MILANO‘S REVIEW

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『赤の神紋』Ⅰ、Ⅱ

【赤の神紋】(桑原水菜)

この話は、榛原という天才舞台監督+戯曲家を、サリエリのごとく追いかける連城という作家が主人公です。

榛原に心酔しつつもコンプレックスを持っている連城は、路上で歌っていた青年にふと、榛原の戯曲を演じさせたのですが、その青年の豹変ぶりに、彼の役者としての才能を見出します。


もう1人の主人公であるその青年、螢(けい)は、連城の予想通り、後に役者として頭角をあらわして来ます。いつかは自分の戯曲を演じて欲しいと思うのですが、螢の夢は、連城の戯曲ではなく、榛原の舞台で演じることなのでした。

かといって螢も、人間的には連城に引かれているのですが、連城としては『作品を愛されなくては意味がない』ので、苦しんでいるところなのです。

物語は、螢の役者としての成長を縦軸に、榛原、連城、そしてライバルの役者達との関係を横軸に、ドラマチックに繰り広げられます。その辺りは『ガラスの仮面』的ですが、人間関係が、より複雑です。

さて、CDでは、螢を、『ガッシュ』や『009』で最近私も注目している櫻井孝宏さんが演じています。一枚目では、歌うシーンもあったし、役者の役なので『実力の見せ所』と言った感じでしょう。しっかり演じてらっしゃいます。

連城は、竹若拓磨さんとおっしゃる方。私は知らなかったのですが、


 …(今、調べてる)…

なるほどなるほど、テアトルエコーの役者さんらしいです。(役者の役じゃないんだけどね。笑)声優さんとしても、ちらほらお仕事をしているようです。私は好きですね。この声。ホントウなら、速水さん辺りがやるであろうこの役ですが、(速水さんは、同じ作者さんの同じような役をやってるものね)同じように落ちついていて、でも若い声です。チェックしました。笑


Ⅰでは、連城と螢の出会い、そして再会。そして、少しずつ演劇の階段を上っていく螢と、それを見守る連城の様子が描かれています。
2人の仲も、もどかしいほどに少しずつ、親密になっていくのですが
榛原の存在と、連城のわだかまりが、それを阻みます。

コンテストで優勝すれば、榛原の目に止まってしまうことになるからと
螢を強引に押し留め様とする連城が哀れと言うか、螢も災難というか、2人が可哀想でした。結局、連城は、すんでのところで螢を開放し、コンテストで優勝した螢は、役者として認められ始めて行きます。

そして、それは、連城の恐れていた道でもあるのでした。


今回のⅡでは、登場人物がどっと増えます。

これまでの、螢(櫻井さん)連城(竹若さん)榛原(関俊彦さん)、
連城の親友で、劇団「飛行帝国」のリーダー、奥田(小野坂さん)

に、加え、螢のライバルで、榛原の秘蔵っ子として登場するワタル役が鈴村さんなんですよ~~~~。

BLではないのに、櫻井 VS 鈴村ですよ~~奥さん!!!
(『VS』 ですよ!!! 『バツ』ではありません!!!)

それから、かつて,榛原の戯曲を演じた、才能ある俳優(でも今はちょっと天狗になっている。後でぐっと成長します)新渡戸新に三木さんが入って、

演劇関係者ばかりなお話を、実力声優さんで、濃厚に表現しています

(櫻井さんの声は、可愛いというか、甘い方の声です。)
聴き応えのあるCDです。続きが聴きたいな。つか本も早く続きが読みたいです。
ガラスの仮面が潰えた今、演劇界は螢クンにまかせたゾ!!

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