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銀座本店では10万個を越すあんパンが売れた日も続出した。
あんぱんでお馴染みの木村屋草創期の歴史を通じ、江戸末期から大正時代の日本の食文化を俯瞰する。
江戸時代には「パン(肉)と葡萄酒(血)は、仏教の根本的教義とは相容れないもの」(33 ページ)としてパン食を忌避しており、「パンの表記もポルトガル語の『パン』を用いた」(34 ページ)という。
ところが開国して欧米人の体格の良さに驚いた日本人は、パンや肉を食べる必要性に駆られた。そこで、「わが国を神武創業の時代に戻すこと。神武創業時、つまり仏教伝来以前に戻せば、仏教の 5 戒律の筆頭にある殺生禁の戒律にも拘束されない。したがって、パン食文化の浸透も、これを肯定するキリスト教の普及も問題なし」(46 ページ)という理由付けまで行った。いかにも日本人らしい。
その後、木村屋のパンは西南戦争の兵糧として提供されたり、鹿鳴館の食事に供されたり、明治天皇も食している。静岡で隠遁生活を送る最後の将軍・徳川慶喜にもとにあんパンを運び、木村屋を全国展開させるに当たって、清水の次郎長が活躍している。
このように、あんパンから庶民の生活史を知ることができ、とても面白いないようである。
■メーカーサイト⇒ 大山真人=著/平凡社/2001年07月発行 銀座木村屋あんパン物語
■販売店は こちら

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