの子会社である京都丹後鉄道の運行する丹後あかまつ号、丹後あおまつ号などの鉄道車両もデザインした、ドーンデザイン研究所のインダストリアルデザイナー・水戸岡鋭治がバス停、乗務員の制服も含めて担当した。 最高速度は19km/hと、通常のバスよりもゆっくりと走ることで、「豊島区にしっかりと触れてもらいつつ、のんびりと楽しんでもらい」、また「区民や旅行者などの交流を繋ぐ」柱になればいいとWILLERの村瀬社長は語っている。 内装は、座席に寄木細工風の模様が使われ、各車両でデザインが変化している。 1・7号車の天井にはデジタルサイネージ機能が付けられており、豊島区のイベント情報などを映像で発信することが出来る。 充電したバッテリーを駆動に利用することから、各車両のバッテリーの消耗をできるだけ同じにするために、(運行頻度の低くなる)イベント貸切用の専用車は作らず、通常車両を貸切に利用する。 一回の充電での走行距離は60kmとされている。 このため、車両に冷暖房設備は設置されていない。 開業当初は7台で運行、2020年2月に3台追加で導入し、計10台で運行する予定。車体は赤く塗装されているが、7号車だけは黄色く塗られており、ラッキーセブン、また、運が良ければ見られることから「幸運のバス」としている。 ― 引用終り ― 運行管理にあたるWILLERの目標は、コミュニティーバスやオンデマンドバスのノウハウの取得。 10年後に東南アジア諸国連合(ASEAN)の8カ国に台湾、日本を含めた10カ国・地域において、共通のアプリで利用できる移動サービスを作ること。 利用が増えたら交通系電子マネーを使えるようにして欲しいな。 ASEAN諸国ではエアコン(クーラー)は必須。 株式会社シンクトゥギャザー 公式サイト
2020年02月16日
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EVの普及が世界定期に進んでいる。 EV、とくにBEV(バッテリー式電気自動車)のリーダーは、日本の日産自動車。 日産はEVで環境対応をすすめると唱え、実施をすすめたのは、カルロス・ゴーン氏。 EVの普及にあたり、「リーフ」をはじめ日産製のBEVを購入すると、充電サブスクリプション(定額制)に加入できた。 2019年12月、EV普及拡大の根幹をなすと思われるそのサービスを、日産は突如廃止。 2014年、日産はBEV向けサービス「ZESP(ゼロエミッション・サポート・プログラム)」に急速充電器使い放題のプランを追加。 2016年、ZESP2にサービスを改訂。 8%の税込み2160円、10%で2200円で全国の日産ディーラー、および充電ネットワークを運用するNCS(日本充電サービス)の急速充電器が定額払いで使い放題となった。 2017年10月2日、蓄電量を拡大した(40kWh)二代目リーフを発売。 航続距離はJC08モードで400kmになった。 2019年1月23日、62kWhの大容量バッテリーを備えた e+ を追加ラインナップ。 ZESP2で、リーフは利用コストが計算しやすくなり、使用距離とガソリンエンジンに比べて高い価格の差額を計算しやすくなった。 日常の走行距離が長いほど、お得感がたかまり、BEVのリーフは販売台数を大幅に伸ばし、日本のEVのゆるぎないトップとなった。 2019年12月16日、日産はZESP3を発表。 新プログラムの基本は、使った分だけ料金が増える、従量課金方式となった。 【速報】日産リーフ『旅ホーダイ』終了~「ZESP3」への改定を正式にアナウンス2019年12月3日 EVsmart カロロス・ゴーン氏の面子をかけたEV販売拡大戦略の作戦の一つである「充電し放題」は、勧進元のゴーン氏が日産を去ることで、終了が決定付けられた。 現在のEVはガソリンエンジンに比べて絶対的な車両価格が高いまま。 いまだ、バッテリー耐久性と価格負担への不安はぬぐえない。 充電には時間がかかり、高気温時、バッテリー高温時は充填率が低くなる不安も依然として残っている。 月額2200円の充電サブスクリプションは明らかに日産側の持ち出しだが、ユーザー側にとっては日産と自分の財布の痛みを分かち合うようなものだと思っていたであろうし、日産と「運命共同体」のような感覚を持っていた人も多かっただろう。 テスラはモデル3の販売開始とともに、専用充電器を無料から定額制に移行。 日産は定額制から、実質従量制に移行。 テスラはモデル3においても、バッテリーの耐久性に貢献する、水冷の冷却システムを採用。 日産は二代目リーフも初代と同じく空冷式のまま。 数多く問題が伝えられた、バッテリーとドライブユニットの高温対策は十分とられたとは思えないものだった。 性能や耐久性がまったく不十分で、日産のEV使い続けて価格負担を負って、環境に優しく「先進的な」EVを所有し使用してきたユーザー(EVのファン、アーリー・アダプター)たちは、今後どこに向かうのか注目したい。 トヨタ、ホンダ、マツダなどのEV国内発売が待たれる。
2020年01月06日
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EV、自動車の電動化のポイントは電池とモーター。 現行の蓄電池から飛躍的性能向上をはかれそうな電池が研究されている。 その一つ「リチウム空気電池」は、正極活物質として空気中の酸素、負極にリチウム金属を用いる。 このことにより、理論エネルギー密度がLIBの5-10倍に達する「究極の二次電池」ができる。 エネルギー密度=蓄電容量の劇的な向上と体積、重量、コストの大幅ダウンが期待できる。 容量がリチウムイオン電池の15倍のリチウム空気電池開発2017年4月11日 財経新聞 …(略)… …国立研究開発法人 物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究拠点 ナノ材料科学環境拠点 リチウム空気電池特別推進チームの久保佳実チームリーダー、野村晃敬研究員らの研究チームは、リチウム空気電池の空気極材料にカーボンナノチューブ(CNT)を採用することにより、従来のリチウムイオン電池の15倍に相当する高い蓄電容量を実現した。 今回、研究チームでは、現実的なセル形状において単位面積当たりの蓄電容量として30mAh/cm2という極めて高い値を実現した。 この値は、従来のリチウムイオン電池(2mAh/cm2)の15倍に相当するもの。 この成果は、空気極材料にカーボンナノチューブを用い、空気極の微細構造などを最適化することによって得られた。 巨大容量の実現には、カーボンナノチューブの大きな表面積と柔軟な構造が寄与していると考えられるとしている。 また、このような巨大容量が得られたという事実は、従来の考え方では説明が困難であり、リチウム空気電池の反応機構の議論にも一石を投ずる可能性があるという。 ― 引用終り ― 現在のEVは車体とバッテリー(蓄電池)を運んでいる状態。 蓄電池の小型化、軽量化はEVメーカー―とユーザーが切望している。 今はリチウム空気電池が実証された段階。 実用化された場合、EVのキラー・コンテンツとなる可能性がある。
2020年01月06日
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回転数の上昇につれ出力、トルクが発生するガソリンエンジン(内燃機関)と違い、電気モーター(電動機)は立ち上がりのトルクが非常に大きい。 トルク、出力の頂点に近いところで如何にエンジンを作動させるかが問題だった。 運転者は回転数が上がるにつれ出力がモリモリと増大する加速感を楽しんだ。 EVの操る喜びをどのように演出するのかは、長年内燃機関に親しんできた自動車メーカーにとって大きな課題。 電気自動車は戦国時代!クルマの個性はどうなる?日産の答えとは2019年11月29日 マイナビニュース …(略)…○2つのモーターで細やかな駆動制御を実現 「第46回 東京モーターショー2019」で日産が中央舞台に展示したのは、「ニッサン アリア コンセプト」と「ニッサン IMk」の2台であった。 どちらもEVのコンセプトカーだ。 アリア・コンセプトは新開発の電動4輪制御技術を採用するとの触れ込みだったが、先頃、その技術を搭載したテストカーに、神奈川県追浜にある日産のテストコースで試乗してきた。 この技術を体験すると、EVの時代になっても、クルマの味付け次第では各メーカーの個性が感じられるのではないかと期待が持てた。 テストカーは日産「リーフe+」がベースとなっている。 リーフは前輪駆動(FF)だが、テストカーは後輪も駆動させるため、クルマの後部に前輪用と同じモーターを追加で搭載している。 リアサスペンションも改造済みだ。 モーターの最高出力は2個で227kW。 馬力に換算すると約300馬力に達する。 最大トルクは680Nmで、日産「R35 GT-R」の588Nmを凌駕する。 これほどのパワーを獲得したテストカーだが、日産によれば、電動4輪制御技術で前後の駆動力制御とブレーキの個別制御を行うことにより、快適な乗り心地、気持ちよく運転を楽しめるハンドリング、滑りやすい路面でのゆとりを実現できるとのことだった。 追浜のテストコースには、標準のリーフe+も用意されていたので、これと比較しながらテストカーで新たな技術を試した。 最初にテストしたのはアクセル全開の加速と、「e-Pedal」を使った回生による減速だ。 まずは標準のリーフe+だが、いざアクセル全開で加速してみると、こんなに猛烈な瞬発力を発揮するのかと驚くほどの出足で、体が後ろへ置いていかれるような感覚を味わった。 そこからアクセルを完全に戻し、e-Pedalによる回生を働かせると、ぐっと強い減速が生じ、体はもちろん、頭も前へ持っていかれるような状態になった。 次はテストカーを試したのだが、2つのモーターを使った出足は標準のリーフe+よりも強烈で、途中で加速が衰える様子もなく、ぐんぐん速度を上げていった。 目に映る景色の流れも、先程よりはだいぶ速い。 標準車と同じ目標地点でメーターを確認すると、速度は時速120キロ近くに達していた。 ただ、恐怖心はなかった。 というのも、テストカーの方は前後の駆動力を微妙に制御することにより、加速によって車体が後ろへ傾くのを抑えているため、前方を見ている眼の動きが少なく、走りが安定していると感じられたからだ。 また、アクセルペダルを戻して回生を働かせた時も、強い減速を体には感じたが、標準車のように、頭を前へ持っていかれる動きが少なかったので、安心していられた。 R35 GT-Rも「時速300キロで会話を楽しめるGTカー」として開発されたが、電動4輪制御技術は同様の安心をもたらしてくれるようだ。 今度は、市街地での使い勝手を試すべく、時速20~40キロでの加減速を繰り返したのだが、こういったシーンでも、テストカーでは体や頭の揺れが少なかった。 特に同乗者は、運転者のようにハンドルで体を支えることができないので、揺れが少なくなれば乗り心地はより快適になり、車酔いなども起こしにくくなるだろう。 次のテスト内容は、より高い速度でのS字カーブと、雪道など滑りやすい路面を想定したカーブでの安定性の確認だ。 200キロ近い重さの走行用リチウムイオンバッテリーを床下に搭載するEVの場合、重心が低いので元々安定性は高く、標準のリーフe+でも、ハンドル操作に対するクルマの動きは素直だ。 例えば山間の屈曲路などでも、これなら壮快な走りを楽しめる。 テストカーでは、カーブでの旋回速度をより高く維持することが可能だった上、カーブしながらアクセルをさらに深く踏み込んでも、カーブの曲率をなぞる動きができた。 これは、前後の駆動力だけでなく、カーブに対し内側の前後タイヤに適度なブレーキを掛けることで、カーブを飛び出さないよう制御を行っているためだ。 もちろん、タイヤの限界を超えてしまえば、運転不能になるのはいうまでもない。 あえて路面を濡らした滑りやすいカーブでも、テストカーではタイヤが横滑りする率や量が極めて少なくなった。 この駆動制御が搭載されていれば、雨の日や雪道でも、舗装路を運転するのに近い安心感で走れるのではないかと思った。 EVは金属の塊であるエンジンから動力を得るのではなく、モーターが生み出す磁力という、目に見えない力を回転力として走るため、タイヤが滑り出そうとする際、ある程度はそれを緩和する素養を本質的に備えている。 そこにテストカーのような制御を加えれば、タイヤを的確に路面に食いつかせ、走行安定性を高められることを確かめることができた。 …(略)… 日産は今回のテストカーが「もっと爽快な走りをもたらす」としている。 だが、爽快な走りが人に何をもたらすのか。 人の心をどう動かすのか。 そのあたりについても明確なイメージが欲しい。 爽快な走りをもたらす技術は、単に前の技術よりも良くなったというだけでなく、何を実現したいのかという目標を指し示して欲しいのだ。 それによって初めて、EVの時代に個性豊かな日産車が誕生するのだと思う。 ― 引用終り ― 記事の著者はEVにないものねだり(なかったものねだり)をしている。 爽快な走りの共通定義は今までなかった。 具体的に比較し、示すことも難しい。 4輪の駆動力とブレーキ力を自在に制御できれば、できることの範囲は飛躍的に広がる。 構造からみて、今のEVには「重厚な安定感」は実現できても、素性からの「軽快な走り」はないようだ。 軽快にするには軽量で高密度なバッテリーが実用化されねば不可能。 ノート e-POWER 内燃機関で発電し、電動機で駆動させることで現状からの最良と思われる回答を引き出した。 電気による制御が高度化すればするほど、スポーツモデル、ホットモデルが、EVでこそ生み出しやすくなった。 不明なのは「ユーザーのニーズ」。 気になるのは、トヨタ、ホンダがどうでるか。車両搭載技術NISSAN MOTOR CORPORATION
2019年12月25日
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2019年12月3日、中国・工業・情報化部は、「新エネルギー車産業発展計画(2021~2035年)(意見聴取稿)」を公布。 2025年の新エネルギー車の新車販売比率の目標は25%。 発展目標として、「電気自動車(EV)を発展の主力として、公共交通使用車を完全電化する」「燃料電池車の商業化の実現」「高度自動運転インターネットスマート制御車の普及」が示された。 新車販売台数の25%を新エネルギー車に、中国の15年計画2019/12/15 CNS/JCM/AFPBB News …(略)… 中国汽車工業協会(China Association of Automobile Manufacturers)の発表によると、18年間で中国の新エネルギー車販売台数は125万6200台、自動車総販売台数2808万600台の4.47%に当たり、2019年1~10月の数字では94万7000台、総販売台数20645万2000台の4.59%に当たっている。 「発展計画」の目標に従えば、現状の販売比率を5倍に増やさなければならない。 これについて、同協会の許海東(Xu Haidong)秘書長助理は「新エネルギー車の販売台数の足元4か月の連続減少は、補助金縮小などの影響での調整局面だ。 しかし、今後の企業の対応策や政府の政策的支持で、25%目標は実現可能だ」と見る。 乗用車市場情報連席会(JACCPCA)の崔東樹(Cui Dongshu)秘書長は、「25%目標は実現の可能性はあるが、足元で短期的には伸び抑制圧力が存在する。 政府がさらに指導的な政策を打ち出し、市場の発展を刺激すべきだ」との見解を示す。 中国汽車工業協会の統計数値によると、19年1~10月のEVの販売台数は75万台、プラグインハイブリッド車(PHEV)は19万6000台、燃料電池車は1327台だった。 新エネルギー車はEVが主力で、PHEVが補助的存在、燃料電池車はまだ初期段階という構造が見て取れる。 上海汽車集団(SAIC)の朱軍(Zhu Jun)副総工程師は「心臓部のパーツがコスト高で、EV完成車のコストを下げるのは短期的には非常に困難。 充電設備の配備にも5年ほど必要。それゆえPHEVの発展余地は大きい」と見る。 JACCPCAの崔氏は「将来EVがやはり主力となるが、EVと混合動力車はある程度の競争を繰り広げることになるだろう。 燃料電池車は水素供給スタンドの建設に資金がかかり、公共交通車や大型バスなど商用車に適すが、乗用車には適さない」と語る。 ― 引用終り ―
2019年12月24日
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米中対立、香港の民主化に関する報道が日本では続いている。 11月28日、中国自動車流通協会は来年の新車販売台数は今年に比べて少なくとも10%減少するとの予測を示した。 2019年度も通年で2018年に比べて10%落ち込むと予測している。 世界最大の新車市場である中国で現行車の売れ行きは落ちているが、その間にも中国の自動車産業は、急速に次世代・新エネルギー車の中心と考えられている電動車の生産体制にシフトしている。 2019年11月前後だけでも大規模な動きが数々ある。 10月31日、長安汽車の合弁会社・長安標致雪鉄竜が仏PSAとの合弁解消を計画していると報じられた。 販売台数の伸び悩みが原因と見られるているが、PSAが近い将来に有望な電動車関連の技術を持たないことも理由の一つだろう。 11月6日、米テスラと中国電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は、2020年にCATL製電池をテスラが使用する内容の暫定合意に達したと米ブルームバーグが報じた。 テスラの中国の生産拠点への電池供給に関する合意。 11月12日、中国恒大集団が、2020年上半期に初の量産モデルとなる新エネルギー車「恒馳1」を発表するとの見通しを明らかにした。 2021年、量産開始の予定。今年の年間中国新車販売8%減へ、自動車工業協会予測北京商報は中国自動車工業協会が12日、今年の年間中国新車販売は前年比8%前後のマイナスになるとの予測を示したと伝えた。1~10月の新車販売台数は前年同期比9.7%減2065万2000台だった。 11月18日、電池メーカーの国軒高科が、河北省唐山市にリチウムイオン電池工場を新設すると発表した。 投資額は55億元(約850億円)。 生産能力は7ギガワット時(GWh)。 現在の電動車の肝となるリチウムイオン電池の生産体制が着々と整備されている。 11月20日、モーターを手掛ける中国臥竜電気駆動集団が、ドイツの自動車部品大手ZFと合弁会社を設立すると発表。 初期の投資総額は1億6155万ユーロ(約194億900万円)。 新エネルギー車向けのモーターの海外展開を進める。 11月23日、ドイツの化学大手BASFが、広東省湛江市で「統合生産拠点」(フェアブント拠点)を着工。 自動車や電子機器向けの耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)と熱可塑性ポリウレタン(TPU)のプラント。 2022年、生産開始の予定。 11月27日、上海汽車集団傘下の自動車部品メーカー、華域汽車系統が、上海市で自動運転車や新エネルギー車向け部品の研究開発のための技術開発センターを着工。 投資額は10億元(約156億円)。 2022年の竣工の予定。 11月28日、フランスのグループPSAが、重慶長安汽車との合弁会社の保有株式を売却する計画を明らかにしたと報じられた。 長安汽車も株式の売却計画を10月31日に公表済み。 合弁会社の広東省深セン工場については、金融や不動産、新エネルギー車を手がける宝能投資集団が引き継ぐ可能性が報じられた。
2019年12月24日
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大排気量、大馬力を評して「マッスルカー」と呼ばれたフォード・マスタングもついに電動化。 電動化したハイパフォーマンスモデルは、「マッハ1」ならぬ「マッハE」。 電動化するとガソリンエンジンの「マッスル」イメージはなくなる。 SUVのマスタング……長生きするといろいろなものがみられる。 55年ぶりの新車種はEVにフォード・マスタング新型「マッハE」発表、最大465馬力の上位モデルも2019年11月19日 ねとらぼ 米国の自動車メーカー「フォード」が、同社のマスタングシリーズとしてSUVタイプの新型「マッハE」を発表しました。 マスタングは1964年に登場した、フォードの看板シリーズ。 GMの「シボレー カマロ」などと共にアメ車を代表するクルマです。 そのマスタングシリーズに55年ぶりの新型車種としてラインアップされるのが今回のマッハE。 SUVスタイルのEVです。 パワートレインには最大336馬力、最大トルク57.6kgf-mを出力する電動モーターを搭載します。 さらにハイパフォーマンスモデルの「マッハE GT Performance Edition」は最大465馬力、最大トルク84.6kgf-mまで出力をアップする予定。 停止状態から時速60マイル(約96キロ)までは3.5秒以内に到達するのを目指すなど、マスタングらしい力強さを打ち出しています。 SUVらしく積載量も豊富で、リアトランクは820リットルのスペースを用意。 また130リットル程度のフロントトランクも用意してあり、カバンなどの手荷物であれば余裕のあるスペースを確保しています。 スマートフォンとクルマを連動させることで、ドライバーの接近を感知してクルマのロックを自動で解除するなど、機能面でも最新鋭のシステムを導入しています。 マッハEはすでに予約受付を開始しており、価格は36395ドル(約395万円)から。 納車は2020年から始まる予定です。 ちなみにマスタングのEVといえば、1967年型のマスタングに電動モーターなどを組み込んだ「チャージ・マスタング」というモデルも話題になりました。 英国の「チャージ・オートモーティブ」という会社が、フォード社の公認を受けて製造しています。 ― 引用終り ― 電池の眼目は水冷システム。 衝撃吸収保護材を含む防水ケース内に固定され、水冷システムで冷却。 電池の温度管理を行い、充放電性能の最適化をはかる。 モーターは最大出力459hp、最大トルク84.6kgm。 「GT」は0~96km/h加速は4秒以下。 フォードモーターによるとポルシェ『マカンターボ』より加速がいい。 リチウムイオンバッテリーは2種類。 288個のリチウムイオンセル仕様が蓄電容量75.7kWh。 9376個のリチウムイオンセル仕様が蓄電容量98.8kWh。 後輪駆動モデルは、1回の充電での航続距離は、最大483km。 車両の床下、前後の車軸間に配置。 空間効率を高めている。
2019年12月07日
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2019年0月19日、トヨタは中国・電気自動車大手のBYD(比亜迪股分有限公司)とEVのセダンとSUVを共同開発することで合意したと発表。 トヨタブランドで2020年代前半に中国市場への投入を目指し、開発車両などに搭載する電池の開発も共同で進めるとした。 2019年11月7日、トヨタはBYDと電気自動車の研究開発を行う合弁会社を設立を発表。 出資比率は折半。 トヨタの中国市場、電気自動車普及にかける意気込みが分かる。トヨタと中国BYDが合弁設立…電気自動車を研究開発、その他2019年11月8日 レコードチャイナ●トヨタと中国BYDが合弁設立 …電気自動車を研究開発 トヨタ自動車と中国の比亜迪(BYD)が、電気自動車の研究開発を行う合弁会社を設立する契約を締結した。 トヨタ自動車が2019年11月7日付で発表した。 新会社の事業内容は電気自動車及びそのプラットフォーム、関連部品の設計・開発など。 2020年中に中国国内での設立を目指しており、BYDとトヨタがそれぞれ50%ずつ出資する。 ●サタケ、江蘇省と四川省の農業科学院と包括技術提携契約 サタケ(本社・広島県東広島市)は7日、中国の江蘇省農業科学院、四川省農業科学院とそれぞれ、10月21日付で包括技術提携契約を締結したと発表した。 サタケは、2007年9月に国家糧食局(現・国家糧食和物資儲備局)と包括技術提携契約を締結して以来、中国の農業・食糧行政機関との包括技術提携契約が5件になった。 サタケによると、中国では黒竜江省・吉林省・遼寧省の東北3省で生産される米がブランド米として需要が高く、江蘇省や四川省で生産される米の販売拡大および収益増への壁となっている。 サタケは江蘇省や四川省で生産される米の高品質化・ブランド力向上を目指し、水稲品質に関する共同研究プロジェクトの展開や、新技術に関する人員交流・情報交換などを行う。 ●Kyoukanが中国市場向けに日本在住のKOLを育成 …プロダクションのGROVEと提携 中国市場への進出を図っている企業に対し、KOLを活⽤したマーケティングサポートを⾏っているKyoukanは7日、⼤関れいかをはじめ数多くのYouTuberを抱えるインフルエンサープロダクションのGROVEとKOL育成に関する業務提携契約を締結したと発表した。 ― 引用終り ― 米中対立を日本企業はチャンスと捉えている。 同じ世界の大市場でも、成熟市場の米国と成長市場の中国でどちらもカントリーリスクがあるなら中国を選ぶ、ということだ。 BYD、中国の有力な電気自動車メーカー 2017年6月6日 サイバーパンク親父.COM
2019年11月30日
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2019年10月23日、トヨタは今年の東京モーターショーで、今後の電動化戦略の方向性を示すEVのコンセプトカーレクサス『LF-30 Electrified』を世界初公開した。 四輪インホイールモーター、最高速度200km/h、0-100km/h加速3.8秒に達するパフォーマンス。 大胆なデザインで注目を集めた。 2019年11月22日、「広州国際モーターショー」が開幕。 各社が電動車を展示する中、トヨタはレクサスのEVの市販モデル第一弾を世界初公開。 EVの需要が多く見込まれる中国や欧州に先行投入する計画。 EV専用車の市販はトヨタ初。 中国新車市場では見た目の豪華さなどより、自動車としての信頼性が重んじられるようになってきており、レクサスの販売を伸ばすにはとてもよい環境。 ITインターフェイス重視は、米中同一。 ホンダは2018年以降、中国市場にEV2車種を投入。 マツダは2020年に、SUVタイプのEVを欧州で発売する計画。 トヨタは、2020年代前半に国内外で10車種以上のEVを投入する計画。 超小型EVは別ということか? 次世代電池が量産化されていない時点のEVは、「つなぎ」のようだ。
2019年11月27日
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ホンダは欧州で販売する車両の100%電動化を3年前倒しして2022年までに目指すと発表。 ホンダ、22年までに欧州で全車電動化目標を3年前倒し2019/10/24 Reuters ホンダの幹部は23日、欧州で販売する全ての車両を2022年までに電気自動車(EV)かハイブリット車にすると発表し、全車電動化の目標時期を3年前倒しした。 同社は先月、電動化を進めるため、2021年までに欧州でディーゼルエンジンを搭載した車両の販売を打ち切ると発表。 今年3月には、2025年までに欧州で販売する車両の100%電動化を目指すと発表していた。 ホンダのシニアバイスプレジデント、トム・ガードナー氏は23日、アムステルダムで、「われわれは2022年までに全車電動化を実現できるとともに、特別なものを提供できると確信している」と語った。 同地では、ホンダが欧州向け電動車「ジャズ」の新型モデルを発表した。 ― 引用終り ― 2019年2月、世界の自動車生産体制を見直す一環として、英国とトルコの工場での生産を2021年中に中止すると発表した。 F1にエンジン供給しているホンダの欧州への こだわりは強いが、域内シェアは1%以下と低迷している。 2022年までに100%電動化のアドバルーンを上げることで、存在感と未来志向の姿勢をみせたかったのだろう。 先にフォーミュラEへの参戦もF1で好成績を収めたら考慮しているとも、報道されている。 Honda e レベルの目的限定ではない「特別な技術(電動関連)を提供」できるかにかかっている。
2019年11月03日
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マツダが小さいバッテリーのEVを発表。 航続距離は Honda e 並みの240km。 とても「いっちょ前の車」とは思えない。 遂にマツダもEV発表へマツダEVプロトタイプに試乗バッテリーは35.5kWh2019年10月20日 AUTOCAR JAPAN あえて小さくしたバッテリーは35.5kWhtext:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)translation:Kenji Nakajima(中嶋健治) マツダは、従来の内燃機関の効率を高めるだけでなく、しっかり電動化技術の開発も進めていた。 近年のマツダの成果として印象的だったのは、スカイアクティブ-X。 高圧縮比で薄い混合気に着火することで、「ガソリンエンジンのパフォーマンスと低排気ガスに、ディーゼルエンジン並の経済性とトルクを組み合わせる」 とうたわれている技術だ。 だが、2021年から欧州で施行される厳しい環境規制目標を考えると、自動車メーカーはEVモデルの導入を先送りすることができない。 今回フランクフルトで、マツダ初のEVプロトタイプの試乗となったのも、自然な流れだといえる。 ベースはCX-30で、数日後に開幕となる東京モーターショーで正式にお披露目される予定。 量産モデルも小型SUVになるとのことで、床下に搭載されるバッテリーは35.5kWh。 航続距離は240km程度とされており、主に都市部での利用がメインとなるだろう。 比較的小さい35.5kWhというバッテリーの容量には理由がある。 マツダによれば自動車のライフサイクル、生産から利用、廃棄やリサイクルまでの環境負荷を検証した結果、35.5kWhという大きさが環境に優しいことがわかったという。 ガソリンエンジンのマツダ3や、95kWhという大容量バッテリーを搭載するより、環境負荷が小さいとのこと。143psのモーター1基で240kmの航続距離 マツダ・ヨーロッパで研究開発部門を率いるクリスチャン・シュルツェは、「バッテリーが大きすぎても良くありません。 ユーザーが本当に必要とする航続距離を理解しつつ、CO2を大幅に削減するためには、バッテリーの容量は小さくする必要があります」 「わたしたちは35.5kWhというサイズが、1度の充電で買い物をしたり学校への送迎をしたり、通勤で利用したりするのに丁度いいサイズだと考えています」 と話している。 ― 引用終り ― あえて小さくしたという言い訳に欠けている前提は、「現在のバッテリーでは」という文句。 バッテリーがより軽量、高エネルギー密度になれば、結果は大きく変わる。 小さなバッテリーの搭載をもって「しっかり電動化技術の開発もすすめていた」かどうかは分からない。 電動化について何らかの取り組みは続けていたらしい、ことは分かる。 ディーゼルでは時代の要請に応えきれない近未来を迎えるにあたり、マツダも他のメーカーと同様、次世代蓄電池を欲していることは確実。 次世代蓄電池が実用化されたなら、EVの市場への浸透度は大きく変わると考えられている。 トヨタがグループを挙げて電動化技術に取り組む由縁。 内燃機関にはうるさいモータージャーナリズムは、電動化に関しては素人並みになっている。 トヨタとマツダが資本提携に踏み切った「やむに止まれぬ事情」実は、国家レベルの利害衝突が背景に… 町田 徹2017年8月8日 現代ビジネス
2019年11月03日
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大手の自動車メーカーは、自動車の未来をEVにおいている。 ではEVがいいのか? 現行のEVは欠点が多く、ゼロエミッションや低速トルクの豊富さを別として、商品性で内燃機関に勝てていない。 ダイソンがEVから撤退せざるをえなかった理由テスラが築いた「高くて構わない」はもう飽和2019年10月25日 東洋経済オンライン …(略)…■EVの実績が伸びない理由 しかし、そもそもなぜ世界の期待を集めるEVが1%少々の実績に甘んじているのか? 実は自動車の黎明期からEVは存在した。 しかしほとんど見向きもされずに内燃機関の時代が続いたのである。 問題の本質は当時から同じだ。 エネルギー密度が低い。 つまり「重量当たりのエネルギー量が少ない」。 クルマに仕立てるには航続距離が足りない。 足りるようにするためには大量のバッテリーを搭載せねばならず、そうすると重いし高価になる。 「いやいや、エネルギー密度は目覚ましく改善されている」と反論する人が世の中にはいて、それは必ずしも間違ってはいない。 そのあたりにかろうじてメドがついたからこそ10年ほど前から各社がEVをリリースし始めたのだ。 100年前と比べれば進歩がすさまじいのは認めよう。 だが、商品として適正なバランスに達するには、まだあと100倍くらい進歩が必要だ。 今の10倍ではまだ厳しい。 EVは必須の技術であり、今後も継続的に開発投資が進むだろうが、2年や3年でどうにかなるレベルにはない。 早くとも2030年くらいまではかかるのではないか。 2019年の今、EVのバッテリーは1台分で200万円から300万円くらいのコストと言われている。 バッテリーだけでは走れないから、クルマに仕立てるとどうやっても350万円くらいにはなってしまう。 だからまじめにバランスのよいクルマを作ろうとすればするほど、お値段はお高め、航続距離は少しやせ我慢して「わりと余裕ですよ」と言えるくらい、装備は少し悲しめのEVが出来上がる。 バッテリーが高いのがすべて悪い。 このトラップから誰が抜け出せるかのレースが今のEVマーケットの本命だ。 ― 引用終り ― 巨大新車市場の中国と米国でEV化が進展しそうなので、各メーカーは急にEVに力を入れ始めた。 現状は価格が高く、自由度の少ない(航続距離、充電時間)車なので、各種の優遇策がないとEVの選択にはつながりにくい。 「重量当たりのエネルギー量」が高いバッテリーが実現できれば、これらの状況は激変する可能性がある。 「2年や3年でどうにかなるレベルではない」とは断言できない。 世界の自動車メーカーは新しい電池の開発めどを2020年においているからだ。 画期的な性能の蓄電池の製品化に各社が鎬を削っている。 開発段階のため、半端な情報の流出に、大いに注意がはらわれている。
2019年10月31日
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ホンダは、新型コンパクトEV(電気自動車)「Honda e」の量産モデルをフランクフルトショー 2019で公開すると発表した。 Honda eは、新開発となる後輪駆動のEV専用プラットフォームを採用。 コンパクトなボディにロングホイールベースと短いオーバーハングを実現。 市街地での取りまわしのよさと優れた走行性能を両立させたタウンユースのモデル。 パワートレーンは、100kW(136PS)または113kW(154PS)の2つの出力と、315Nmのトルクを発生する高出力電動モーターを採用。 35.5kWhのバッテリーは、1回の充電で最大219km走行可能。 30分で80%の容量まで急速充電できる。 エクステリアの特徴は、電子ミラーシステム「サイドカメラミラーシステム」。 ポップアウトドアハンドルの採用により、シームレスさを強調。 インテリアは12.3インチのデュアルタッチスクリーンを装着。 新型EV「ホンダe」の価格が明らかにドイツではおよそ350万円から【フランクフルトショー2019】2019.09.10 Web CG …(略)… 今回のショーでは、その価格も明らかにされた。 地方自治体の補助金を差し引いたドイツの場合で、最高出力100kW(136PS)のタイプが2万9470ユーロ(1ユーロ=118.4円換算で約349万円)、同113kW(154PS)のハイパワーバージョンたる「アドバンス」グレードが3万2470ユーロ(同384万円)となっている。 ― 引用終わり ― 少量生産から量産競争へ。 EV時代の第2段階が始まる。 それにしても航続距離200km台は、世間をなめている。 全固体電池の登場を待つ暗示か?
2019年09月18日
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高齢者による連続衝突事故が三重で発生。 またプリウスか、と思ったらどうも違う。 共通点は「覚えていない」ということ。 67歳 男性が運転する車が次々衝突1人死亡7人重軽傷2019年7月21日 テレ朝news 三重県伊勢市で車5台が絡む事故があり、1人が死亡、7人が重軽傷を負いました。 20日午前11時ごろ、伊勢市の県道で67歳の男性が運転する車が前の車に衝突した後、左右の車に次々に衝突したうえ、左側の川に転落しました。 また、3台目に衝突された車がはずみで左側を走っていた軽乗用車に衝突し、軽乗用車はひっくり返りました。 この事故で、軽乗用車の後ろの座席に乗っていた伊勢市の無職・神内美知子さん(66)が死亡したほか、7人が重軽傷を負いました。 警察によりますと、最初に事故を起こした男性は「覚えていない」と話しているということです。 警察は事故の状況を詳しく調べています。 ― (略) ― 日本、韓国、中国では、今後高齢者の人口は増加する。 電動化で自動車の運転はより容易になす。 このままでは「覚えていない」運転者の車が起こす事故は多くなる。 社会インフラとして自動車は、自動運転を事故防止機能として要求されることになる。
2019年08月04日
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2019年4月、トヨタは圧倒的な強みを持つHVの特許実施権を無償提供を発表。 それに引き続きEVとEV用電池の共同開発を発表。 中国政府はHV優遇策への転換を報じられているが、トヨタはEV普及の手綱を緩めない。 個の共同開発は、トヨタのEV施策の前倒しと中国市場獲得への本気度が示されている。 トヨタは中国への生産工場進出でVWに遅れ、中国新車市場No.1をVWに奪われたままになった。 矢継ぎ早に放たれるHV、EVの取組は、それを覆す取組。 中国でNo.1になってこそ、世界一が磐石になる。 トヨタ、BYDとEV・電池を共同開発20年代前半に中国投入Reuters Staff2019年7月19日 ロイター トヨタ自動車は19日、中国の電気自動車(EB)メーカー、比亜迪股分有限公司(BYD)とEVを共同開発することで合意したと発表した。 開発するEVの車種はセダンと低床のスポーツ多目的車(SUV)のタイプ。 トヨタブランドで2020年代前半に中国市場への投入を目指す。 開発車両などに搭載する電池の開発も共同で進める。 ― 引用終り ― BYD(比亜迪股ふん有限公司)は広東省深せん市に本社を置く中国の企業。 グループ企業各社を通じて、IT部品(二次電池、携帯電話部品・組立)と、自動車を中心に事業を展開している。 リチウムイオン電池の製造で世界第3位、携帯電話用では世界第1位。 電池事業のノウハウを生かして自動車事業に参入。 2003年、自動車事業の子会社BYD Autoを設立。 2008年12月、世界初の量産型プラグインハイブリッドカーBYD F3DMを発売。 2010年4月1日、日本の金型大手のオギハラの買収は日本でも話題となった。 土地、建物、設備と従業員約80人を引き継ぎ、中国人社員への技術移転を進た。 中国のEVトップメーカー。 世界最大の投資持株会社バークシャー・ハサウェイの会長兼CEOのウォーレン・バフェットが、親会社の比亜迪に出資したことが報じられ、その将来性が高く評価された。 中国トップメーカーのVWは今のところ有力なHVの玉をもっていない。 ディーゼル不正の賠償金で経営体力を削られているであろうVWの、EV開発・生産対応状況と中国でのEV生産施策の巻き返しがあるのか、ないのか注目される。 VWが巻き返すには、世界トップクラスの部品メーカであるボッシュ、コンチネンタルなどとの全ドイツ的な取組が必要となると思われる。
2019年08月03日
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ホンダeは街乗り重視で開発された。 アクセルレスポンスはよく出来るので、重量配分を良くして操縦性の改善につなげるのは正統派のアプローチ。 1充電の航続距離が短ければ、街乗りに最適化するのは適切な選択といえる。 だが専用プラットフォームの開発は疑問符が着く。 同じ体積で容量の飛躍的に大きな蓄電池の実用化を前提としていれば、問題はなくなる。 ホンダの新型EV『ホンダe』の最新プロトタイプ発表、ヒルクライムにも出走…グッドウッド20192019年7月9日 Respose …(略)…モーターは最大出力150ps ホンダeには、高出力の電気モーターを搭載する。 最大出力は150ps、最大トルクは30.6kgmを引き出す。 ホンダeでは、このモーターが後輪を駆動する。「スポーツモード」が選択でき、より鋭い加速レスポンスによって、パフォーマンスを引き上げる。 ホンダeには、ドライバーがアクセルペダルだけで加減速が行える「シングルペダルコントロール」を導入する。 アクセルペダルを踏むと、通常どおり加速する。アクセルペダルから足を離すと、自動的に回生ブレーキが作動し、減速する。 シングルペダルコントロールは、都市部における運転効率を向上させ、ドライブをより魅力的でエキサイティングかつ、シームレスにするという。 ホンダeは後輪駆動のため、前輪のステアリングの切れ角を大きく取ることが可能になった。 最小回転半径はおよそ4.3mとし、都市部における取り回し性を高めている。 1回の充電での航続は200km以上 ホンダeには、日常的な使いやすさと柔軟な充電を可能にするために、信頼性の高い蓄電容量35.5kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載する。 バッテリーパックは、水冷式だ。 バッテリーの効率と充電性能を最大化しながら、室内空間を損なわないよう、バッテリーのサイズと重量は最小限に抑えられる。 充電は、「タイプ2」のAC接続、または「CCS2」のDC急速充電器に対応する。 1回の充電での航続は200km以上を達成する予定だ。 急速充電なら、30分でバッテリー容量の80%まで充電できる。充電ポートは、シンプルさと使いやすさを重視して設計された。充電ポートはボンネットに配置されており、車両の前部または両サイドからのアクセスを可能にする。 ガラスパネルの向こうにLED照明が装備されており、充電ポートを照らし、バッテリーの充電状態を表示する。 また、ダッシュボードのデュアルタッチスクリーンには、バッテリーの充電レベルが表示され、電動パワートレインのグラフィックには、電力の流れや回生および充電の状態が表示される。 ― 引用終り ― バッテリーパックの水冷式はテスラが導入し、日産が導入していない技術。 適切な温度管理と配電管理でバッテリー容量が保たれ、バッテリーの寿命が延びる。 このために専用プラットフォームが必要になったのだろう。 電動車は高度な運転補助システムの適用がエンジン車より広範に可能。 ホンダeで自動運転、運転補助をどこまでやるか楽しみだ。 恐らくEV量産車の実用化ですすんでいると思われる、トヨタグループが総力を結集した本気のEV専用車を早く見てみたい。
2019年07月30日
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三洋化成工業が、電極を含めたほぼすべての構成要素(電極、集電体、セパレーターなど)を樹脂で形成する「全樹脂電池」を量産化するという。 時間のかかる乾燥工程が不要とあり設備投資を抑制できる。 電池のエネルギー密度は従来の2倍以上、材料コストは半減するという。 日産自動車でEV用のLiBの研究開発を行なっていた、堀江英明 慶應義塾大学特任教授が設立したベンチャー企業APBを三洋化成工業が2019年2月に子会社化し、本格的に量産を目指すことになった。 全樹脂電池は活物質の粉末を電解液に混ぜ込たペーストを樹脂フィルム上に塗り、それを電池構成部材のセパレーターとともに重ねたシンプルな構造。全樹脂電池の特徴・構成要素が樹脂のため安全性が高い。・端子やセル間の隙間が不要。・一部が短絡しても発熱しない。・重ねるだけで並列接続できる 下記は2018年に報じられた記事。三洋化成、新型リチウムイオン電池製品化へ高容量「全樹脂型」2018年7月5日 京都新聞 三洋化成工業は2020年度をめどに、開発中の新型リチウムイオン電池(LiB)を製品化する。 新しい製造法を用いて機能性を高めた「全樹脂型」の製品で、大規模蓄電池などの幅広い用途での展開を目指す。 10年後には電池事業の売り上げ規模を1千億円程度に育てる考えだ。 同社や関係者らによると、開発中のLiBは、集電体の材料を通常の金属箔(はく)から樹脂製フィルムに変更。 電極材の物質も樹脂で覆う。 樹脂を用いることで製造工程を大幅に簡素化。 安全性が高く、高容量化も可能になる。 例えば、これまででは作れなかった大型の蓄電池を安価に生産したり、3Dプリンターで複雑な形状の製品を作れたりするという。 用途には、工場やビル、発電所で使う定置型の蓄電地などの産業用途を想定。 ウエアラブル端末などへの展開も視野に入れる。 同社のLiBに関する特許を調べると、日産自動車と共同で出願したものもあり、両社で車載用への展開を検討している可能性もある。 …(略)… 2018年12月10日、日産自動車は車載電池子会社を中国のエンビジョングループに売却する予定を前倒しすると発表。 全樹脂電池の量産化に目途がついたためだったのだろうか。 トヨタ-パナソニック、日立造船、FDKなどが取組んでいる「全固体電池」の量産化の進捗状況はどうなのだろうか。 EVの将来は、安価で高性能な電池の量産化にかかっている。 全固体電池実現のネックを解明-界面抵抗低減の指針を確立し実用化の道拓く-2018/11/23 産総研要 点・ 固体電解質と電極が形成する界面において規則的な原子配列が低抵抗界面形成の鍵であることを発見・ 表面X線回折(用語1)により界面の構造を精密に解析・全固体電池の開発指針を与え、実用化に向けた重要な一歩 …(略)…
2019年06月23日
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ディーゼル排気ガス不正でフォルクスワーゲンを筆頭に、ドイツ車はディーゼルエンジンからEVシフトに切り替えた。 スポーツカー・メーカーのポルシェもEVを発表。 それに習ってフランス、イタリアの量産車メーカーも将来の車種構成をEVにシフト。 米国では中国市場での販売が多いGMがEVの開発重視にシフト。 自動車先進国がEV重視になる中、時に複雑な先進技術を好む日本の自動車メーカーの動きは生ぬるく映る。 ただのEVは、他に優位性を占める技術の発揮しようがないからであろう。 日本の自動車メーカーはEVに力を入れていないように見える、一体なぜ?=中国2019年5月23日 サーチナ 中国は世界一の自動車市場として驚異の成長を続けている。 特に、ここ数年は電気自動車(EV)の普及が進み、世界で最も多くのEVを保有する国となっている。 中国メディアの今日頭条は19日、各国がEVへと大きく舵を切っているのに対し、「日本の自動車メーカーがEVの開発や販売に力を入れていないのはなぜか」と指摘する記事を掲載した。 エネルギー資源の有効活用と環境保護の面から急がれるEVの普及だが、中国は自動車が排出する有害汚染物質を段階的に削減していく「国六標準」という国策を打ち出している。 記事は、「大気汚染を軽減させるため、中国は特にEVの開発と普及に力を入れている」と指摘。 ガソリン車からEVへの転換を進めているのは中国だけではないとし、「欧州の自動車メーカーでもディーゼル車やガソリン車からの撤退の動きが既に始まっている」と主張した。 しかし、「日本の自動車メーカーはEVの普及にのらりくらりとした態度を取っているように見える」と主張。 日本の自動車メーカーはEVよりもハイブリッド車や燃料電池車などEVではない自動車に対して注力しているように見えるとしたほか、同じ日本メーカーであってもEVへの力の入れようにはばらつきがあり、「日本の自動車メーカーは新エネルギー車の開発にそれほど力を入れていないように見える」と主張した。 …(略)… 日産はもとより、トヨタ、ホンダも十分にEVに力を入れている。 だが、政府とともに取組んでいる究極のEVと位置付けられているFCEV(燃料電池車)を優先して開発した時代が長かった。 EVがこんなに急速に普及する芽を見出しても、急に方向転換できなかった。 近い将来で現在のEV(=電池自動車)で画期的な技術で最も有力なのは、全固体電池、全樹脂電池と考えられる。 トヨタもホンダも、全固体電池の開発に力を入れている。 いずれにしろ、世界がEV化に向かって加速を始めるのは2020年以降と考えられている。 即ち、各社の発表した構想が形となって現れ始めるのは2020年以降。 国内に自動車市場の発展の芽がないので、EV工場はトヨタもホンダも中国に作り、2020年の本格稼動を目指す。 NEVを巡る今後の取組や課題 経済産業省自動車課 2017年12月 日本特有の軽自動車にはEVを稀にしかみない。 比較的高価なEV時代が到来するのは確実。 衰退する日本社会はそれについていけずガラパゴス化してゆく可能性が濃厚。
2019年06月10日
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2019年4月の上海モーターショーではEVが注目を集めた。 政府の補助金もあり中国国産メーカーがEVの取組で先行していたが、中国市場を重視する海外有力メーカーが続々と新型EVを披露。 経済の先行き不安が強まる中、中国の新車販売は減少傾向だが、電気自動車などの新エネルギー車は増加。 2020年には200万台を突破する見通し。 2019年からはメーカーに一定比率の新エネ車生産・販売を義務付ける規制がスタート。 2020年には世界最大の新車市場である中国のEV化が一挙にすすむとみられている。 2019年4月12日、日本電産は、電気自動車(EV)の基盤となる車台と駆動装置などを一体化したプラットフォームを他社と共同で開発する事業に参入する方針を表明。 2025年度をめどに販売を始め、2030年度にプラットフォーム製品として売上高1兆円を目指す。 「EVはCO2多い」=ドイツ著名エコノミスト主張で論争2019年4月27日 JIJI.com 「発電や電池製造の過程を考慮すれば、電気自動車(EV)の二酸化炭素(CO2)排出量は最新のディーゼル車より多い」。 ドイツの著名エコノミストらがこんな研究報告書を発表し、論争になっている。 ディーゼル車の排ガス不正を受け、独自動車業界が進めるEVシフトに冷や水を浴びせかねない内容だ。 報告書をまとめたのは、ドイツを代表するシンクタンク、IFO経済研究所のジン前所長ら。 サイズなどが共通するメルセデス・ベンツのディーゼル車「C220」と、米テスラのEV「モデル3」のCO2排出量を、走行に必要な発電量などを考慮して比較した。 ドイツではCO2を多く排出する石炭火力発電が電源全体に占める割合が高く、モデル3の排出量が最大28%多くなったという。 エコノミストらは報告書で、「EV排出ゼロとうたうのは、政治的ごまかしだ」と訴えた。 石炭火力発電の多さもあるであろうが、とにかくEVはカリフォルニア州政府が何と言おうが「ゼロ・エミッション」ではない。 日本電産が高品質で低価格なEVプラットフォームを量産するようであれば、中国政府の自動車国産化の夢は潰える。 EVの拡大と連動した電力に関する政策が必要であることは、みな分かっているが、口を噤んでいる。
2019年05月11日
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モデル3の生産に着手し、テスラは量産メーカーへの転換をはかった。 量産立上は大混乱しテスラは赤字企業となった。 その後は計画の台数をこなし、テスラの事業は順調にみえた。 そこに伏兵としてリチウムイオン電池が登場した。 コラム:米テスラの「煉獄」はいつまで続くかAntony Currie2019年4月25日 ロイター 苦しみの最悪部分はある程度収まったが問題は広がりを見せており、テスラは天国と地獄の間の「煉獄(れんごく)」にはまり込んでいる。 テスラが発表した第1・四半期決算は、売上高が前期比37%減の45億ドルと大きく落ち込み、純損益は7億200万ドルの損失と再び赤字になった。 こうした業績の悪化は一時的なことだろう。 テスラは今年に入って中国と欧州向けにモデル3の出荷を開始し、海外の販売が売上高の回復に貢献しそうだ。 マスク氏は第3・四半期の黒字転換を見込んでいる。 ただ懸念材料もある。 第1に、リチウムイオン電池を製造する米国の「ギガファクトリー」の生産が見通しに届いていない。 需要が増せば供給が追い付かなくなるだろう。 …(略)… モデル3の量産が不調な中、2017年11月16日、2019年生産開始予定の電動トラック「セミ」を発表。 2017年11月23日、「セミ」の価格を発表。 2019年2月19日、テスラが米国証券取引委員会(SEC)に提出 した2018年12月期決算の年次報告書で、2018年通期の売上高は214億 6000万ドル(約2兆3600億円)。 テスラにとって第2位となる中国市場での売上高は17億5700万ドル(約1930億円)と、前年同期から15.4%落ち込んだ。 中国ではモデル3のようなセダンではなく、コンパクトSUVが人気の主流となっていた。 2019年3月14日、小型SUV「モデルY」の販売計画を発表。 そして赤字見通しの四半期業績発表前の2019年4月22日、投資家向けに自動運転車の説明会開催。 自動運転のロボットタクシー車両の展開戦略を発表。 マスク氏は投資家が現在(現実)から目を逸らすべく、未来へ未来へと視線を誘導している。 EVの普及拡大の当面のネックは、電池の増産。
2019年05月10日
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テスラのイーロン・マスクCEOは2月28日、テスラの販売店を全て閉鎖するとツイッターに掲載。 実売店のない量産自動車メーカーならば画期的。 テスラは販売をネットに限定し販売店をすべて閉鎖by Kirsten Korosec2019年3月01日 TechCrunch Japan Tesla(テスラ)は今後、すべての販売をオンラインで行う。 営業戦略のこの劇的な変化により、販売店は閉鎖されて一部のレイオフが生ずる。 これらはすべて、Model 3の原価、ひいては販売価格を下げるための方策だ。 TeslaのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは閉鎖される店舗数をまだ発表していない。 一部の店は残して、情報センターやショウルームとして使うそうだ。 職を失うことになる小売部門社員の数も発表されていない。 マスクCEOは曰く「一部の店舗を閉鎖するので、そのぶんの社員数は減る。そのことには、疑問の余地がない。この車の原価を大きく下げ、買いやすい価格で提供する方法は、ほかにない。いろんな方法を検討したが、小売部門の社員を減らす以上の良策はない」。 オンライン販売への全面的な移行とそのほかの費用効率向上策により、全車種の価格を平均6%下げることができ、Model 3を3万5000ドルで提供できるようになる。 しかしそれと同時にTeslaは「整備士や修理工などのサービス系技術者を増員する」と米国時間2月28日の記者会見で発表した。 その人数は不明だ。 …(略)… マスクCEOはいいことを思いついたのだろうが、デメリットは考えなかったのだろう。 わずか10日後、ディーラーの半数を存続させると発表。 いい思い付きを素早く公開し、素早く訂正。 加えて3月19日から車両価格を平均3%値上げすると発表。 テスラがネット販売への全面移行を見直し、平均3%の値上げも発表2019年3月12日 Response テスラ(Tesla)は3月10日、EVのネット販売への全面移行を見直し、当初閉鎖する計画だったディーラーのおよそ半数を存続させると発表した。 テスラは2月、EVのネット販売への全面移行計画を発表し、既存ディーラーを大規模に閉鎖する方針を示していた。 テスラは2月の発表から2週間をかけて、既存ディーラーの詳細な調査を実施した。 その結果、当初閉鎖する計画だったディーラーのおよそ半数を存続させることを決めている。 …(略)… マスクCEOが唱えた施策はキャッシュフローの改善のためと考えられる。 テスラは財務的に良い状態にあるのか、本当に心配になる。 米国の関係機関の反応も素早かった。 SEC(米証券取引委員会)は、2月に送信した2回のツイッター投稿、EVの生産予想が昨年の和解合意に違反しているとして、法廷侮辱罪に問うよう裁判所に求めた。 昨年の和解合意で義務づけられた内容チェックを受けていなかったと主張した。
2019年04月09日
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EVの要は電気供給源とモーター。 燃料電池か、蓄電池かは、コストと実用化の進展具合から現状は蓄電池利用が圧倒的に優っている。 蓄電池の高性能リチウムイオン電池と全固体電池が争っている。 全固体電池が実用化できた場合、小さな体積に大きなエネルギーを短時間で蓄積できると考えられている。 トヨタとパナソニックは全固体電池の量産会社を共同出資で立ち上げた。 全固体電池では主導権を渡さない!?トヨタとパナソニックが、EV用電池で新会社設立へ 2019/01/22 Motor Fan illustrated編集部 トヨタとパナソニックは。2020年に共同で車載電池の新会社を設立する。 これは、新聞各紙が報道しているとおりで、新会社の出資比率はトヨタ51%、パナソニック49%になる見通しだ。 自動車の駆動用二次電池に関しては、中国や韓国のメーカーが躍進している。 トヨタとパナソニックは新会社を設立することで、コスト競争力の向上と次世代技術の開発強化を図る目論見だ。 現在の世界の車載リチウムイオン電池のシェアは1位:CATL(寧徳時代新能源科技)中国2位:パナソニック3位:BYD(中国)4位:オプティマムナノ(中国)5位:LG化学(韓国)6位:グオシュエン・ハイテク(中国)7位:サムソンSDI(韓国) トヨタとパナソニックは、HV向け電池で提携関係にある。 プリウスが搭載する電池は、プライムアースEVエネジー社が生産しているが、同社はトヨタとパナソニックの合弁会社だ。(80.5%、パナソニックグループ19.5%)クルマの電動化を見据えてEV向けに関しても提携を検討すると17年12月に発表していた。 …(略)… 全固体電池が適切なコストで実用化された場合、航続距離が増大し、リチウムイオン電池より短時間で充電可能なことから、電気自動車が一気に普及拡大すると考えられている。 トヨタが実用化宣言をした2020年まで、もうすぐだ。
2019年03月31日
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有力な消費者向け情報誌の「コンシューマー・リポート」がテスラ・モデル3の推奨を取り下げた。 理由は下記の通り。 米有力誌がテスラの「モデル3」推奨取り下げ、信頼性を問題視2019年2月22日 ロイター 米消費者向け情報誌「コンシューマー・リポート」は21日、信頼性の問題を理由に、米電気自動車大手テスラの「モデル3」の推奨を取り下げた。 同誌によると、モデル3の生産加速に伴い、車体やインテリア、窓、塗装の問題の報告が増加したという。 同誌がモデル3を推奨してから9カ月もたたずに推奨を撤回したことで、モデル3発売以降、テスラが直面してきた「質」の問題が浮き彫りになった。 コンシューマー・リポートは多くの消費者が自動車購入を検討する際に参考にしている。 同誌のランキングは走行試験、信頼性、安全性、オーナーの満足度の評価に基づく。 モデル3の低評価が響き、同誌の2019年の自動車ブランド別ランキングで、テスラは33ブランド中19位に沈んだ。 テスラ側は電子メールで「モデル3の購入者が経験した可能性のある問題を修正するための大幅な改善をすでに行った」と説明。 「当社の方針では、製品に満足していない顧客には全額返金での対応を認めている」とした。 今回、衝突被害軽減自動ブレーキ(AEB)を搭載していない自動車が推奨されなかったことで、ゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー」など人気車種を扱う他のメーカーに対しても、AEBを標準装備とするよう求める圧力が強まっている。 …(略)… 車体、インテリア、窓、塗装の品質は、いずれも量産品質の要。 低コストでの量産は様々の知識とノウハウの集積で成り立っている。 ロボット化の容易でないものも多い。 モデル3の量産品質はロボット化で克服できない課題ばかりとは思えない。 テスラがたいした量産技術を持っていないことを意味している。 おそらくこれに経年劣化の問題が覆いかぶさるのだろう。 テスラは過熱している人気に支えられているからよいが、普通の量産メーカーが同じ様なことをしたら、死活問題となる。 AEBの装備は、遅れている米国のトヨタ、ホンダも慌てさせていると思われる。 精緻で、稠密な日本向けではなく、米国向き、大陸向きのAEBの技術開発が必要なのかも知れない。
2019年03月30日
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シリーズ式ハイブリッド販売が好調な日産は、度重なる不正により来店者が減少し、販売が低下。 「e+」は、ゴーン容疑者の金融商品取引法違反容疑等での逮捕の影響で、2018年12月のロサンゼルスショーでの発表を延期。 12月7日には、完成検査で4度目の不正発覚を公表。 2019年1月9日、仕切り直しで「リーフ e+(イープラス)」を発表。 電気自動車・リーフの航続距離4割増しの「e+」を2019年1月23日発売。 熱問題が解決したとは聞かないが、起死回生の一発になるのだろうか? ついに国内販売マイナス…日産が期待する救世主の存在2019年1月15日 ニュースイッチ 日産自動車の国内新車販売に不振の影がちらつき始めた。 2018年12月の販売は5カ月ぶりに前年同月比マイナスとなった。 前会長のカルロス・ゴーン容疑者の不正問題と、4度目となる完成車検査不正の発覚が逆風だ。 コーポレートガバナンス(企業統治)の徹底的な見直しと、「リーフ」シリーズなど電動化技術を生かした車両の魅力によりブランド力を回復できるかが問われる。 日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽協)のまとめによると、日産の18年12月の新車販売台数は前年同月比2.8%減の3万6888台。 17年12月は無資格検査問題の影響で同約2割減と低水準だったにもかかわらず、それを下回った。 …(略)… 商品面では電動車がブランド回復の役割を担う。 自販連がまとめた18年の車名別新車販売では小型車「ノート」が、登録車で日産車として初めて年間首位に立った。 独自のハイブリッド技術で電気自動車(EV)と同様の乗り味を楽しめる駆動システム「eパワー」を搭載したモデルが販売の約7割を占めた。 eパワーモデルを設定する「セレナ」もミニバン分野で首位となりeパワーの訴求力の高さを証明した。 また23日にはEV「リーフ」に、上位モデル「e+(イープラス)」を追加設定して発売する。 リチウムイオン電池を大容量化し、充電1回当たりの航続距離を既存モデル比で4割増の458キロメートル(WLTCモード)としたほか、加速など走行性能も高めた。 開発責任者の磯部博樹CVE(チーフビークルエンジニア)は「高速道路の合流などで良さを感じてもらえるはず。 東京―横浜間の高速道路を頻繁に利用するユーザーなどに最適な選択肢だ」とアピールする。 …(略)… 新型リーフは航続距離延伸のため、旧型より多くのバッテリーを詰め込んだ。 特段の冷却手段は追加されず、急速充電ができない、フル充電にならないなどの「夏ばて症状」が多発している。 「e+」はさらに電池搭載量を増加した。 電池容量は旧型20kWh-新型40kWh-e+62kWh。 バッテリー収納部の拡大で最低地上高は15mm低下、バッテリーは130kg増加し車重は180kg増。 バッテリーの冷却方式の追加はなく、従来の電池モジュールを3並列に変えて、急速充電時の温度上昇を緩和させようという手法を採った。 リーフには短時間に繰り返し急速充電が行われた場合に、バッテリー性能を保護するための機能が搭載されている。 この保護機能により急速充電を複数回繰り返すと充電時間が長くなる場合がある。 この機能はバッテリーの寿命を長くするための重要な機能となっている。 大丈夫なのだろうか? 電気自動車も夏ばて?急速充電しても低速充電に国沢光宏 | 自動車評論家 2018/8/6 YAHOO!ニュース 今年の夏の暑さで日産リーフが夏バテになっている。 知人の新型リーフは自宅で満充電して気温35度の中、200km走行。出先の日産ディーラーで急速充電すると、30分掛かって半分にもならなかったという。 ディーラーに聞いたら「暑い日はこういった状況になるんです」。 困惑している感じだったそうな。 リーフの夏ばて症状、どうやら多数発生しているようだ。 …(略)…
2019年03月16日
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EVの眼目はモーターと蓄電池。 テスラは蓄電池の温度管理のレベルが高いので、電池が効率よく機能する。 リーフはe+になっても「夏ばて」するのだろう。 諸元 日産 テスラ 新型リーフe+X モデル3ミッドレンジ価 格 4,162,320円 46,000ドル(約519万円) 全長×全幅×全高(mm) 4480×1790×1545 4694×1849×1443 ホイールベース(mm) 2700 2876 車両重量(kg) 1670㎏ 1672㎏ 駆動方式 FF RR バッテリー形式 リチウムイオン リチウムイオン・未発表容 量 62kWh 60kWh前後 航続距離 364km(EPAモード) 18㎞(EPAモード) 最高出力 160kW(218ps) 未発表 最大トルク 340Nmm(34.7kgf・m) 未発表 バッテリーセル冷却方式は、リーフe+が「なし」。 テスラモデル3はより強化された冷却を導入。 ここがポイント。 【ニュース】Tesla Model 3セル冷却システムリチウムイオン電池ニュースまとめ 下記にテスラのバッテリーがへたらない理由、構造の説明が記載されている。劣化しないテスラのバッテリーとモデル3生産遅延の原因2017-11-26
2019年03月03日
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テスラが販売台数でベンツ、BMW、レクサスを越えた。 いまのところ四半期ベースでのはなしだが、バックオーダーが潤沢にあるモデル3の生産も順調。 2019年は年間ベースでそれらのブランドを上回ることになりそうだ。 テスラが米高級車市場でトップに、BMWやメルセデスに大差2019年1月4日 Forbes JAPAN いくつかの法的トラブルに直面し、財政状況の悪化に苦しむ米テスラは、2018年の米国のプレミアム車市場において予想を上回る実績を記録した。 販売台数でテスラはメルセデス・ベンツやBMW、レクサスらを凌駕している。 シリコンバレー本拠のテスラは1月2日、2018年の第4四半期(10月~12月期)に9万台以上を販売したと発表した。 この数値は、第3四半期(Q3)を8%上回り、同社の最高記録となった。 内訳はモデル3が6万3150台(Q3から13%増)、モデルSが1万3500台、モデルXが1万4050台となっている。 テスラのQ3の米国における販売台数は既にメルセデス・ベンツを超えていた。 調査企業Atherton Researchは、テスラの2018年第4四半期(Q4)の売上がBMWをも上回ると予測している。 Atherton Researchに勤務する筆者は、テスラが米国の高級車市場において、BMWやレクサスに大差をつけ、ナンバーワンの地位を確保したことを確認している。 BMWの乗用車及びSUVは、2018年第4四半期に米国で約8万台を販売したが、これはテスラの販売台数より1万台も少ない数値だ。 テスラの2018年通年の納車台数は24万5240台だった。 その内訳はモデル3が14万5846台、モデルSとXが9万9349台となっている。 パロアルトに本拠を構えるテスラは声明で、2018年はここ数十年で初めて米国産のプレミアム車両(モデル3)が、この市場のトップに立ったと宣言した。 …(略)… モデル3はただの電気自動車だが、プレミアム車両なのだろうか? 内装などの品質はモデルS、モデルXでも芳しくなかった。 量産車のモデル3でそれらの点が改善されているとの話は聞こえてこない。 テスラは「モデル3」中国での納車を2019年3月から開始する計画。 パロアルトは楽しげな小売り店やレストランがたくさんあり、町歩きにいい町だったなあ。
2019年02月11日
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下記は市場分析の専門家が強い思い込みによって書いた記事。 もちろん答えはNO。 テスラが支配する自動車業界を予測する理由2018年10月30日 Forbes JAPAN 現時点において、米電気自動車(EV)メーカー、テスラには真の競争相手がいないと考えるだけの理由は十分にある。 すぐにも競合する自動車メーカーが登場しない限り、自動車業界は向こう数年間にわたってテスラが支配することになるかもしれない。 …(略)… 第3四半期(7~9月期)の決算発表で同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、多額の設備投資を行うことなく、生産台数を週当たり5000台から7000台に増やすことができたと説明した。 生産台数が増え、1台当たりにかかる固定費が減少すれば、テスラは内燃機関(ICE)車と完全に競合する価格のEVで、利益を上げることが可能になる。競合各社はどうする? …(略)…克服すべき2つの課題 …(略)… テスラと競合するためには、各社は2つの大きなハードルを乗り越えなければならない。 マスクによれば、テスラのバッテリーはキロワット時当たりのコストが最も安価だ。 それは誇張かもしれないが、各社はテスラに匹敵するバッテリーを作らなければならない。 それができなければ、テスラに大きな優位性を与えることになる。 また、各社は顧客に、長距離の走行を可能にするための方法を提供する必要がある。 それを実現できなければ、各社の顧客は「EVが2台なければ長距離を移動できない」ということにもなり得る。大手各社が効果的にテスラと競合するための行動に出ない理由の一つは、そうすることが各社の既存の事業とのカニバリゼーション(共食い現象)を引き起こすからだ。 …(略)… 「競合各社」の最新の状況を記事の筆者は知らないふりをしているようだ。 フォードは2020年までに16車種のEVを投入すると発表した。 メキシコ製なので、米国ではトランプ関税により高価かもしれない。 クライスラーは、フィアット・クライスラーなのでイタリア製EVでフォードと同じ関税の課題を抱えるかもしれない。 米国市場で売れているピックアップやSUVをテスラが量産できるかどうかは不明。 初の量産車モデル3週あたりの生産台数は増えたが、採算が取れているのかは不明。 メルセデスの新型EVは2019年の登場が発表されている。 ボルボは中国でEVの生産ができるよう生産の準備=工場建設をすすめている。 2020年は各メーカーがEV市場で本格的に争う年となる。 日本とドイツと中国の自動車メーカーは、2020年を基準としてEV生産を開始しようとしており、専用組立工場、電池の手配を行っている。 安価なEVでテスラにはそれほど優位性はない。 テスラとトヨタが組んがRAV4のEV版は、コストは合っていたようだが凡庸な性能で、提携は打ち切られた。 高価格帯のEVはポルシェ、アウディ、メルセデス、ジャガー、中国のトップブランドのVWが参入する。 フェラーリもランボルギーニもEV参入がハッキリしている。 それらのメーカーが参入するとき、EV市場は大きく拡大するが、テスラの存在感と存在する空間は間違いなく狭くなる。 米国内市場だけが、テスラの頼りになる可能性はとても大きい。
2019年01月05日
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高価格EVメーカーのテスラは「モデル3」で量産車に初挑戦。 量産への挑戦は不順で大幅な生産遅れとなった。 財務事情も悪化。 自動化工程が多いと伝えられ、生産コストが量産に見合ったものになっているかは不明。 量産品質は今後の課題。 テスラの充電施設利用が有料化されるという。 EVの囲い込みはあえなく終了。 テスラの竜頭蛇尾充電施設「無料サービス」を撤回する裏事情2018.11.26 CAR and DRIVER見事なまでの“前言撤回”今後はすべてのチャージャーを課金制度に テスラのEVのメリットとしてユーザーから評価されてきたシステムのひとつが、無料で使えるスーパーチャージャー(充電システム)だった。 テスラは独自の充電ネットワークを全世界に展開。 現時点でチャージャー数は1200基を超える。 ところが、この無料システムは撤回される方向で検討されているという。 これまでモデルS、モデルXのオーナーに対し、“スーパーチャージャーは無料で何回でも利用できる”というサービスが提供されてきた。 つまり、一度テスラ車を購入すれば燃料費は無料になる、という強力なセールスポイントがあった。 もっとも、3万5000ドル(約395万円)という価格のモデル3は無料サービスの適用外。 スーパーチャージャーの利用は課金制になる。 テスラはこの課金制度をモデルSとXのオーナーに対しても適用し、今後はすべてのチャージャーを課金制度にする予定だという。 見事なまでの“前言撤回”である。 問題点が多かったスーパーチャージャー スーパーチャージャーに関してはこれまでも問題点が多かった。 テスラ車の充電には少なくとも30分以上かかるため、テスラはチャージャーをショッピングモールに設置したりレストランを併設したりして、ユーザーの利便性に配慮してきた。 ところが、無料で充電できるという点を身勝手に解釈し、“何時間もクルマをチャージャーに放置する”オーナーがいた。 このためテスラは“2時間以上チャージャーを独占利用するクルマに対して罰金を設ける”、などの対策を講じてきた。 また今年に入り、無料プラン外のチャージャー利用料金の値上げを発表している。 テスラとしては、今後モデル3の台数が増えるとチャージャーが不足し、「外出時に短時間のチャージが利用できない」という不満が続出する事態を警戒している。 有償化を通じて、これまでよりもチャージャー利用者が減る事態を期待している。 またチャージャー利用を有料とすれば、テスラにとってはそれだけマネー環境が有利になる。 …(略)… テスラオーナーは、専用駐車スペースを失うことになる。 テスラはEV顧客の囲込策を一つ失うことになる。 量産車を生産、販売、維持するハードルはいろいろな意味で高い。 量産車を販売すれば、整備する(できる)店も必要になる。 EVは今のところ高電圧でシステムが成立しており、整備するには(交換作業に携わるだけでも)内燃機関にない知識が必要になる。 車は売った後が重要であることに、エコノミスト諸氏は気が付くべきだ。 不幸な企業家、ユーザーを増やさないためにも。 テスラは今後破滅するのか?それとも躍進するのか? 小野正樹2018年8月28日 ベストカーweb 上記の生地は、カギは電池供給と自動運転技術としている。 このことは、全てのEVを開発・生産・販売するメーカーに共通する課題。
2019年01月05日
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2017年6月「Honda Meeting 2017」開催。 報道関係者に向けて電動化と自動運転の取組の発表があった。 【電動化】 2030年に四輪車グローバル販売台数の3分の2を電動化 することを目指す。 ハイブリッドシステムをべースとするホンダ独自の高効率なプラグインハイブリッドシステムを採用したモデルを、今後の開発の中心とする。 ゼロエミッションビークル(ZEV)についても、FCV(燃料電池車)に加え、EV(電気自動車)の開発を強化する。 EVについては、2018年発売予定の中国専用モデルに加え、他の地域に向けても専用モデルを現在開発中で、2017年秋のモーターショーで紹介する。 開発速度を速めるために電動車両の開発体制を強化、パワートレーンから車体まで車両全体を一貫して開発する専門組織「EV開発室」を2016年10月に研究所内に設立した。 2015年に発表された1Lガソリンエンジン+ターボチャージャーの痕跡はきれいに消えている。 では、高級SUVと高級セダン、上質なコンパクトカーの世界のホンダに求めるハイブリッドEVとはどのようなものだろうか。 まずはエンジン。 重量と投入エネルギー量に対して、出力が大きく、消費量が少ないエンジンが望ましい。 動力と直結しないシリーズ式レイアウトのハイブリッドで、定常運転の幅を増やして最高の熱効率を実現するのは、今のホンダでも目標におけるだろう。 EVは電池とモーター。 電池は全固体電池の実用化に挑戦しているようだ。 進化したリチウムイオン電池でも、ガソリンに比べるとエネルギー密度は2桁小さい。 EV、PHEV、EEVのいずれも、エネルギー密度の高い全固体電池化は必須。 あとは電池を最適な温度で管理する熱管理の新機軸の実用化。 モーターは、ブラシレスDCモーターでは(多くのカーマニアや私のような外野は)面白くないので、高性能大出力で「コンパクト」なインダクション(誘導)モーター(IM)の量産モデルへの採用をはかる。 小さく高回転型IMをフレームの片隅の「空いている場所」にスッキリ収める。 これぐらいすればガソリンエンジンからの宗旨替えにも、うるさいだけのカーマニア、ホンダ・マニアにも虫の居所の収まり具合がよいだろう。 大衆車3代目フィット・ハイブリッドにDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を急ぎ採用。 3度以上リコールを繰返したホンダなれば、やってくれるか? ところで、ガソリンエンジンはもう要らないのかな。
2019年01月05日
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