ののスイッチ

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合併症


21番目の染色体が1本多く3本あります。その過剰な染色体が様々なイタズラを体のなかでやってくれます。
合併症はみんなそれぞれ違い、全く無い人から重度の人まで色々です。

ただ言える事は染色体異常の胎児は自然淘汰を乗り越えて生まれてきた
とても強い命であったこと。

妊娠中はつわりも貧血もなくて順調そのものでした。予定日より2週間早く生まれましたが、子供との新しい生活は きっとどんなに楽しいものかと明るい未来ばかりを想像していました。産後の体を休めるどころではありません。
自分の赤ちゃんが障害を持って生まれ、入院しているのです。

野乃の合併症は心臓の心房と心室の中隔、つまり部屋の仕切りになっている壁の所に5ミリの穴が合計で2個。
血小板が少なく血液の成分が安定していない。
右耳の難聴の疑い。

とのことでした。心臓は緊急に手術をするほどのものではないとのことで、穴開いたままでも普通の日常生活が送れると言われ・・・
現在はエコーで検査する限り自然に塞がってしまったようです。

新生児でも脳波を測定することで難聴の検査ができます。
野乃は初めから右の耳の反応が全くありませんでした。
現在も3ヶ月に1度の検査をしていますが、ダウン症児の場合は耳の形が小さい事や脳の反応がゆっくりなため現段階での診断はハッキリしていません。
でも普段は名前を呼ぶと振り向いたり音の出るオモチャも喜んでいるので聞こえていると思っています。

入院して10日目、退院の目途がつきました。
念願だった3つ目の部屋に移動して初めて他のお母さん方とも話ができました。どのお母さんもみんな同じ思いです。不思議な連帯感を感じました。
血液検査もこの時は問題なく、生まれてから20日後、やっと本当の退院となりました。

小さな野乃を抱っこして、お父さんの慎重な運転で我が家に帰ってこれました。 
これからは一緒なんだ、という嬉しさと不安と半々の気持ち。
入院中は哺乳瓶しか飲めなくなっていた野乃でしたが
帰ってくるなり上手に母乳を飲んでくれてビックリ。
「絶対育つ」と希望が湧きました。

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