やまとなでしこ~桜子と欧介大好きブログ

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6話





・そう、みなさんはなぶさ先生の後輩で、大病院のジュニアなんですか?
今夜はたった一人の人に巡り会えたような気がする

そう、今夜はたった一人のおぼっちゃまに巡り会えたような気がする・・

・やっぱりだめねー、若い子は結婚に前向きじゃなくて
ま、こういう日もあるさ、次にかけようっと!

(どうして欧介さんを呼んだの?自分から振った男に声かけるなんて、桜子らしくないよね)
振った?私が?
2人とも何か勘違いなさってなーい?
(ふったでしょ、こっぴどく)
お付き合いして、お別れした男性は、山のようにいるけど、その中にあの男の名前はリストに入ってないの
だって、査定の対象にもならなかったんだもん
関係ない男が、機内見学に紛れ込んでたって関係ないでしょ?
お金持ちじゃない男は、そこにいないのと一緒なの
まして、振ったなんて人聞きの悪いこと言わないでくださる?
あ、いっけなーい!東待たせてたんだったー、それじゃあ

・ごめんなさい、東十条さんが心配すると思って言わなかったんだけど、私のマンションの部屋、上の階の水漏れで使えなくなっちゃってそれで、お友だちの家に泊めてもらってたの
お友だちの、佐久間先生です
真理子さんって言う奥様が、すごくお料理がお上手で、花嫁修業になると思って、それでここに
だまっててごめんなさいね、本当に心配かけたくなかったの・・・

・(また来てもいいですか?)あ、今にもつぶれそうな魚屋ですけど、やってる間はどうぞ!

・私のフェンディが、ディオールが、ベルサーチが・・あー・・

・ここんとこ合コンで経費がかさみすぎた
そこへ持ってきて大家さんは家賃払えって言うし、あの小火で私の命よりも大事な洋服が黒こげで水びだしになっちゃうし・・
あー情けない、貧乏って大キライ!
いっそのこと、明日にでも東十条一郎病院に嫁いじゃおうかな?
(中略)
うわー悲惨、私よりも悲惨な人がいるんだ
それ聞いたらちょっと明るくなった!
若葉ちゃんってよっぽど心が広いのねー
借金まみれの男に同情できるなんて・・でも、私は違うの

・おさきにどうぞ(どうも)
い、意外だなあ、刺身の醤油、小皿にドボドボ入れる人いるでしょう?あれやですよねー
あれじゃあ、魚の味が分からなくなっちゃうし、小皿に残った醤油ももったいないし、
あなたは絶対ドボドボ派だと思ったけど、違うんですね
意外に堅実なんだー
(そんなせこいお話は聞きたくありません)すみません・・
(料理した人はともかく、この平目おいしい!)あ、本当ですか?
(平目もお高いでしょうに、売れ残っちゃって大変ですねー)
値段じゃないですよ、佐久間達を喜ばせようと思って、心を込めて刺身におろしましたから
(また心ですか?心なんて言ってる場合じゃないんじゃないんですか?)はあー・・

(借金だらけで、お店つぶれそうなんですって!?)どうして知ってるんですか?
(ちょっと小耳にはさんだんです、この期に及んでまだお金よりここが大事なんて、本気で思ってるんですか?)
ええー。(お店がつぶれて、路頭に迷っても?)
魚春は潰しません。あんなせこい店でも、親父から受け継いだ大事な店なんです
僕が留学して、好きな勉強やってられたのも、親父のおかげだし・・

(数学、どうしてやめちゃったんですか?)それは・・
(この間、結婚式でお会いしたM.I.Tのお友だちはみなさんビジネスで成功なさってるのに、あなたのお魚屋さんは経営もボロボロ、どうしてこうなっちゃったのかしら?)
親父が倒れたとき、思ったんです
27まで好き勝手なことさせてくれた親父に俺は何を返せるのか・・
お袋一人出店を続けていくのはムリだったし、日本に戻って魚春を継ごうって
そのとき、数学者になる夢は諦めました

(ご立派な話ですけど、要するに逃げたのね)今、何て・・
(成功してお金持ちになることから、あなたは逃げたのよ)
(ほーら黙っちゃった、やっぱり)
僕が数学をやってたのは、金持ちになりたかったからじゃなくて
(神様のチェスのルールを探求するためでしたっけ、だったら最後までやればいいじゃない?
特許取ったり、ノーベル賞取ったりすればよかったじゃない?
ねー、あの賞ってお金いっぱいもらえるんでしょ?欲しかったんでしょ?)
フィールズ賞なら欲しかったですけどね
(あー、そっちの方が儲かるんだ)そういうことじゃなくって・・
(ほらね、やっぱりお金持ちになり損ねただけじゃない)
あなたと喋ってると、こっちまでおかしくなりそうだ
(その言葉、そっくりそのままお返しします、大体、ボストンまであなた何しに行ったの?
途中で帰って来るくらいなら、行かなきゃよかったじゃない)

(ゆきこさんっていうひとに失恋して、ショックで帰ってきちゃったのねー、数学も何もかも投げ出して、意気地なし)
ゆきこのことは・・・あー、あなたには関係ないでしょ
(関係あるわよ、おおありよ、最初に私に好意を持ったのだって、ゆきこさんという人に似てるからでしょ?)
確かに、あの時はそうでしたよ、でも・・
(失礼な話よね、心が大事とかいっといて、結局顔だけでしか選んでないんだから)
あなたの顔以外、どこを愛せっていうんですか?
中身知れば知るほど、最悪じゃないですか?
(なんですって!?)
あなたの本性知って、心から愛せる男なんてどこかにいるんですか?
(大きなお世話よ、もー最悪。信じられない)
すみません、つい本当のことを・・

(それは、謝ったんですか?それとも、まだケンカ売ってるの?)
いえ、本当のことを言われて、つい・・・
僕は逃げたんですよ、逃げ出すくらいなら、ボストンなんか行かなきゃよかったんです

・やっぱりあの店、手放さなきゃならないかなあ
死んだ父さんに申し訳ない
あんたが数学諦めて、継いでくれた店だしね・・・

・だいじょうぶだよ、母さん、心配すんなって・・

・お父さんが亡くなって、魚屋を継ぐために戻ってきたんですよね

・それもあるけど、本当は挫折しちゃったのよ
(中略)
お父さんの魚屋を継ぐために帰ってきたって言うのは、自分に踏ん切りを付けるための、いいわけだったのかもしれない

・俺は今日、確証を得た、欧介にこれを言うのはあまりにも酷かもしれないが・・・
魚春の土地を差し押さえて、買収しようとしている影の人物は、うちの信金のお得意さまだ

その影の人物とは・・
東十条一郎病院だ!

・魚春はつぶれる、家は取られる、もーボロボロだなあ
今度という今度は、中原欧介、参りました・・・

・それが・・・代官山町の2丁目なんだ・・・

・僕の負けです
やっとわかった、あなたが正しかった
心より、お金ですよね・・・









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