「雨、止まないな…。」


  岳人は雲の流す涙に向かって言った。


  「なんでだよ・・・」


  今日は晴れの予報が出ていたので岳人は傘など持たないで学校に行っていた。

  だけれど、天気予報は大ハズレ。どしゃぶりになっていた。

  この日はちょうど部活がなく絶好の遊び日よりだったのだがあいにく

  岳人は日直だったのだ。


  「ちっ…なんだってこんな良い日に日直なんだよ…」


  同じ日直のやつはいたのだが、今日は足の怪我で休みだったのだ。

  そいつが休みの分、岳人が日直の仕事をこなさなくてはいけない。

  そして、なんだかんだやってるうちにもう真っ暗。

  それにおまけで雨まで降ったもんだ。

  それは岳人でわなくてもきっと腹が立つだろう。


  「しょうがないや…このまま帰ろう…」


  雲から落ちてくる大粒の水に当たりながら帰ることにした。

  ………やはり、寒いものは寒い。

  6月だからといって暖かいわけではないからだ。

  それに、雨の水滴をYシャツが吸いこんで肌に引っ付く。

  気持ちが悪い。


  「あァ~!!!なんで俺ばっかりがこんなめにあわなきゃならないわけ?!」


  そんなことを大声で叫んでいると、聞きなれた少し低い声が聞こえた。


  「岳人?!どないしたんそんなにびしょびしょなって!」


  忍足は自分の持っていた傘の中に岳人を入れた。


  「だって・・・朝の天気予報で今日は
    1日晴れだって言ってたから傘…もってこなかったの。」


   忍足は少しだけニコッと柔らかく微笑んで見せると、


  「そか、やっぱり岳人はアホやな。今は何月や?」


  「えっ…ろくがつ…?」


  「せやろ?六月言うたら梅雨やんか。
    梅雨やったらいつ雨降ってもおかしくないんやで。岳人も梅雨くらいはわかるわな?」


  「わっ…わかるよ!!」


  「まァ・・・とりあえずYシャツ乾かそか。ついでに風呂入ったほうがいいで」

  「…………ん。分かった。じゃ侑士の家行こ」


  「せやな。」


  ―――――――ガチャ



  「ただいまー」


  こざっぱりとした忍足の部屋は今まで何度入ったことだろう。

  そしてプラス忍足は一人暮しだ。

  その、部屋のコルクボードには

  岳人が貼った2人の写真がところせましと貼られている。


  「岳人、今日は泊まっていき。親にはちゃんと言わなあかんけどな」


  そう言うと、忍足は岳人に電話の子機を手渡した。

  いつものことだから岳人は軽く電話が出来るのだ。


  「はい。侑士。電話したよ?これでいいよね?」


  かわいらしく首を傾げる岳人におもわず忍足は手を伸ばしてしまった。

  そして岳人の髪にフワッと触れると、


  「やっぱ…可愛いな…岳人は…」


  そんなことをぼやくのであった。


  「ね。侑士。ギュ~ってして?」


  またもかわいらしくねだってくる岳人に忍足は、


  「はいはい。いくらでもギュ~ってやってやるでv」


  と言うのであった。


  「あっ!岳ちゃん。こんなことしとる場合とちゃうわ!
            はよ風呂はいらな風邪ひいてまうで?」

  ―――――ぎゅっ



  「やだっ。侑士にぎゅ~ってやってもっらてれば風邪なんて引かないもん」


  「せやからって・・・だめやでこのまま寝るとか言ったら」


  「なんで?ダメ?だめなの侑士ぃ?」


  うるうるとした瞳を忍足に向ける岳人は今にも泣きそうだ。


  そんな顔をみた忍足は「もう無理や…」といいつつ。


  「……しゃーないな。今日だけやで?」


  「やったぁv侑士大好きvv」




           結局、岳人にはかなわなかったのだ。 



―――――――――後書き――――――――
あれ?
話繋がってないよね?
侑士急に出てきたし…。
岳人あんま驚かないし…。
しまいには恥ずかしいこといってるし。
しかも最後、「結局、岳人にはかなわなかったのだ」って
侑士目線になってませんか?
ごめん・・・おかしいとこもりだくさんで…。
ほんまごめんね・・・。

2003.8.9 





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