流産





病院へ行き診察を受けると、
お医者さまがモニターを私に見せてくれました。

「胎のうの形が崩れてきているね。残念だけど、今回は流産です。」

涙がこぼれそうになるのをぐっとこらえました。

「今日入院になります。旦那さんの承諾書がいるので連絡してください。」
と、医者は慣れたように事務的に私に伝えました。
きっとそんな事、慣れたものなんでしょう。

私は自分で入院準備をする為に家に戻り、仕度を整えました。
なぜそんな時にと今では思うのだけれど、
明日のための旦那のワイシャツにアイロンもかけました。
心とは裏腹に冷静に物事をこなす自分がいました。

病院へ着いた頃、急激なお腹の痛みに襲われました。
ちょうど看護師の方と面接をしていた時で、
痛みに耐えられず、横にならせてもらいました。
すると、何かが自分の体から出てきた感覚を覚えたのです。
赤ちゃんだ、、と思いました。

本当はその夜一晩、ラミナリアを入れて子宮口を広げ
明日手術の予定だったのですが、
赤ちゃんが出てきてしまったので、その夜手術となりました。
私にとっては激動の1日。
流産が確定し、その日に赤ちゃんとお別れしてつらい手術を受ける。

連絡をとった旦那が病院にかけつけてくれました。
顔を見たら涙が出てとまらなかったです。
旦那もとても悲しそうな顔をして、私の背中をただポンポンと叩いてくれました。

















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