その七




TWIN’Sを産んだ病院で、お嬢も産んだ。

その病院での出来事・・・

TWIN’Sを産んだ時、

ある部屋の人が毎晩うなされていて

同室だった人たちが、気持ち悪がっていた。

その4年後、お嬢の出産の為に入院した。

大部屋希望だったので、その部屋に案内された。

『確かこの部屋は・・・』と思ったが

全く気にしなかった。

お嬢も無事に生まれ、入院ライフを楽しんでいた。

年末に差し掛かっていたため、

お産の数も半端ではない。

毎晩、廊下を『パタパタ・・・・』と走る音がする。

『夜中に産気付いた人がいて、看護婦さんが走ってるんだ』

と何の疑いもなく思ってた。

同室の人に『夜中、看護婦さん走ってたよね。

・・・また誰か生まれたんかな?』と聞くと

『え?そんなん知らんわ。それに誰も生まれてないで』

と言われた。

でも、毎晩『パタパタ』と忙しそうに走ってる。

退院の1日前、その『パタパタ』の音が大きかった。

どうも、私の横を走ってるようだ。

『こんな時間に、看護婦さんの見回りも大変やな』

と思った時、気付いてしまった。

私のベッドの隣は窓で、人が走れるスペースがないことを!

急に怖くなり、体は動かないし、目も開けれない。

もちろん、声も出ない!!!

心の中で 『私には関係ない。早くどっか行け!』

と何度も叫びました。

いつの間にか、眠りについてしまいました。

朝が来て、私のベッドの通路を確認したけど

やはり、人が走るのが無理なことがわかりました。

再び、ゾ~ッとしました。

1年後、私の姉が、同じ部屋の、同じベッドで入院しましたが

何も起こらなかったそうです。

姉の退院の時、看護婦さんに

『去年に今ごろ、毎日廊下を走る音がし、最後の日には

ベッドの横を走られたんやけど・・・。アノ部屋って・・・』

看護婦さんは、黙ってうなずきました。

TWIN’S出産の時、出た部屋だったんです!

今日も、私と同じ体験をしている人がいるはず・・・





お嬢は、赤ちゃんの時から、天井を見つめては、

『キャツキャ』言って、喜んでいた。

ある時は、突然大泣きする。

傍から見ていて、とても不自然な事ばかり。

3歳ころ、遊びに行くと玄関を出て、門を出ようとした時に

『ギャァ~!!!』と叫び声。

『どうしたん!?』と聞くと

『そこに赤いお化けがいてる。こちをにらんでる!怖いよ~』

と、恐怖のあまり、普段とは、別人の顔になったお嬢が訴える。

しかし、、私には見えない。

どこにいるのかと聞くと、『ここ』と指を指すのだが

赤いお化けは移動しているらしく、なかなか消えない。

『いいかげんに、子供を怖がらすのはやめろ!消え去れ!』

と怒鳴ったら、お嬢も、普段の顔に戻った。

『赤いお化け』・・・心当たりがあった。

母の九州の実家を新築する際に、血だらけの女の人が出てきて

祖母に『ここには、家を建てないで』と言ったらしい。

それに、仏壇には先祖の位牌しかないのに、『赤い位牌が見える』と

親戚のおじさんたちが言う。

『赤いお化け』を見る前に、九州に連れて行ったことがある。

もしかして、お持ち帰りした?

そこから、お嬢は、たびたび『赤いお化け』を目撃することになる。

時には、『赤いお化け』が、お嬢に話し掛けてきて

何かを命令したりする。

現在はたまにだが、『赤いお化け』でない、男の人が、

自分の布団に乗ってると私に訴える。

お嬢に見えるものは、私には見えない。

霊能者でもないし、どうしてよいかわからないので

『私たちに関係ない。ここは来ても助けられない。

助かりたかったら、自分の行くべきところへ行け!

身内なら、お嬢のところだけに出てこずに、堂々と

私に姿を現せてみて!話を聞いてあげるから!!!』

と怒鳴るのである。

そうすると、いなくなるそうだ。

私は、お嬢に見えるものよりも、出てきたものを見てしまった

お嬢の顔の方が怖い・・・。

目を見開いて、瞬き一つしないのである・・・。

話し掛けられたくないから、耳をズーッと塞いでる。

こんなお嬢の姿をみると、可哀想になる。

知る限りでは、私の曾祖母から始まり、

祖母と、その兄弟全員、母、私、お嬢だけが、

何かを感じる体質であるから・・・。

なんで、こんな変な体質、似てしまったんだろう?


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