ののスイッチ

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誕生の日


痛いし眠いし。気持ち悪いし。でもゴハン食べなさいって言われるし・・・
陣痛の波が来るたびにお父さんがツボを押してくれて
「大丈夫だけん」ってずっと側にいてくれました。
もうどう頑張っていいのか分からないくらい参ってしまって
最後には悲しくなってきました。
上手に力が抜けるようになった頃、もう生まれるよと言われ
最後は「スポーン」って足元まで飛び出した赤ちゃん。

泣かない。でも動いてる。大丈夫なの?

吸入とか色々してたけどだんだん体も赤くなって、パッチリ目も開いて・・・

抱っこした。いらっしゃい~お疲れ様。
すぐ分かってしまった。
この子はダウン症じゃないですか?と看護師さんに聞いた。
「どうしてそう思うの?」と答えが来て。
もう聞けませんでした。「違うよ」じゃないんだもの。
私のお腹にいた赤ちゃんはダウン症だったんだ。
2640グラムの可愛い女の子。髪の毛がフサフサで。くっきり二重で。
どうか私の勘違いでありますようにと強く思うのに
頭の中から消えない不安。
誕生を心から喜べるようになったのは、まだ先のことでした。


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