「 新型コロナのピークは1~2カ月でやって来る 」
[ロンドン発]新型コロナウイルスの流行で感染者1万149人、死者631人に達し、10日から全国的に個人の移動制限を発動したイタリアが悲鳴を上げています。新型コロナウイルスによる 肺炎の重症・重篤患者に必要な人工呼吸器が圧倒的に不足 しているからです。
イタリア北部ミラノ近郊ベルガモにある病院の集中治療室(ICU)で働くダニエル・マッキーニ医師。フェイスブックで自らの経験を共有し、大きな反響を呼んでいます。マッキーニ医師は心肺蘇生法を担当しています。
2月24日
「 インフルエンザウイルスは5カ月でピークに達しますが、新型コロナウイルスは1~2カ月しかかかりません 。仮に2カ月としてもICUでの治療が必要な人が約30万人発生すると想定されます。ICUのベッド数は4000人分しかないのです。無駄な理由で緊急救命室に来ないで下さい」
3月7日
「長い間考えました。今、医療現場の最前線にいる私たちに起きていることを書くかどうか。黙っているのは責任を果たしたことには全くならないと感じました」「新型コロナウイルスのパンデミックで私たちが経験していることを医師ではない皆さんに伝えようと思います」
「 パニックを作ってはならないことは理解していますが、
スポーツジムに行けない、サッカーの試合ができないと不平を言っている人にも医療現場で起きている現実を知ってもらいたいのです 」
「これは悪質なインフルエンザでは済まない」
「私自身も先週、敵がまだ影に隠れていた病院全体の再編成を見て驚きました。ベッドが増やされ、ICUには感染防止用のコンテナが持ち込まれたのです」
「今ここで起きている全ての急激な変化は病院に超現実的な沈黙と空虚をもたらしました。私たちはまだそれを理解していません。私を含め多くの人がどんな獰猛(どうもう)さが訪れのかもはっきりとは分からないのです」
「1週間前にPCR検査の結果を待っていた夜の電話を今でも覚えています。考えてみると陽性になるかもしれない1つの症例に不安を覚えるのはほとんどばかげており、不当にも思えます。しかし今、私は何が起きているのかを目撃しているのです」
「状況は劇的という他ありません。他に言葉が思い浮かびません。文字通り戦争が勃発し、戦闘は昼夜を通して続いています。
もう、この新型コロナウイルスを悪質なインフルエンザだというのは止めましょう 」
「この2年間で私はベルガモの人々が理由もなく緊急救命室に来ないということを理解しました。彼らは今回も正しく行動しています。彼らは熱があったら他の人にうつすのを避けるため外出せずに7~10日間自宅で待機して下さいという指示に全て従っています」
「患者のボードが真っ赤になった」
「しかし彼らはもはやその指示には従えません。彼らは十分に呼吸ができないのです。彼らは酸素を必要としています」「ボードにある患者は全てレッドになっています。全て両肺に間質性肺炎を起こしていると診断されています」
「高齢者に限らず、若い人も気管挿管され、ICUにやって来ます。さらに悪い人には体外式膜型人工肺(ECMO、人工肺とポンプを用いた体外循環回路による治療)が使われています」
「ソーシャルメディアでは新型コロナウイルスを恐れず、ルールを無視することを自慢している人がいます。彼らの日常的なライフスタイルは危機をもたらします。疫学的な大惨事が起こりつつあるのです」
「もはや外科医も、泌尿器科医も、整形外科医もありません。私たちは今や単なる医者に過ぎません。私たちを飲み込もうとしている津波に立ち向かう1つのチームの一部でしかないのです」
「入院患者は掛け算で増えています。1日に15~20人の患者が同じ理由で入院してくるのです。PCR検査の結果は全て陽性です。緊急救命室は崩壊しつつあります」 →全文
発症国の中国を抜き、世界最多となった米国は感染者が10万人を突破、死者は1619人に達した。次いで多いイタリアは感染者が8万6498人に達し、死者数は9134人と世界最多となっている。イタリア出身で 米国の首都ワシントン在住のジャーナリスト、シッラ・アレッチさん が両国の現状をルポした。
コロナウイルスの感染者が爆発したのは2月23日以降だ。それまで ロンバルディーア州で感染した人はわずか15人程度だった (中略)
約1ヶ月後の3月23日、ロンバルディーア州の感染者が28761人に上っていた。 L’Eco di Bergamo新聞の死亡記事欄も劇的に増えた。
トランプ大統領はついに緊急政策を発表した。緊急資金援助、PCRテストの普及(しかし、本当は足りていない)、海外からの渡航禁止令……。
記者会見でこれらの措置の理由について質問した記者団に対し、トランプ大統領は「 私は何の責任も負いません 」とためらうことなく答えた。
アメリカのバスケットボール協会であるNBAでさえ、この状況に備えていたことがわかった。中国に200人の従業員がいるNBAは1月からコロナが世界的流行するかもしれないと準備計画を実施していたと報じられた。
この危機はアメリカの州間、そして富裕層と貧困層の格差を明らかにした。民主党の候補者を選出する州は、投票箱を閉じ、メールで投票するために準備に取りかかっている。イリノイ州とフロリダ州では、投票箱は設置したが、一部の担当者を含め、多くの人が感染を恐れて現れなかったそうだ。
ニューヨーク州にはだんだん感染者数が増えて、毎日より厳格な措置を発表している。その一方、国の政治的中心部であるコロンビア特別区では多くの人々がウイルスの危険をあまりわかっていないと感じる。
先週から美術館や事務所は休業。一部のレストランでは持ち帰り用の料理を提供している。市立図書館は閉鎖されているが、映画は無料ストリーミングを提供している。多くのジムはオンライントレーニングを提供している。学校も閉鎖されており、残念ながら、学校の食事に依存している多くの貧困な子供を危険にさらしている。
多くの社会的行動は民間人に任されている。アメリカで有名になったスペイン人シェフ、ホセ・アンドレス(jose Andres)さんは、自分のレストランを貧しい人々のために料理を作るキッチンに変えた。近隣のバーやクラブをサポートするために、将来使えるクーポンの発行も検討している。一部のレストランは閉鎖されているものの、希望の象徴として、照明付きの看板は点灯したままにしているが、数百万人の派遣労働者が仕事を失い、いま失業手当を待っている。
日本と同じで今の季節は、ワシントンでも桜が咲き誇るが、今年は有名な桜を祝うイベントは中止になった。しかし、先週末は多くの人が花見していたという。
日本、アメリカなど各国の政治家にはイタリアの経験を見て、いろいろと参考にしてほしい。
何をすべきか、何をすべきでないか、考えてほしいがもう遅い気がする。
窓際で歌うイタリア人を賞賛するだけではどうにもならない状況にある。
(シッラ・アレッチ)
※週刊朝日オンライン限定記事
治療薬は、新型コロナに感染して回復した人の血液の中にある血漿(けっしょう)成分から、抗体を含む「免疫グロブリン」と呼ばれる成分を抽出して精製する。抗体をほかの患者に投与することで、患者の免疫が活性化され、病状を軽減することが期待できる 。 全文
世界保健機関(WHO)の研究によると、高血圧、糖尿病、心血管疾患、慢性呼吸器疾患、癌などの慢性疾患を持つ人々は、COVID-19に関連する重度の疾患にかかり、死に至るリスクが最も高くなるという 。 全文
ウイルスの進化は偶然にも左右されるので、感染を防ぐ対策をしても万全ではない。強毒化してしまう可能性もゼロではない。ゼロではないけれど、それでも対策をすれば、ウイルスを弱毒化する可能性が高くなるのは確かだ。感染拡大を防ぐ対策はした方がよいのである 。 全文
兵庫県姫路市は27日、東京から23日に帰省した30代の女性が、新型コロナウイルスに感染したと発表した。市によると、女性は11日からにおいを感じにくくなっており、27日に検査を受けて陽性と判明。市の聞き取りに「(感染が確認されたプロ野球阪神の)藤浪晋太郎投手と同じ症状だったので心配になった」と話したという。
市によると、女性は飲食店の従業員。帰省翌日の24日に医療機関を受診したが嗅覚の状態が改善せず、27日に市の相談窓口に連絡して検査を受けた。
発表では、女性は新幹線を利用し、姫路駅からは自家用車で帰宅。実家で暮らす50代の母親に目立った症状はないという。市は今後、症状が出始めて以降の女性の行動などを詳しく調べる。
藤浪投手は検査を受ける際、ファンらへの啓発も念頭に実名での報道を望んでいた。 (小川 晶)
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