☆f4♪LOVE アンクミの徒然日記

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泣き出した心




身体の傷は 時が経てば いつか治るけど 心の傷は~
まるで 指に刺さった棘のように いつまでも うずくものなの

あいつと会う事で その傷が どんどん広がっていく

暗く深い海の底に沈むように つくしの心も 

光さえ届かない 海の底へと沈んで行った あの日の出来事


 屋上で会う事が多くなった ある日
廊下で会った司は 屋上を指差し 声を出さずに 口だけ動かし
 いつもの所で 待ってるからな~~

そんな二人の姿を見ている 人影が

こうして あいつと此処で会うようになってから どのくらい経つだろう
空を見上げながら そんな事を考えていると ドアの開く音が

でもそこに現れたのは 道明寺その人ではなかった
三人の取り巻きを引き連れた 川井 美樹の姿が
「牧野さん こんな所で 何をなさっているのかしら?」
その声は 相変わらず 冷たく 棘がある

「私は 別に 何も~」4人に詰め寄られる形になった つくしは そう答えたが
 この人達 なんで 此処に来たのかしら

「貴方 この前の私の忠告が 判らなかったみたいね
 いつまで 社長に付きまとっているのかしら」

4人に 取り囲まれたつくしは 「別に 私 付きまとってなんて~~貴方達には 関係の無い事じゃないですか」
その言葉は 4人の反感を更に 大きくしてしまった
いきなり 川井 美樹の平手が つくしに


会議が長引き すっかり遅くなった司は 屋上への階段を駆け上がっていた
勢い良く開けたドアの前に つくしが
泣き顔で立ち 片袖は無残に破れ 手で押さえている
そんなつくしを見て 司は声もでずに 立ちつくしている

「牧野!  お前どうしたんだ その格好は~」

また あいつに 泣き顔見られてしまった
どうしたらいいの 私はどうすればいいの
早く 此処から 消えてしまいたい

開け放たれたドアを 
司の横を つくしは走りぬけていた

「牧野  牧野~~」

お願い 追ってこないで
トイレの前で つくしは司に 腕をつかまれてしまった

「牧野 何かあったのか」
牧野の小さな肩が 震えている

「なぁ~~牧野 言ってくれ 何があったんだ」
肩の震えが 大きくなっていく
両手で顔を覆い 激しく泣く 牧野
牧野の細い腕が 破かれた片袖から 司の目に飛び込んできた

司は 上着を脱ぐと そっとつくしに

司のコロンの香りが 優しくつくしを包む

お願い そんなに 優しくしないで

「家まで 送っていくよ」抱きかかえるようにして司は
エレベーターへと歩き出すが 
こんな姿で降りられない 少し離れた所に 搬入用のエレベーターがある事に気づき 司はそちらに向かった



車の中でも 牧野は何も話そうとはしなかった
今も 部屋の前で 鍵を握り締めながら 俯いたままだ

「牧野 一人で大丈夫か?」
ようやく収まった涙が またも溢れ出してくる
小さな身体が 余計に小さく見える
思わず 司は牧野を抱きしめていた

「牧野 泣かないでくれよ お前が泣くと 俺まで泣きたくなる
だから 牧野  牧野」

一人で居たくなかった でも でも
「道明寺 ごめんね 一人でも大丈夫だから」

静かにドアを開け つくしは部屋の中へ
その姿が部屋の中に消えても 司は その場を立ち去れなかった

ドアの前に崩れるように 座りこむと 牧野の身に何が起こったのか 必死で考えていた

部屋の中からは 牧野の押し殺したような 泣き声が


どのくらい いたのか 司には判らなかった
今は もう牧野の泣き声も 聞こえてこなくなっている

泣き疲れて 眠ったのだろうか
 牧野 明日は 笑ってくれるよな
 また いつもの 牧野に戻ってくれるよな
 そうだ 明日は 牧野を別荘に連れ出そう
そんな事を考えながら 司は牧野の部屋を後にした


しかし、翌日司は 牧野と会う事が出来なかった





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