にゃんでんかんでん

2006  1月

                   ■■■    2006年 1月 に読んだ本のご紹介    ■■■

1/30
マドンナ
マドンナ(奥田英朗)
 42歳の課長さん、17歳年下のキャリアガールに恋をする。おたくの職場、どうよ?ユーモアとリアリティ。新オフィス小説。マドンナ他、ダンス 総務は女房 ボス パティオ の全5話。
 奥田氏の本なのでもっと面白いかと期待したのですが、普通のサラリーマンのお話ばかりでした。『ボス』はちょっといいな。と思ったけど・・・残念でした。(期待しすぎたかしら?)

1/25
実録鬼嫁日記
実録鬼嫁日記-仕打ちに耐える夫の悲鳴-(カズマ)
 「このブログがすごい!2005」総合第1位獲得、ドラマにもなりました。鬼嫁から虐げられる夫が、日々のストレスのはけ口として綴った真実の物語。悲惨だけど、なぜか共感し、笑ってしまうコミカルなストーリー。
 世の中には色々な夫婦がいるわけで・・・こんな夫婦も『アリ』かな。と思って読みました。鬼嫁の最後の一言にはホッとさせられたし・・・。私も言いたい事を言って、ストレスは溜めない。この部分は大いに見習おうと思います!え?旦那が可哀相。ですって!?

1/24
白夜行 白夜行 ←文庫も出ました! 
白夜行(東野圭吾)
 1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂。暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。偽りの昼に太陽はない。さすらう魂の大叙事詩。
 雪穂の周りで次々と不可解な事が起こります。どの事件も裏では亮司が動いているのでは。というのは感じるですが 雪穂と亮司、二人の接点が全く見えてきません。だからこそ不気味で、雪穂の底の知れない怖さがあります。ドラマ化されていますが、この19年にも亘る長い物語がどのように描かれていくのか、とても興味があります。

1/17
その日のまえに
その日のまえに(重松清)
 神さまは意地悪だから、大切な人を遠くへ連れ去ってしまう…。昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。それを不意に断ち切る、愛する人の死。生と死と、幸せの意味を見つめる最新連作短編集。
 ガン患者とその家族のお話が続きます。涙なくしては読めませんでした。

1/14
天使のナイフ
天使のナイフ(薬丸岳)
 4年前、13歳の少年たちに妻を惨殺された桧山貴志のもとに、犯人のうちのひとり、沢村が殺されたとの知らせが入る。動機があり、事件もすぐそばで起こったことから桧山は容疑者にされてしまう。『殺してやりたかった。でも殺したのは俺じゃない。』これは天罰か、誰かが仕組んだ罠なのか?少年たちの4年間を追う桧山が見た驚くべき真実と恐るべき過去とは?少年犯罪と少年法を身近に感じ、贖罪の意味を問う傑作。第51回江戸川乱歩賞受賞作。

選考委員が満場一致で推した今年最大の収穫!
・綾辻行人氏「考え抜かれた物語の構図に、大いに意表を衝かれるとともに感心した」
・井上夢人氏「選考委員全員が推したのは、それだけ作品に力があったからである」
・逢坂剛氏「謎解きにも二重三重の仕掛けが施された極めて水準の高いミステリー」
・真保裕一氏「扱いにくい素材に挑戦し、過不足なくまとめあげた手腕は称賛に値する」
・乃南アサ氏「緻密な構成力でドラマチックに仕上げている。読者を引きつける力がある」 

 少年犯罪を扱い、少年法など難しい問題も考えさせられる話だったのですが、真実がつぎつぎに明らかになっていくあたり、どんどんひきこまれました。まさに、衝撃の展開!驚愕のラスト!上記選考委員の言葉にあるように、とても引きつけられる作品でした。

1/12
クライム・マシン
クライム・マシン(ジャック・リッチー)
 殺し屋にとって、それはまさに夢の機械。どんな犯罪も思いのままだ…。奇想天外な物語が展開する「タイムマシン」、MWA受賞作「エミリーがいない」など、オフビートなユーモアとツイストに満ちた傑作短篇集。
 全17編。 このミステリーがすごい!(2006年版) 海外編の1位の作品でもあります。ある 書評 でも『短編ミステリーのお手本』と書かれているように、しっかりオチがあり 面白いです。一番短いお話で4ページ半。この短さの中できちんとまとまるというのもスゴイ!まさに職人技です。

1/9
魔王
魔王(伊坂幸太郎)
 不思議な力を身につけた男が大衆を煽動する政治家と対決する「魔王」と、静謐な感動を呼ぶ「呼吸」。別々の作品ながら対をなし、新しい文学世界を創造した傑作!政治家の映るテレビ画面の前で目を充血させ、必死に念を送る兄。山中で呼吸だけを感じながら鳥の出現を待つ弟。人々の心を鷲掴みにする若き政治家が日本に選択を迫る時、長い考察の果てに、兄は答えを導き出し、弟の直観と呼応する。ひたひたと忍び寄る不穏と、青空を見上げる清々しさが共存する、圧倒的エンターテインメント。新しい文学世界を創造した傑作。
 どちらも物語としては中途半端な感じがしました。続きがあってもおかしくないような・・・。しかし、この物語から インターネット等の普及により、情報が感嘆に手に入る現代。その情報は果たして正しいものなのか否か、選び取り、考え、そして行動する。それは自分自身にかかっていること。大勢に流されず、自分の頭で考えることが必要だと、そんな事を教えられた気がします。馬鹿でかい規模の洪水が起きた時、それでも水に流されないで立ち尽くす1本の木でいられるように。

1/7
誰よりもつよく抱きしめて
誰よりもつよく抱きしめて(新堂冬樹)
 水島月菜は結婚8年目。傍目には何事もなく幸せそうな月菜。だが夫・良城は強迫的な潔癖性に悩んでいる。そのため 二人の間に夫婦の触れ合いは絶えていたが、それでも愛し合っていたはずだった…。ある日、月菜は書店を訪れた青年・克麻と知り合う。少しずつ克麻に惹かれていくのを自覚する月菜。だが、克麻もまた深刻な悩みを抱えていた。夫婦とは何か、結婚とは何かを問いかける、恋愛小説の傑作。
 愛する人、それも我が夫に抱きしめてもらえない、こんなに辛い事はあるでしょうか。いえ、抱きしめてもらえない以上に『抱きしめてあげられない』と自分を責める夫の気持ちを思うとき、それ以上に辛かったのではないでしょうか?そして夫・良城も妻の気持ちを思うからこそ更に自分を責める。辛く哀しい夫婦の話。そして、夫婦の絆というものを考えさせられるお話でした。

1/6
ネクロポリス(上) ネクロポリス(下)
ネクロポリス 上・下(恩田陸)
 懐かしい故人と再会できる聖地『アナザー・ヒル』。死者たちを『お客さん』と呼び、温かく迎える祝祭『ヒガン』。連続殺人、不可思議な儀式、天変地異。そして、そこに新たな事件が…。『お客さん』はどこから来てどこに往くのか?あらゆる可能性が検証される中、アナザー・ヒルが変質し始める。証言する死者たち、地下への冒険、そしてヒガンの行方は…。東洋と西洋、過去と現在、生と死、あらゆる境界線が揺らぐ世界観を、いまだかつてないスケールで描き、ミステリーとファンタジーの融合を果たした恩田陸の最高傑作!めくるめく想像力で描かれる謎とファンタジーの結晶体。
 ファンタジーだけど切り裂きジャックならぬ『血塗れジャック(ジャッキー)』がからんだり、ミステリーの要素もふんだん。東洋と西洋が融合されたような世界観もとても面白く、いっき読みしてしまいました。 

1/2
憑神
憑神(浅田次郎)
 婿入り先から追い出され、職を失い、すがった相手は神は神でも人に仇なす厄病神。時は幕末、動乱の世に、貧乏旗本・彦四郎の選んだ真実の生きる道とは。涙と笑いの浅田節が冴え渡る長篇時代小説。
 拝んでしまった神様が実は憑いて欲しくない厄介な神様だったとは!一人目が大店のあるじのような貧乏神。一難さったと思ったら 次いで相撲取りの厄病神。極めつけは いたいけな子供の死神。とても笑えるお話でした。でも しかし、最後は武士としての彦四郎の生き様をみせてもらい 感動しました。


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