「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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にゃんでんかんでん
著者名 か行
ジェネラル・ルージュの凱旋(海堂尊)
桜宮市にある東城大学医学部付属病院に、伝説の歌姫が大量吐血で緊急入院した頃、不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元には、一枚の怪文書が届いていた。それは救命救急センター部長・速水晃一が特定業者と癒着しているという、匿名の内部告発文書だった。病院長・高階から依頼を受けた田口は事実の調査に乗り出すが、倫理問題審査会(エシックス・コミティ)委員長・沼田による嫌味な介入や、ドジな新人看護師・姫宮と厚生労働省の“火喰い鳥”白鳥の登場で、さらに複雑な事態に突入していく。将軍(ジェネラル・ルージュ)の異名をとる速水の悲願、桜宮市へのドクター・ヘリ導入を目前にして速水は病院を追われてしまうのか…。そして、さらなる大惨事が桜宮市と病院を直撃する。「チーム・バチスタの栄光」「ナイチンゲールの沈黙」に続く、田口・白鳥コンビの物語。シリーズ最高傑作のメディカル・エンターテインメント。
「
ナイチンゲールの沈黙
」と時間的には同時期に進行していたストーリー。一連の作品の中で一番好きな作品です。ジェネラルこと、速水部長はかっこいいし、その部長に想いを寄せる二人の看護士が描かれているのも良い。姫宮のドジっぷりも、白鳥のキャラも今回は煩すぎずに良い。ラストは最高に気持ちが良かった!とにかく楽しめました。 (2007/7/25)
チーム・バチスタの栄光(海堂尊)
東城大学医学部付属病院は、米国の心臓専門病院から心臓移植の権威、桐生恭一を臓器制御外科助教授として招聘した。彼が構築した外科チームは、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門の、通称“チーム・バチスタ”として、成功率100%を誇り、その勇名を轟かせている。ところが、3例立て続けに術中死が発生。原因不明の術中死と、メディアの注目を集める手術が重なる事態に危機感を抱いた病院長・高階は、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口公平に内部調査を依頼しようと動いていた。壊滅寸前の大学病院の現状。医療現場の危機的状況。そしてチーム・バチスタ・メンバーの相克と因縁。医療過誤か、殺人か。不定愁訴外来担当の万年講師と厚生労働省の変人役人が、患者の死の謎を追う。現役医師だからこそ描きうる現場のリアリティとコミカルな展開。遺体は何を語るのか…。栄光のチーム・バチスタの裏側に隠されたもう一つの顔とは。第4回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作。
『このミステリーがすごい!』大賞の選考委員の書評にもあるように、強烈な印象の役人白鳥だけでなく、病院長、医師、それぞれの個性的なキャラが立っていてとても面白かった。ミステリ部分の真相が物足りなくもなかったけれど、犯人がわかってからの事件のけりのつけかたも気持ちの良いもので、気が利いていたし、ちょっとしたサプライズもあって楽しませてもらえた。ただ楽しいだけでなく、実際勤務医をしている作者ならでのリアリティもあり、これが作品の質を高めているように思う。(2006/3/30)
ナイチンゲールの沈黙(海堂尊)
東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来(通称“愚痴外来”)・田口公平に依頼する。その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく…。『チーム・バチスタの栄光』続編。
前作で登場した人物達が引き続き活躍しますので、
チーム・バチスタの栄光
を読んでからでないとよく解らないと思います。相変わらず個性的な彼らのキャラは楽しませてくれるのですが、ごちゃごちゃと医療業界ネタ・先端技術ネタ・警察の内部事情などまで書かれていて、解りにくい部分が多々ありました。事件そのものも医療現場で起こったことではなく、前作が良かっただけに残念な内容。殺人事件に厚生労働省の役人など、多くの部外者が介入したり、歌で犯行を自白(映像として伝える)なんていうのも現実離れ。いまひとつ すっきりしない内容でした。(2006/12/11)
螺鈿迷宮(海堂尊)
医療界を震撼させたバチスタ・スキャンダルから1年半。東城大学の医学生・天馬は、留年を繰り返し落第寸前だった。ある日、幼なじみの記者・葉子から「碧翠院桜宮病院に潜入できないか」と依頼を受ける。桜宮病院は、老人介護センター、ホスピス施設と寺院を一体化した複合型病院で、終末期医療の先端施設として注目を集めていた。しかし、その経営には黒い噂が絶えないという。天馬は看護ボランティアとして桜宮病院に通い始め、そこで奇妙な皮膚科医・白鳥と看護師の姫宮に出会う。が、ある時から疑念を感じる。「この病院、あまりにも人が死にすぎる」と…。『このミス』大賞受賞『チーム・バチスタの栄光』の新鋭が贈る最新メディカル・エンターテインメント。
チームバチスタシリーズの第3弾。(?)あの“氷姫”がついに登場します。それぞれのキャラがたっていて、とても面白かった。氷姫こと姫宮のドジっぷりは見事だし、それに巻き込まれる天馬の不幸には大笑いしてしまいました。おどおど姫宮とずけずけ白鳥は名コンビだと思います。悪役の“銀獅子”こと桜宮病院長もどこか憎めないし、天馬と桜宮一族との隠された因縁も後にあきらかになったりと、本当に楽しめました。楽しむだけでなく、終末医療にも考えさせられました。最後に生き延びたのはすみれではなくて小百合。それにも驚き!続編がありそう。期待したいです。(2007/5/9)
ドラママチ(角田光代)
コドモマチ、ヤルキマチ、ワタシマチなど本書に収録された短編のタイトルには「街」と「待ち」がかけられています。妊娠、恋愛、プロポーズ…。中央線沿線の「マチ」を舞台に、人生の岐路に立たされた「待つ」ヒロインたちの様々な心の動きを描く8つの物語。
作者と年が近く、ヒロイン達と年齢も近いため共感できる部分が大いにありました。が、ちょっと暗かったかな~。待っているだけじゃダメよ!と、ヒロイン達に言ってあげたくなりました。8つの物語の中で一番好きなのは『ドラママチ』。ほろりとさせられました。(2006/10/15)
Presents(角田光代)
プレゼントにまつわる思い出は、誰にでもあるもの。もらって心がほわっと温かくなるような印象的なシーンを切り取った一冊。人生には、大切なプレゼントがたくさんある。この世に生まれて、初めてもらう「名前」、放課後の「初キス」、女友だちからの「ウェディングベール」…。小説と絵で切り取った、じんわり幸せな12景。角田光代の文章と松尾たいこの絵が織りなす至福のコラボレーション。
初めてもらう『名前』というプレゼントから、私も今まで数え切れないくらい多くのプレゼントをもらってきたし、贈っても来ました。これからも心に残るプレゼント(形あるモノだけでなく)のやり取りを通して、人と関わりながら成長していきたいと思います。そして、人生を終える時、『涙』というプレゼントをもらえるような人になっていたいと思いました。(2006/5/3)
八日目の蝉(角田光代)
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。誘拐犯と誘拐された子。理性を揺るがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。二人の女の心に分け入ることで家族という不可思議な枠組みの意味を探る。角田光代が全力で挑む、サスペンスフルで胸をうつ長篇。
前半は不倫相手の子供を衝動的に連れ去ってしまい、逃亡生活をおくる女性の話。後半は誘拐された子供が成長してからの話。連れ去り犯人となってしまった希和子の気持ちもわかってしまい、何とか逃げ続けて幸せになってほしいと思ってしまいました。しかし・・・。切ない切ない物語です。希和子、そして連れ去られた薫(本名は恵理菜)のこれからの幸せを願ってやみません。(2007/5/2)
県庁の星(桂望実)
“間違いは認めるな”“予算は使い切れ”。役人根性全開の県庁のエリートが、田舎のスーパーにやって来た。本末転倒、怒り心頭、抱腹絶倒、ラストは感動。手に汗握る、役人エンターテインメント。野村聡。31歳。Y県職員一種試験に合格。入庁9年目。Y県県庁産業局産業振興課主任。Y県初の民間人事交流研修対象者6名の一人に選ばれた期待のホープだ。一年間の研修を無事にこなして戻れば、念願の係長への階段を同期に先んじて確実に登ることができる。ところが、鼻高々で望んだ辞令交付式で命じられた赴任先は…スーパー?
エリート県庁職員が、民間の、しかも今にもつぶれそうな、そしてとんでもない社員ばかりのスーパーで1年の研修をすることになります。最初は己の能力に見合った仕事ではないと、浮きまくりの『県庁さん』でしたが、徐々に視線が変わり、周りの人達の意識も変わり、スーパーは生まれかわっていくのです。パートのおばちゃん二宮さんの言葉に、『県庁さん』さんと共に勉強させられる気分でした。読んだ後、とってもすがすがしい気持ちになれるお話です。(2006/3/24)
紙魚家崩壊-九つの謎-(北村薫)
書物収集狂夫妻宅で起きた密室殺人に両手が恋をしている女と探偵が挑む表題作とその続編、新米編集者・千春が日常の謎に出会う2編、カチカチ山殺人事件の真相に迫る「新釈おとぎばなし」、その他ホラー、サスペンスとバラエティに富んだ傑作ミステリ短編集。表題作ほか、「溶けていく」「おにぎり、ぎりぎり」など、優美なたくらみに満ちた9つの謎が展開される。
白い朝はちょっといい話でしたが、あとはわかりにくく、いまいちピンときませんでした。そもそも これがミステリなのか?と疑問にも思ってしまい、私的には×。お勧めはしません。(2006/5/30)
ひとがた流し(北村薫著)
アナウンサーの千波、作家の牧子、元編集者で写真家の妻となった美々は、高校からの幼なじみ。牧子と美々は離婚を経験、それぞれ一人娘を持つ身だ。一方、千波は朝のニュース番組のメインキャスターに抜擢された矢先、不治の病を宣告される。それを契機に、三人それぞれの思いや願い、そして、ささやかな記憶の断片が想い起こされてゆく。北村薫の心をゆさぶる最新長編小説。朝日新聞の好評連載を1冊に。
千波が不治の病にかかり、結末はすぐによめてしまったのに。作者が『登場人物の流すものとしては≪涙≫という言葉も使うまいと思った』といっているのに・・・涙があふれて止まりませんでした。登場人物が語る言葉にも胸に響くものが多くあって、すばらしい小説だと思います。お勧めです。(2007/1/28)
悪夢のエレベーター(木下半太)
深夜。高層マンションのエレベーターが緊急停止!共に閉じ込められたのは、空き巣、自殺願望の女、自称超能力者と怪しい奴らばかり…。密室で繰り広げられるサスペンス・コメディの傑作、Qlep発、本とブログのパラレル小説。
面白いです。チームKGB
木下半太さんのブログ
では幻の第四章そして第五章と続いています。続けて読まなくっちゃ!(2006/11/16)
キタイ(吉来駿作)
深町たち8人の高校生は、死んだ仲間・葛西を甦らせようと 中国に伝わる死者復活の儀式・『キタイ』を行った。しかし、葛西は甦らなかった。18年後、当時のままの姿で復活を遂げた葛西は、『キタイ』の秘密を知るかつての仲間を殺し始める。死者による、時を超えた壮絶な復讐劇。第6回ホラーサスペンス大賞受賞作。
気持ちの悪い話でした。『キタイ』を行った仲間たちは18年の間悲惨な状況にあります。霊に怯え、引き篭もり、中にはトカゲになってしまった物まで。そして復活した葛西の復讐では妊娠させられる者、殺される者。そしてネズミにされてしまう者。その描写がまた生々しい。ホラーらしいホラーでした。(2006/5/26)
メタボラ(桐野夏生)
破壊されつくした僕たちは、“自分殺し”の旅に出る。なぜ、「僕」の記憶は失われたのか。世界から搾取され、漂流するしかない若者は、日々の記憶を塗りかえる…。孤独な魂の冒険を描く、全く新しいロードフィクション。
もとは新聞の連載小説。こんなに分厚い本?と思いましたが 読み出したら引き込まれました。記憶喪失、ニート、請負労働者、ホスト、ネット集団自殺、DV、ネグレスト、沖縄の問題 等々、現代のさまざまな問題をも含み、決して明るい話ではないのですが興味深く、あっというまに読んでしまいました。おもしろかったです。(2007/7/28)
映画篇(金城一紀)
友情、正義、ロマンス、復讐、そして、笑いと感動。「太陽がいっぱい」「愛の泉」など不朽の名作をモチーフに、映画がきっかけで出会った人々の友情や愛を描く。笑いと涙と感動が詰まった、完全無欠のエンターテインメント!今すぐ映画が見たくなる、書き下ろし小説集。太陽がいっぱい/ドラゴン怒りの鉄拳/恋のためらいフランキーとジョニー もしくはトゥルー・ロマンス/ペイルライダー/愛の泉の全5編。
初めの3編は今までの金城氏の作品のような、読んでいてスカッとするような爽快感が無く、物語が微妙にリンクするのも、今は他の多くの作品に使われている手法なので、珍しくも無く、かえって『またか』という気持ちで若干しらけ気味で読んでしまいました。が、ラストの2編は良い!!特に大ラスの『愛の泉』は笑えて、泣けて、感動できます!これこそ、金城氏の作品だ!と、気持ちよく読み終えました。(2007/8/25)
無痛(久坂部羊)
神戸市内の閑静な住宅街で、凄惨な一家4人殺人事件が起こった。そして8か月後、精神障害児童施設に収容されている14歳の少女が、あの事件の犯人は自分だと告白した…。見るだけですぐに症状がわかる二人の天才医師、「痛み」の感覚をまったく持たない男、別れた妻を執拗に追い回すストーカー、殺人容疑のまま施設を脱走した十四歳少女、そして刑事たちに立ちはだかる刑法39条―。ミステリもホラーも超えた衝撃作。
刑法39条「心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を軽減する」この法律の難しさを考えさせられました。この法律を悪用する者、本当に必要な者、それを見極める者の限界。話の中に登場する『姿を見ただけで病気がわかってしまう医師』がいれば良いのでしょうが・・・。この話の登場人物は『特殊』な人が多く、リアルには感じられませんでした。なのに人体解剖など、酷い描写もあって 一言で言うと気持ち悪い話。読み終わった後、何かスッキリしない点も残りました。ある書評には『ミステリもホラーも超えた』とありますが、どちらも中途半端な感じのする本でした。(2006/10/12)
陰日向に咲く(劇団ひとり)
ホームレスを切望するサラリーマン、老婆を騙そうとする小心ギャンブラーら、落ちこぼれたちの哀しいまでの純真を、愛と笑いで包み込んだ珠玉の連作小説。映画やTVドラマで俳優としても活躍するお笑い芸人・劇団ひとりによる衝撃のデビュー作。胸が熱くなって、人間が愛しくなる本。
正直言って驚きました。予想以上に面白かったです。実は劇団ひとりさんの私小説、苦労話かな~くらいに思っていましたが、立派な小説でした。短編が絶妙にリンクしているあたりは伊坂幸太郎氏の作品に通じるものがあり、なかなかやるな。という感じ。1話ごとの「落ち」には笑わされたり、ほろりとさせられたり。劇団ひとりさんを見る目が変わりました。(2007/1/11)
青山娼館(小池真理子)
青山にある高級娼婦の館。そこは、愛と性に疲れた男女が、もう一度生き直す聖地だった。死と隣り合わせの生、職業としての性、悲しみと怒りに彩られた人生の意味―。娘と友を亡くした奈月は絶望の底で娼婦となり、生きる確かな手応えを見出す…。文芸史上衝撃的事件、小池文学の問題作誕生。
はっきりいってピンときませんでした。子供を失った悲しみはわかります。(思わず泣いてしまいました。)けれど そのために人の・・・、男の肌のぬくもりを欲し、からだを売るということが理解できませんでした。これでは形こそ違えど、主人公奈月が嫌う男好きの母親と同じなのではないかと思うのです。私にはこの本の良さがわかりませんでした。(2006/6/21)
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