ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 27, 2023
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カテゴリ: 映画、テレビ
「帰りたくないそばにいたいのその一言が言えない」(評価 ★★★☆☆ 三つ星)

 日本公開はまだ決まってないもよう。
 今回のアカデミー賞ではポール・メスカルが主演男優賞の候補に選ばれている。

 おませな11歳少女とワケありアラサーパパのひと夏の物語。少女は普段は母親のもとでイギリスで暮らしているが、短い夏の休暇を父親とトルコで過ごす。

 この映画、撮影や編集がかなり凝っていて前衛的でもあり、芸術作品っぽい雰囲気がむんむんと漂っており。
 物語の展開とか脚本とかも工夫されてる。二人の年齢や性格やこれまでの人生、現在の暮らしぶりなどが、会話や行動から少しずつ明らかになっていく。
 ただ、時代設定についてはぼくはすぐにはわからなかった。携帯電話が登場せず、彼らは固定電話や公衆電話を使っており、動画撮影をスマホではなくビデオカメラで行なってることから判断は可能だけれど、人々の服装や髪形や車とかはそんなに現代と比べてそんなに特徴的ではなかったし、そもそも舞台となっているトルコの田舎がどの程度イマドキな場所なのかも不明。
 で、どうやら今から20年ぐらい前(2000年代初頭)のお話らしい。

 意識高い系の視聴者なら楽しめる映画だろうけど、万人にわかりやすいというわけではないと思ったのでぼくとしては好意的には評価できず。三つ星どまり。


 普段なかなか一緒の時間や場所を共有できないぶん、娘は父親の言動を実は静かに観察している。そして思春期だし、自分もあんなことやこんなことに興味のあるお年頃。

 父親役のポール・メスカルさんはアカデミー賞の候補になったぐらいだし確かにお上手だった。← アイルランドの連ドラ「ふつうの人々 Normal People」 の役者さん
 ただ、やはりぼくはむしろ娘役の女優(フランキー・コリオさん)のほうももっと評価すべきと思う。少女なんだかオトナなんだか、あたかも二人の別の人物を行ったり来たりしてるような不安定さで魅せる。





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最終更新日  Jan 28, 2023 09:15:35 PM
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