サルデーニャの海と風と

サルデーニャの海と風と

四日目



今日はだいぶ寒い。 朝は少し雨が降った。
ゆみーなは夜中に一度泣いて起きて、しばらく泣き止まなかった。

隣の部屋の生後3ヶ月の男の子は一晩中泣いていた。

朝の検診ではまた少し良くなったようだと言われた。

外見からは本当にそのとおりで、ベットの上からふざけて叫んでみたり
おもちゃをわざと落として私に拾わせたりして喜んでいる。

ミルクを200mlほど飲んで、ビスケットも少し食べた。
お昼にはパスタとポテトと鶏肉を少しずつ食べた。

昼食後、まあが来たので私は少し外の空気を吸いにいくことにした。


今日はカーニバルの初日。
ここテンピォでは午後3時ごろからパレードがあるため、
辺りには仮装した人たちがうろうろ。 

パレードカーに乗って参加する人たちはテーマを決めているので
同じ仮装をした人たちが何十人といる。
なので、私はハチを30匹ぐらいと、オカマを20人ほど見た。
“工事現場のおじさん”らしき若者も沢山いて、かわいらしかった。

病院の部屋からはパレードが見られないのが残念なのだが…


部屋に帰ると、ゆみーなはベットの上に横になったまあのお腹の上で
ねっこけていた。

起こさないようにそーっとベビーベットに移動したが、
点滴が終わりそうになっていたのですぐに看護婦を呼ぶ羽目に。

看護婦が首筋からチューブの先を取ると、案の定、ゆみーなは起きてしまった。
幸いなことに点滴はこれで最後と言われ、
やっと自由の身になれたゆみーなはそれに気づいたのか、
すっかり目が覚めてしまったようだ。

床に下ろすと数秒立ちすくんでいたが、ふっと、一気に駆け出した。
ドアのところまで行って立ち止まり、振り返って大きな笑顔で帰ってきた。

それからずっと、まるで飛ぶことを覚えた鳥のように、
夕食の間さえもゆみーなは疲れきるまで歩き回っていた。


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