毎日が異文化コミュニケーション?

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- TALIESIN -



■■■ 建築家 フランク・ロイド・ライト氏の建築物を巡る旅!!■■■





~・~・~ フランク・ロイド・ライト 心の故郷 ”TALIESIN” ~・~・~


5月24日、25日の二日間、ウィスコンシン州はスプリング・グリーンと言う町にある
”タリアセン・3”へ行き、ツアーに参加してきました。





■■■ HOUSE TOUR ■■■


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さすがに”春の緑”の町なだけあって、この時期のこの近辺の緑は鮮やかで美しかったです。午後3時から約2時間の”House Tour”に参加しました。実は、次の日の午前中に”Highlights Tour”を予約しておいたのですが、雨天中止のツアーと聞かされ、天気予報が最悪の状況になりそうな様子を伝えていたので、前日に急遽飛び込みで”House Tour”に参加しました。1時間ほど前に到着する事が出来たのですが、その時点で”あと数人参加できます。”との事でした。ギリギリだったらダメだったかもしれません。6月~8月中は要予約かと思います。



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3時にビジターセンターをバスで出発です。タリアセン・ツアー専用のバスが用意されています。”House Tour”はここから直接タリアセンの建物へ向かいます。小高い山を登ると眼下には、ライト氏デザインの池や木々が広がっています。建築デザインのみならず、ランドスケープにも長けていた事が伺えます。ここからの景色はまさに絶景!!芝の青さったら・・・木々の緑の深さったら・・・・これだけの広さを管理するのに毎年どれほどの手間とお金がかかっているのだろう???



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タリアセンの建物はこの岡の頂点に聳えているのではなく、ちょっと下がったところに位置しています。建物を強風から守る為、また建物をその土地に存在している自然以上に目立たせない為・・・なのだとか。建物と自然との一体化をコンセプトにしている事がよく分かります。



このツアーでは建物の裏側をグルっと一周することができましてた。まず気になるのは、老朽化。築80年くらいにはなる建物ですから、維持しつづけるのは大変ですよね・・・しかもこの広さ・・・・。
外壁も数箇所剥がれ落ちていましたし、裏側には壁の崩壊を防ぐ為に木材で支えている箇所もありました。なんとか、持ちこたえ続けて欲しい・・・そう思いました。



建物の外周を回ってから、ライト氏のスタジオに入りました。建物に入る前のポーチでガイドさんからの説明を聞くのですが、このポーチの軒高がかなり低くて驚きました。180センチ強?弱?ツアー参加者のほとんどの男性は身をかがめないとそこに立っていられない状態でした。この天井高が、ライト氏デザインの特徴なのだそうです。ここで圧迫感???を与えておいて、建物の中で”アッ”と言わせる作戦なのだそうです。確かに、ライト氏のスタジオは天井高が高く、もの凄く開放的に感じられました。これは、その部屋へ入る前の、あのポーチでの圧迫感から、開放され、その空間以上の大きさを感じることができるからなのだとか・・・。本当に部屋そのもの以上の開放感が得られました。スタジオ内には日本の屏風が壁に高々と掲げられ、その横の面には縦長の窓が置かれています。ライト氏は、この窓から見える風景を屏風の絵のようにとらえるべく、屏風の1枚の比率のような縦長の窓を設けているのだそうです。確かに、そこからの外の景色は1枚の屏風絵のようでした。いくつかの図面台には浮世絵(コピー)が置かれ、他にも中国の美術品やらが置かれて、ここは本当に製図室???そういう美術品を設計室に置くことで、自分の作品のイメージを広げて行ったのだとか・・・。
暖炉の上にはライト氏のお母様の肖像がが掲げられていました。肖像画はこの一点だけなのだそうです。ライト氏のお母様は、彼がまだお腹にいる時から、この子は”偉大な建築家になる”と信じて疑わなかったのだそうです。ライトが産まれると、子供部屋に西洋の大聖堂の絵を額縁にいれて飾ったり、ドイツ製の積み木を用意して遊ばせたり、実際、ライト氏に小さい頃から”あなたは偉大な建築家になるのよ”とよく話して聞かせたのだそうです。
自分が今、こうやって実際に偉大な建築家になれたのは、母親あっての事・・・と言うライト氏の思いの象徴ですよね、スタジオ内にあえて置いた肖像画ですから。



このスタジオで、世界的に有名な住宅”落水荘”のプレゼン用図面を約3時間で書き上げたのだそうです。”ジョンソン・ワックス社社屋””グッゲンハイム美術館”なども最初の図面はここで書かれたのだとか・・・
真四角の白い壁で囲われた空間の中では、それなりの物しか生まれないんだわぁ~を実感。 建築家たるもの、インスピレーションを沸かせれくれるような品々に囲まれてお仕事をするべき!!なんですね!!(いったいいくらかかるのやら???)
スタジオの奥にあるダイニングルームを見学し、いよいよタリアセンの住居部分へ移動です。



スタジオから例のポーチへ出て、もう一つある扉が住居部分へのドアとなっています。ドアの前に係りの人が立っていて、”靴のカバーをここで着けてから中に入ってください”と言われました。そうここからは”土足禁止”のツアーです。リビングルームへ向かうまでの廊下は、やはり天井高が低かったです。ポーチほどではなかったように思いますが、ここでもメイン・ルームでの感動を高める工夫がされている訳です。
メイン・ルームに入ると誰もが”Wao~!!”の歓声を上げています。大きな部屋の周囲にソファーが置かれ、何とツアー客はこのソファー(ライト氏が購入したソファーで、オリジナルデザインのものではありません。)に腰掛けながら、ガイドさんのお話を聞くことができました。まるでライト氏に招待されたお客様のような雰囲気でした。そこにはピアノがおかれ、その他の楽器演奏者用の譜面台もありました。この譜面台もライト氏が設計したものだそうです。あの黒いスチール製の譜面台が自分の部屋に置かれるのが許せなかったそうです。確かに、あの空間に黒のスチールはかなり浮きます。部屋にはクラッシック音楽が流れていて、優雅な気分にさせてくれました。ここでライト氏は毎週末、演奏会を開いていたのだそうです。生演奏・・・聴いてみたかった・・・
ソファーが置かれた壁には外の空間をそのまま取り込んだかのような、大きな窓が連続的におかれ、その窓からはライト氏デザインのランドスケープが望めます。リビングからは外へ向かって細長く伸びた”バードウォーク”と呼ばれる空間へ出られるようになっています。(出られませんでしたけれど)
その名の通り、きっと、細く伸びたその先端へ行けば、自分がまるで鳥になったかのような感覚が味わえそうでした。気持ち良いんだろうなぁ~



リビングの次は、隣にあるお客様用(娘さん用?)の寝室へ。ここで一番印象に残ったのは、タリアセンが火災に襲われた時に、大きなダメージを受けつつも形が残っていた美術品(仏様のように見えました。)が壁に掲げられていて、その右上にある小さな窓から、朝陽が丁度この仏様のお顔に当たるような仕組みになっている事です。光のデザインの質の高さも、そこかしこで感じられました。



一つだけ、ライト氏デザインのランドスケープに面していないお部屋があるのですが、それが小さなライブラリーです。そこには日本画の本やらもおかれてありました。大きな出窓には収集された貝殻が置かれていて、ガイドさんがそのうちの一つを手にしながら”何処かで見た事ありませんか???この形!”と質問すると、ツアーのお客様全員で”グッゲンハイム美術館”と合唱!実際、ライト氏は自然の物からそのデザインを取り入れる事が多かったそうで、そのひとつがこの貝殻・・・だったわけです。でも、本当に、そっくりだったなぁ~あの貝殻・・・グッゲンハイムに!!




残念ながら、ライト氏の寝室と奥様の寝室は見せていただくことができませんでした。ライト氏の寝室は工事中???のような感じでした。ツアーの最後は、この寝室につながるテラスへやってきたのでですが、ここからの景色も凄かった!!ツアー客の皆さん、ここで”うっとり”してましたから・・・


”House Tour”はここで終了です。バスが来ているところまでちょっとしたお散歩をして、ビジターセンターへ戻りました。



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ビジター・センターでは、ランチやディナーを食べる事ができるのだそうです。他に、ツアーの予約受付もここで行われています。日本に関するお土産もたくさん見かけました。私はここで、タリアセンのビデオと、日本語訳のついたタリアセンの写真集を買いました。もうちょっとお勉強しないといけません!!







■■■ HIGHLIGHTS TOUR ■■■



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次の日、天気予報では嵐がやってくる?!との事だったのですが、運よくただの曇り・・・と言う事で、予約してあった”Highlights Tour”にも参加してきました。


出発は10時15分。ビジター・センターからバスで最初の目的地”HILLSIDDE”へ向かいます。何と言ってもこの”TALIESIN”ものすっごく広いですから移動が大変です。”ESTATE TOUR”と言う約4時間のツアーがあるのですが、このツアーはほとんどを歩いて回るツアーのようです。真夏は過酷なツアーですよねぇ~ で、この”HILLSIDE”とは、ライト氏が叔母様が開く学校の為に立てた建物なのですが、その後、叔母様が手放してライト氏に譲った建物なのだそうです。そこで、ライト氏は”タリアセン・フェローシップ”を立ち揚げて、お弟子さんとここで生活を共にしたのだとか・・・。
フェローシップとは、お金を支払って、ライト氏と生活を共にしながら設計の極意を学ぶシステムの事で、実際ここには、大きな設計室や食堂、リビングルーム、模型室なんかがありました。特質すべきは音楽ホール!!ちゃんと舞台も設置されていて、かなりの座席数があったように思います。
ライト氏曰く”建築家たるもの、図面ばかり書いていてはいけない!!音楽に触れ、農業に触れ、大自然と触れあい、それら全てを吸収し自分の生み出すデザインに生かしていく!!これが理想で、ここはその理想郷!”なのだそうです。



実際、建築って学校で学ぶ物ではないと思うんです。ここでは、実際にライト氏が請け負った仕事を、ライト氏と共に図面化する事が出来る!!まさに夢のような場所だったわけです。高額な資金が支払える者のみが得られる特権ですね。このお弟子さんの中には、”落水荘”のオーナである、カウフマン氏の息子さんもいらしたのだとか・・・それが縁で、落水荘の設計を手がけるようになったそうです。



日本の有名な建築家さんの設計事務所なんかで働くと、お給料無しで経験だけ積ませてもらえるようですから、かなり良心的ですよねぇ~ 
ライト氏は、かなぁ~り、ぼったくってらしたようですから・・・・



実際、そのお弟子さん達は、畑を耕し、作物を植え、牛や馬の世話をしながら図面書きをしていたのだそうです。ツアーでは、酪農の作業に使われていたライト氏デザインの大きな納屋も垣間見る事ができました。(バスでその前を通過しただけ・・・)しっかり見せてもらえるのは”ESTATE TOUR”のみです。
この納屋も老朽化が激しくて、中に入る事ができないのだそうです。
いくらあっても、補習費が足りない・・・そんな状況がうかがえました。



”HILSEIDE”を後に、バスでタリアセンの敷地内をグルッと回り、タリアセンの建物へ向かいました。私は昨日ここへ来ているので、ガイドさんの説明も2度聞けて、かなり頭が整理できたように思います。ガイドさんによって説明の内容が違うので楽しかったです。



ツアーの後、またバスに乗ってビジター・センターへ向かいました。バスの中でも熱心なツアー客の皆さんは、ガイドさんにいろいろと質問をしてらっしゃいました。中でも面白かったのは”最初の火災の原因は、使用人が放火した事だと聞きますが、この人物は何者で、どんな理由で放火し、7人も殺すことが出来たのか?”という質問でした。タリアセンは2度火災にあっています。最初の火災が使用人が放火したもので、この時、この使用人はライト氏最愛の人とその2人の子供を含めた7人を殺害しています。誰もが、そうしなければならなかった使用人の心の病を知りたいですよね・・・使用人が何を思ってそのような事件を起こしたのかは、分からないままなのだそうです。
その話をガイドさんがすると・・・質問をしたお客様ったら”それって、この蚊が原因なんじゃなのかなぁ~”と笑っておっしゃって、バスの中でお客様同士が大爆笑!!私も”それっ、充分在り得る!!”って思いましたから・・・
本当に凄かったんですよぉ~蚊!!
きっと当時は、虫除けスプレーなんか存在していなかったんでしょうし・・・この状況下での外での仕事はきっついですよぉ~いろんな意味で!!




火災の話をしましたが、2度目の火災は嵐の日の電話線ショートが原因なのだとか。風の強さであっという間に火が燃え広がってしまったのだそうです。でも、2度も火災にあっていながら、大きな負債を抱えながらも、3回もこのタリアセンを立て直したわけですから、ライト氏のこの建物への執着心たるや、相当なものだったのではないかと思います。
私は、オークパークのライト邸も拝見してきましたけれど、はるかにこちらのタリアセンの方が感激しました。それは、きっとこのライト氏の執念が形となってここで表現されているからだと思います。3回目の建物が完成した後も、亡くなるまでの間、毎年毎年、何かしらの改修工事が成されていたそうです。他のどの建物よりも、完璧に近い建物となっていたわけですよね・・・





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私は、このツアーに参加できて本当に幸せでした。この時ほど、アメリカ中西部で生活する事が出来て、ありがたい!!と感じた事はありません!!
写真や映像では伝わらない・・・実際に目にしないと分からない・・・
壮大な空間でした!!

この企画に乗ってくれた主人には本当に感謝しています。そして息子よ!!よくぞこの長旅に再度、耐えてくれました。二人とも、本当にありがとう!!ヽ(^。^)ノ



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