一即多、多即一

一即多、多即一

ラストサムライ


容を把握できなかったのです。今回はきちんと見ることができました。

 ハリウッドが日本を題材にすると、ひどく誤解されていたり、国辱ものとしか思
えないような描写がでてきますが、この作品については、あまりそういうことは
ありません。渡辺謙や真田広之がそのあたりをチェックしたようですね。

 日本が西欧化を始めた時代、侍はもはや過去の遺物と化していました。それでも
武士道を捨てずに守り続ける人たちがいました。これは時代錯誤と言えばそれま
でですが、彼らとしては決して失ってはならないものがあった、西欧化されても
日本人として失ってはならないし、失われることもないものが存在していること
を、心のどこかでわかっていたのでしょう。

 負けるとわかっている戦にいどみ、これ以上戦えば死ぬとわかっていながらもつ
っこむ、西洋的な合理主義では理解できないことです。わたしもそのような侍の
生き方を全面的に肯定するわけではありませんが、現代日本において、西洋の悪
い部分に毒され、日本の本来持っているよい要素が失われつつある今、武士道と
いうものが見直されてきてもよいと思います。

 日本という国は元々精神的、霊的な要素がたぶんにあったと思います。勝元が武
士道の説明で、吐く息にも草花にも全てに生命が宿っている、というようなこと
を言っていましたが、本来日本人はそういったことを意識的にしろ、無意識的に
しろ、感じ取っていたのではないでしょうか?しかし今はそういったことを感じ
取ることは難しくなっています。日本人の持っていた精神性、スピリチュアリズ
ムを今一度取り戻すことが必要ではないかと感じました。

 日本は何だかんだ言ってもまだ平和であり、比較的礼儀正しく、サービスの精神
が行き届いています。外国を旅すると、いかに日本が細かいところまで気を配る
かよくわかります。しかし、少しずつそういったよい要素がなくなりつつあるの
は残念なことであり、そのことに危惧を覚えている人が多いからこそ、この映画
が日本で非常にヒットした一つの理由ではないでしょうか?それにしても、武士
道を正面からあつかった映画が、日本映画ではなくハリウッドから生み出され、
それを日本人が評価しているのも皮肉な現象です。

 それにしてもトム・クルーズはいい役ばかりやっていますねえ。私の中で彼ほど
評価がころころ変わる人はいません。元々はアイドルとして売り出され、アイド
ルがあまり好きでない私としては、彼のことは嫌いでした。
それがアカデミー賞を取った作品「レインマン」でダスティンホフマンと競演し
そこでは比較的よい演技をして、「ちょっと今までと違うな」と感じました。
「レインマン」も、もう15年以上前の作品となりますね。

 それからしばらく彼のことは注目していませんでしたが、私のもっとも好きな女
優の一人、ニコールキッドマンと結婚し、仲良くやっていると聞いて好感を抱い
たのですが、いきなり離婚してしまい、「こいつは信用できん」とまた印象が悪くなりました。

 しかし、最近出演する作品が、「バニラスカイ」や「マイノリティリポート」と
いった、精神的なものが多くなり、私の彼に対する評価が、悪いものから変わってきました。彼はスピリチュアルについても理解があるのでしょう。
というわけで彼ほど私の印象を揺らがせる俳優はいないので、とてもやっかいな
存在です。

 渡辺謙と真田広之がよかったですね。渡辺謙は以前から好きでしたが、真田は彼
の若い頃は嫌いでした。台詞の言い方が大げさで、落ち着きがない印象がありま
したが、最近ではどっしりと落ち着いた演技をして、以前とは違うと感じていま
す。彼らが世界に日本の良いところを伝えていければいいなと思います。

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