出発の歌


戦争を知らない子ども達 という、北山修のエッセイが気に入って
何度か読んだ。他の本も読みたくなり、さすらい人の子守唄から詩を引用。

人生に目的なんかない
始まりだけである
どんなに偉い哲学者が
人生の目的をでっちあげたところで
子供の”なぜ”という可愛い一言で
その哲学者の研究は
哀れにも崩れ去ってしまう

イデオロギーも嫌いだ
イデオロギーはいつも
それを信じていた人間を裏切る

人生に目的なんかない
だから人間は泣くことを覚え
笑ってごまかすようになった

歩いているのではなく
歩かされているような不安
動いているのではなく
動かされているような不安
そんな不安ばかりがつのる

山のむこうに
幸せなんか無いことを知り
カール・ブッセは泣いたそうだが
私なら
笑いながら歩いていく
これが
私にとっての生きるということ
目的なんかないけれど
笑いながら
淡々として
歩いていこう

きっと
何かが
見えるにちがいない

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