さんぽ すすんで にほ さがる

中学3年生―痩せ願望とダイエット



 ★痩せの大食い★ もともと細めで「痩せの大食い」と言われる私は、どれだけ食べても体重は43キロ前後だった。そのため皆から「細いねぇ。」と言われ、他の女子のようにダイエットしていると思われていたが、実はダイエットというものさえ知らなかった。それに加え、同じクラスにはダイエットに関心のある女子が何人かいて、ダイエットの話ばかりしていた。

 目立ちたがり屋で負けず嫌いの私は「ダイエットして皆痩せていくのに、大食いしている私は損だ。私がみんなのように、いやみんなよりもダイエット(減食)すればもっと痩せるかもしれない。」と思うようになった。

 ★ダイエット開始★ ダイエットは放課後、学校の周りを友人とウォーキングすることから始まった。皆、運動部でランニングやトレーニングをしているのに対し、ブラスバンドを辞めた私は運動らしきものをしていなかったため、あせったのだ。毎日続け、家では腹筋もした。

 ★ダイエット加速★ 徐々にダイエットは加速し、食事面でも気をつけるようになった。他の女子は小さい弁当箱1つでちょこちょこっと食べ、しかも残しているのに対し、私は弁当箱2つとミニサイズのタッパーに入っているものまで食べ、さらに人のご飯まで食べ、かなり大食いだったからだ。 そこで、揚げ物や、肉の脂身を残すようにした。
 でも、ダイエットしているなんて知られてはいけなかった。ダイエットをすると敵対の目で見られると思ったから。残したものを見られないようにするには大変な苦労をした。でも、私は皆と同じぐらいしか食べていないのだと思うと安心した。

 ★妹に意地悪★ 家では一つ違いの妹と食べる量・食べ方で張り合った。というより、私が気にしすぎて妹の食べる量をチェックしていた。そして自分の食べる量のほうが少ないくせに、「あんた、食べる量が少ない。」などと嫌味を言い、そのせいで仲の良かった妹との関係がギクシャクした。

 ★食事の変な癖★ ほとんど毎日そんなことを言い続けたため、妹にも私の変な食べ方の癖がうつってしまった。その癖とは、油のついている食材を皿のふちで拭く、脂身は少しでもあれば口から出す、揚げ物は衣を外すか油を必要以上に拭く、薄揚げの油はしごいて完全に出す、など。外食では、ステーキなどにかかっているソースは皿のふちで拭く、パンにバターは付けない、サラダにかかったオイル入りドレッシングは拭く、油の吸った食材は皿に押し付け、油を極限まで絞る、など。

 だが、冬には確実に太った。そんなにダイエットに熱を入れていたわけではなかった。中学三年は色々な事があって楽しかったし、ダイエットが生活の中心を占めていたわけではなかったからだろう。それに受験と言う乗り越えるべき課題もあった。

 ★お受験★ 勉強は私にとって苦ではなかった。完璧主義の私は休むことなく勉強した。教育熱心な両親でさえも私に「少しぐらい休んで遊んだら。」と言うほどだった。長女だし、皆も期待しているだろうから県内2位の進学校にいくつもりだった。両親にはけっこう遅くまでなぜか秘密にしていた。

 後期になり、塾へ通った。祖母が母親に勧めたのだ。同じ部活を同時期に辞めたNと一緒に入った。塾は色んな人がいて、楽しかった。先生も脱線して変な話ばかりして、おもしろかった。しかもちょっと下ネタ好きだった。


 ★入学試験★ 高校入学試験が終わった帰り道は吹雪の中もちろん歩いて帰り、母が買ってくれたケーキは沢山食べたいのを我慢して半分だけ食べた。

 1つランクを下げて受けたので、志望校にはゆとりをもって合格できた。ついに、憧れの高校生になったのだ。しかし、誰とでも仲良くできるように見える私でも、実は新しい環境が苦手な私は人間関係をうまく築けるのだろうか、と心配になった。

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