型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2023.03.12
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カテゴリ: クラシック音楽
多様性がもたらす社会は本当にいいのか?
いろいろなものがあって選べる幅はとても広く、
「どれも素晴らしい」などと言われますが、
ある程度淘汰されなければ社会の質は下がると思います。

以前に慰問演奏に呼ばれて行った時に、
会場にあるピアノの調律が決まって酷いことが多く、
演奏する側としては苦痛の1時間になったりしました。
それでもいる人が皆、口を揃えて良かったと言います。

特別支援学校から演奏依頼を受けた時、

静かに聴いているのでは盛り上がっていないと言います。
クラシックよりも他のジャンルでいいのではないでしょうか。

初心者でも親しみやすい選曲や説明をすることは良いですが、
聴衆にはいろいろな人がいて音楽に疎いとは限りません。


楽器を嗜む人やクラシック音楽に惹かれる人が以前より増え、
教える人も増え生徒をたくさん増やしたいと考えています。
ちびっ子や初心者には教え方も決まっていて教えやすく、
やり始めて早々にやりたい曲をやらせる風潮になりました。

ただ、憧れる曲のレヴェルは概して高く演奏が難しいために、
易しく演奏できるように編曲された楽譜が出回ったり、
同じ楽器同士でアンサンブルをして楽しむようになりました。


先生や生徒に高度な音楽理論や知識を必要とせず、
練習に関わる負担が少ない曲が好まれます。
反面、不協和音程、音程が合わせにくいユニゾンが好まれず、
結果として音楽的内容が平易で芸術性が損なわれる気がします。


深さやシリアスさが音楽に欠けているのが今の特徴です。

クラシックの音楽史における近代以降の内容が欠落しています。
その挙句にジャンルを超えたポップなクラシックが増えました。

TVではクラシックをポップにしたアレンジ、無理のある編成、
陳腐な編曲、情報番組のVTR裏で流れる不必要な音楽などが、
NHK-FMでは昔と変わらぬクラシック番組が高視聴率を有し、
同じ時代に流れる音楽でこれほど違うのかと実感させられます。

誰が監修するかによって内容が全く異なるのが多様性ですが、
聴き漁ってみても自分にとって新鮮な音楽は見当たりません。
これまで勉強してきたこと、目指してきたこととは大きく異なり、
今の時代の音楽に魅力が感じられず未来が案じられます。


演奏において昔のレコードにある演奏と今の何が違うのか?
はっきり言えるのは今は早く譜面を読め技術が向上しましたが、
表現に個性よりも予定調和を第一に求めていると言うことです。
短時間に卒なく安全に合わせられることが優先されています。

速度や強弱の変化から瞬間的に起こる緊張感が少なく、
常に安定した演技のようで新鮮さやリアルさが感じられず、
台本と演技で固められた格闘技を観ているかのようです。
スリリングな呼応と応酬の結果が調和であって欲しいのです。

今の演奏よりも昔の演奏が個性的だと好まれるのは確かです。
結果的に調和していない演奏もあった1900年代半ばの指揮者、
「フルトヴェングラー」の良さは何かと、
チャットGPT(AI)に訊たところ長文が返されてきました。

要点は次の2点です。
・音楽的解釈に深い感情的な共感を持っている。
・しばしばテンポやダイナミクスの変化が多く、
 時には遅く感じられることもあった。

これらは今の演奏にはあまりないことで、
楽譜に書かれていたこと以上に表現を加えていたと解せます。
作曲者の意図をエモーショナルな表現で再現していましたが、
1900年代後半になると楽譜への忠実さが重んじられました。

曲にしろ演奏にしろ、今足りないことは深さや人間味で、
説得力のある音、個性的な響き、明快な表現というリアルさよりも、
装飾的、軽いノリ、準備された演技的な表現が感じられるのです。
AIでは真似できない人間的な瞬間々々の内面の発露が欲しいです。





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最終更新日  2023.03.13 01:25:34
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