ぴかろんの日常

ぴかろんの日常

リレー企画 ホ○ト祭 107

Pコンサート概要

Pコンサートについての詳細?

Pオーケストラコンサートの演目

【第一部】
1.Summer Place, A
3.Begin The Beguine
4.Chiapanecas (The Mexican Hand-Clapping Song)
7.Paloma (The Dove)
3. Cucaracha
9. Mexican Hat Dance
10. Blue Moon
15. Some Enchanted Evening


【第二部】
8. Song from Moulin Rouge (Where Is Your Heart?)
10 6. Delicado
11 16. Bouquet
12 3. What Are You Doing The Rest Of Your Life
13 5. Estrellita (My Little Star)
14 6. Tara's Theme
15 20. Adios



1,2,7,8,9,11,14・・同じトコに
3,4,5,6,13,15・・同じトコに
10と12は別々のトコに乗ってます


解説

1 Summer Place, A(夏の日の恋)
1959年の青春映画『避暑地の出来事』の主題歌


2 Begin The Beguine (ビギン・ザ・ビギン)
アメリカのスタンダード・ソングとして世界中で愛好されている
フランク・シナトラ、ペリー・コモ、エラ・フィッツジェラルド、フリオ・イグレシアスなどが歌っている


3 Chiapanecas (The Mexican Hand-Clapping Song)(チアパネカス)

メキシコのフォーク・ダンス曲
「チアパスの娘達」という意味
演奏のなかで、手拍子が入り、指揮者が客席を向いて、客も演奏に参加するように促す
最初は指揮者の指示に従い「指」をパチパチならし、次に「手拍子」をならす
オーケストラとの一体感を楽しめる


メキシカン・メドレー

4 Paloma (The Dove)(ラ・パロマ)
パンフレットに解説がないっ

5 Cucaracha(ラ・クカラチャ)
メキシコ民謡。有名ですね?
実際にはここで、トランペット奏者のおじさんがソンブレロかぶって、拍子木みたいなの(クラベスというらしい)を持ってきて、おふざけタイムやってました

6 Mexican Hat Dance(メキシカン・ハット・ダンス)
メキシコの古いダンス曲
原タイトル「エル・ハラベ・タパティオ」
男がソンブレロを地面に置き、女性がその周りを足踏みしながら踊る
もし相手の男性の求愛を受け入れるなら、最後にソンブレロのツバを踏む、といったダンス


7 Blue Moon(ブルー・ムーン)
『月』を題材にした名曲。アメリカン・ポヒュラーのスタンダード・ナンバー(だそうです)

8 Some Enchanted Evening(魅惑の宵)
1949年のミュージカル『南太平洋』で使われた曲(らしい)
『魅惑の宵』にめぐりあえた喜びを歌ったもの


9 Song from Moulin Rouge (Where Is Your Heart?)(ムーラン・ルージュ)
画家ロートレックの伝記映画『赤い風車』のテーマ曲


10 Delicado(デリカード)
1954年のイタリア映画『高校3年』の主題歌に使われてヒットした曲
「デリケート」の意味


11 Bouquet(美しき花束)
パーシー・フェイスが作曲したポピュラーな作品

12 What Are You Doing The Rest Of Your Life(これからの人生)
ぴかろんが感動した曲
1969年の映画『ハッピー・エンディング』の主題歌
サラ・ヴォーンも歌ってるらしい

夏も冬も春も秋も、これからの人生はあなたとともに過ごしたい、という内容の歌詞がつけられた

トランペットとサキソフォンの音色がじーん



13 Estrellita (My Little Star)(エストレリータ)
メキシコの「スターダスト」といわれる『星の名曲』
英語の題を「リトル・スター」という


14 Tara's Theme(タラのテーマ)
映画『風と共に去りぬ』で使われた有名な曲


15 Adios(サヨナラ)
アンコール曲
さようなら、また会いましょうとばかりに流れてくるアンコール曲
うまい演出~


その他の様子

指揮者:高見山のような、おなかのせせりでた、温和なカンジのおじさん)

コンサート・マスター:ヴァイオリン。ちょっと見、気難しそうだけど、指揮者のおっちゃんとチョコチョコユーモラスなやりとりしたりしてるおじさん。隣の女性ヴァイオリニストが別嬪さんで、なかなか楽しそう

トランペッター:じじい三人若者一人。ジジイのうちで一番トッショリみたいなおじいさんが、泣かせるペットを吹く。また、口ひげ生やしたおじさんが、ソンブレロをかぶってラ・クカラチャの時、舞台を走り回って大活躍してた(いいところでクラベスを打ち鳴らす)

サキソフォン:おっちゃん四人。一人、ショーン・コネリーとテリー・サバラスを足して2で割った人がいて(^^;;)、その人のサックスに泣かされた
基本的に四人とも、金管楽器を何種類か担当。忙しそう

トロンボーン:ごめん・・注目してなかった(^^;;)でも優しそうなおっちゃん三人組・・

ピアノ:兼キーボード。アンソニー・ホプキンス似だが、可愛らしいおじさん。正面からだと、指揮者の、山のような体に隠れて全然姿が見えない;;)

ドラムス:途中のジャズナンバーのとき、すばらしードラムソロを披露してくれるけど、基本的にしずか

ギター:渋くギターを弾いている。初老のおっちゃんだが、ちょっと髪が長めで優男風

ヴァイオリン:みんな何事か楽しそうに目で喋りながら演奏してる。でも一糸乱れぬその音色・・。すげいです・・11人ぐらいいたかな?

ヴィオラ:四人。注目してなかった

チェロ:一人濃い顔の男性がいた。ソロで弾いてた。四人

パーカッション:一人。一人で打楽器全てをこなす。一番忙しそうで、最初はこの人だけを注目してた。
ティンパニーを叩いてすぐにその『張り』具合を確かめ、バチをおき、次の楽器の前でスタンバイ・・といったことをこなしていた

ちなみにタムタム (銅鑼)、グロッケンシュピール (鉄琴)、 木琴 、チューブラ・ベル (のど自慢の鐘)、ウッドブロック (マレット(バチ)で叩く。中が空洞になっているのでよく響く)、トライアングル 、ティンパニ、スネアドラム、シンバル、タンバリンなどがあったと思う
とにかく八面六臂の大活躍で、楽器を触ってないときは、楽譜の整理をしてた(^^;;)だから目がそっちにいってしまった

めがねかけた中年のおっちゃん



以上コンサートレポートでした



代役  れいんさん

今日はBHC出勤二日目
だがその前に僕にはやらなきゃならない事がある
行きがかり上引き受けたヨンナムさんの代役だ

ええっと…配達の旗手の会合、町内会、老人会…
憂鬱だけど仕方ない
それをやらなきゃヨンナムさんがコンサートに来られない
そうなると僕の立場は非常にマズイ

それにスヒョクが手伝ってくれると言っていたし、
スヒョクと会える口実ができる

昨夜スヒョクは
「ソクさんとこに入り浸ってばかりじゃまずいから、今夜は寮に帰ります」
と言って、さっさと帰ってしまった

僕は一人で寝るのが寂しかったけど、スヒョクが
「また今度泊まりに来ます」
って、濃い目のキスをしてくれたので、寂しいのを我慢した


出かける支度をしていたらヨンナムさんが部屋に来た
「ソクさん、ほんとに大丈夫ですか?無理なお願いではなかったでしょうか?」


ヨンナムさんの『無理なお願い』には慣らされた
断れない笑顔効果で逆らえずに働く


「大丈夫です。任せといて下さい」
「なんだか心配です。スヒョク君がいるから大丈夫だとは思いますけど」
「…」
「あ、それから、これ、僕の服です。見た処、顔だけじゃなくて体のサイズも同じみたいだから…
くれぐれも偽者だとバレない様に」


僕は早速その服に着替えた
白のTシャツとチノパンにチェック柄のシャツを羽織る
おお…鏡の中の爽やかな僕
これでちょっと照れ臭そうに笑ってみたり、うろたえながら目を泳がせてみる
うん、まさにキム・ヨンナムだ


丁度そこへスヒョクが迎えに来た

「あれ、ソクさん?へえ…随分感じが違いますね。本物のヨンナムさんみたいだ」
「そうか?僕、イケテル?」
「ぷっ。似合ってますよ。ソクさん」
「惚れ直したか?スヒョク」
「今日はヨンナムさんになりきるんでしょ。ヨンナムさんならそんな事言わないですよ」

そんな事を言い合いながら、ちょっとじゃれ合って僕達は家を出た
出掛けにヨンナムさんが火打石で送り出してくれた

行き先は角の碁会所の二階
時間がなかったので、いっぺんに済むように、全ての会合を一同に集めた
碁会所の二階では、それぞれ三つのグループに分かれて座ってもらった

まずは初めの挨拶…
「え…と…本日は大変お日柄も良く」

コツン☆
スヒョクに肘でつつかれた


「兄貴、何、気取った事言ってんすか!挨拶なんかいいからよ、早く始めようぜ」
「そうだ、そうだ。いつものヨンナムさんらしくないですな」
「ところで隣におるお若いのはどなたさんかの?」

茶髪の若者やら、無精髭のおじさんやら、ハゲのおじいさん達からやじがとんできた

「あっ…と・これは僕のこいび…」

ドカッ☆
スヒョクに足を踏まれた

「ぼ、僕の助手のスヒョクです」
「皆さん、今日はよろしくお願いします」

おお、スヒョク、こんなわけのわからん状況でも動じずに…度胸すわってるな…


とりあえず、何かやらなきゃいけない雰囲気なので
それぞれのグループにテーマを与えて取り組んでもらった

配達の旗手の会の若者達には標語を作らせる
町内会のおじさん達には銃器の取扱注意及び意見交換
老人会のじい様達には『明るく前向きな性生活』についてのデイスカッション…
とりあえず…そんな感じで二時間くらいは間が持つだろう

若者連中には
「赤信号みんなで渡れば事故に遭う」
という標語を一つアドバイスした
町内会の銃器についてはスヒョクに任せた
…で、後は老人会の『明るい性生活』ね…

じい様達に何やら演説かましながらスヒョクの方をちらりと見た
スヒョクは銃を組み立てたり、弾を込めたり、構え方をやってみせたりしていた

ん?だけど…何か様子がおかしい…

なんだか気になって見ていると、スヒョクの動きが止まり手がぶるぶる震えだし
顔色がみるみる青白くなっていく

僕は話を中断してスヒョクの所に行った

「スヒョク、どうした?」
「…」

スヒョクは目に涙を溜めている

「俺…ダメです!…銃を持つのが怖い…」
「しっかりしろ、スヒョク…死なせてしまったと思っていた仲間は生きていたじゃないか」
「…わかっているんです。…でも、あの時の恐怖が甦ってきて…頭から離れない…」
「祭の時にそれは克服したはずだろ?それに…あれは事故だったんだ」

「だけど…僕のせいで…僕の軽率な行動と判断のせいで…皆を巻き込んだ…」
「スヒョク…大丈夫だ。あの時その場にいたなら…誰だってお前と同じ事をしていたさ
それに、お前の仲間は元気にしていて、お前を懐かしがって会いに来てくれただろ?
そして、何より…僕がいつもお前の傍にいる」

「…怖いよ…怖い…!僕を一人にしないで…!」
「落ち着け、スヒョク。一人になんてするもんか。いつだって僕はお前の事を見守っている」

「こんな俺を…愛してくれているの?」
「愛しているよ。ピュアなお前が好きなんだ。お前の為なら何でもできる」
「…抱きしめて…強く抱きしめて…!」

僕はスヒョクを固く抱きしめて額に優しくキスをした

「かっこ悪いかもしれないけど…僕は僕の全てをお前に見せた。だから…信じてくれるだろ?僕の事を…」

スヒョクは子供みたいに僕にしがみつき、うんうんと何度も泣きながら頷いた
僕はスヒョクを抱きしめたまま背中を撫で続けた

僕の体温を、僕の真心を、僕の無償の愛を、スヒョクに全部与えたかった
もう二度とスヒョクを暗闇で迷わせたりしない
スヒョクは僕に抱かれたまま、だんだんと落ち着きを取り戻してきた

どれくらい時間が経ったのか、しーんと静まり返った雰囲気に僕達は我に帰った

しまった!
会合の最中だった…
僕達はそのままの姿勢で恐る恐る振り返った


ハンカチで目頭を押さえている人、うっとりと僕達を見つめている人…

「「す、すみま…」」

僕達が声を発したと同時にその場から拍手が湧き起こった

「兄貴!泣かせてくれるぜ!これが愛ってやつだよな!」
「いやいや、いいものを見せてもらった」
「わしゃ、寿命が十年は延びたようじゃ。わっはっはっ」


ほっ…
なんだかわからないが、とりあえず、感動させたらしい

そしてなんとか無事に会合終了の時間になった
帰り際にあれこれ声をかけられた

「兄貴!見直したぜ!俺ら応援するからなっ」
「いや、今日の会合は実に有意義でした。また頼みますよ」

口々に激励や感謝の言葉をもらい、握手を求められた

最後に老人会の長老をお見送りしていると
「ヨンナムさんによろしく伝えて下され」
「はい、ヨンナムさんによろし…え…?」

「ふぉっふぉっ、ヨンナムさんじゃない事くらい、この老いぼれジジイにもわかりますぞ」
「す、すみませんでした…」
「なんの、なんの。楽しい会合でしたぞ。…はて…ところで、そこのお若いの…
お前さん達はまだ深い仲ではなさそうだけんど…
いつまでもこの男前さんを焦らしてちゃイカン!
禁欲生活は身体に毒じゃ
のう、男前さんも、いつも持ち歩いとるその銃の使い道がのうて困っとるのじゃろ?
ふぉっふぉっ…若いっちゅうのは実にいいもんじゃ」

長老は目尻に優しい皺を作って、笑いながら帰って行った



「スヒョク…どうやら、バレてたみたい…」
「ソクさん…ご長老はお見通しだったみたいですね」
「ま…うまくいったから…いいか」


悪戯っぽくスヒョクに笑いかけた時、いきなりスヒョクが僕に抱きついてキスをした

そしてちょっとだけ唇を離し

「ソクさん、これ『ありがとう』のちゅうです」

そう言った



その後暫く僕達が、そこで長い長いキスを交わしていた事は言うまでもない。




奇妙な関係 ヨンナムの家 3 ぴかろん

「おーいテジュン~、夕飯どうするんだぁ?」

階下からヨンナムが叫ぶ
ラブを見ると、首を横に振って『いらない』の合図
僕も胸が一杯で食べられそうにもなかった

「…ここに来る前に食ってきた。僕達はいらないよ、サンキュ」
「おう、わかった」

そしてまた荷物を片付ける

「あ…」

ラブが小さく声を出した
見ると、僕達が買った『おみやげ』がある

「…持っていく?」

僕達は顔を見合わせた
ごそごそと机の上にそれを出して眺めた

「これは…。今日は…やめようよ…」
「…そうだね…」
「渡すのなら…二人で一緒に渡そう…」

僕達四人が、これからどうなるにしても…

ラブはしばらく土産を眺め、それから僕を見つめた
目が潤んでいる
そんな顔するなよ…

僕はラブの方ににじり寄り…そっと唇を吸った

こんな事してたら・・あいつらに会えなくなるかな…

唇を離して、ため息をつく
ラブは俯いてやっぱりため息をついた

一呼吸おいてから、僕の首に腕をまわし、肩に頭を乗せて短く息を吐いた

「こんな事してちゃいけないよね…」
「ああ…」
「でも…」
「言うなよ…」
「愛してる」
「ばか…」
「アイツにさ…会いたいんだけどさ…」
「僕だって…イナに会いたいんだけどさ…」

気持ちが言葉にならなくて、二人で抱き合ったまま、ため息をついた
僕達はお互いのぬくもりを感じて、心を落ち着けようとしていた

「いっそのこと、このまま逃げちゃう?」

笑ってラブに言ってみた

「逃げ出したい…」


「おーい!準備できたかぁ?そろそろコンサートに行くぞぉ」
「おう…わかった…」

僕達は立ち上がった
立ち上がってキスをした
怖くてたまらない

僕達が犯した罪を、あいつらはどんな風に受け止めるだろう…

ラブが僕の髪に指を挿しいれ、僕の頭を掴む
必然的に僕達の口付けは深く、濃いものになる
音を立てて舌を吸う
少し唇を離して、また寄せ合う

「ん…テジュン…」
「ん?」
「…俺に…印…くれない?」

印って…

「キスマークつけろって言うの?!」
「…」
「い…今から…ギョンジンに会うんだぞ!」
「だから…」
「なんで!」
「…俺の事、好き?」
「好きだよ」
「愛してる?」
「愛してる…」
「だったら…その証に…」
「どうして!…そんなものつけてギョンジンに気づかれたらどうするんだよ!」
「…見せるんだ…」
「ラブ!」
「俺の気持ち全部見せるんだ、あいつに。だから…」

その勇気がほしいからとラブは言った

「あいつが…離れていったら…どうするのさ…」
「…わかんない、その時考える…」

「おーい、まだ準備できないのかぁ?早くしろよぉ~」

ヨンナムが呼ぶ

「あと五分!」

そう断ってから、僕はラブの唇に唇を寄せ、軽くキスして聞く

「どこに欲しい?」
「貴方の好きな場所に…」

軽くシャツを開いて、僕は彼の鎖骨の少し上に吸い付く
ラブの肌に触れるのは、これが最後かもしれない…
僕が印を落とすのは…これが…

「テジュン…」

吐息のような囁き声で僕の名を呼ぶラブ

「僕にも…くれないか?」
「…印?…どこに?」
「お前の好きなトコに…」
「耳の下でもいいの?」
「ああ…」
「…目立つよ…」
「いいよ…」

僕を抱きしめてラブが耳の下に吸い付く
軽い眩暈と痛みが襲う

印を刻みあって僕達は部屋のドアを開けた
廊下に踏み出す前に…僕達はもう一度抱き合ってキスをした

こんな風に会えるのは、最後かもしれないから…

『最後のキス』は、せっかちなヨンナムの足音で中断された…





イナの朝  足バンさん

何かの気配に目を覚ますと
ガラス戸の向こうの小さな庭に白いバスローブのイナが立っていた
朝の透明なひかりにつつまれて
ローブのポケットに手をつっこみぼんやりと娑羅の木を眺めている

ベッドでは上掛けにくるまったドンジュンが丸まって眠っている
夕べ眠気に耐えられなくなったドンジュンは
イナをグイグイ押してスペースを空けベッドにもぐり込んだ
「スヒョンはソファね」なんて言いながら

僕は子供ふたりの寝顔を見ているうちに
ソファに寄りかかってそのまま眠ってしまっていたらしい

少しばかりきしむ身体を思いきり伸ばしてから
ゆっくりと重いガラス戸を開けた
この季節の朝の涼しい空気で肺がいっぱいになる

「よく眠れた?」
「スヒョン…あんなとこで寝させちゃって悪かったな」
「かわいかったよふたりの寝顔」
「へへ…ばかやろう」

僕とイナは何となくそのまま佇んでいた
風に葉がさらさらと揺れるのを見て
遠くのどこからか届く鳥の声を聞いていた

「スヒョン…」
「ん?」
「俺…何とかしてみるよ…」
「うん」
「考えたんだけどさ…テジュンはどんなことがあってもテジュンだろ?」
「もちろん」
「俺がテジュンの何に惚れたかって考えたらさ」

イナはひとり頷いて照れたように笑った

「テジュン本人なんだよな…”俺のことを好きな”あいつじゃなくてさ」
「うん」
「おぎゃって生まれていろんなこと経験してきて、俺が聞いたら卒倒するようなことも
 きっとあってさ…でもそれみんなひっくるめてテジュンなんだよな」

イナは急にしゃがんで裸足の足元を見つめた
1匹のアリが餌を運びながら芝生の山々をひたすら越え歩き続けている

「イナ…おまえのせいでテジュンさんはラブとそうなったと思う?」
「…」
「思う?」
「違う…テジュンはそんなやつじゃない」
「…」
「原因があるとしたらラブの魅力だよ」
「うん」
「きっかけは俺でも…テジュンはきっとちゃんと好きになったんだ」
「うん」
「ちゃんとラブのこと…心から好きになったんだ…」
「イナ…」
「ラブも同じだろうな」

すっと立ち上がったイナは僕の顔を真っすぐに見た
その目は強く静かに澄んでいた

「だから俺もう1回はじめからテジュンに向き合う」
「そうか」
「今できるのは逃げないことだろう?」
「うん…それと」
「それと?」
「媚びない勇気…かな」
「うん」

「スヒョン…ありがとうな…」
「ふふ…」
「なんだよ」
「最近でいちばんいい顔じゃない?」

家の中の気配に振り向くと
ドンジュンがいつの間にかソファに座ってこちらを見ていた
手にはグラスとペリエの瓶を持っている
僕たちと目が合うと立ち上がり
庭に出てきてそのグラスをイナに差し出した

「冷たくておいしいよ」

サンキュと言ってちょっと照れながら水をのむイナに
もう拗ねたような暗い影はどこにもなかった

僕はクローゼットの中からイナに服をみつくろった
イナは最初いいよいいよと逃げ回っていたが
ドンジュンと取っ捕まえて大騒ぎで試着させた

結局髪をオールバックにビシッと流して
HARDY AMIESのほぼブラックに見える細身のスーツと
ARMANIのスタンドカラーの白いシャツ、
胸にはさりげなくPOLICEのサングラス
CROCKETT&JONESの靴も貸すことにした

「よし。なかなか精悍に見えるな」
「なんだか服の方が立派じゃねぇか?」
「あたりまえだ。その服が浮かない顔をしてろ」
「え?」
「真っすぐ前見て背筋を伸ばしてろってことだ」
「ああ…」
「服なんてただの皮だ。あとはおまえ自身が全てだよ」
「うん…」
「で…僕が面倒みるのもここまでだ…ここからはひとりだからな」

僕はイナのスーツの両肩をポンと叩いた
イナが長い間目を閉じてそして開けた目は潤んでいた

「ありがと…」

営業までに一度家に戻るからといってイナは出て行った
ドンジュンは帰って行くイナの後ろ姿を長いこと見ていた

「大丈夫だよ」
「うん…」
「さ、僕たちも支度して店に…」
「そういえば…昨日ミンチョルさん抱いてたでしょ」
「それって…すごく人聞き悪くない?」
「わざとしたでしょ」
「どう…だったかなぁ」
「それできっと僕がふくれてるとかなんとか言ってたんでしょ」
「おまえ…耳いいな」

バッチンッ!

イナが帰ったとたんに僕は愛しいフグの攻撃にさらされた

イナにもこんな穏やかな時間が訪れればと…
ドンジュンと戯れながらそんなことをぼんやり考えていた





引っ越し祝い2   オリーさん

彼は目の端でテーブルの上の箱を捕らえながら、ゆっくりと僕の方に顔を向けた
「例のマダムから届いたんだ…時計みたい」
「バティックフィリップだ。箱を見ればわかる」
「そう」
「スーツの次は時計か」
「だから引っ越し祝いだって…」
「お祝いつきでお引越しか」
「そうみたい…でも気に入らないなら返そうか
トンプソンさんからきたから頼めば返せると思う」
彼は僕の顔をきっと睨んだ

「誰が返せと言った」
「え…」
「時計を新しくしたかったんだ。バティックフィリップなら申し分ない」
「はあ…」
「どうした、気のない返事で」
「いや…」
彼はさっさと箱を開け始めた
「そうだね、ミンがシルバーだ。僕がゴールド。さすがマダムの見立てだ」
はあ…
「ミンは気に入らない?怖い顔して」
怖い顔?どっちが?
「ほら、つけてごらん」
彼は僕の腕をとって時計をつけてくれた
「ほら、すごくよく似合う」
彼が無邪気に笑うので、僕もやっと顔をくずした

「どうしたの?二人で手なんか握りあっちゃって」
「兄さん…」
「新しい時計か。いいな。わっ!嘘っ!バティックフィリップ?」
兄さんはバスローブ姿で僕ににじり寄ってきた
「すごいな、ギョンビン。めっちゃ渋いぞ。いいなあ」
「兄さんのもあるよ」
「え…」
「ほら
「わっ!でもどして?」
「空から降ってきた」
「スーツに続いてか…わぉ!」
兄さんは僕を抱きしめた

「やっぱりお前は最高の弟だ」
「こういう時だけね」
「もしかして、僕のが一番高かったりして」
「そうみたいですよ」
「何だか悪いな。ふふん…でも…」
「でも何?」
「お前の、いいね」
「いいでしょ」
「交換しない?」
「何でよ!」
「何だか僕そっちが似合いそう」
「だめだよ、これペアなんだから」
「ペア?」
「僕らは色違いのペアだから」
「え?ほんとだ。ゴールドとシルバーね。そっか」
「そうだよ。プレゼントなんだから、勝手に代えたりしちゃだめだよ。ったく!」
「ふふん、まっいっか」
『何が、まっいっかだよ…』

「ゼニアのスーツにバティックフィリップの時計、後は靴だな」
さらに兄さんはわけのわからない事を言い出した
「贅沢言ってるとバチが当たるよ。兄さん靴はバリーだろ」
僕は兄さんの頭をペチンと叩いた
「だいぶ履いてたから古くなっちゃって」
「ミン、僕もね、靴は踵に注意してもらってよ」
彼もあやしいことを言い出した
「は?」
「少し高くしておかないと、あっ、でもいいのか、もう」
「え?」
「あ、いや、忘れてくれ」
「何がっ!」
「もうヨンスさんと歩く事はないだろうから踵は普通でいい」
『カチーーーッン!』

僕はこらえきれず叫んだ
「どうしてこうみんな自分勝手なのっ!」
「「自分勝手って誰の事?」」
ふたりの勝手な男は声を揃えて言った

「バカな事言ってると、また何が降ってくるかわからないよ
もう僕のせいじゃないからねっ!」
でも僕たちは翌朝、さらにのけぞる事になるのだった
この時すでに兄さんにはもうひとつすごい物が降っていたのだから

「何で怒ってたの?」
パオのベッドで僕は彼に聞いた
「怒ってないよ、別に」
「じゃ、何で怖い顔してたの」
「怖い顔してたのはそっちだろ。僕は考えごとしてたんだ」
「考えごと?」
「いや…その…離婚早くしなくちゃな」
「それで新聞やら経済誌やら読むわけ?」
「特集してたんだよ」
「特集?」
「キム・スンウ再婚で韓国経済に明るいきざしか?って」
「は?」
「二人が結婚したホテル予約が殺到、ハネムーンのハワイツアーは夏休み中満杯だそうだ」
「それがどうしたの?」
「あ、いや、再婚の前には離婚があるだろ」
「わけわからない。フォーチュンは?」
「離婚がアメリカ社会にもたらす経済的波及効果についての分析と展望だ」
「あほらしい。僕らに全然関係ないと思うけど」
「そうかな…」
「そうだよ」
彼はしょげたみたい
ちょっと睫伏せ加減…と思ったら…
「そっちこそ、怖い顔してただろ」
おっと、帝国の逆襲か…
「だって、ほら、イチャイチャしてたじゃない」
「誰と?」
「ケホンっ!スヒョンさんに肩なんか抱かれちゃって、ヘロヘロしてたくせに」
僕は彼と目が合わないように早口で言った
なのに彼は面白そうに僕の顔を覗き込んだ
「はあん、そうなの?やっぱり気にしてたんだ」
「何、別に気にしてないよ」
「そうかなあ、目が釣り上ったりしてたのに」
「え…」
「気をつけた方がいいよ。僕にはわかっちゃうからね
あ、スヒョンもわかってたな、ミンの目が釣り上がったの」
彼はにやにやしてる
「やな感じ。そういうの」
「あんなの気にしてたら、店じゃ持たないよ。僕らしょっちゅうだから。いいね?」
「しょっちゅう?!」
「だってアレがスヒョンの挨拶だもの」
「挨拶の仕方変えてもらってよっ!」
「そんなこと、スヒョンに直接言えば」
「ふんっ!」
「あっ、また釣り上がった」

彼は上機嫌になっていたけど、僕はまたまた面白くなかった
だから、その後ちっときついお仕置きをしてあげた
まったく…もうってば…可愛いんだから…

夜中に喉が渇いて目が覚めた
水を取りに行くと、リヴィングのソファに兄さんがいた
「まだ起きてたの?」
「ああ、ちょっとな」
「心配?」
「心配したって仕方ないだろ。もう腹をくくった」
「そうだね」
「今日はいいものを貰った」
兄さんは時計を見つめていた
「兄さんによく似合うよ」
「時計は毎日身に付けるから、毎日確認できる」
「何を?」
「この時計に釣りあう男かってね」
「大丈夫だよ」
「そうかな」
「じゃ、僕も毎日そうしよう」
兄さんはふっと笑った
「ま、お互いがんばるか」
「うん」

ベッドに戻ると彼が言った
「兄さんどうしてた?」
「ん、たぶん大丈夫」
「そうか。あのね…」
「何?」
「兄さんさえよければ、ずっとここに居てもらってもいいんじゃない」
「いいの?」
「お互い安心だろ」
「ん…ありがと」
「彼はね、きっと大丈夫だよ。経験も豊富だし、知恵もある」
「うん…」
「それにミンの兄さんだから」
彼はそう言うと、僕の胸に頭をグリグリ押しつけた




同期の二人 れいんさん

「おまえさ、なんでずっと僕の部屋にいるんだよ」
「だってよお…一人だとしゃびしいんだもんっ」
「ったく…何の為の自分の部屋だよ」
「いいじゃんかよお。ケチくせえ事言わなくてもよお」

「寝るのも僕のベッドで、風呂まで入って、着替えも僕のを勝手に着てるし」
「いちいちうるせえなあ。男がンなちっぽけな事でギャーギャー言うなよ」
「…ふんっ」

「ところでよお、おめえ、今日のコンサート行くのか?」
「当たり前だろ。オーナーから全員出席って言われてるんだから」
「ちっ、めんどくせーな」

「いいじゃないか。素晴らしい演奏を聴けるんだから。それも紳士としての教養の一つだぞ」
「おお、そうか。…でもよ、全員参加って事はよ、またあっちでちゅうちゅう、こっちでちゅうちゅう…だぞ」
「確かにそうだな。目のやり場に困る」

「この前もな、店で…アレ見たか?」
「アレって?」
「ソクさんとスヒョクさんだよ。柱の陰でちゅうちゅうやってたんだぞ」
「営業時間中に?」

「そうだよ…・仮に俺がソクさんとするだろ?んで、こう…スヒョクさんの腕をグイっと…
あ、おまえスヒョクさんね…んで、グイっと引っ張ってだな…」
「お?ちょっと痛いな」

「んでよ、こう素早く…。確かあん時は最初はスヒョクさんちょっと嫌がってたような感じで」
「…こうか?」
「そうそう、んな感じで。んで俺がよ、いやソクさんがな、それでもガバっと抱きしめてんだよ。こんな感じでな」
「お?なかなか強引だな」

「そうそう、んで、そのうちだんだんとおめえがよ、いやスヒョクさんがな、俺の首んとこに腕絡めてきてよ」
「えっと…こんな感じか?」
「んにゃ、もちっとヤらしく巻きつけてる風な…そうそう、んでもっと体をピタっとくっつけて」

「このくらいか?」
「うん…いや、なんか違うな。もうちっと体擦り合わせて…嫌がりながらも、ちっと誘ってる様な感じで」
「む、難しいな…このくらいの腰つきでいいのか?」

「まあ、そんなもんだろ。んでよ、顔をよ、こう…くっつけていって」
「顔の角度はこの程度でいいのか?」
「まあまあだな。そいで目を閉じてだんだんお互いに吸い込まれるように…こう、口とんがらかせて…」


ぶちゅ☆


「ん…ん?むむっ?」
「んっ?んげっ!」


「「げほっ!げほっ!ごほっ!」」


「あんだよっ!何すんだ!ドンヒ!」
「ぺっ!ぺっ!おまえこそ何するんだ!」
「おめえ、俺の大事な唇を…いつかおめえにヤられると思ってたんだ!」
「冗談じゃないぞ!僕は女性には手が早いがどーしておまえなんかを!
あーもう!どうしてくれるんだ!男とキスなんて…しかも何が悲しくておまえとなんだよっ」

「なんだよ、ひでえなっ!仮にも一緒に風呂に入ったり、背中撫で回したり、一つベッドに抱き合って寝た俺様に向かって」
「ホンピョ!誤解されるような表現はやめてくれよ」
「ほんとの事じゃねえか」


「どうしたの?君達」

「「テジンさんっ」」

「抱き合ってキスしてたかと思えば今度は痴話ゲンカかい?」
「「げっ!見てたんですかっ?」」
「うん、それに一緒に風呂に入ったとか、抱き合って寝たとか」
「「げっ!聞いてたんですかっ?」」

「ふふっ、君達そんなに息もぴったりで本当に仲がいいんだね」
「ちょっと待って下さいよ」
「そうですよ。こいつと息がぴったりなんてちっとも嬉しくないですよ」
「君達同期だし…新人同士互いに助け合っているうちに恋に落ちて…なんてね」
「「ひいっ!!」」

僕達は互いに顔を見合わせ、二・三歩後ずさりしながらしばらく固まったままだった




成り行きのドンヒ  ぴかろん

成り行きで唇が触れ合って…いやそんな色っぽい表現はイカンケホコホっ…唇が接触して…いや、唇がぶつかりあい、いや、唇が握手…唇は手ではない!…握唇…なんかヤらしいな、違う、唇が…唇が…

「おいっ」

どきっ

「なんだよっ」
「今のは事故だ!」
「ああ!事故だ!わかってる」
「だから慰謝料よこせ!」
「…は?!」
「慰謝料」
「…何言ってんの?お前」
「タバコくれ」
「…」

僕は黙って1本ホンピョにタバコを渡した

「…ありがと…」
「…いや…」
「…火…」
「あ゛?!」
「火も貸してよ」
「…」

僕は黙って火をつけた
ホンピョの顔が近くに寄る

こいつ、こぎれいになると…確かに…

「あに見てんだよっ!」
「ワイルドでキュートだな」
「…んあ?」
「と思って…けほ」
「…」

あ、ちょっと赤くなった
かわいい…

「お前今夜からは自分の部屋で寝ろよな…」
「あんで?!」
「あんでって…」
「いいじゃねぇか、ちゅうしちゃった仲なんだしよ」
「は?!あれは事故だろ?慰謝料も払ったろ?!」
「足りねぇもん…」
「は?!」
「慰謝料足りねぇもん…。毎晩子守唄と背中トントンが必要だもん。俺様の心の傷を癒すにはよぉ」
「…こころのきずぅ?!」
「俺様のかわいい唇を奪いやがってよぉ…」
「だから事故じゃんか!それに僕が奪ったわけじゃないだろう?!お前が僕を引き寄せて口とんがらせたから…」

「お前が体摺り寄せてきたんじゃねぇか」
「だってお前があーだこーだ指図するからその通りにしたんだろうが!ばかっ」
「ばかだとぉ?」
「ばかだからばかっちったんだよばかっ!」

あ…また睨みつける
ふんっ
昨日誉めてやったら何かってぇと睨みつけてそれからニコってしやがる!ふんっ
…それやられるとちょっと『許してやろう』って気になるから…
けほっ
僕何いってんだよっ!ごほっ

「睨むなよ!」
「…」
「バカ」
「…」

ずーっと睨みつけてるよコイツ…ムカつくっ

「あーわかったよ、それがお前の技だってんだろ?物好きなお客さんはきっとコロっと騙されるよ、じいっと睨んでニコっかじいっと睨んでポロっか、いいじゃん、ワイルドでキュートな技編み出してさ

僕なんかまだ一個も技ができてない…おいっなんだよお前っ」

じいいいっと僕を睨んでいたホンピョの目からポロ…どころじゃなく、ポロポロ涙が零れだしたんだ

「そんな…そんなひどいこと僕言った?いつも言ってることじゃんか!なんでそんなに泣くのさホンピョ!」

ポロポロポロ
大粒の涙がキラキラ光ってホンピョの頬を落ちる

ちょっとキュン…
すっごく傷つけたのかしらん…
『バカ』っての、禁句だったかしらん、だってこいつホントにバカだから…

涙を拭いもしないで僕を睨んで…というか見つめて…きゅううん…ちょっと寂しそうで…じいいん…
そだよな、コイツ、寂しい境遇にいたんだもんな…
ちょっとぐらい優しくしてやんないとな…

「わ…わかったよ。一緒に寝てやるから泣くなよ。な?また体や頭、洗ってやるし、服だって貸してやる。な?ああ、子守唄も歌ってやるから、そんなに泣くなよ」

僕はチーフの真似をして、『親指ハンカチ』でホンピョの涙を拭ってやった
あれ?意外と簡単じゃん…へへっ
技、盗めちゃったへへっ

ホンピョのヤツ、感動してるかな?
目を閉じてやがるぜ
かわいいな…

チーフはこの辺でこう、頬を包んで…そして唇をとがらせ気味に寄せて、そして…下唇からこう…そっとふふひほひてはふふふひ(含みそして軽く吸い)
ふはんはへへほひへ(油断させておいて)
はみゅっほはみふひほひへ(がみゅっと噛み付きそして)
ひはほひゅうりゅうひ(舌を注入し)
ふひ(吸い)
ほほはひ(転がし)
ふひ
ほほはひ
はふほほはへ(角度を変え)
ふひ
ほほはひ
ふひ
ほほはひ

「…は…」

…は…

はあっ?!ひふほはひほふはっ!(いつの間に僕はっ!)

パチパチパチパチ

「上手だねぇドンヒ君」
「本とですねぇ新人とは思えないな、テジンさん」
「スハもあんな風に僕を誘ってみてよ」
「もう!テジンさん!」
「僕達に気づいても辞めないところが近頃の若者だよね、肝が据わってる」
「ほんとですね…でも…ホンピョ君、目がうつろですよ…大丈夫かな?」
「どれ…。あ。だめだ。こりゃ落ちてる」
「落ちてる?」
「ん、締め技食らった時みたいに気絶してる」
「じゃ、ドンヒさんのキスってよっぽど…」
「「すごいんだ~」」

はひ?ほふははへひひふひへふっへ?
(なに?僕が誰にキスしてるって?)
ほふはへほふほはひへ、ほふほへほはへひはふはほほひは
(僕は目を動かして、僕の目の前にある顔をみた)

ほんひょ~ふぃへ~~~
はらへひょっはらへひょぉぉぉっ(離れろっ離れろぉぉぉっ)

あ。僕が離れればいいのか

クタッ

あれっホンピョ

「おいっホンピョ!ホンピョ!」
「気絶しちゃったよ、君があんまり熱烈なキスするから…」
「ホンピョ君免疫ありそうでなさそうだから、はじめっからこんな濃いのは…ねえテジンさん」
「そうだよ」
「濃いのって…」
「いやぁ。君達って吸収力抜群、飲み込みも早いし、いいホ○トになるよぉはっはっはっ」
「て・テジンさんっ誤解で…」
「うううん…」
「はっホンピョ、しっかりしろよ」
「…ん?あ・ぎゃああああっドンヒっぎゃあああっああっああんああんああんうわああんうわあああん」
「ななな泣くなよっこれははずみでっ」
「うわああんうわあああんああんああん俺様の『男とのファーストキス』うばったぁぁぁんあああん初めての男はスヒョンさんって決めてたのにいいいああんああんあああん」

僕は泣き喚くホンピョを抱きかかえ、ニヤニヤしているテジンさんとスハさんに苦笑いを返し、なんでこんなことになっちゃったのか、グルグル回る頭で考えようとして…

ぐすっもうどーでもよくなっちゃった

「うわぁぁぁぁん」
「おめーが泣くな!わぁぁあん」

僕達は二人で泣き喚き続け、目が釣りあがりきったチーフに、おもいっきし頭を叩かれたのだった…


La mia casa_3   妄想省家政婦mayoさん

ちぇみテスが部屋を見ている間..僕と闇夜は軽い食事を用意した..
僕はスカンピを背開きし塩胡椒のあとEVオリーブ油でパイ皿を重しにして身の方だけを焼いた
スパンピは甘みがあるので小細工ないのほうがいい..食べる時にレモン汁とEVオリーブ油をさっとかける..

フンギペーストと生クリームを1:2の割合にして弱火にかけ塩と白胡椒で味を整え…
仕上げに無塩バターとパルミジャーノを加えトリュフオイルをほんのちょっと落として仕上げる
闇夜が堅めに塩茹でして皿に並べたホワイトアスパラにかける…このソースはパスタにも代用できる…
ペーストだけをつくっておいて魚や肉のソースに使ってもいい….

  *フンギ(きのこ)ペースト

  フライパンでEVオリーブ油+にんにくと唐辛子のオイルを作り
  しいたけ…しめじ…ひらたけ…まいたけ…マッシュルームを炒めしんなりしたら塩を加える
  にんにくと唐辛子を取り出してフードプロセッサーでペースト状にする…

闇夜は刺身用のまぐろとアボガドを小さめの角切りにしたものをボールに入れ…
刻んだケイパー…エシャロット…ワインビネガー…バルサミコ…EVオリーブ油を入れる…
塩胡椒で味を調えた後に僕の口にひとくち入れた…

「ん…OK…」

他にあっさりめのチーズ少しとバケットを少し用意したところで4人がテーブルに着いた…
ちぇみがSassicaia1995の封を切り栓を抜いた…
僕がちぇみのグラスに注ぎ…ちぇみが僕のグラスに注いだ後…闇夜とテスのグラスに注いだ…

「ん~~~とりあえず…乾杯だ…」
「何それ…ちぇみ…何か言わなきゃ…」
「いいからっ…」
「「「ぷっ…」」」

「「「「コンベ!!」」」」

4人のワイングラスがコン#コンココン#と合わさった


料理とワインをそれぞれ口に運び..ちぇみテスは旅先での竹林の話や瀧の話を僕等に聞かせ..
僕と闇夜は新しく入った新人の話や歓迎会の話を聞かせた…
X- trainの話をテスがバラしたとき僕と闇夜は吹き出した…

「でも..僕も聞いたことある…オトコによろしくない..って話..」
「だろ?テソン…ほれ..聞いたか..テス…」
「じゃぁ…テソンさんも乗らないの?」
「ぅん…僕も乗らない…その噂聞いたから…」

「けほっ…んぐっっ#…」

闇夜がバケットを喉に詰まらせた…僕が背中をトントンして落ち着いた…

「ったく…ウソに決まってるじゃない…」
「だよねぇ~mayoシ…」
「でも…人によってはそうかも…よろしくないかもね…」

「「「えっ#…」」」

闇夜はオトコ3人を見て…ぷふふふ…と笑った…
闇夜の膝に乗り前足をテーブルに乗せているはるみまで
みゃぉ~みゃぉ~みゃぉ~ん#首を伸ばして鳴いていた…もぉー#


食事を終えテスと闇夜がキッチンで片づけをしているとき…ちぇみが頭で僕をベランダへ促した…
ちぇみは煙草に火を付け…前を向いたまま…僕に話をする…

「留守中何か連絡はあったか…」
「ぅん…ピョートルから…今度の休みに事務所開きだって…4人で来いって…」
「ん… あいつのことだ…何か頼んだだろう…」
「ぅん…闇夜が調書まとめてた…でもちょっと行き詰まったみたい…昼間怖い顔してPC打ってた…」
「ぷはは…そうか…」
「僕そっち方面わかんないからさ…見てやって欲しいんだ…」
「ん…わかった…あとは…」
「ヨンジュンから何回か電話あった…」
「あいつ…シゲに付いて日本に行ったのか?」
「ぅぅん…向こうから今度来るって…ウキウキしてた…」
「たはは…そっか…派手な演出するだろうな…」
「たぶんね…」

2人で皿を拭いたりボードに皿を収めているとテスがにこにこと顔を覗く…

「mayoシ…」
「なに?」
「…テソンさん…優しかった?」
「ぁ…ぁの…それは…その…」
「ん?…」
「ぉ…ぉぉん…」
「へへ…で…mayoシも優しくした?あれこれ…」
「ぁ…ぃゃ…それはその…ぁひ…」
「ん?」
「て…テスシ#…」
「ぷひひ…ごめん~^^;;…」

テスは笑いながら足下でじゃれているはるみを抱き上げた…


「あの…」
「何だ…」

ちぇみはゆっくりと僕に振り返り..言葉の詰まってる僕をじっと見据えた…
僕は深い瞳に心を見透かされた気がしてちょっと目を伏せた…
前に向き直ったちぇみは僕の後頭部をペタン#と手のひらで叩いた後…その手でスリスリした…

「余計なことは言わなくていい…」
「ぅん…」
「それとも…言いたいか?聞いてやる…」
「いぢわる言わないでよぉー…」
「だはは…すまん…このくらい言わせろ…」

ふっ#と笑った僕の肩をポン#と叩いた後
ちぇみは深く吸い込んだ煙をゆっくりと吐いた…

リビングに戻ったちぇみはテーブルでPCを打っている闇夜にいくつか指示をし…
闇夜からベーカリーの図面をもらうとはるみを抱いているテスと部屋へ戻った…
僕はちぇみに言われた材料の手配について闇夜と話したあと先に部屋へ戻った…

テスは大きな風呂ではるみとはしゃぎすぎたのかベットに入るとすぐ眠ってしまった…
ぱふっ#っとちょっと口を開けたいつものテスの寝顔を見てからデスクに向かった













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