osanpo  おさんぽ いこうね  ikoune

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お耳拝借●冠婚葬祭


よく、家族は悲しんではいられない。暇がないと聞きますが
実際に経験して、その通りだと感じました。

わたしたちの場合の流れを書き込みました。

同じように突然の出来事に悲しまれている方々の少しでも参考になれば幸いです



■葬儀屋手配■

臨終の言葉を聞くと同時に始まるのが「葬儀屋の手配」です。
自宅で最期を迎えた場合を除き、ほとんどが病院で最期を迎えますよね。

こちらから自宅なり、葬祭ホールなりまでなくなった方を搬送するのには一般的には「霊柩車」を利用します。

我が家の場合は一般的に言う「互助会」に加入していたのでこちらに電話連絡。
もしそういう決まったところが無い場合には病院で紹介してくれるらしいです。

そして、この流れで通夜。葬儀は同じ会社にお世話になることになるのでしょうね。



■葬儀(通夜)はどこで執り行う?■

実家の静岡では最近でこそ葬祭ホールができはじめ、今回の我が家のように施設を利用するお宅も出始めました。

しかし、俗に言う「まだ田舎だわ・・このあたりは」 という所では、自宅をその場にしますよね。

そこで自宅にした場合ですが・・・

だいたい良く耳にするのが「慌てて掃除した」という言葉です。

普段から部屋に予備がある様な場合を除いては、ある部屋ほとんどを何かしらの用途に使っていますよね。

だから・・・故人が戻ってくる前に大掃除が始まるらしいのです。

通夜などをとり行うには一体どのくらいの部屋の大きさが必要なのでしょうか?
振り返って我が家の和室(6畳)を見てみました。

・・・・無理でしょう・・

祭壇を設け、お花等などを飾ったらもうこれだけで一杯です。

ご焼香にいらした方を通したり、遺族がその挨拶のために並んで座っていたり・・最低でも8畳、いや・・・12畳くらいは必要かなと感じます。

今回私たちは葬祭ホールを利用しました。

こんな下準備なんて、子供たちの私たちはして欲しくなかったのですが、父からの遺言もあり、利用しました。

また亡父の母でもある祖母は91歳と高齢。息子がこんな事になったというだけで祖母の体も心配。できれば遺体となってしまった父と長く過す時間は・・・とも考えました。



■お寺にでかける■

当日、予め日にちの相談などのアポとりはしました。
翌日午前9時からお寺集合です。

まず・・亡くなった日、故人の生年月日(満年齢、数え年齢・・など。父の場合は66歳7ヶ月でした。お腹の中にいたときも1年と数えるのかな・・享年68歳ということです)

まず日取り。遺されたものとしては永遠に先延ばししたいのが本当の気持ち。
あとはこちらのお寺にいただいた暦なども参考にし(祖母がこういうことにはかなり神経質になります)決めました。また、ご住職の予定ともすりあわさねばなりません。

ご住職の話では、こちらで葬儀を執り行われたなかに「友引」に葬儀をされたお宅は今のところ無いとのこと。

宗教によっては大安、仏滅などの六曜をきにされないところもあるようですね。
それに加え、28種類に分かれている暦を参考にしました。


通夜や葬儀の時にお経を上げるお坊さんの人数なども決めなければなりません。

父の遺言には「密葬」 「きわめて簡素に」
ということでご住職はお一人で忙しいのですが「お一人」でお願いしました。

そのほか・・・戒名、葬式後の精進落しの場所、49日法要、納骨などの日にちも決めました。

兄弟が地元にいるだけではなく、初七日も葬儀後に一緒に行うことに。

納骨も同日にされる場合もあるようですが、父が大好きだった、人生後半を過していた別荘に連れて行こう。それから納骨・・ということに決めました。



■戒名のはなし■

戒名って・・いったいなんなのでしょう。

○○院○○○○居士(信士)

戒名というのは「居士」や「信士」の前に着く2文字のことだそうです。

あとは・・名刺で言う肩書きとでもいうのかな。

そこをみて、この方はどういう考えをお持ちだったとか、生前どんな方だったかを表す場所なんですって。

シンプルに○○○○信士(女性なら信女)というかたも多数とか。

しかし・・私たち兄弟は父が本名のほかにずっとつかっていた名前の一文字を入れて欲しい、起業していた社名とこれからやりたかった仕事の社名のある文字が同じだったのでそれも入れて欲しい・・など、様々なお願いをしました。

○○院 この「院」というのは簡単につけてもらえないらしいのです。その後の「居士」なんてなお更です。

宗派によっては簡単に下さるらしいのですが(ご住職の談です)居士をつけるなら葬儀の規模ももっと大きく・・でないと他の檀家とのつりあいもなくなるとか・・

まあ・・・ご住職の本音、実情を話してくださいましたがここではこのくらいにしておきます。


この戒名・・遺族が色々故人のことを話してくれた方がひらめくそうです。

なかには「なんでもいい」という方もおられるとか・・そのような時は何となくさみしい気持ちにもなられると。

ただ・・・・親戚の話ですが・・
そのお宅はとある有名な人物のお墓があるお寺の檀家です。
俗に言う「院、居士」を戒名に希望したら・・寄付として400万円
同じ寺で、日ごろからお布施などをしていた方は200万でした。


よく、戒名に○○○万なんで話ありますよね。

そういうのが珍しいからテレビなどでも取り上げるのでしょうけど・・
現実として、そういうお寺もあるということを知りました。

戒名が決まると棺に納めるB5くらいの紙、そして短冊みたいなものに戒名がかいてあるもの3枚を頂きました。

勝手に・・・短冊のうち1枚は祖母に「家の仏壇に祭っておけば」と手渡しましたが、これがいけなかった。

通夜の時に全て必要になります。


そうそう・・戒名もどうしても気に入らない場合は改名とでもいうか、そういうこともお願いできる場合もあるようです。
しかし・・現実はなかなか言い出しにくいのかもしれませんね



■お寺関係でいくら必要?■

正直、すごく心配でした。
知らないことばかり。

私たち兄弟4人(41,37,36,32歳)
若いといえば若い・・いい年といえば・・

ご住職に率直に話しました。

「まったく判らないので、よろしかったらご指導ください」 と。


とても親身になってくださいました。

通夜の前に遺体にお経を上げていただきます。
そして通夜、出棺前、火葬場、そしてお葬式。

お足代、精進落しの場所代、ほか一連の儀式
このような項目でのしぶくろを作りました。



■続。葬儀屋との打ち合わせ■

祭壇・・
棺(木目がでたもの、白い布で覆われているもの他)

もう・・・全てが金額との相談でしょう。

今回は互助会ということもあり、一番廉価のものから上はいくつもありました。
正直に話すと、40万円コースからはじまりますが、60万円のものにしました。

東京の方だとお花をメイン(花祭壇)にしたものが価格も手ごろで人気があると弟、叔母がはなしていました。

花好きだった父。いいかも。この案をだしてみたら・・・
基本のセットプラス20から30万円の花代じゃないと逆に貧相にみえるかもしれないと・・

えーーーーー!!!!
だったら・・皆が思い思いの花を持ち寄ろうよ。これで決定です。


あと・・・通夜の時の食事、など、一番細かく聞かれたのが食事を用意する人数だったかな。

またこれが案外価格の割合を占めました。

あとは・・密葬なのですが、父は多くの方々に輸血をしていただき、その方々が「どう?無事助かったの?」とご連絡を下さるのです。

亡くなった事を知った方々が思いのほか弔問に来てくださいました。

となると・・いらないはずの受付、その人、香典返しが必要になりました。

香典返しは、この地元では頂いた金額に応じたものをその場でお返しする方法が一般的ですが、なにせ色んな場所に兄弟も散っていて・・

受付では簡単なものをお返しし、49日法要が終わった頃に改めて手配をし、お手元に届くようにしました。


密葬で、お香典もご遠慮します。
そうしたら、せめてお花を・・と1万、2万するお花を頂いたそうです。

お礼をしない訳にはいきません。

結局持ち出しでお返しをした。

正直な話として・・かなりの出費になってしまったという話も聞きました。


色々・・・難しいなあと感じた一幕でもありました。



■遺影って・・■

写真がたくさんあっても、遺影むきなものって意外と難しい。

一番適しているのは免許証のものかな・・

(でも、自分の免許証の写真はつかって欲しくないなあ)

よく・・・男性なら黒いスーツ(礼服?黒いネクタイなんですよね)、女性なら喪服(礼服?)姿って多くありませんか?

全てがそうではないだろうけど、あれってそういう基本のものがあるんです。

それにご自身の首から上の画像をあてはめるんですって。

・・・てなことだから、ご自身のパーツも分割&合成できるんです。


背景も今は様々なものがあり、かなり迷います。

また、額の部分に押し花をあしらえるものも・・

背景を無地にして・・なんとなく寂しいとかんじたらこの押し花も良いかもしれません。

父のものも、当初は「押し花なんていらないよ」といっていた弟たちでしたが、背景をスカイブルーにして、額の押し花をあつらえたら、引き締まっていいかんじになりましたよ。



■数珠■

今回・・安価(はっきりいえば100円ショップ)などの数珠は到底使う気にはなれなかった。
正直なところ・・・身内でなければこのような葬祭に関するグッズには力をいれないものかもしれない
(ばちあたりで申し訳ありません)

私たち夫婦は揃ってこれを機にちゃんとしたものといわれるものを購入した。

ここで感じたこと。

こういうものの値段はあってないようなものなのかもしれない。

お世話になっている葬儀ホールで買ったのだが・・
記載金額の4割引といったところだろう。

いや・・これでも先方は充分儲けはあるのだから・・

もしかしたら100円ショップなどと大差ない?
(これは違うだろうが・・)



■棺の中にいれたもの■

色んなものを入れました。

まず・・お金。といっても本物ではありません。
孫たちが色紙を使って一億円札・・いや・・一兆円札などを100枚近く作成。
これだけあればお金には困らないよねっていうくらい大金持ちになりました。

父は東洋医学にもかかわっていたので、びわの葉や、もぐさ(火がつくといい香りがするかな・・とおもって・・いつも慣れ親しんでいた香りです)

とにかく・・・兄弟、孫・・・みなが思い思いに考え付いたことをやりました。

葬儀屋さんも・・・私たちの意を汲んで・・いや・・もしかしたら半ば呆れていたかも知れないのですが・・・やりたいようにさせてくださいました。

出棺の前・・・きれいなお花もたくさんいれました。

非常識なのでしょうが・・・実はお通夜の時にはビールも口に含ませたり(布で浸す・・なんてかわいいものじゃありません。飲ませました。)、好きだった和菓子もたべさせたり・・・

孫たちも棺のふたがあいていれば、そこに入り込んで「じーーじい♪」みたいな雰囲気でした。

今回・・父を見送るにあたって・・・密葬のような・・ちがうような感じでしたがお通夜も夜半になると私たち兄弟とその家族。3軒の家にいる9歳、7歳、6歳、4歳、2歳、0歳・・・しかも皆やんちゃ。おとなしくしてなさいというのが無理な状況。
また・・・父の別荘にこのやんちゃ孫たちが集まるといつも騒がしく・・それを楽しみにもしていた父でした。
だから・・・この日はありのままの皆の姿を父にみせました。


話がそれました・・

中に入れたのも。眼鏡などは溶けてしまうのですね。跡形もありませんでした。

棺の外には父の会社の旗を・・よく海外の葬儀の時に棺に旗をかけますよね。
あのように旗をかけました。

父の遺言でした



■火葬場へ■

私は一番この時を迎えたくありませんでした。
心臓はとまっていても・・姿が目の前にあるとないのでは大違いです。

また・・父は病院で最期を迎えた時よりも表情が良く(ナースの技術かもしれませんが・・)とても亡くなったとは思えないほどでした。

その父を自分たちの手で焼き場に連れて行かなければならない・・・
あのバーナーのなかに入れなくてはならない・・・

でも。逃げるわけにはいかないんですよね。
大好きだから・・ちゃんと最期まで子供の勤めとしてやり遂げなくては。

しかし・・・現実は厳しいものです。

点火の時間は決まっています。父一人のためにというわけではないんですよね。

今回はGW最後という事もあってか非常に混雑していました。

13時点火予定ですが・・・私たちはなかなか区切りがつけられず・・・13時10分になってしまいました。

私も・・弟3人にいたっては、閉まった扉をこじ開けようとする。
(開くわけないのですが)

・・てな訳で・・非情にもここでは時間は待ってくれません。

呼ばれるまでには参列されたかたに簡単な食事をだしました。

こんな時に・・食事なんて・・・

最初はそう思いました。が・・
これも非情?いざ点火されてしまうと、もうあきらめがつくんです。

このあきらめというのは「死」に対してではありませんよ。これはぜったいあきらめなんてつきません。

「姿、形」というものにです。

父はこの死の原因を追究したいという私たち兄弟の意思によって病理解剖しました。

だから・・・体の内臓は病院に保管されているのです。

そのためか・・・体格の割には遺骨収集で呼ばれるまでの時間はそう長くは要しませんでした。


昔は・・・・20年ちょっと前までは寝台そのままの姿で遺骨があったように思うのですが、今回の父の場合は頭蓋骨などもそのままではありませんでした。

骨壷に入る大きさにされていた・・というのが本当です。

まあ・・確かに身内の手で骨壷に入らないからといって細かくするというのも・・



話がそれますが・・

今私たちは父の手術した病院、医者たちとなぜこうなってしまったのか・・
真実を知りたくて話をする場を設けています。
しかし、遺族の気持ちとは裏腹で・・いや、遺族の気持ちを逆撫でするようなことばかりです。

病院の関係者は「患者が亡くなった」といってもその姿はそのままあるんです。
遺体として・・・でも姿は生前も死後も同じなんです。

しかし遺された家族はその姿を「骨」にかえなくてはなりません。
身長170CM 68キロの父を私でも抱えられるつぼの中にいれるのです。

私は思います。

医療事故・・・そのほか様々な原因でひとつの命がこの世から消えてしまうとき。
そのことに関係した人間もこの「火葬」の場に立ち合わせても良いのではないかと。

人が亡くなるということは骨になること。それがどれだけ辛いことか・・

今回・・・お医者様たちに同席してもらわなかったことを今になって少々後悔しています。



■葬儀■

お寺に着きました。
本堂に入ります。

時間としては30分から40分くらいでしょうか。

ここで気をつけたいのが「小さい子供」をどうするか。

今回・・私たちの場合は全員大人と一緒に参列させました。
お通夜では父の棺の周りを走り回っていた子供たちですが、ちゃんと最後の締めくくりをやれるのではないかと感じたからです。

おかげさまで期待通り、みな騒ぐこともなく済みました。

また。お寺にも子供たちが遊べる部屋が最近設置されたとの事。
控えの時間はこちらで待機しました。

葬儀のとき、幼い子供がいると、こちらのほうが気になってしまいますよね。

ご住職のHPにもあったのですが・・いくら子供とはいえ、大切なお経を上げているときに周りをうろちょろされるのはご仏前にも失礼なこと。

なかには「こどもだから・・」と注意すらしない親もいるとのこと。

こどもだから・・・これで許されることでもないと感じます。

ちょっと縁遠い親戚、親類などに前もって子供の世話をしていただくようにお願いしておくものひとつでは。

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