おぼろ二次元日記

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暴れん坊さんより一護小説その2♪

暴れん坊さん が見事200なんちゃって話を達成いたしました!
その記念配布作品の一護・小説をいただきましたので
ご覧下さい。


なお、おまけで兄様いじりも付けていただきました♪
毎度、ありがとうございます!
では、どうぞ~!








ちょっとした勝利(黒崎一護)



・・・「戦い」っていうと、普段自分とは関係ないとか思っちまうよな。

でも、俺もオマエも毎日ちょっとした「戦い」をしてると俺は思う。


「戦い」つっても、マジでちょっとしたもんだ。
嫌えな教科の予習をするかサぼるだとか、部屋を今日片すか
どうかだとか、電車の中で前に立った爺に席を譲るかどうかだとか、
その程度なもんだ。


俺たちは、毎日そんなちょっとした戦いを何回も心の中でやってるだろ?
時には勝って、いつもより早起きしたり、時には負けちまって、
テスト期間だっていうのにマンガに手を伸ばしちまうこともある。


・・・自分に自信が持てねえ奴って、いるだろ?
そんな奴にはある傾向があると思う。


ちょっとした戦いに負け続けてる奴とかじゃねえんだ。


そんなやつ等っていうのは・・・


ちょっとした戦いに勝ったことを、素直に喜べねえ奴だと思う。


ちょっとした戦いぐれえ、勝利するのは当然。
負けるほうがおかしい。


・・・そんな風に思ってねえか?


・・・全然当然なんかじゃねえよ。
結構タイヘンだろ?


無意識のうちに俺たちは、1日何個もそんな戦いをやってるはずだ。
それに全部勝つだなんて、よっぽどでなきゃ出来ねえんだよ。


調子の良いときは勝つし、悪い日は負けも込んでくるはずだ。


勝って当然なんかじゃねえ。
だから・・ちゃんと勝ったらちゃんとホメてやろうぜ。
恥ずかしがってるんじゃねえよ。
自分で自分をホメてやれ。


勝った自分に胸を張れ。


いきなりスゲエことなんて出来ねえよ。
そんな『ちょっとした勝ち』を積み重ねて、俺たちは強くなっていくんだ。


そうすりゃ、うつむいて下ばっか向いてたヤツでも、何時かはしゃんと
背が伸びる。


強さや自信なんていうものは、一部を除いて殆どの奴らが地道に
そうした『ちょっとした勝ち』を積み重ねて身につけていく。


せっかく積み上げていても、ひょんなことで一気に崩れてしまうこと
さえ
ある。


・・・・こういう時ってキツイよな。


でもまた積めばいいんだよ。
一から積めば。
また最初から『ちょっとした勝ち』を目指せばいい。


そうすりゃ、いつか大きな勝ちをおさめることあるかも知んねえぜ?


もうダメだ、と思う時が生きてる間には何回かある。
・・たぶん誰にでもあるんじゃねえかな。


今まで積み上げてた物も何もかもなくなっても・・でもオマエはいるだろ?


そんな時こそ、『ちょっとした勝ち』ってえのがスゲエんだよ。


ホメてやれよ?そんな時こそホメてやれ。


そんで、落ち着いたらでいい。
オマエの周りで、『ちょっとした勝ち』を掴んだヤツにも
ホメてやってくんねえか?


負けても、くよくよすんなよ?


勝ったオマエをホメテやれ。












なんちゃって。




空1





おまけ。




ちょっとした戦い(朽木白哉編1)



『・・さて、どうしたものか・・・。』
白哉は悩んでいた。
緋真への土産として買い求めた、櫛をまだ本人に渡せずにいるのだ。


緋真は女中の一人に過ぎない。
奉公人には平等に接するを旨とする白哉の主義からは、明らかに外れた
行為だからだ。


そして刻々と時は過ぎている。
やがて夜になった。


何時ものように一人祈る緋真のまえに、白哉が現れた。
しかし、何時もであれば一言二言緋真に声をかける白哉はその日に
限っては、緋真の横を無言で通り過ぎた。
白哉との会話を楽しみにしていただけに、緋真は少し寂びしさを
感じた時だ。


白哉が後ろも振り返らずにこう言った。
「・・気に入ったのなら使うがいい。」


緋真は何のことか、一瞬分からなかった。
ふと見ると胸元の合わせに、見事な櫛がはさまっている。


礼を言おうと後ろを振り返った時には既に白哉の姿はなかった。






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いつもながら一護の前向きな考え方には、こちらも元気を
分けてもらっています!
そして気付かなかったことを気付かせてくれる一護。
雑そうでそうではない彼の繊細さを拾ってくれる
暴れん坊さんの筆に嘆息です!


それからおまけの兄様小説!
卒倒!!!


通り過ぎたあとでひっそりと握り拳を作ったであろう
兄様の純情さが可愛いです♪


本当にありがとうございました!




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さらにこの「ちょっとした戦い」の前のエピソードをいただきました!
ではどうぞ~♪





プライス・レス(朽木 白哉)




ごく一部の限られたものにしか身につけることが
許されないものがある。
その中の一つが・・「牽星管(けんせいかん)」と
言われるものだ。


この髪飾りは、上流貴族の証である。
またその本数が増えるほど、位が上であることを指し示す。
朽木家第二十八代当主である、白哉が身につけるのは計5本。


・・・正一位の称号を現している。


当然に幾人もの使用人を抱える白哉だが、自分で出向かねば
ならぬ用もある。


一つが、歴代当主が身につける「銀白風花紗(ぎんぱくかざはなの
うすぎぬ)」を定期的に作家である辻代家において、洗浄作業を
申し付けること。


もう一つが、牽星管を王族御用達である宝飾店にて定期的に
研磨などの保守点検を申し付けることである。


自ら出向くには訳がある。
貴族の証であるこれらのものを、保守点検中とは言え、
身につけてない様を他人に見られることを恥と考えているからだ。



ちなみに予備は作らないのが貴族の常識だ。
朽木家が、尸魂界にただ一つであるように、その身につけるものも
代わりがあってはならぬ。
そう、考えられているからだ。


襟巻きの方は、洗浄及びその乾燥時間があるため、白哉は辻代家に
泊まることもある。
辻代家はそのための離れまで用意している。


だが、牽星箝を磨く程度であれば、少し待てば出来上がるため、
白哉は超高級装飾品の展示室を兼ねた、個室で待つのが常だった。


何時ものように、椅子に腰掛け待つ白哉の目にふと留まった
ものがある。
ガラスで出来たショーケースの中の白い櫛だ。


技術の粋を駆使した豪華な細工が目立つ品々の中で、その櫛だけが
質素とも言えるシンプルな装飾をされていた。


席を立ち、思わず見入る白哉。
透き通るほどに白い櫛だ。
鼈甲のようだが、これほど白いものは白哉は見たことがない。
その櫛にごく小さく桔梗の花が象嵌細工で表されている。


清楚。
そう、表現するのが最もふさわしいように思えた。



その時、白哉の脳裏に一人の少女の顔が浮かぶ。


「失礼します。お茶の替えをお持ちいたしました。」
部屋に入ってきたのは、この店の主人の奥方だ。
珍しく白哉がケースの中の物を見ていることに、内心驚きながらも
顔色一つ変えずに、新しい茶を差し替えた。


「牽星管のほうは後半刻ほどで出来上がると、申しておりました。
今しばらくお待ちくださいませ。」


「すまぬな。」
「なにかお気に召したものでもございましたか?」
奥方がさりげなく問う。


「この櫛だが・・・鼈甲か?鼈甲にしては色がかなり違うよう
だが・・・。」


「この櫛でございますね?確かに鼈甲でございます。
白甲はございますが、ここまで透き通るような白いものは
大変珍しゅうこざいまして・・。
主人が、この甲には華美な装飾はふさわしくないと、このように
しつらえましてございます。」


「・・なるほど。主人の言うとおりだな・・。」


「ケースからお出しいたしましょうか?」
「・・・いや・・・・。いや・・・やはり頼もう。」


ケースから出された櫛は、けっして目立ちはしないが、清楚な輝きを
放っている。
『・・緋真。』
何故か白哉は、これを身につけた緋真を見たいと思った。


この部屋には他にも豪華な細工がなされた櫛は何本もある。
しかし、緋真に似合うのはこの櫛だ。


「・・・これを貰おうか。」
「かしこまりました。・・・ご贈答用にお包みしますか・・?」
誰にあげるのか、などと余計なことは聞かないのが、一流店の掟だ。
しかしながら、客の状況を推察しながら、サービスを提供せねばならない。


「いや・・いい。そのままで構わぬ。」
「・・それでしたら・・。」


と、紫の袱紗(ふくさ)にはさみ、白哉の方へ手渡した。
これならば目立たぬし、白哉が持っていてもおかしくはない。


「・・・礼を言う。ではこれで。」


支払いに出したのは、利用限度額無しのブラックのクレジットカードだ。



代金が幾らなのかも聞かぬ。
幾らであろうが、払えるからだ。





白鼈甲の櫛。代金80万環。


紫の袱紗。 奥方のサービス。





・・・・そして・・・




緋真への想い。 プライス・レス(値段が付けられない、という意)。








なんちゃって。





鏡





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いつもは素通りする棚の櫛を緋真に付けさせたい、と
想いが足を止めさせる。
値段の付けられない想い。


緋真を思う一途な兄様の気持ちが可愛いです!


この後、瞬歩!で家に帰ったはずなのに夜まで
悩んでしまうとは!
やっぱり可愛い!


暴れん坊さん、強制的霊圧プレッシャーに答えてくださり
ありがとうございました!




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