ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jun 23, 2007
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カテゴリ: 旅情
 カナダのド田舎を運転してて、ときどき心細くなる。対向車と全くすれ違わない状態が一時間ぐらい続くことも。都市部の象徴である「信号機」がひたすら恋しくなる。

 ラヂオも全然入らない。携帯の電波も届かない。なにより、次のガソリンの給油所がどこにあるのかが心配。

road道中はずーっとこんな感じ。

 この地域のドライブで最も特徴的なのは、トラックをあまり見かけないこと。大陸の端っこに位置していて、そのうえ人口も少ないから、物資を運搬する必要性が低いのか。
 しかし興味深いことに、丸太を積んだトラックだけはたまに見る。森林が日々こんなにも伐採されているのか思うと恐ろしくなる。

 アメリカの田舎でよく見かける「シカ出没注意」の標識が、カナダでは「ムース(ヘラジカ、エルク?)出没注意」に変わる。角(つの)のカタチがかっこよい。

moose



*****

 さて、今回のロードトリップでの最大の失態は、山奥を運転中、急に飛び出してきた野ウサギを轢き殺してしまったこと。

 その瞬間はスローモーションで今でも鮮明に覚えている。時速110キロメートルぐらいで走ってたら、何かが目の前にササッと現れたような気がした。と思ったら、それはウサギで、前のバンパーにゴツンと当たって(おそらく即死)、そのままフロントガラスに一瞬乗っかって(!)、車の上方をするりと抜けて後方で地面に落下。バックミラー越しにご遺体が見えた。既に微動だにしてなかった……。

 あまりに一瞬の出来事。動揺しながらも、誰にも見られていないことをしっかりと確かめつつ、結局「轢き逃げ」してしまったワタシ。

 ウサギには申し訳ないと思ったけど、彼の分まで強く逞しく生きてゆくことが唯一の償い、と自分に言い聞かせるほかない。
 彼がフロントガラスに乗っかったとき、一瞬目が合ってしまった。あの純真かつ哀しそうな目が脳裏に焼きついて離れない……。合掌。

 でも、この一部始終を、周りの友だちは、あっさりと一笑に付してしまう。「そんなの、この大陸で生き延びていくうえで、誰もが必ず経験しなきゃならない通過儀礼みたいなもんだヨ。」
 名言だか失言だかわからないお言葉。





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最終更新日  Jun 27, 2007 06:56:28 PM
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