昨日のできごと。

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2006年09月22日

(1)

テーマ：超低出生体児出産(491)

カテゴリ：お空に還ったノゾミちゃん

電話がかかってきました。

「レントゲンの結果、腸に穴が開いている
　らしく、今すぐ処置をしないと危ない」

「書面にサインしてもらうのが後になるが、
　いいかどうか」

正直、一瞬迷いました。

助かるのか。
助からないのなら、長引かせるのは
親のエゴではないのか。

でも、判断を放棄すれば、きっと
今の判断を後悔する。

「お願いします」と言うのがやっとでした。

病院に着いたのは、夕方５時。
ダンナさんはすでに到着していた。

ノゾミちゃんは処置の最中で、
別室で待機させられていた。

処置後、事務室に呼ばれて、
説明を受けた。

どうやら、腸に小さな穴が開いていて、
最近が漏れだしたらしいこと。

お腹に小さな穴を開けて、ドレーンで
その漏れだした内容物を外に出したこと。

大きな穴だと、便が漏れているのが
はっきり分かるのだが、ノゾミちゃんのは
そこまで最悪ではないと言うこと。

心臓の調子はいいのだが、手術の影響で
肺も悪くなっており、炎症反応を起こして
いるため、血液が酸性に傾いていること。

このまま、薬が効かず、炎症が治まらないと、
血液を全部交換する方法もあるが、
あまりに小さすぎて、血管を確保できず、
その処置すらできない可能性があること。

お腹の中の胎便が溜まっているために、
お腹がぱんぱんに張っている可能性があり、
このまま便が出ないと、命に関わること。

もう、できることは少なく、
もし炎症が治まっても、腸が回復するには
時間がかかり、おっぱいを吸収できない間は
ノゾミちゃんは成長ができないこと。

覚悟はしてました。

だけど、辛いです。

処置後のノゾミちゃんは麻酔が効いている
せいか、穏やかな顔をしていました。

「お腹の処置をしてもらったから、
　楽になったと思いますよ」

そうかもしれない。

だけど、それはこの子にとって、
最善であるのだろうかと思うと、
とにかく泣けてきてしかたなくて、
心の中でごめんねを繰り返すしか
ありませんでした。

ノゾミちゃんは、さらに
小さくなって見えました。

腕の点滴の跡が、内出血していて、
血管が赤く腫れている手首。

一生懸命、呼吸している音が聞こえ、
なでるととても暖かい。

無性に愛おしいと思うとともに、
生きていてほしい思いと、
これ以上苦しんで欲しくないという思いが
ぐるぐると頭の中で浮かんでは消えていきます。

でも、人間というのは都合のいい生き物で、
ノゾミちゃんの前では
ノゾミちゃんのことしか考えず、
ムスメのことを忘れているくせに、

ムスメの前ではムスメのことしか
考えてなかったりします。

ムスメも何かを感じ取っているらしく、
病院から帰ったハハの相手をしてくれます。

すごく救われる時間です。

スタッフさんに「大丈夫ですか？」と
訊かれるのもシンドイです。

大丈夫なわけがありません。

大声で泣きたいくらいなのに、
「まだ大丈夫、まだ希望がある」と
身内を含めて、周囲に言われると、
心が受け付けられない自分がいます。

上っ面の言葉なんかいらない。

心の中に、本当の気持ちを閉じこめています。
すごくつらいです。

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