ぴかろんの日常

ぴかろんの日常

リレー企画 113




わかってねぇな!4 ぴかろん

すっごく不機嫌なラブとご飯を食べた
もうランチだよな・・この時間だと・・

ラブは何にも話してくれない
そっぽ向いたままだ
注文したパスタが届くと無言で口に運んでいる
そしてパスタを見つめて目を潤ませている

「・・ラブ・・どうしたの?辛すぎた?」

やけに赤い唐辛子が見えるので、聞いてみただけなのに・・
ラブは僕を睨みつけてまたパスタを口に運んだ

どう扱えばいいのかわからない・・
こんなに気難しい子だったっけ・・

やっぱり・・テジュンさんとああなってから・・なんか変わった?
・・・やだ・・・そんなの・・


僕がトイレに立ったとき、ラブは誰かにメールしていた・・
まさかテジュンさん?
まさかね・・






俺はギンちゃんにメールした
今から会えないかって・・
そしたらこんな返事が来た

『2時からゼミなんだ。3時半終了予定だけど・・2時半には会えるよヒヒ・・出席取ったら抜け出せると思うからヒヒ・・
ラブちゃんに会いたかったからちょうどいいや。校門で待っててよ。 ギンちゃんよりラブちゃんへ。ちゅっ(^o^)』

いいのかな・・サボらせちゃって・・
またソヌさんって先輩に怒られないかなギンちゃん・・

メールに短い返事を打っているとギョンジンが帰ってきた
何か聞きたそうな顔
俺はギョンジンをちょっとだけ睨みつけた





不機嫌なラブが僕を睨んでる
やっぱり弟のパトロンのご婦人への嫉妬かなぁ・・
わかんない

「ねぇまだ怒ってるの?なんで怒ってるの?」
「・・・」

答えてくれない

「そのパスタ、辛かったの?」

ああ、聞きたいのはこんなことじゃなくて・・

「お前、嫉妬してる?」

また睨まれた

「ねぇ・・ラブ・・。なんで答えてくれないの?」

そっぽを向く・・
どうしてだろう
僕が何か彼の気に入らないことを言ってしまっんだろうな・・はぁ・・



僕達は、僕の一方的な質問のみの、全く会話の成立しない、不毛ランチを終えた
せっかくの「初めての二人きりの食事」だったのに・・


そしてラブをミンギの通う大学まで送り届けた

まだ時間があるらしいので大学の構内でも散歩しようかと言うと、また睨まれた
なんで睨むんだよ!

「時間あるんだろ?どうすんのさ!」

ラブはさっさと歩き出した
後を追う僕
なんだか・・情けない・・
時計も服もそぐわない・・
こんなことじゃダメじゃないか!

「どこ行くのさラブ!」

ラブの腕を掴んで聞いた

「散歩するんだろ?!」

プリプリしている・・
扱い辛い男だ・・くそ・・

ふん!
余計に闘志が湧いてくるぜ!ふんっ!



僕達は・・おおよそデートとは言えないような散歩をした
やがて約束した時間となったらしく、ラブはさっさと校門の方に歩き出した

ああ・・キスの一つもできなかった・・
まぁ人目もあるからなぁ・・
っていうか・・まともな会話すらできなかった・・
・・2時間近く歩き回ったってのに・・
疲れたよぉ~


ラブぅ~、なんでむくれてるのさ・・
約束なんて・・ウソだろ?
僕と一緒にいたくない?
僕が何か悪いこと言った?
わかんない・・ラブ・・わかんないよ・・ラブ・・





俺はギョンジンを振り切ってギンちゃんとの待ち合わせ場所まで来た
2時20分だってのに、もうギンちゃんが校門に立っていたのでちょっと驚いた



「どうしたのラブちゃん」
「ごめん突然来ちゃって・・」
「ギョンジンさんは?あそこにいるじゃん、来ないの?」
「来ない。ほっといて」
「・・仲直りしてないの?」
「一応・・ したよ」
「じゃあ一緒にお茶でも・・」
「今一緒にいたくない!」
「・・ラブちゃん?・・」

ギョンジンは遠くから暫く俺たちを見ていた
やがて駐車場にあった車に乗り込み、車を走らせて姿を消した

ばか・・

ギンちゃんと俺は、大学近くの喫茶店に入った
ギンちゃんと話すのは久しぶりだ

「メールありがと」
「へ?」
「俺が失踪中の・・」
「・・あ・・ああ。いや・・そんな」

ギンちゃんはウエイトレスにエスプレッソとチョコレートケーキを頼んで、俺の方を見てニヒヒと笑った

「ソヌさんの真似?」
「ニヒヒ。真似ってわけじゃないけどさ、先輩がいるとチョコレートケーキ食われるからさヒヒ」
「じゃあ俺も同じのにしようっと。ソヌさんになりきってみよっかな?」
「じゃ、スプーンで食わなきゃだめだよ、ケーキ」
「ええっ食いにくそうじゃん!」
「それをうまく食わなきゃダメなんだよ、先輩の真似するにはさ、ヒヒ」

ギンちゃんと話してるとホッとするな
俺は今日初めてゆったりとした気分になったように思った

「ラブちゃん、ギョンジンさんすげぇ車に乗ってたじゃんか!」
「・・貰ったんだって・・」
「へ?!もら・・誰から!」
「ギョンビンのパトロンのマダム」
「へ?!ギョンビンの?・・なんで兄貴にまで?」
「だろ?おかしいと思うよね?普通は。あんな高級車ポンとくれるなんて・・」
「・・」
「それ貰った意味、あいつわかってねぇみたい・・」
「意味って・・まさか囲うつもりだとか?」
「そんなんじゃねぇと思う。そういう人から貰ったわけじゃねぇみたいだし・・」
「・・」
「・・あいつさ、ブランド品に酔ってるんじゃねぇかと思ってさ・・なんか悲しくなっちゃったの俺」
「・・ラブちゃん・・」
「そしたら・・ 思い出しちゃった・・」
「・・・」
「・・ギンちゃんにまだ言ってなかったっけ・・」
「・・・」
「俺・・・テジュンと・・寝た・・」

ギンちゃんは顔を強張らせて俺を見つめた

「それって・・自暴自棄とか言うヤツじゃないよね・・」
「・・え・・」
「ごめん、俺ヌナの盗撮したラブちゃんたちの・・その・・ナニを・・その・・。ごめんっ!」
「・・ああ・・。見たの・・」
「・・シレっと言うなぁ・・。うん・・見ちゃったんだ・・。だからラブちゃんがその・・ギョンジンさんから逃げ出しちゃったの知ってたし・・ずっと心配だったんだ。
でも・・よかった。帰ってきてくれて・・」
「・・よかった・・か・・」
「よかったさ!・・で?テジュンさんとって・・」

ギンちゃんは、何もかも薄々気づいてたみたい
テジュンとのことを話してもさして驚かなかった

「ラブちゃん・・思い出したって・・テジュンさんとのことを?」

俺は頷いた

「・・そりゃ・・そりゃ昨日まで一緒にいた人だから・・わかるけど・・。でもギョンジンさんと仲直りしたんだろ?一応であっても・・」
「した。えっちしただけって言うべきかもしれない・・」






ラブちゃん!俺、そういう方面あんまり得意じゃねぇからっ!セキララにコクハクすんなよ!もうっ

でも・・沈んでる・・


private time_byそぬ_2  妄想省家政婦mayoさん

「ここ?」
「はい...」

彼女は清潭洞の路地裏の小さな建物の入り口に手をかけた...
僕は倉庫の様な佇まいのその建物にちょっとぶるっ#っとした....

「何かさ...こういうとこ...嫌だな....」
「ふっ...」
「まさかこの中で僕を吊すんじゃないよね....」
「それ...いいですね...吊されたいですか?...また...」
「ちょ...ちょ...ちょっと....そ...それはぁ...」

彼女は片手でお腹を抱えて無言で笑った後...ガァーッと大きな戸を両手で引いた....

戸を開けると..工業用ミシンの音が聞こえ5.6人の若い男女が中にいた...
ミシンをかけていたり...メジャーを首からさげていたり...
PCが読み込んだパターンが大きなプリンターから実物大でプリントアウトされたり..

「ここは...工房なのかな?」
「はい...シャツ専門です...」
「へぇ....そぅ....」

ひとりの男が近づき..僕に軽く頭を下げ彼女に仕上がったシャツを渡した..
彼女は一枚づつ広げてチェックをしながら会話をしている....

「ぁ...今度..Jil sanderの生地が入るよ...色は黒...」
「ぉ...ぉも...それ...私の#...」
「OK.....入ったら連絡する..」」
「サンキュ」

「ここはブランドの工房なの?」
「ん~.....一流ブランドの生地で作るオリジナル....でしょうか..」
「ほう....」
「仕入れすぎた生地はシーズン過ぎてしまうと使えない...
 少しだけ余ると持てあます....そういう生地が原価以下でここに集まるんです...」
「なるほど...」

「ここはいい生地だけ厳選してるんです...」
「君のシャツもメンズの生地なのかな..」
「はい...シャツはメンズの方が質がいいですから...」
「...それはいえる...」

「それと...ボタンホールやボタン付けの糸色を選べるんです...」
「それって...ポールスミスもやってるよね..」
「そうですそうです....糸の色数はもっとあります...それに..ここはボタンも豊富です...」
「おもしろそうだ...」

「ソヌさんは表通りの正規店で...定価でどうぞ...」
「ぁ..ぉん....」

工房の彼はクスクスと笑っている....
彼女は仕上がったシャツをビニールに入れた後に無造作にリュックに入れながら...
工房の彼と二言三言話した後..僕と工房を出た...
隣を歩いている彼女が僕のボトムに目を落として言った...

「今度エトロの織り生地が入るみたいですよ..極々淡いパープルですって」
「えっ...ぁ...」

今日の僕のボトムはエトロのパープルのデニム..ヒップポケットに赤いステッチが入っている...
ウォッシュがかかってるため色がくどくなくて意外とコーディネートしやすい...

「今日のボトムにぴったりかもって...帰り際に言ってました....」

彼女は俯いてくすっ#っと笑った...


さっきの表通りに出てから帰ろうとする彼女をカフェに誘った...
僕はエスプレッソ..彼女はカプチーノを頼んだ...

「テソン君に怒られちゃうかな..」
「...^^;....」

「仕事..やっていけそうですか...ってまだ2日だけですけど...」
「監督やミンギがいるから...店ではなんとか少し笑える..」
「そうですか..」
「それに...」
「・・・?」
「美味しいつまみ食いもできる...」

「....^^;;.....ミンギはいつも心配してますよ..ソヌさんのこと...」
「そう?」
「はい...」
「僕の心配じゃなくて....僕の報告...じゃないのかな?」
「ぷっ.....けほっ...」

「でも君は口が堅いってミンギが言ってた...」
「一応...」
「...僕のことはかなり調べたらしいね...」
「はい...仕事ですから...」
「マネージャーの前のことも?」
「はい...」
「僕の家のことも?」
「はい...」
「ふぅ....すごいね...」
「いぇ...」
「調べたことは全部オーナーに報告するの?」
「すべて...ではないです...」
「そう...」

簡潔に答えた彼女からは隙のなさが見て取れた...ちょっと前の僕のように....

「ケースの中は..何の図面?」
「ぁ..1Fのベーカリーです...すぐ内装入るんで..さっきまで打ち合わせしてました...」
「そっか...ちぇみさん作るんだって?..ミンギに聞いた...」
「はい...ぁ...ケーキも作れるんですよ...」
「へぇ...怖い顔してるのにな...」
「人のこと言えます?」
「ぁ..あはは....」

彼女はまたくすっ#っと笑った...
カフェを出て別れると彼女はまたヘルメットをぶらぶらしながら歩いていった...


ソヌと別れてから単車のエンジンをかけようとした時...携帯が震えた..テソンだ

「今どこ?」
「江南の清潭洞近く...」
「工房だね?」
「ぅん...」
「くりーむぱん出来たよ#」
「ぉん#すぐ帰る...取ってて#」
「ん....」

単車のエンジンをかけ自宅へ戻った...



戯れ  れいんさん

朝、小鳥のさえずりで俺は目が覚めた
見慣れない部屋を見渡して、ヨンナム兄貴の家に泊まった事を思い出した
起き上がろうとしたら、身体が思うように動かない
なぜなら・・
ドンヒの奴が後ろから俺を・・その・・ぎゅっと抱きしめていたからだ


ちっ!暑苦しいなっ
こいつまた女といいコトしている夢を見ているらしい
んで、いつも俺様がその犠牲になってるってわけだ


けどよ、なんかよ・・
こんな風に抱きしめられるのって・・
あったけえんだな・・
母ちゃんに抱っこされるって・・こんな感じなのかな・・


俺はそのまんまくるっと向きを変えて、ぐーぐー寝てるドンヒの顔をまじまじと見た

ふうん
こいつ・・意外と睫長いじゃん
結構、鼻筋通ってんのな・・
唇も薄くていい形してるし・・
・・って、俺と同じ顔じゃんか!
でも・・なんか・・かっこいいかも・・


俺としたことが、ほんのちょっとだけぼーっとドンヒの顔に見とれていたらよ
こいつ寝ぼけて「○○ちゃ~ん」って言いながら、口尖らせて俺様に顔近づけてきたんだ


「ひいっ!ドンヒ何すんだっ!俺だよ俺っ!」
「ん・・あ?ぎょえっ!ホンピョ?」
「そーだよっ」
「僕・・今・・何かした?」
「おめえ、また俺様の花びらの様な唇奪おうとしたんだぞ!」
「ええっ?ほんとかっ」
「ほんとだよ!またどっかの可愛い子ちゃんの夢でも見てたんだろっ?」
「あ・・いや、その・・悪かった」
「ったく、しょーがねえすけべだぜ。いいからもう早く起きようぜ」
「あ・・ああ、そうだな。ここは朝早いらしいからな。なんでも早朝の乾布摩擦から一日が始まるそうだ」
「ふうん、んじゃ顔洗って早く支度しようぜ」
「そうだな。あ、上は何も着ない方がいいよ。」
「そりゃそうだ。乾布摩擦すんだもんな」


俺達は着ていたTシャツを脱いで顔を洗った
後はヨンナム兄貴が起こしに来るのを待つだけだ


「おめえさ・・思ったより逞しい腕してんのな・・」
「当然だ。こう見えても、僕、一日中走り続けられるくらいの体力はある」
「ふうん、そうか。・・でもよ、俺様のこの鍛え抜かれた身体にはちっとばっかし敵わなねえな」
「悪いけど、それ程でもなさそうに見える・・」
「るせえなっ!見てみろよ、この筋肉!」


俺はムキになって、ボデイビルダーがやるようなマッスルポーズを何通りかして見せた
最後にドンヒに背を向けて、背筋を強調するマッスルポーズでキメてみた

「ふふん、どんなもんだ。厚みがあって男らしい胸板だって、よく女を泣かせたもんさ」
「ふうん・・そうかあ・・?」

いぶかしげな顔をしたドンヒが後ろから手を伸ばしてきて、俺の胸板を確かめた


へへ、どうだ?
参ったか、ドンヒのボケ!
あ、ちょっとくすぐったいな・・
いひひ・・んなコショコショ触んなよ・・
ん?・・ちょっと待て・・
今、俺って・・上半身裸だよな・・
んで、ドンヒの奴も、上半身・・裸だよな・・
んで、んで、俺・・ドンヒに後ろから胸触られてるんだよな・・
俺の背中にさっきから触れてんのは・・ドンヒのビーチク・・?んにゃ、乳首か?
待てよ・・待てよ・・これって・・
上半身裸の俺達が絡みついてるアブナイ図だよな・・


「ひいいっ!」


俺ははじかれた様にドンヒから跳び退って、そこらに落ちてたシャツで胸を隠した


「な、なんだよ、急に!おまえが胸板の自慢したから・・」
「だ、だからって、んな背中に乳首擦りつけながら、俺の胸撫で回す事ねえだろ!」
「撫で回すって・・ただ普通に触って確かめただけだろ」
「だってよお・・」
「だって、なんだよ」
「なんか・・」
「・・?」
「はじゅかしいっ!」
「は?はじゅかしい・・?」

「あっ!おまえ、またそんなヤらしい目つきして・・俺のハダカじろじろ見んなよなっ」
「ば、馬鹿言うな!じろじろって・・」


俺達はちょっとだけ赤くなった顔を見合わせた
仁王立ちのままの俺達の間に、また気まずい沈黙が流れた・・


わかってねぇな!5  ぴかろん

ラブちゃんは今の自分の気持ちを俺に話し出した


「テジュンと比べてしまう・・どうしても・・。あいつに抱かれてても思い出す。これはギョンジンなんだって自分に言い聞かせてても、わけわかんなくなっちゃうと俺・・テジュンの名前呼んでしまう・・」
「しっ・・仕返しじゃんそれっ・・」
「・・そんなつもりじゃないんだ・・でも・・まだテジュンが抜けない・・」

なっ・・。なまなましいっ。またラブちゃんが色っぽいから・・ひいん・・
俺は赤面しながらラブちゃんの話を聞いた

そのあとも「いやだというのにバスルームで」という朝からヤってたんだ編、マダムからプレゼントされた一流品を身に着けて「どう?とかかっこいい?とか聞く馬鹿野郎」編、そして「なんでこんなに優しくするのかわかんない」編を繰り返し聞かされた

そしてそれに合わせて「テジュンはこうだった。テジュンはこんなだ。テジュンはちゃんとダメだって言ってくれる。テジュンは・・」とテジュンさんを持ち出した

「テジュンさんの方が好きなの?」
「・・そうじゃない・・」
「比べちゃかわいそうだよ・・」
「わかってる・・でも・・」
「でもなにさ」
「俺・・テジュンの事・・愛してるんだ・・今でも」


?
支離滅裂?
ラブちゃんどうしちゃったのさ・・

「ちょっと聞くけどさ、テジュンさんってそんなにすごいわけ?」

人として・・

「・・ん・・すごかった・・」

目が潤んでる・・

「いろんなとこで・・天国に行った・・」

・・・ラブちゃ~~ん(^^;;)

「テジュンは・・本物を知ってるんだ・・。本質を知ってるっていうのかな・・。うわべに左右されないとこがある・・」
「ギョンジンさんだってきっとそうだよ」
「まだわかんないもん・・あいつが本とはどういう奴なのか・・」
「ゆっくり時間かけて知ればいいじゃんか・・ね?」
「・・会いたい・・」
「え?」
「・・会いたくてたまんない・・どうしよう俺・・どうしようギンちゃん・・」

会いたいって・・テジュンさんか?

「ラブちゃん・・じゃあなんで戻ってきたのさ・・ギョンジンさんに会いたかったからじゃなかったの?」
「そうだけど・・。でもこれでよかったのかなって・・」
「テジュンさんにはイナの兄貴がいるんだぜ」
「・・わかってる・・」
「ラブちゃん混乱してるんだよ・・。ギョンジンさんにちゃんと自分の気持ち伝えてる?」
「伝えてるつもりなんだけどさ・・察し悪いんだもんあいつ・・」
「・・そう?」
「そうだよ!動くべきところで動かないし、やめてっていうのにヤるし・・、俺に似合いそうもない服貸そうとするし、浮かれててさ、・・強いしさ・・、死んじゃうよ、俺」
「(^^??)??」

えっと・・混乱してるよね、ラブちゃん・・
なんかすっごくヤらしい話に聞こえるんだけど、ラブちゃんの目があまりにもうつろで、ほんっと心配だ

「俺、ヤなんだ・・。一流品身につけてりゃいいってもんじゃないだろ?」
「・・そりゃまあそうだけど・・」
「中身が伴わないのにそんな高級品身に着けるなんて・・って思っちゃうんだ・・ヤなんだ・・、親父みたいで・・」

ラブちゃんは親父さんとの間に確執があったって聞いた
ラブちゃんが本とは御曹司だってことも聞いた

「それ、好きで身につけてるの?って聞きたい。俺はヤなんだ!俺は自分で選んだものを身につけたいんだ」
「・・テジュンさんはそれができてる人なんだね?」
「ん・・。自分の稼ぎの範囲内で、自分の好きな物を一つずつ買い集めてるって・・。俺、そういうのが好きなんだ・・」

そういうところに惹かれたのかな・・
でもなぁ、ギョンジンさんだって元々はそういう人だろ?

「ねぇラブちゃん、そういう事は本人に聞いて確かめるのが一番なんじゃないの?」
「・・・」
「ね?」
「・・わかってる・・」
「それで?ほんとの用件はなに?」

俺は小さくそわそわしているラブちゃんに切り出した
ブラフだったんだけど、見事にかかったよ・・

「どうしてわかるの?!」
「・・・」
「お願い、ずっとギンちゃんといたことにして!お願い!」
「・・どこに行くつもり?」
「・・・」
「テジュンさんのいるところ?」
「・・・」
「ラブちゃ~ん・・アブネーよそれ・・」
「・・ダメ?」
「だめっ!」
「・・」

ラブちゃんは涙を溜めて俺を見つめた
すっごく切なそうな顔をしている

「会ってどうするの?!」
「・・どうもしない・・顔がみたいだけ・・」

絶対危ない・・と思う

「ラブちゃん、テジュンさんにゃイナの兄貴って人がいるんだぜ、さっきも言ったけど・・」
「わかってる・・だから・・顔みるだけ・・」
「ラブちゃんにはギョンジンさんがいるんだぜ!」
「・・・」
「ったく・・ギョンジンさんもきちっとラブちゃんのこと掴まえといてくんないとなぁっ!もう!」
「・・」
「俺、ラブちゃんが泣くのも、イナの兄貴が泣くのも見たくねえよ!どっちも好きなんだもん!」

黙りこくった涙目のラブちゃんを見て、俺は、しょうがねぇな、見るだけだぞ!ただし俺もついてくかんな!と言って立ち上がった
ラブちゃんの顔が輝いた


どうなってんの?ラブちゃん・・
どうしちゃったのさ・・ラブちゃん・・






ギンちゃんと二人でヨンナムさんの家の近くまで来た
ギンちゃんに、喫茶店で待っていてくれるように頼み込んだ
だって危ないから一緒に行くって聞かないんだもん・・
一人で行きたかった・・一人でテジュンの顔だけでも・・見たかった・・


家の前に突っ立って、テジュンの部屋を見上げる
何か物音が聞こえる・・

あそこにテジュンがいる・・
あそこに俺の愛したテジュンが・・
本物を知ってるテジュンが・・いる・・

テジュン・・
ギョンジンは・・どんな男なんだろう・・
俺・・何にも知らないのに・・こんなにもあいつが好きでさ
なのに一緒にいられなくて貴方を思いだしてここに来てしまった・・

俺一体何がしたいんだろう・・俺・・テジュン・・テジュン・・


窓際に人影が見えた
俺はとっさに物陰に隠れた


人影は2つあり、一つはイナさんの後ろ姿で、もう一つの人影がその背中と頭を抱え込んで抱きしめていた・・

キスしてるんだ・・イナさんに・・
仲直りできたんだ・・本当に・・

・・・よかったね・・テジュン・・

二つの人影がぼやけた瞬間、テジュンの眉毛と、閉じた瞳が見えた

イナさんの髪に愛しそうに接吻している・・・

俺は・・目を伏せて、ギンちゃんの待つ喫茶店へ向かった・・

馬鹿だな・・何を期待してたんだろう・・
欲張りな俺
我儘な俺

馬鹿だな・・


替え歌 「気分は逆光線」 by ギョンジン ロージーさん

ラブを一人にさせたくない気分
あぶない感じ おまえにつきまとう
独り占めできない はがゆさが辛いよ
太陽もそっと刺激する

ラブは気まぐれが似合う男
それさえも 愛しすぎて
僕のときめきを 奪ってゆく 男

おまえの背中 抱きしめたいけれど
僕を振り向く 眼差しが つめたく
逆光線の中 妖しく煌いて

誰にでも そんな 目をするの…

夏によろめいて 眩しすぎて
気分だけ スリルすぎる
僕のときめきを 奪ってゆく 男

逆光線の恋 肩透かしばかりさ

誰にでも そんな目を するの…

夏によろめいて 眩しすぎて
気分だけ スリルすぎる
僕のときめきを 奪ってゆく 男

ラブは気まぐれが似合う男
それさえも 愛しすぎて
僕のときめきを 奪ってゆく 男

(来生たかお『気分は逆光線』)


わかってねぇな!6 ぴかろん

テジュンさんの下宿ちかくの喫茶店でラブちゃんを待つことになった

ラブちゃんが出てってすぐに、変な男に声をかけられた

「あの・・いいかな・・僕と付き合ってくれないかな」
「ひいっ!」

男からナンパされたああっ!
・・・
あれ・・

「ギョンジンさん!なにっ!どうしてっ!」
「しいいいっ!・・つけてた・・」
「つけて・・ずっと?ずうううっと?!」
「車、BHCの駐車場に置いて、自転車借りてきた、テスさんの・・」
「服も変えてきたわけ?」

呆れ顔で聞いてやると、ギョンジンさんはちょっと威張った風にこう言った

「尾行の基本だからさ・・コホ」

・・・。なにちょっと自慢げなのよ・・。
ははーん、わかったよラブちゃん、こういうトコね?癪に障るっていうか、癇に障るっていうか・・

「ギョンジンさん、ズレてるなぁ」
「・・・なにが?」
「んー・・ズレてるのがカワイイ場合もあるんだよなぁ・・でも今のラブちゃんにとっちゃ貴方のズレは・・致命傷っていうかぁ・・」
「ズレって何?僕カツラじゃないよ」

・・・。ああ。きらっきらの笑顔。涼やかさでカバーってか・・。

「あのさ・・。なんて言うか・・空気を読んで・・」
「え?」

だめだこりゃ・・
説明する労力が勿体無い・・

「んで・・なんでつけてたの?」
「・・・ふうっ・・」
「ギョンジンさん?」
「ラブは何が気に入らないんだろう・・わかんないんだ・・」
「ちゃんと聞いたの?」
「聞いても答えてくれないんだもん・・」
「ラブちゃんは自分の気持ちをギョンジンさんに伝えてるつもりだって言ってたよ」
「・・・え・・・。ああ。ああ、風呂ではイヤだとか、ちょっとだけ好きにさせてとか、ちったぁ合わせろとか・・それから・・纏わりつくなとか・・ぐすっ・・あの事しか頭にないのかとか・・ううっううっ」

うわっ最悪・・カッコイイ人が泣くなよぉ・・
それにナニゲにヤらしいこと言ってるし・・
ラブちゃ~ん、罪作りなやつぅ・・

仕方ないのでギョンジンさんの話を聞いてやった

ギョンジンさんは、ラブちゃんが帰ってきた瞬間から、もうそこに存在してくれているだけでいい!って思ったんだって
涙が溢れて、愛しくて仕方なかったんだって

「ラブちゃん、テジュンさんの名前呼んじゃったっていってたけどぉ・・」
「そうなんだよ!ひどいよね・・エヘヘ・・でも・・くふふ・・すごく色っぽくてさぁ・・堪んないんだこれがグフフ」

・・・ギョンジンさ~ん・・(^^;;)

で・・自分が一回のうち、ラブちゃんは二回昇天したとか(_ _ ;)ずっと連結しててカーブにかかるたびにラブが汽笛をあげたとか・・下り坂に入ったらラブの車輪がフル回転したとか・・

なんのはなしよ!あんたら!えっち自慢したいなら他でしてよっ!もうっ!

「ミンギ君顔が真っ赤だよ」
「俺、ちっと今、動けません!」
「なんで?」

うるさいこの『察しの悪いおっさん!』・・俺まですけべな男になっちまったじゃんかよう・・ 鎮まれ!俺!

「ミンギ君、僕ね、本当に・・テジュンさんに対して嫉妬さえも感じなかったんだ、昨日・・ラブを抱いてる最中・・
テジュン、テジュンって呟くラブが可愛くて可愛くて・・離れたくなくて・・」
「罪滅ぼしのつもり?」
「そんなんじゃない。・・帰ってきたときね。こんなにきれいでかわいかったんだって・・ほんとにうれしくてさ・・。何でもしてあげたくなって・・。ラブになんだってしてあげたいんだ僕・・」
「・・・」
「ラブのために、素敵な男になりたい。・・この時計とかの話きいた?」
「時計と車と洋服のプレゼントでしょ?」
「うん。なんで僕にまでなのかわかんなかったんだけどさ・・でも・・ありがたいじゃない・・。弟たちのオマケだとしても、それでも、ほら、この時計はわざわざ僕だけデザイン違えて贈ってくださったんだ・・。服だって・・車だって僕には過ぎたものだってわかってる」
「・・。ラブちゃんはさ、貴方が一流品身につけて浮かれてるとかのぼせてるとか思ってるみたい・・」
「・・。のぼせたのは事実だよ。こんな品、僕の給料じゃ、買えないもん・・。でも・・ だから僕は、この時計や服や車に見合うような男になりたいって思ったんだ・・。それにさ、頂き物だよ。僕にくださったっていうその方の心がさ、嬉しいんだ。大事にしなくちゃって思うんだ・・」
「それ、ラブちゃんに言った?」
「・・・。言ってない・・」
「それ、ちゃんと伝えてあげて。ラブちゃん、誤解してるよギョンジンさんの気持ちを。それにブランド嫌いみたいだし・・」
「・・ラブさぁ。家にパティック・フリップ持ってるって言ったんだ」
「え?なに?ぱて?」
「この時計のメーカーの名前なんだけどざ・・ここの時計・・高いんだ・・それを持ってるって・・親父さんにもらったって・・」
「・・ああ・・。御曹司だもんな・・」
「僕・・ラブの事・・何もしらないよね・・」
「ラブちゃんも貴方の事、何もしらないんだよ」
「・・そうか・・そうだよね・・」
「えっちするよりお話した方がいいんじゃないの?ほんとにテジュンさんに対して嫉妬の気持ちわかないの?今ラブちゃん何しに行ったかわかってる?」
「テジュンさんに会いに行った・・」
「・・・」
「僕のところに戻ってきたのに・・どうしてテジュンさんなの?・・わかんない・・」
「・・嫉妬してんじゃん」
「え。ちがうよ!だって・・ わかんないだけだもん・・」
「・・ちゃんとさ、聞いたら?そんでもって、そのブランド品身につけてるわけも伝えてやったら?二人とも誤解してるし擦れ違ってるよ・・
俺が思うに、にくたいをもとめすぎ!だよ」
「だって!僕が自慢できるものってそれしかないんだもん!」

ばかっ!
そんなだからラブちゃんは‥

でも‥
この人、カッコイイだけじゃなくて、可愛いのかもしれない‥

「ギョンジンさん‥」
「なに?」
「全部見せちゃいなよ」
「え?」
「ラブちゃんに貴方の全てを見せちゃいなよね」
「見せてるよ、全部。・・・クヒン」


ばかっ!

「あのねっ!体じゃなくて!心!」

ほんっとばか!


会談  オリーさん

ミンの車でプルーデンシャルタワーまで送ってもらった。
「終わったら連絡して。ここへ迎えに来るから。」
「わかった。」
車を降りる前に、ハンドルを握っているミンの頬をさすった。
「ねえ、ミン、あんまり心配しなくていいから。」
ミンはこっくりと頷いた。

ロビーのインターフォンで連絡すると、入口のドアが開いた。
コンシェルジェが常駐していないだけで、システム自体はRRHと変わりない。
セキュリティは万全のようだ。
彼女はどうしてこんな高価なマンションに住んでいるのだろう。
ソンジェに買って貰った?
それが疑問だ。

教えられたとおりエレベーターに乗り、彼女の部屋まで行った。
軽く呼吸を整え、ドアチャイムを押した。
彼女が扉を開き笑顔で僕を迎えた。
部屋は思ったより豪華で広かった。
「よくこんな所を見つけたね。」
「思い切って買ったの。」
「自分で?」
「そうよ。室長のお金も使ってしまって。」
「そんな事は気にしなくていい。ただそれだけじゃ足りなかったろう。」
「ええ、でも大丈夫。私、案外お金持なの。」
「ほお・・」
「ねえ、そんな所に立ってないで、こっちへ来てかけてちょうだい。」

僕は白で統一されたメルヘンチックな部屋に招き入れられた。
イナの最初の家に似ている。
壁にはピーターラビットのデコバージュがいくつか。
そしてソファはピンクの布張りに白のレースがかけてある。
置いてあるクッションにもピーターラビットが刺繍してある。
単体では悪くないのだが、なぜかトータルで見ると・・
腰かけた途端、立ち上がりたくなった。
「今、お茶をいれるわ。」
「ヨンス、お茶はいいから、話をしよう。」
「だめ。お茶くらい飲みましょう。すぐ持ってくるわね。」

彼女はウェッジウッドのティーカップ、模様はやっぱりピーターラビット、に薄い紅茶をいれ、
僕はそれを形だけすすった。
儀式が済んだので、僕はゆっくりと話し出した。
「この間、ソンジェが店に来てこれを置いて行った。」
ソンジェが置いて行った離婚届の束をテーブルに置いた。
「大事な事を人任せにした僕が悪かった。一枚だけサインしてきたから。
どうかもう破かないで欲しい。」
僕はそう言って彼女の方に書類を出した。
「こんな紙切れ、何の意味もないわ。」
そう言うと、彼女は書類に手を伸ばした。
僕はその手を軽く押さえた。
「また破く?」

僕は彼女の目をとらえて続けた。
「僕は家を出たとき、すべてが終わったと、そう思ってる。」
「あの若造、ええっと、あの人がいるから?」
「ミンと会わなくても答えは変わらないだろう。彼のせいではない。」
「本当に終わりなの?」
「すまない。悪いのは僕だ。」
「だったらいいわ。」
「え?」
「終わりにしましょう。」
「本当に?」
「ええ。」

「ありがとう。今後の事はできる限り面倒を見るよ。」
「そう、そして、またゼロから新しく始めるの。」
「・・・・」
「そのために、引越しもしたのよ。またやり直しましょう。そうね、最初のデートはどこがいいかしら。」
僕は深い息を吐いた。

「ヨンス、僕たちは・・」
「待って。誰か来たみたい。」
彼女はそう言うと立ち上がって、インターフォンの方へ歩いていった。
僕は遠くの方で頭が痛くなり始めていた。

「どなた?」
「ヨンスさん、僕だよ、ドンドンドン!僕だよ、ドンドンドン!」
「ソンジェさん・・」
「ちょっと聞きたいことがあるんだ。開けてよ。ドンドンドン!」
「・・・・」
「ヨンスさん、ドンドンドン!」
「わかったわ。来てちょうだい。」

「誰かお客さん?」
「ソンジェさんが来たわ。」
「ソンジェも呼んだの?」
「いいえ。」

ピンポーンっ!!

「ヨンスさん、ヨンスさん!聞きたいことがあるんだ。」
「ソンジェさん、モニターに向かってドンドンドンって言わないで。」
「ごめん。レナさんとこの外に鍵がぶらさがってるアパートの時は叩くだけで音が出たでしょ。
でもここだと叩いてもだめだから臨場感を出すために口で言ってみたんだ。」
「やめてっ!」
「わかった。今度からコンコンにするよ。」
「そうしてちょうだい。」

「あれ、兄さんっ!兄さんも僕のこと心配して来てくれたんだね。」
「心配って・・何かあったのか?」
「ねえ、兄さんもひどいと思うでしょ!助けてよ!」
僕の頭痛は本格的になってきた。


わかってねぇな!7  ぴかろん

「‥見せてるつもりなんだけど‥足りないのかな‥」
「あなた肝心なトコ見せてないじゃん、余計なトコばっかり見せてる気がするよ‥」
「だってさぁ‥。ラブ・・話聞いてくれないんだもん・・」
「・・あのさ、もしかして・・その・・ナニの時とかに肝心な話持ってってるんじゃなぁい?」
「え?あ・・それは・・そうかも・・」
「そんな時だけじゃなくてさ、聞いてくれないとか言ってないで、あの子にはガンガン浴びせかけちゃっていいと思うよ」
「でも・・うるさいとか言われそうだもん・・」
「言われてもいいからさ、浴びせかけちゃいなよ、ね?」
「・・違うものなら・・浴びせかけるの得意なんだけど・・クフン」


おおばかやろう!
人が真剣にアドバイスしてんのに!

俺はぶぅっとほっぺたを膨らませてギョンジンさんを睨みつけた
この人こういうとこには鈍いらしい、どしたの?ほっぺの運動?だって・・
吹き出しちゃったよ・・
どうしようもないな、可愛いじゃんラブちゃん・・・

でも

ラブちゃん、苦労するかもぉ~(^^;;)
こんな・・えろくてかっこよくて優しくてラブちゃんにぞっこんで、んでなんだっけ、「強くて死んじゃいそうな」鈍い人って・・
タイヘンかも・・

ちょっとばかし解るな、テジュンさんに会いたいって気持ち(^^;;)

俺の目の前にいるシアワセな人は、急に席を立ち、隅っこの席に移動し、変装した
自分のコーヒーと水もちゃんと移動して、そこにいた痕跡をなくした
こういうとこはさすが元諜報部員だなって思うけど・・
変装できてるのかどうか・・

だって付け髭とサングラスだよ・・
物凄いベタな変装・・

ま、今のラブちゃんには見破れないかもしれないけどねぇ・・

そんな事思ってたらラブちゃんが涙目で帰ってきた

「・・・ギンちゃ・・」

ああ、泣き崩れるラブちゃん・・
隅っこの席の怪しい男がピクっと動く
ラブちゃんからは見えないからいいものの、もし見つかったらまた散々詰られるってわかんないのかなぁ(^^;;)まったく・・

「どした?会えたの?」
「眉・・眉毛と睫毛と・・瞼と手と・・ぐしゅっ・・」
「は?」
「まゆっまゆげとぉっひくっまつげとぉぉぉっひくっひくっまぶたとぉぉぉっうううってにあえたっぐしっ」

・・・また混乱してるぅぅ(^^;;)もう・・いやっ!
ラブちゃんが泣いてるのを察して(そういうのは察するのね、あのヒトは・・)怪しい男がオロオロしてる・・可笑しい・・


つまり、家の前まで行って、部屋を見上げてたら、窓辺にイナの兄貴とキスしてたテジュンさんがいたらしいんだ・・
それを目撃して帰ってきたんだって・・
「ほらね・・イナの兄貴がいるでしょぉ?もう仕方ないじゃん・・」
「わかってたんだけどっわかってっわかっわかってっえっえっ」
「よしよし・・」
「そうっそうだんっそうだんしたかっただけなんだけどっ」
「俺が相談に乗ってたじゃんっ!」
「だっておとっおとっおとなのいけんがっききたくっききたっうっうっ」
「・・・そうだよね・・・。テジュンさんは大人だもんね、包容力があるし」

俺はわざと声を大きくして、怪しい男に聞こえるように言った
うんうん頷くラブの背中を見て、怪しい男も涙ぐんでいる・・に違いない
サングラスで見えないけど喉仏がぐりぐり動いて、唇が震えてるわ・・ヒヒ

「ね、ラブちゃん、ギョンジンさんにぶつかってみなよ」
「ぶつっぶつかってるもんっ」
「うっそだぁ。逃げてるよまだまだ」
「にげっにげてないっひっくひっく」
「体だけでしょ、ぶつけてんのはぁ!」
「ぎんっぎんっギンちゃ・・ひどいっひっく」
「だから、体は逃げてなくてもぉ心は逃げてるでしょ?」
「・・・ひくっ・・」
「ちゃんと聞いてみなよ、ブランドに酔ってるのかどうかとかさ・・。本とはきっとテジュンさんにヤキモチ妬いてるよ」
「・・・ひくっ・・」

ラブちゃんは泣きながら小さく頷いた
怪しい男は席を立ち上がってこっちに来ようとした
俺は必死で来るなと合図したのに・・やばい!

「もしさあっここにさぁっギョンジンさんがいたら、ラブちゃんどうおもううう?」

俺は声を張り上げて言った

「・・どうしたの?ギンちゃん・・」
「いやさ、もしだよ、ギョンジンさんがラブちゃんのこと心配して、ここに来てたらどう思う?」
「・・・やだ!」


怪しい男の動きが止まった
顔が引きつっているケケケ

「どうしてヤなの?」
「んなのしつこいじゃん!俺の自由な時間なのに!そんなに付き纏うようなヤツだったら俺・・俺・・」
「・・キライになる?」
「・・・」
「きらい?そういうしつこい男って・・」
「・・わかんない・・」


ええええっ?!もしかしてラブちゃん、付き纏われたいのぉぉ?

怪しい男の歩が進む

「わかんないっつーことはキライかもしれないっつーことだよねえっ!」

大きい声で言うとまた怪しい男の歩が止まるケヒヒ

「・・かまってほしいかもしれない、俺・・。絡んでほしくないけど・・」


かまってほしい・・
そういうフレーズは、えてして大人の男に求めるもの・・だよなぁ


「ラブちゃん、かまってほしいって・・誰に?」
「テジュン」


怪しい男はその場に崩れ落ちた


「テジュンに一番かまってほしい・・」
「優しいから?優しさだったらギョンジンさんも負けてないじゃん」

怪しい男の顔が上を向いた

「ギョンジンのかまいかたは・・うっとおしすぎる・・」

あ、また下向いた・・

「うっとおしいって?」
「俺のして欲しいことしてくんないもん・・あの人・・」
「・・ああ・・」

怪しい男は膝に顔を突っ伏した

「どうすれば、ラブちゃんのご希望にそえるんだろうね」

怪しい男、耳だけ上向けた・・

「もっと・・俺の事・・知って欲しいとは思うけど・・」
「けど?」
「すぐに求めてくるからさぁ・・話もできない」

怪しい男撃沈

「でもさ、それはラブちゃんが、すぐに応えるからじゃないの?」

怪しい男復活・・

「だって!・・」

ラブちゃんは小声で過激な言葉を吐き、自分の言葉に真っ赤になった

そんな声は聞き逃さないみたいだあの人は・・

怪しい男、復活してついにラブちゃんを背中から抱きしめた・・ばか・・

案の定、ラブちゃんに怒鳴られ、頭を叩かれ、ツンってされて・・ギョンジンさんは涙目で隅の席に追いやられ、「ハウス」と命じられていた

「もうっ!ギンちゃん知ってたんだろ!もうっ!」

プリプリ怒っているラブちゃんは・・やっぱりキュートでセクシーなんだよな・・











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