☆傷つける言葉と包丁☆



「ママの心が痛いって泣いているよ」と言ったけれど。

あなたはそれにまた口答えしたので

厳しく叱りました。



それが本当に傷つく言葉だったので

ぽろぽろと涙が流れてきたのです。


「ももちゃんママにもこころがあるんだよ」

「嬉しいときは嬉しいし 悲しいときは悲しい、、

 ももちゃんといっしょなんだよ」


入院していていつもそれはいいこに

明るく過ごしているらしい。

皆さんに可愛がって頂いている。

でも

週末

ストレスがたまっていて

母に思いっきりぶつけてくる。



「ママ嫌い!」と時にはあまのじゃくになり

母の愛情を確認する。

私の出方を見ている。

おうちに帰りたくてプレイルームから抜け出し

病棟の入り口で 私が来るのをずっと待っているのに

私が行くと「おうちには帰らない」と言ったりする。

帰る、帰らない、やっぱり帰るを繰り返す。

みんなのことは大好きで

ママだけ嫌いといってぶつかってくる。

すべてが裏返り

そんなことでこころのバランスをとっているのかと

愛おしくも感じられ

時には疲れ果て

彼女が帰るというまで

それに付き合うときもあれば

あまのじゃくとは、、と話す日、

上手く話を切り替える日もある。


親から離れている生活。

甘えているのもわかるから、、

母の心はいつも揺れて

どうするべきかいつも悩みます。



でも言わなければいけないことは情に流されず

言わなければいけない。



怖い顔をするのは苦手だけれど

思いっきり怖い顔をして

目を見て叱ったのです。




これはとても大切なことだから

それがどういうことなのかを

教えたくて

ママは包丁を見せました。

ももは目を丸くしました。




言葉は人を励まし

生きる力を与え

楽しくする素敵なもの。

だけれど

時としてそれは

人のこころを

包丁で刺すように

傷つけるものにもなるということを、、。



「ももちゃんが包丁でさされたら痛いよね?」


「うん」とうなずいた。


相手の気持ちを考えて 言葉を使うようにと。

たとえ傷つけられても

決して人のこころを刺すような言葉は

使ってはいけないと。



あなたにはまだ難しいかもしれないけれど

伝えました。



「わかった」と一言。


「ごめんなさい」と小さな声で謝りました。




「大好きな子だから叱るんだよ」と言って


車いすからおろして抱きしめたら大泣きしました。


そのあと手をつないでくっついて眠りました。


「ママ大好き」といいながらすやすやと、、




ありがとう、、、






子育ては自分の思うとおりにはいかなくて大変なことも


実に多いけれど


そんな子どもの一言で


すべてがふっとんでしまうから親は不思議だ。




ママも 


ももちゃんが大好きです。



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