Pすけ☆の気まま日記

Pすけ☆の気まま日記

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第6章 
実写版映画 『PETER PAN』

(原題『PETER PAN』 P.J.ホーガン(註42)監督、コロンビア映画提供、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給、2003年アメリカ映画、上映時間1時間53分、SDDS・SRD)

INTRODUCTION
100年目に語られる初恋がある。
大人たちが愛した。夢と冒険と恋の物語。
世界が愛する、永遠の少年の物語。
そこには、ときめく初恋が隠されていた?。
バリの手を放れ、アニメや絵本の主人公として知れ渡ると、ピーターとウェンディーの恋は影を潜め、夢と冒険だけが残された。?『ピーター・パン』初演から100年という、記念すべき2004年。壮大な夢と冒険と共に、二人の恋が、ふたたび輝き始める。?これは、映画として初めて出逢う、本当の『ピーター・パン』の物語だ。
     図10(註43)

図11(註44)
今だからこそ映像化できるピーター・パン
100年を経ても、今なお人々を魅了する『ピーター・パン』。映像化の成功にはクリエイターの創造力はもちろん、特殊効果という現代の魔法なしでは考えられなかった。 撮影監督を務めたのは、『ムーラン・ルージュ』のドナルド・マッカルパイン(註45)。視覚効果チームを率いたのは、『コクーン』でアカデミー賞を受賞し、『A.I.』『バックドラフト』でも特殊な世界を創り上げたスコット・ファーラー(註46)(ILM)(註47)。そして、監督を務めたのは、原作から戯曲までこの物語を熟知するP.J.ホーガンだ。彼らによって描かれたエドワード王朝時代のロンドンは、絵画のような深い色彩を放つ。ネバーランドでは、妖精たちが可憐に舞い、巨大ワニが驚異的な迫力で襲い掛かる。また、ネバーランドの住人、'ピーター・パン'を演じるのは、ジェレミー・サンプター(註48)。これまで主に女性が演じてきたため、彼は史上初の'ピーター・パンを演じる少年'となる。アメリカでは、ファンサイトが乱立する熱狂ぶり。ピーター同様、世界に愛される少年になるのも、遠くないだろう。

STORY
永遠の国へ、君を連れてゆくよ。
“子供時代″に、さよならするときがやってきた。
ウェンディー・ダーリング(レイチェル・ハード=ウッド(註49))は、小説家を夢見る13歳の少女。銀行員の父(ジェイソン・アイザックス(註50))と母(オリビア・ウィリアムズ(註51))、弟のジョン(ハリー・ニューウェル(註52))、マイケル(フレディ・ポップルウェル(註53))、乳母である犬のナナと暮らしている。?
ある晩、ミリセント伯母さん(リン・レッドグレーヴ(註54))が家にやって来た。顎のラインが大人びてきたウェンディーを見て、レディのための教育を始める時だという。翌日、ウェンディーは授業中に落書きをして先生に咎められる。そこには二人の人物が描かれていた。「これが眠っているあなたなら、これは?」「男の子です」。驚いた先生は、ダーリング氏に抗議の手紙を書いた。父の銀行へ向かうメッセンジャーを阻止しようと追いかけるウェンディーは、銀行で大騒ぎして、父の面目を潰してしまう。その晩、ウェンディーは激怒する父に「そろそろ大人になれ」と言い渡される。


       図12(註55)
一緒にゆこうよ。ずっと、子供でいられる国へ。
ウェンディーが、子供として過ごす最後の夜。寝静まった子供部屋に、ピーター・パン(ジェレミー・サンプター)とティンカー・ベル<以下:ティンク>(リュディヴィーヌ・サニエ(註56))が忍び込んだ。ピーターは、ウェンディーが語るお話を聞きに、何度も遊びに来ていた。そして今夜は、犬のナナに捕らえられた影法師を取り戻しに来たのだ。
暴れる影を取り押さえたのに、身体にくっつけられない。ピーターの泣き声で目覚めたウェンディーは、影を縫いつけてあげる。彼は、乳母車から落ちて迷子になった'ロストボーイズ'(註57)と暮らしていると話す。「女の子は賢いから、乳母車から落ちない」。そんな言葉に気を良くしたウェンディーは、キスをあげると言う。キスを知らないピーターは何か素敵な物がもらえると思い込み、手を差し出す。ウェンディーが悪戯で指ぬきをあげると、お返しにドングリをくれた。ピーターは、海賊と妖精が住むネバーランドに行こうと誘う。妖精なんていないと言いかけるウェンディーを、ピーターが止める。誰かがそう言う度に、妖精が死ぬからだ。旅立ちに向け、弟たちも加わり飛行練習が始まった。楽しいことを考えて妖精の粉を振りかけると、みんなの身体はふわり、宙に浮いた。
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      図13(註58)
そこには冒険と、初めての恋があった。
愛を知らない少年を、好きになった。
凍てついたネバーランドに春が訪れたことで、ピーターが帰ってきたことを知るフック(ジェイソン・アイザックス)雲に寝そべるピーター達を、大砲で攻撃する。  

  図14(註59)

ジャングルにいるロストボーイズは、衝撃で落下するウェンディーを発見した。やきもち妬きのティンクは「あの鳥を射落しなさい。ピーターの命令よ」と嘘をつく。胸を貫こうとした矢からウェンディーを守ったのは、ピーターにもらったどんぐりだった。ピーターは、ウェンディーを殺そうとしたティンクを仲間から追放する。
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     図15(註60)

子供達のママ役をしながら一緒に暮らすウェンディーは、ピーターに惹かれてゆく。気持ちが知りたいと告白するがピーターは「愛なんて言葉、知らない」と言い放ち、飛び去ってしまう。泣きながら眠りについたウェンディーは、目覚めると海賊船にいた。
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  図16(註61)

海賊の仲間に入らないかと誘うフック。海賊になれば母親が哀しむと考えたウェンディーは、母のことが思い出せない自分に気付く。家に戻る時だと悟り、みんなで一緒に帰ろうと提案する。しかしピーターは、ネバーランドを離れて大人になるのは嫌だと留まる。仕方なく出発しようとした子供達だったが、フックに捕まり、海賊船へと連れ去られる。?
?
孤独を覚え、少年は初めて飛べなくなる。
たった一人、眠りから覚めたピーターは、ウェンディーが残していった"薬"を飲もうとする。中には、フックが仕掛けた猛毒が入っている。そのことを知るティンクは薬を奪い、飲み干してしまう。輝きを失い、冷たくなるティンク。世界中で一番大切な存在がティンクだったと気がついたピーター。彼の受けたショックにより、ネバーランドの季節は春から雪の吹き荒れる冬へと変わる。季節の変化に気がついたフック船長と海賊達は、ピーターが死んだと思い歓喜の声を上げる。
ピーターはティンクを助けようと、「妖精がいるって、信じている」と何度も唱える。その言葉は世界中の子供達によって大きな力となり、ティンクは息を吹き返す。一方、子供達をさらったフックは、冬から春へ、再びネバーランドが季節を変えたことで暗殺の失敗に気付く。そして空の飛び方を聞き出した後、ウェンディーを海へ落として処刑しようとする。その時、ピーターが現れた。妖精の粉を纏い、空を飛ぶフック。二人の壮絶な空中戦が始まった。闘いの最中、フックはウェンディーが大人になること、その時そばにいるのはピーターではなく夫だということを話して聞かせる。フックの言葉に打ちのめされるように、ピーターは空から墜落する?。
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    図17(註62)
Production note
この壮大な物語に、命を吹き込むために。

100年目に語られる、ネバーランド
ネバーランドでは、すべての動きが素早い?原作の言葉を最もよく表現しているのは、フックを追い回すワニだろう。2階建てバスほどもある巨大な身体を持ちながら、ものすごいスピードで水面から飛び出し、襲い掛かってくる。また、愛らしいイメージを持つ人魚だが、『ピーター・パン』の世界では、従来の印象はうち消されてしまう。近づいてくる人間の足を取り、水の中に引きずり込む危険な生き物として描かれている。

演技初挑戦の子供達と、経験豊かな名優たち
永遠に子供でいられる国、ネバーランドの住人を演じる子供達は、そのほとんどが演技未経験だった。ホーガンが、可愛く振る舞うように訓練された子役を選考ではずしたためだ。「子供達が本当に素晴らしいんです。彼らは現場にもいい影響を与えてくれた。何か偶然に子供っぽいことが起こると、みんなとても嬉しそうに喜ぶ。それが本当に自然なの。彼らの仕事ぶりを見るのは、とても勉強になったわ」と、ダーリング夫人を演じるオリビア・ウィリアムズは語る。

スクリーンに映し出される初恋が観客の共感を呼ぶか否かは、やはりピーターとウェンディーのキャスティングにかかっていた。今回その点を見事にクリアしたのが子役のジェレミー・サンプターとレイチェル・ハード=ウッドの存在だ。



ピーター・パンを「実年齢の少年」が演じることは、一種の快挙でもある。空を飛ぶためのワイヤーアクションの訓練の期間や変声期前の声が必要となる舞台では歴代、女優が演じてきたからだ。
思春期を迎える直前の少年少女だけが発することの出来る瞬間美を見事にスクリーンに映しとり、『PETER PAN』の真髄を永遠のものにしてくれた、P.J.ホーガン監督の腕前は惜しみない拍手を与えられてしかるべきである。

一方、大人の役者達は、『パトリオット』『ハリー・ポッター』のジェイソン・アイザックス、大英帝国勲章も手にするリチャード・ブライアーズ(註63)、『ジョージー・ガール』でアカデミー賞候補にもなったリン・レッドグレーヴなど、経験豊かな名優達が名を連ねている。その中の一人、レッドグレーヴが演じるミリセント伯母さんは、原作には登場しない唯一のキャラクター。レッドグレーヴをイメージし、ホーガンが創作した人物だ。「原作には登場しないけど、ちゃんと物語にはまっている。彼女はどうしようもなくロマンチックで、奥深い女性よ」とレッドグレーヴは語る。










子供達のために、ネバーランドは創られた。
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    図18(註64)
本作『ピーター・パン』は、キャストの多くが子供であるため、撮影時間の制約をうけていた。当初検討されていたロケは実現不可能になった。そして、オーストラリアのワーナー・ロードショー・スタジオとその周辺に、ジャングルからロンドンの町まで、すべてのセットが登場した。?
巨大な8つのスタジオすべてが、本作の撮影に使用されることもあった。ここで活躍したのは、監督のP.J.ホーガンが用意した膨大な資料。スタッフはこれをバイブルと呼び、ホーガンは難なくビジュアルイメージを伝えることができた。?
また、海賊船、ジョリー・ロジャー号はILMでデザインされた後、セットデザイナーが創り上げた。装置も含めると90フィート(約27.5m)。スタジオに入るギリギリの大きさだった。特殊効果撮影用の船も造られたが、こちらも20フィート(約6m)もあったという。
特殊効果技術で想像する、豊かな世界

本作の特殊効果は、『スター・ウォーズ』シリーズや『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』のILM、そして『スパイダーマン』『メン・イン・ブラック2』のソニー・ピクチャーズ イメージワークス(註65)ほか数社が携わった。特殊効果を使ったシーンは最終的には1200ショットを数えた。?
数々の作品に携わってきた特殊効果スーパーバイザーのファーラーは言う。「自分が"大災害の達人"になったような気分になったこともあった。爆破や破壊がメインの作品が続いたからね。そういうのも楽しいが、この作品はまったく違う楽しさがあった」。 また、特殊効果を駆使しながらも、ホーガンがイメージしたのは、現実離れしたファンタジーではなかった。「僕はよく、この作品の映像はロマンチックだと言っている。けれど、厳密にはちょっと意味が違うんだ。すべてが現実よりも誇張されていて、色彩も明るく温かい。何もかもが豊かだということだ」。





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図19(註66)

ピーター・パンを演じる、史上初の少年。
これまで'ピーター・パン'は、主にアニメのキャラクターだった。また、舞台で、主に女性が演じてきたため、実際に少年が演じるのは今回が初めてとなる。モデルから転身した子役で、美少年というよりは、いたずらっ子的な風貌で、妖精的な雰囲気と、思春期の少年が混在するチャーミングな少年だ。モシャモシャのブロンドと一文字に結んだ口元は、原作に書かれた自信たっぷりなピーターのイメージにもぴったりとマッチする。大勢の子役や、素人少年の中から選ばれただけあって、カリスマチックな存在感もたっぷりだ。表情がクルクルかわるのも魅力の一つで、ウェンディーとであう冒頭のシーンで、「影がくっつかない。」と泣くシーンでは、幼子のような頼りなさを見せる。が、ウェンディーに影を縫いつけてもらうやケロリと自身を取り戻し、威張った表情になるあたりは、ピーターそのものだろう。
監督のP.J.ホーガンは、ジェレミー・サンプターについてこう語った。

「大抵の12歳の少年は、まだ自分という人間がわかっていないし、自信を持っていない。ピーター役を探すのに、本当に長い時間がかかった。だけど、ジェレミーが部屋に入ってきたとたん、確信した。この子がピーター・パンだと。」
(註67)

また、プロデューサーのルーシー・フィッシャー(註68)も、ジェレミーに賞賛の声を贈る。

「彼には、天使の顔と野性的な顔があるの。エネルギッシュで、リーダーとしての素質、そして無限のカリスマ性を持っている。それでいて傷つき、哀しむシーンでは、驚くほど自然な演技を見せる。怖いもの知らずだけど、繊細で感受性も豊かだわ。」
(註69)

ジェレミーは、ピーターを演じるため、過酷な訓練の日々が待っていた。撮影4ヶ月前から、フェンシングだけで毎日4時間。飛行訓練にいたっては、空中ブランコに乗り、30フィート(約9.1m)の高さからエアバックにダイブすることもあった。

ファイト・コーディネーターのアラン(註70)はこうコメントする。

「彼は本当に(アクションが)上手い。時には僕らが止めなければならないほど、勇敢に挑んでいたよ。」
(註71)

100年目に語られる、ピーター・パン

原作が語るには、ピーターの一番の魅力は、うぬぼれ。自分のことを「素晴らしい少年」と呼び、さっき遊んだことも、友人の顔さえも忘れてしまう。"今"という瞬間だけを、パワフルに生きる少年だ。本編でも、ピーターとウェンディー達がネバーランドに向かう途中、ジョンのことをすっかり忘れてしまったピーターを見ることができる。また、ネバーランドで大きくなりそうな子供達(ロストボーイズ)は間引かれる、ピーターと同じ服装をしてはいけないなど、さまざまな規則があった。それでも妖精やロストボーイズなど、ネバーランドの住人達から慕われるのは、余りある魅力をそなえているからだ。











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図20(註72)

危険な海賊と厳格な父を演じる、英国俳優。
初演からの伝統を受け継ぎ、フック船長とダーリング氏の二役を演じるアイザックス。彼は、作者バリについてこう語る。

「バリは大人も楽しめる作品を書いたんだ。フックはコミカルに描かれることもあるけど、本当はとても危険な男だ。」
(註73)

また、フックとダーリング氏には'恐れ'という共通点があるという。

「ダーリング氏は、ミリセント伯母さんの言葉に振り回され、世間体を気にしている。フックは7つの海を支配し、畏怖される存在にならなければならないのに、ピーターがまったく彼を恐がらない。野望が実現できないことを恐れている。」
(註74)

また、『パトリオット』などで剣による戦闘シーンを経験してきた彼だったが、『ピーター・パン』に関しては、あまり役に立たなかったと言う。

「少し軽く考えていたんだ。でも、今回は左手で剣を持たなくてはならなかった。右手はカギ爪だからね。」
(註75)
100年目に語られる、ジェイムズ・フック

【フックの名前は、本当はフックとは言わない。例え今の時代でも、本名が公表されると、英国中が大騒ぎになる?。その昔は名門校に通い、今なお'行儀'をとても気にしている】
(5?107)(註76)
と原作には記される。
映画の中でもウェンディーには紳士的に接し、海賊達が汚れた衣服を着る中、ただ一人ベルベットやシルクといった上質なものを纏っている。海賊になった過程は記録されていないが、心の中にいつも孤独を抱えている海賊だ。

        図21(註77)
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図22(註78)

恋するウェンディーを演じる、13歳の新星。
弟ふたりとチャンバラごっこを楽しんでいたのに、おばさんに「もう、子供じゃないわね。」といわれ、内心ドキドキ。大人になることを躊躇しながらも、「ロストボーイズ(迷子たち)」を目の当たりにするや母性本能を開花させ、ピーターに恋心もいだくという少女期ならではの複雑な心の動きをリアルに表現している。これは監督が狙っても撮れない画だ。12歳という微妙な年齢が見せてくれたマジックである。?
キャスティングの中で、最も難航したのはウェンディー役だ。
「僕らはあの時代に生きていた雰囲気を持つ少女を探していた。
子供達も、時代と共に変わってしまったからね。」と、ホーガンは語る。アメリカ、イギリス、オーストラリアで、何百人という少女がオーディションを受けた。
「ウェンディーは、映画の中で変化してゆく難しい役。ピーター役が決まったときに、『彼にひけをとらない女の子を見つけなきゃ』って思った。彼女はこの複雑な役を、堂々と、そして優雅に演じてくれた。」とフィッシャーは語る。
演技の経験はなく、もちろん映画も初めてのレイチェルだったが、撮影中、不満を口にすることはなかった。しかし、例外が1つあった。
「泣くのはつまらない。1日中泣いていなければならないこともあったの。」しかし、泣いていても笑っていても、ウェンディーに憧れるという。
「冒険好きだけど、女の子らしい一面もある。あの時代に生きていたら、友達になりたいと思うわ。」

100年目に語られる、ウェンディー?
『ピーター・パン』を観る観客は、二つの思想に揺れ動くと言われる。ウェンディー達が本当にネバーランドに行ったという考えと、子供部屋で過ごす最後の夜、ウェンディーが語った素晴らしい夢物語だという考えだ。しかし、原作には、ピーターがやってくるのを待ちわびる彼女の姿と、大人になり自分の子供にピーターの冒険を語る姿も描かれている。









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図23(註79)

やきもち妬きの妖精は、フランスにいた。?
最初はすべてCGで撮影しようと計画されていたティンカー・ベル。しかし、リアルなティンクを創り出すには、どうしても女優が必要だった。ホーガンがフランス女優、リュディヴィーヌ・サニエを見つけたおかげで、思い通りのティンクを撮影することができた。

「彼女はすごいよ。顔の表情などで、無声映画を思わせる感情表現ができる。コミカルな動作や表情がとても上手いんだ。おかげでクローズアップのショットでは素晴らしい雰囲気を創り出すことができた。」と特殊効果スーパーバイザーのスコット・ファーラーは語る。飛びまわったり、変わった動きをしているシーンはCGで製作されたが、可能な限りサニエが演技した。中には、頭だけはサニエで身体はCGというティンクも登場している。


100年目に語られる、ティンカー・ベル

妖精については第5章で説明したが、見た目は可憐だが、天使のようになったり悪魔のようになったりする。身体が小さいため、1つの感情しか入る余地がないのだ。本作品でも、ティンクがロストボーイズに嘘を教え、ウェンディーに向かって矢を放たせる姿が見られる。また、空を飛ぶのに必要な'妖精の粉'だが、実は初演当初は台本になかった話。子供達がピーターを真似て空を飛ぼうとし、外科医に世話になることが多かったため、1907年に書き加えられた。


           図24(註80)




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